【完結】機動戦士ガンダムRevolt   作:不知火新夜

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5話_派生技能と襲撃と制裁

ハジメが王宮の庭園で弾き語りをしていた所それを偶然聞いていたハイリヒ王国の王女リリアーナ・S・B・ハイリヒと出会い、彼女に求められるまま何曲か続けて演奏したあの時から更に数日、訓練が始まってから丁度2週間が経過した。

さて、現在のハジメのステータスを見てみよう。

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:10 天職:錬成師

筋力:100

体力:500

耐性:50

敏捷:500

魔力:50

魔耐:50

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+鉱物系探査][+鉱物融合][+精密錬成][+複製錬成][+圧縮錬成][+高速錬成][+イメージ補強力上昇][+消費魔力減少][+手合詠唱]・精錬[+特定抽出]・狙撃・乱撃・縮地・先読・隠業・短剣術・格闘術・新型(ニュータイプ)・言語理解

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基礎訓練を積んだ事でステータスとレベルが順調に上がったのは勿論だが、錬成の訓練を重点的に取り組んだ影響か、初日にはステータスプレートに刻まれなかった『派生技能』の数々が、錬成の後ろを中心に刻まれて行った。

此処で派生技能について説明しよう。

天職持ちが有する技能は先天的な物、つまり技能=その天職における自身の才能であり、新たに追加されるという事は基本的に無い、ただあくまで基本的にである、例外となるのが派生技能であり、1つの技能を磨き続けた末に、所謂『壁を越え』た者が習得する後天的な技能、要は今まで出来なかった事がある日突然、コツを掴んで新たなる才に目覚めるという事だ。

ハジメもこの2週間、錬成師としての技量を高める為の訓練に重きを置いて取り組んでいたが、何しろオタク気質が高じて自衛官になるべく日々身体を鍛えたり様々な格闘技を習得したり海外で銃器の扱いを覚えたり、そうかと思えばただアニメの主題歌を歌うだけでは飽き足らずギターで弾き語りを始めたりもする彼である、まるで錬成師になる為に生まれたのだと言わんばかりに相性は抜群で即座にコツを掴み、既に11もの派生技能を習得するに至ったのだ(その殆どが錬成に関連した物であるが)。

これがどれ程天才的か、ハジメと同様チートの権化と言われた天之河のステータスと比較してみよう。

 

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天之河光輝 17歳 男 レベル:10 天職:勇者

筋力:200

体力:200

耐性:200

敏捷:200

魔力:200

魔耐:200

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

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ステータスの成長率及びレベルはハジメと遜色ないが、派生技能など1つも覚えていない。

尤も人間族最高戦力とされるメルドですら派生技能は4つ程しか習得していないらしく、戦闘系天職ながら実戦のじの字も行っていない天之河に戦闘系技能のコツをたった2週間で掴めなど無理難題である。

それを踏まえると(非戦闘系、それも生産職に分類される天職であるにしても)、11もの派生技能をたった2週間で習得したハジメが如何に規格外の才を有しているかが分かる筈だ。

さて、そんなハジメは今、最早日課と化している王立図書館での情報収集を続けていたが、一方で戦闘訓練を疎かにしている訳では無い、図書館を後にして訓練施設へと向かう。

其処へ、

 

「あべしっ!?」

「ひ、檜山!?」

 

どうやら襲って来たのは檜山らしい、背後から明らかにハジメを狙って飛び蹴りを放って来たのだが、それをハジメはまるで背中に目があるかの様に最小限の動きで回避しながらさりげなく檜山の蹴り足を跳ね上げ、宙に浮いていた檜山の身を頭から地面に直撃させた。

態勢を崩されて受け身もままならなかった為に自重による殴打を頭で受ける形となった檜山は辛うじて意識を保っていたが、暫く起き上がれない状態になっていた。

 

「全く、懲りないねお前達も。少し頭冷やそうか」

「や、やりやがったな南雲!此処に焼撃を望む『火球』!」

「此処に風撃を望む『風球』!」

 

背後からの奇襲にも難なく対応しながらその襲撃者達がいた方向に目を向けると其処にはハジメの予想通り、檜山の取り巻き達がおり、その中の中野が適性のある炎属性の魔法、斎藤が適性のある風属性の魔法を詠唱、その弾丸を放とうとしたが、

 

「ふっ!」

「あちゃぁ!?」

「ひでぶっ!?」

 

その直前、500という飛びぬけて高い敏捷と、たった一回の踏み込みで全速力を発揮出来る技能『縮地』を用いたハジメが一瞬で2人に肉薄しながら突き飛ばす事で向きを変えさせた。

これによって互いに対面する形となった中野と斎藤は中断したり逸らしたりする間もなく各々の魔法を放ってしまい相手の魔法を受ける羽目になり、特に斎藤は中野の火球を食らって大やけどを負い尚も燃え移った服による炎熱に苦しむ事となった。

 

「ば、化け物ぉ!」

「ほいっと」

「たわばっ!?」

 

そして残った近藤が槍の切っ先を向けてハジメに突進したが、ハジメはその槍を踏み台にして飛び膝蹴りを放った。

得物を踏み台にされた事でバランスを崩した近藤はそれを避ける間もなく頭に直撃、首が傾いちゃいけない感じに傾きながら他の3人とは違い気絶した。

 

「南雲!?お前、何をやっているんだ!?」

 

其処へ今しがた訓練施設へと来たのであろう天之河達が止めようとするが、

 

「トシ、撮れてる?僕の行動が正当防衛である事の証拠が」

「ああ、ばっちりだ。流石はハジメだ、錬成を活かしてインスタントカメラ*1まで作っちまうとはなぁ」

「なっ!?」

 

それに取り合う事無く何かを構えていた幸利に尋ねるハジメ、応じた幸利の手にはハジメが作ったというインスタントカメラと、今しがたそれで撮影したばかりの写真3枚が握られており、其処にはハジメに跳び蹴りを食らわせようとする檜山、ハジメに魔法の弾丸を打ち込もうとする中野と斎藤、そしてハジメに槍の切っ先を向けて突進する近藤の姿が鮮明に写されていた一方、其処にハジメが攻撃しようとする様子は写っていなかった。

 

「本当に凄いわね。そしたらハジメ、この写真をリリィに届ければ良いのかしら?」

「お願いね雫、リリィなら天之河に好意的だからと忖度する事無く裁を下してくれる筈。出来れば僕が行きたいけど当事者だから暫く此処を動けそうに無いし」

「分かったわ、それじゃあ行ってくるね」

「待つんだ雫、話は」

 

それを見た雫が幸利から写真を受け取りながらハジメと今後の対応を話し合う。

尚リリィというのはリリアーナの愛称であり、雫達女子生徒は転移当初から彼女が親身に接していた事で、ハジメはあの日の出会い以来毎日のように彼女が弾き語りを聞こうと足しげく通っていた事で、愛称で呼ぶ程親しい間柄となったのだ。

因みにそんなハジメとリリアーナの関係を聞いた香織達は「まあリリィならこっちに来ても良いかな」と単に親しいだけじゃない関係に発展しそうだと見抜きつつ、それを容認する様な事を呟いていたとか。

ともあれそんなリリアーナに檜山達の襲撃を、ハジメの反撃が正当防衛だという事実を裏付ける写真を渡せば天之河との間柄という要素を排した対応をしてくれるだろうと判断した雫は、天之河が引き留めるのも聞かずに写真を手にリリアーナのいる部屋へと向かった。

その後、雫を通じて事の子細を知ったリリアーナの告発によって、彼女の父であるエリヒドが処罰を下そうとしたが、天之河から(ハジメにとって都合の悪い様に)話を聞いたイシュタルの介入によってお咎め無しと(表向きには)なった。

とはいえ明らかに檜山達から攻撃して来た確たる証拠が残っている以上ハジメを処罰する事は勿論、檜山達を無罪放免とする事も出来ない、よって檜山達は今後、騎士団による監視の下で生活する事となった。

 

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そんな事件もあったが今日の訓練は滞りなく終わり、訓練施設を後にしようとしたハジメ達だったが、どうやら連絡事項があるらしくメルドが引き留めた。

何事かと足を止め、注目する生徒達にメルドは野太い声で告げた。

 

「明日から実戦訓練の一環として『オルクス大迷宮』へと遠征に行く!必要な物は此方で用意してあるが、今までの王都での訓練とは一線を画すと思ってくれ!まあ要するに気合入れろって事だ!今日はゆっくり休めよ!では解散!」

*1
撮影直後に現像を行うフィルム式カメラ。ポラロイドカメラとも

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