【完結】機動戦士ガンダムRevolt   作:不知火新夜

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今話よりヴァスターガンダムが本格参戦…なんですが、その…
ギャグ連発ですいません。


31話_最奥に潜む…

「開いた先には通路を経て巨大な空間、その奥にはMSにも引けを取らない巨大なゴーレム…

如何にも最終試練だと言いたげなシチュエーションだね」

 

50体もの騎士甲冑との戦闘を開始してからほんの数分、ハジメは香織とユエが祭壇のからくりらしき物を攻略した事で開いた奥の扉、その先にある光景をXラウンダーによる近未来予知で目の当たりにし、決意を新たにしていた。

その背後には当の騎士甲冑が複雑に絡み合った巨大な塊が幾つか転がっており、どうにかこの状況を打開しようと藻掻くものの互いが互いを拘束しているという構図から全く動けなかった。

開始当初は前衛を担う雫とシアが甲冑騎士達をバッタバッタと薙ぎ払っていたのだが、程なく倒した騎士甲冑が何事も無く復活する未来をハジメが見た事から作戦変更、優花がパリャーシを用いての火炎放射で溶かしたり、ハジメが錬成を用いてグネグネに変形させたりして、多数の甲冑騎士同士を知恵の輪の如く複雑に絡ませ合った巨大な塊にする事で互いの復活を阻害する様にして無力化したのだ。

 

「さて、ここから先は相当な広さの空間、となればヴァスターガンダムを投入出来る。とは言え広さ的に1体が限度かな、それ以上投入したら確実に接触事故が起こる。さて誰が行くか…」

 

それは兎も角、通路の先にある空間の広さを目測したハジメは、其処ならヴァスターガンダムを出せる事が分かり、投入を決めるも、誰の専用機を出すか香織達にも提案する事にした。

此処で自らの専用機として割り当てられたヴァスターガンダムを投入、搭乗して戦うという事は、それ即ち最終決戦における壁やアタッカー等、前衛として考えうるあらゆる役目を担うという事である。

幾らMSという鎧があるとはいえ敵の戦力が未だ完全に把握出来ない中でそれを担うのは勇気がいる事、それ以上に人間の10倍以上(一行の中で最も背の高いハジメや雫の12倍近く)もの図体を誇るヴァスターガンダムを己が身体の如く操って1体の撃ちもらし無く敵を討ち果たす技量が求められる。

 

「そしたらハジメ君、私が行くよ」

「何を言っているの、香織。此処は前衛職の私が行くわよ」

「…雫、ガンダムに乗って戦うのに前衛も後衛も無い、此処は私が」

「何言ってんのユエ、アタシが行くわ」

「いえいえ優花さん、此処は私が行きますよぉ」

 

然しながらその事実を前に尻込みする存在は此処にいなかった。

ハジメの提案に香織達が皆揃って名乗りを上げ、誰もその役目を譲る事無く言い合いが始まりそうになったが、

 

「あのさ、僕が行くという選択肢は」

「「「「「どうぞどうぞどうぞどうぞ」」」」」

「なんでやねん、ダチョウ倶楽部やないかい!というか、何でユエとシアは知っとるん?」

 

ハジメが自ら名乗りを上げようと口にした瞬間、ダチョウ倶楽部の定番ギャグの如く一斉に掌を返し、役目を譲る香織達の姿があった。

事前に打ち合わせでもしていたんじゃないかと言わんばかりの、元ネタの如く息の合った掌返しにハジメが何時もの通り関西弁でツッコミを入れるが、それを拒否の意志と受け止められたのか、

 

「え、ハジメ君行かないの?じゃあ私が行くよ」

「だから香織、此処は私が行くわよ」

「…雫、だから此処は私」

「いいやユエ、此処はアタシよ」

「ですから優花さん、此処は私が行くですぅ」

 

香織達が再び名乗りを上げ、

 

「いや誰も僕が行かないとは一言も」

「「「「「どうぞどうぞどうぞどうぞ」」」」」

「だから、ダチョウ倶楽部やないかい!」

 

ハジメが拒否の意志などない事を口にした途端、やはり元ネタの如く掌を返していた。

こうしてハジメの専用機が決戦に投入される事となり、彼は宝物庫から自らの専用機であるヴァスターガンダム8号機『アヴグスト*1』を取り出し、

 

「初陣がこんな場所で済まないけど、力を借りるよ。アヴグスト」

 

そう申し訳なさそうに言いながら胸部コクピットを開いた。

其処は計器の類やレバー等の操作端末等が見当たらず、ある物と言えばシートとディスプレイだけという、コクピットと言うにはシンプルを通り越してハリボテかと突っ込まれそうな物だった。

然しながらそのシンプルなコクピットの裏にはヴァスターガンダムを動かす為の様々な機構が盛り込まれている。

まずシートの背もたれ部分、というよりコクピット背後の壁だが、其処にはISのカスタム・ウィングを始めとした装備をマウントする為の窪みがあり、其処にカスタム・ウィング等を設置・固定する事でパイロットをシートベルトの如く固定させると共にISとヴァスターガンダムが『接続』、つまりISを仲介させる形でパイロットとヴァスターガンダムが『接続』され、パイロットの魔力を用いてマナビームが全身に形成、それと共にイメージ元たるユニコーンガンダムとそっくりな変形を行って起動形態へと移行(その時、変形によって露出した内部装甲がサイコフレームみたく、パイロットが有する魔力の性質を体現した色の光を放つ)、パイロットが自らの身体を動かすのと殆ど同じ要領で動かす事が出来るのだ。

…尤もハジメ達は皆して魔力を直接操作出来る技能を有している、その気になればISの仲介が無くともヴァスターガンダムを動かす事は可能ではあるが、このライセン大迷宮で『接続』せずに用いようとすると即座に燃料切れになる事は火を見るよりも明らかだし、同型機を渡す予定である愛子や幸利、リリアーナも同じ事が出来るかと聞かれたら否である、彼女達にも渡す事を考えれば自分達にしか扱えない代物など論外なのだ。

それはさておき、次にシートの肘掛け部分、その先端には小型のディスプレイと思われる機構が組み込まれている、出力調整等の詳細設定や、マルチプルカノン等武装の操作を行う為のコンソールだ。

続いて現在は横倒しになっている大きめのディスプレイ、起動中はこの画面から魔力残量や損傷等の各部状態、後述するメインカメラの視界外からの危険物察知等の情報を表示する事となっており、先程言った計器類の役目を担っている。

そして今はただ単に金属特有の無機質な様を晒しているだけの障壁だが、起動と共にヴァスターガンダム頭部に組み込まれたメインカメラで得られた視覚情報を映し出す事で、集音マイクによる聴覚情報も相まってまるで自らが外にいるかの様に操縦を行えるのだ。

そんな物は無ければ塗装らしい塗装もしていない殺風景なヴァスターガンダムのコクピットに乗り込んだハジメ、シートに座り、横倒しにしていたディスプレイを正規の位置に移動させながらカスタム・ウィング及び各種装甲を背部の窪みにマウントさせる。

するとISを介してハジメとアヴグストが『接続』されると共に彼の魔力が全身に張り巡らされ、各部が変形していくと共に内部装甲が発光、彼が有する魔力の性質を体現したらしい緑の光を放ち、まるでバナージ・リンクスがニュータイプとして覚醒してからのユニコーンガンダム・デストロイモードの様な姿と化した。

同時にコクピットの殺風景な風景が、さっきまで見ていたライセン大峡谷のそれに変化したのを受け、

 

「南雲ハジメ、アヴグスト。発進!」

 

ハジメは宣言すると共にアヴグストを進ませ、香織達もそれに続いた。

…尚、先程も話題に上がったヴァスターガンダムの必殺武装であるマルチプルカノンは、今回は装備していない、流石にこの閉ざされた空間内で強大な砲撃をブッパする訳にはいかないという判断からだ。

閑話休題、通路を進む事一分近く、ハジメが近未来予知で見ていた通りの巨大な空間へと出て来た。

光源が無いのか先程までとは打って変わって闇に包まれていたが、アヴグストの全身から放出される光によって、広大な中に巨大な正方形ブロックが幾つか浮かぶだけというその全貌が露わになった。

 

「何だろう、如何にも神代魔法使っていますと言いたげな存在だね、あのブロック…」

 

そのブロックに対して抱いた思いを素直に口にしたハジメ、それがフラグだったのか、

 

「ハジメさん!」

 

何か危険を察知したシアが叫ぶ。

それと同時にブロックの1つが一行へと隕石の如く襲い掛かったが、

 

「ほいっと」

 

ハジメがアヴグストの腕を一閃、錬成を付加したその腕がブロックを変形させ絡め取った事で何事も無く済んだ。

その直後、空間の奥にぽっかりと空いた穴から猛烈な勢いで何かが上昇する音が聞こえると共に巨大な何かが飛び出して来た。

見るとそれはハジメが近未来予知で見た巨大なゴーレムと同じ姿をしていた、どうやらあれこそが最終試練の相手となるゴーレムなのだろう。

大きさは20メートル程、ハジメが搭乗しているアヴグストと互角の大きさを誇る、もしハジメがMSを開発しようと思い立たなければ、そしてヴァスターガンダムを開発出来ていなければ、一行はその大きさに驚き、何処ぞの漫画みたいな危ない発言を口にしていたのかもしれない。

左腕には鎖がジャラジャラと巻き付き、初代ガンダムにてガンダムハンマーとして使われていたそれとよく似たモーニングスターを装備し、右手にも何かしらの装備があるのか何処かごつごつとした形状をしていた。

 

「やほ~、初めまして~、みんな大好き」

「雪城ほのかさんですか?」

「光の使者、キュアホワイトってちがーう!誰が初代プリキュアだよ!?」

 

何時最終試練が始まってもおかしくない緊迫したその状況、それをぶち壊したのは、巨大ゴーレムの軽過ぎる挨拶と、その声を聞いたシアによるメタいボケ、それに反応したゴーレムのノリツッコミだった。

 

「チョロシア・チョロコット?」

「ちょっと宜しくて?ってだからちがーう!誰がビット使いのイギリス代表候補生だよ!?」

「フォウ・ムラサメ?」

「思い出なんか、記憶なんか、消えてしまえ!っていやだからちがーう!誰がムラサメ研究所の4番目だよ!?」

「朱理ちゃん?」

「過激に行きましょう、ってあのさ違うっての!誰がスリングショット着用したエレメントドールだよ!?」

「リィン?」

「はいです!って違うって言っているでしょ!だれが夜天の書を管理するユニゾンデバイスだよ!?」

 

が、そんなシアに便乗してかハジメ達もメタいボケを連発、それに巨大ゴーレムが一々反応してノリツッコミをするも、挨拶をずっと遮られ続けている事で苛立ちを募らせ、

 

「…ナーム?」

「いい加減にしろー!私はミレディ・ライセンだー!」

 

ユエのボケにとうとう堪忍袋の緒が切れ、自らが解放者の一角であるミレディ・ライセンその人だと名乗りを上げた。

*1
ロシア語で8月




因みにハジメ達のボケの元ネタですが、

雪城ほのか…キュアホワイト(ふたりはプリキュア)
チョロシア・チョロコット…セシリア・オルコット(インフィニット・ストラトス)
フォウ・ムラサメ(機動戦士Zガンダム劇場版)
朱理(怒首領蜂最大往生)
リィン…リィンフォース・ツヴァイ(魔法少女リリカルなのはシリーズ)
ナーム(ドラガリアロスト)

全てミレディの担当声優であるゆかなさんが担当したキャラ、つまり中の人ネタですw
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