【完結】機動戦士ガンダムRevolt   作:不知火新夜

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※グロ注意です。


63話_処刑執行

翌朝、宿の外から聞こえる人々の喧騒、その余りの大きさを怪訝に思ったメルド達は、丁度朝食を取り終えたのもあって外に出る事にした。

その喧騒の中心はどうやら王宮があった場所の前に広がる広場、丁度リリアーナが民衆に決起を呼び掛けた場所だった、其処へ向かってみると昨日までは無かった大道具みたいな物体が布に掛けられた状態で聳え立っており、その周囲を取り囲む様に民衆たちが集まり、何事かを話し合っていた。

そんな大道具の両脇には騎士が1人ずつ控えており、民衆等が近づかない様に目を光らせていた為に、まるでフェンスで区切られているかの様に、大道具を中心としたある地帯のみ人の姿は途切れていた。

その人がいない空白地帯をまるで通路の様に向かう一団、その足音が聞こえた途端、今までの喧騒が急に途切れた、大道具へと向かう一団がどれ程の存在か弁えている様だ。

 

「親愛なる民達よ!此度はこの国を揺るがしかねん大罪を犯した者達を処断する場に駆け付けて貰い、誠に感謝する!忙しい中ご苦労である!」

 

事実その一団は、

 

「幸利様!」

「宰相閣下万歳!」

 

つい最近ハイリヒ王国の宰相に就いた幸利、及びその護衛役として同行している数名の騎士で構成されていたのだから。

 

「さ、宰相…?」

「この国で、国王の次に偉いって事か?清水が…?」

「な、何なのあの恰好…?」

「プラグスーツの上に、マント?何てミスマッチな…」

 

幸利の言い分からして今日この広場で犯罪者に対する刑罰が下されるのであり、聳え立つ大道具はその為の物なのだろう、そんな場に国家のNo.2である宰相が態々出向き、聴衆として集まった民達に労いの言葉を掛けるという親密さ全開な言動に、如何にも心酔していますと言いたげに歓声を上げる民達とは対照的に、幸利が宰相に就任した事など知る由も無かったメルド達は戸惑いを隠せなかった。

 

「この者達が、此度処断する罪人達である!布を上げよ」

「はっ!」

 

そんなメルド達の困惑を他所に、幸利は騎士の1人に大道具の布を上げて罪人達を見せる様に指示を飛ばす、既に罪人達は大道具にセットされており処断の時を今か今かと待っているのだろう。

その指示を受けて騎士が大道具を隠す道具を少しだけ上げ、罪人達の顔を晒す。

其処には、

 

「あ、天之河!?」

「それに、坂上!?」

「それだけじゃないわ!檜山君達の姿まで!」

 

昨日国家反逆の疑いで中村と共に捕まった天之河、2人の逮捕を妨害して同じく捕まった坂上だけでなく、ホルアドで行方不明になっていた檜山達の計6人が、猿轡をかまされた上で逆さ吊りにされていた、恐らくは処刑に用いる大道具に逆さの状態で固定されているのだろう。

 

「まずは天之河光輝。諸君らの中にも魔人族の脅威から救い出す勇者だとしてその名を知る者も多いだろう。だがそれは邪神エヒトルジュエ、及びその息が掛った邪教によるでっち上げであり、その実態はエヒトルジュエ、並びにその息が掛った邪教祖イシュタルと共謀し、勇者という肩書に物言わせてこのハイリヒ王国、ひいては人間族が支配する域の政を支配せんと企てた国家反逆者である!」

 

長い間行方を眩ませていた檜山達が何時の間にか捕まり、天之河達と同じく処罰を受ける事となっていたり、天之河と坂上は捕まった翌日にもう処罰を受ける事となったりと、急展開の連続についていけないメルド達、そんな彼らなど知ったこっちゃないと言わんばかりに天之河達の罪状を読み上げる幸利。

 

「次に坂上龍太郎。勇者に常に付き従う者としてその名を知る者も少なくないであろう。この者はその立場を利用して天之河光輝達による国家反逆の企てに乗り、我が国の騎士が昨日天之河を捕縛せんと職務を執行しようとしたのを、力づくで妨げんとした!言うまでも無くこの者も国家反逆犯である!

そして檜山大介、中野信治、斎藤良樹、近藤礼一。この者達についてもまた勇者の同朋として、その名を知る者はいるだろう。この者達はその立場を利用し、国家の財産を横領して私腹を肥やす等我が物顔で振舞った挙げ句、

 

 

 

王に即位する前、彼奴等と同じく勇者の同朋という立場だったとはいえ、ハジメ・N(ナグモ)・ハイリヒ国王陛下にあろう事か幾度も刃を向けた末に、オルクス大迷宮の奈落の底へと叩き落した!紛れも無く国家反逆にあたる罪を犯した!」

「な、南雲が、国王だと!?」

「そんな、そんな馬鹿な!?」

 

その最中で幸利が言い放った衝撃的な事実、それはメルド達の驚きを誘発するには十分だった。

そう、ハジメは大聖堂を制圧した後にリリアーナ(及び香織達)と結婚してハイリヒ王国の王族となったのだが、歴代国王の唯一の血族であるリリアーナは年端もいかない少女、そんな彼女が国王では周囲の国から舐められかねないと危惧した本人が、夫であるハジメに国王への即位を求め、それを覚悟の上でプロポーズしていたのもあって彼も快諾した為、新たなる国王となったのである。

勇者一行である筈の自分達がぞんざいに扱われた挙句に勇者本人である天之河が国家反逆の疑いを掛けられて拘束されたり、4日前にホルアドの街で再会した幸利が何時の間にか宰相に就いていたりといった信じがたい出来事に連続して直面するメルド達、だがハジメが何時の間にか新国王に即位していた事、それ即ちこの4日間にエリヒド国王及びその後継者と目された王子ランデル等といった重鎮達の身に重大な事態が起こったという事、それらはメルド達を、驚きを通り越してパニックに陥らせる程だった。

それ自体は正しい推察なのだが、まさかその重大な事態というのがリリアーナ1人によるクーデターだとは、メルド達はまだ知る由も無い…

 

「この場に集いし民達に問おう!この罪深き国家反逆犯達を許せるか!?」

 

それは兎も角、天之河達の罪状を読み上げた幸利が、それを踏まえて民衆達に罰の是非を問うた。

 

「許せる訳ねぇだろ!」

「そうだそうだ!厳罰を下せ!」

「裁きを!裁きを!裁きを!」

「重罪には相応の罰を!」

 

言うまでも無くと付けるべきか、それに対する答えは満場一致での厳罰要求だった。

尚、本人曰く「やろうと思えば此処に集まった民衆達を『月光蝶』を用いて操る事など造作も無かった」そうだが、自分達への熱狂的な支持がある以上は使うまでも無いだろうと考えていたし、実際そうだったので使う事は無かった。

 

「諸君の考えは良く分かった。わが国の民達は聖教と名乗っていた邪教に染まる事無く、冷静に物事を見渡せる素晴らしき者達であると今、確信を持って言える。諸君がいる限り、我が国の将来は安泰だ!」

 

そんな民衆達の姿に安心したと言わんばかりに称えながら大道具へと歩みを進め、掛けられている布を手に取った幸利、

 

「無論、我らの心も諸君と同じ。この罪人達を処罰すべく、準備を整えてある。これを見よ!」

 

宣言と共に大道具の布を剥ぎ取る。

 

「今、罪人達を逆さづりに固定しているこの大道具はギロチンと言い、我らが元居た世界において斬刑を執行する際に用いられた物だ。頂きに巨大な刃があるだろう、あれを固定する紐を切る事であの刃が戒めから解き放たれ、自らの重みによってその凶刃を罪人の身に振り下ろすという流れだ」

 

露わになったのは、18世紀末のフランスにて開発されて以来ヨーロッパの国々で運用され、機動戦士Vガンダムにてザンスカール帝国がその強権振りをアピールする為の道具としても用いられた処刑器具、ギロチンだった。

此処トータスの人達にとって初めて見るその異様な外見、幸利が説明したその運用方法を聞いて目を奪われる民衆の一方、その存在を既に知っていた永山達は怪訝な表情を隠さなかった。

ギロチンが罪人を斬る仕組みは今しがた幸利が簡単に説明したが、実際に運用する際は刃の通り道に斬る物をセットしなければならない、一般的には装置の下部に穴の開いた板が据え付けられ、その穴に頭を通す事で首をセットする。

然しながら逆さ吊りにされている天之河達の頭は固定されるどころかギロチンの中にすらない、そもそも目前のギロチンに頭をセットする為の機構が見当たらない。

一体どうやってあのギロチンで斬首するのか、そんな永山達の疑問に答える様に、幸利は動いた。

 

「此度はこのギロチンを用い」

 

尚も言葉を重ねる幸利、その際、脇に控えていた騎士達に目配せをし、上部に何故か付けられていた板を外させる。

 

「罪人達の子種を断ち切った上で、この者達に王国直属の奴隷として王宮での無期の懲役を科す!それが此度の大罪に対する罰である!」

 

其処から露わになったのは、今しがた言った首をセットする為に頭を通す機構、その穴から通された天之河達6人の、男なら誰しも足の間に付いている『もの』…

言うまでも無いだろう、今回、天之河達の犯した罪に対する罰は宮刑、去勢された上で王国お抱えの奴隷として宮廷において労役を行わなければならない罰が下されるという、嘗ての中国において死刑の次に重い刑が科せられた訳であり、その去勢の手段としてギロチンが使われる事となったのだ。

 

「では諸君、刮目せよ!この罪深い者達の根が断ち切られる瞬間を!」

 

国家反逆罪という身に覚えのない(と当人達は思い込んでいる)罪を着せられた挙げ句に自分の『もの』を斬られて奴隷に落とされるという事態にメルド達は勿論、恐らく初めて知ったのか逆さ吊りにされた天之河達もまたこれ以上に無い位に動揺して暴れる、だが常人の百倍という莫大な身体能力を誇る天之河を以てしてもその拘束を破る事は叶わない、助けを呼んだり潔白を主張したりしようにも猿轡の所為でそれも無理だ。

そんな彼らを尻目に、未だギロチンの頂に留まったままな刃の戒めを解き放つべく、騎士から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()剣を受け取った幸利は、

 

「では行くぞ!1(アジン)2(ドゥヴァ)3(トゥリー)!」

 

絶望感を煽る様にロシア語で3カウントを行い、刃を持ち上げていた縄を斬った。

己をギロチンの頂に留めていた戒めから解き放たれた刃は、自らの重みに従って下へ下へとスピードを上げながら落ちて行き、

 

 

 

スパン!という妙に小気味好い音と共に6人の『もの』を股間から断ち切った。

 

「「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」」

 

股間の『もの』を根こそぎ斬られた事による激痛の余り、猿轡越しにも聞こえる叫び声を上げる天之河達6人、一方で今しがた『もの』を断ち切られたばかりの股間や、切り離されたばかりの『もの』の断面からは血の一滴も出る事は無く、既にその傷口は塞がっていた。

これはギロチンの刃の表面に塗布された神水によって治癒された為、死刑でもないのに結果的に死んでしまっては意味が無いという配慮(?)からだ。

尤も神水は傷を癒す効果はあっても失った身体の部位を復元する効果は無い、よって断ち切られてしまった『もの』が復元する事は無く、天之河達はこの時より男が持つ筈の物が無い存在として一生を過ごす事となる…

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