【完結】機動戦士ガンダムRevolt   作:不知火新夜

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投稿が遅くなってすいませんでした。
当初はハジメ達の氷雪洞窟攻略を書こうと進めていましたが、原作よりもヌルゲー+重要なオリジナル展開も無いので省略、待機しているストリボーグ視点で進める事にしました。
今年中にもう1話投稿、出来たら良いな…


96話_魔王の進撃

多少のハプニングこそあれど順調に迷宮への道を突き進むハジメ達、その一方で雪原にスタンバイする事となったストリボーグ、その艦内では、

 

「七大迷宮の攻略も大詰めか。で、ハジメ達がそれを成し遂げたらいよいよエヒトルジュエ討伐と、南トータスの平定だな。ハジメ達と合流してから一ヶ月も経っていないのに、長く感じる旅路だったな」

「そうね。ハジメ君達がオルクス大迷宮の奈落へと転落してから合流する迄、愛ちゃん先生の護衛として同行していた時間の方が明らかに長いのに、今の方が充実している感じがするわ」

「思えば皮肉な話だよな。このトータスに転移されたばかりの頃、いの一番に魔人族との戦いにおける協力を申し出た天之河と真っ先に同調した坂上、その腰巾着の檜山達は国家反逆犯として(ピー!)を切り落とされて奴隷の身に落とされ、天之河に想いを寄せていたらしい中村も(ピー!)奴隷に、ハジメ達が奈落の底へ落ちた後もアイツらに同行していた永山達は前線から遠ざけられた」

「一方で魔人族との戦いへの介入に何処か消極的だったハジメは今やハイリヒ王国の国王、香織達はハジメの妃、幸利は宰相に就き、ハジメ達が奈落の底へ転落したのを機に戦線を離脱した俺達も重臣となり、結果的に魔人族との、もっと言えばエヒトルジュエとの戦いに関わる事となった。此処へと連れられた当初とは全く違う立場になった物だな」

『だよね、私もちょっと前までこうしてイエヌヴァリのコクピットに乗っているなんて想像すらしていなかったし。人の生って言うのは全く分からない物だね』

 

西側に位置する魔国ガーランドの動きを監視している淳史達クルーが、ハジメ達と合流してからの日々を振り返りながら談笑していた。

 

「まぁ、その全く分からない人生は、これからも続いて行く事になる、いやもっと分かんねぇ物になる。ハジメ達が向こう十数年はこのトータスに残って国政を担うと決めた以上、俺達も大臣として支えて行かねぇとだが、政治は正解が何なのか、進むべき道が何処なのか誰も正確には教えてくれないからな」

「だな。ハジメだってこんな事にならなきゃ政治家なんてなろうとも思わなかった様だし」

「エヒトルジュエを討伐した後もトータスに残るという選択肢も無かったわけだからな。でもやると決めてからの行動力は凄いよな。体制が変わった後の混乱をいち早く治める事こそ肝要だと、迷宮攻略を半ば中断してまで内に外に飛び回っていたし」

『そうでなくても今までエヒトルジュエに、聖教におんぶに抱っこな世界だし、改革の余地は十分過ぎる位にある、ハジメっち達もやり甲斐が凄くあるって感じだもんね』

「でもその行動力が暴走という悪い方に向かってしまう可能性もある、香織達が周りにいるにはいるけど、私達も大臣としてその舵取りの一翼を担って行かないとね」

 

やがて話題はエヒトルジュエを討伐した後の事に移るという、まるでエヒトルジュエに対して勝ち確定だと言わんばかりの雰囲気になっていた。

尤もそれは後述する理由から来る過信にも見える自信ばかりが理由では無いのだが…

 

「っ!西方向より多数の魔力反応を確認!魔人族が此方を察知した模様!こっちに向かって来るわ!」

「分かった、妙子!総員戦闘配備!」

『了解!』

 

と、そんな和やかな雰囲気を切り替えざるを得ない状況になった事を、談笑しながらも各種計器の確認を怠らなかった妙子が察知、それを聞いたメンバー全員が警戒態勢に移った。

今までのお気楽さが何処へ行ったのかと言わんばかりの切り替え振りを見せる一行、それはこの状況が起こる事を確り想定していたからだった。

嘗て魔人族の将軍であるフリードと会敵した際に見せた『主神』アルヴに対する、エヒトルジュエに対する聖教関係者のそれを彷彿とさせる様な狂信振り、それを現した、絨毯爆撃にも構わぬ大規模侵攻…

それを鑑みれば1度や2度、部下のも含めれば3度や4度もの惨敗があろうと収める矛などない。

尤も絨毯爆撃の後に行われた侵攻に関しては、狂気的な侵攻ばかりが理由とは言えないだろう。

ハジメ達が迷宮の攻略へ向かって程なく、監視も兼ねてガーランドの各都市が今どんな状況かカメラ越しに確認した一行、だが其処で映し出されていた光景は、彼らの想像と比べて被害が明らかに軽い都市の光景だった。

もしかして復旧を急ピッチで進めたのだろうかと一瞬考えたがそんな様子は殆ど見られない所を見るに、絨毯爆撃の効果は低かったと考えて良いだろう。

恐らくはハイリヒ王国王都のそれと同じ様な効果をもった大結界がガーランドの都市にも展開されているのだろう、それで絨毯爆撃による被害を軽減したのかも知れない。

とはいえ自分達が捉えられる範囲の外から、多少とはいえ都市機能にダメージを与えられる攻撃手段を人間族サイドは持っている、もしそれが結界を軽く突破して致命的な破壊力を齎せる程になったら…

魔人族サイドはそんな危機感もあって人間族のテリトリーに攻め込んで来たのだろう、そしてその将来齎される破滅の可能性を考慮して何としてもそれを潰さねばと引けなくなっているのかも知れない。

以上の理由から襲撃は来ると思っていながら何故今の今まで談笑出来る程、勝ちを微塵も疑わない程の余裕を見せていたのかと言うと、ハジメ達と合流してから今日までの戦績で身に着けた自信からだ。

ウルの街で再会後、土下座してまで同行を申し出、それがストリボーグのクルーとして認められて間もなく参加したウィル・クデタの救助任務、その翌日にウルの街を襲撃せんと進撃して来た魔人族率いる魔物の大軍との戦い、その僅か数日後に神山上空に出現した万単位もの邪神エヒトルジュエの眷属との戦い、それが済んだ直後に神山の大聖堂に突入して行った聖教関係者の大虐殺、それから数日後にハジメ達の大迷宮攻略の為に向かったグリューエン大火山の外で会敵したフリード率いる竜の軍団との睨み合い…

合流してから一ヶ月にも満たない中で数々の戦線を渡り歩いた一行、その経験は自信として彼らの心に確りと息づいていた、増して現時点で想定している敵は魔人族及びそれが率いる魔物、もしくは邪神エヒトルジュエ及びその眷属だが、そのどちらとも戦って勝利を手にしているし、フリード率いる竜の軍団に至っては戦わずして退けている、それもまた彼らの心に「自分達だけでもやれる、敵と戦える」という余裕を生み出していた。

尤もウルの街での魔物の大軍との戦いや、エヒトルジュエの眷属との戦いでは後方からの援護射撃が主だったし、フリードと会敵した際は魔人族の人質というアドバンテージがあったのだが…

 

「いや、この強大な魔力反応は魔人族お抱えの魔獣とは比べ物にならない…

まさか、邪神の使徒!?それも、神山での戦いに匹敵する程の大軍…!?」

『な!?』

 

だが、進撃して来る軍勢の規模は、一行の想定を遥かに上回っていた。

向かって来る軍勢の魔力反応を確認した妙子だが、その余りの強大さに絶句、カメラ越しの映像からそれが事実だと突きつけられた、そう、向かって来るのはエヒトルジュエの眷属達だったのだ。

更に、悪い事は続いた。

 

「ハジメ、応答願う!ハジメ!ハジメ…?

皆、どうやら向こうも緊急事態の様だ。連絡が全然取れない」

「何!?つまり、俺達だけで対処するしかないって訳か!全く、無茶な事を言ってくれる!」

「こんな事態になるのも承知の上でハジメ達について行ったんだ、やってみせようぜ、皆!」

「ええ!例えハジメ君達がいなくても、何とでもなる筈よ!」

『だね!私達の覚悟、高みの見物しているエヒトルジュエ達にも見せちゃおうよ!』

 

これは自分達だけでは厳しいと、大迷宮攻略の真っただ中であるハジメ達に連絡を取る淳史、だがうんともすんとも言わない通信機の様からハジメ達の方も手が離せない事態に陥ったのだろうと淳史は確信、通信を打ち切らざるを得なかった。

まさかの事態、何万ものエヒトルジュエの眷属達を相手に、後方支援が主な筈の自分達だけで対応しなければならないという事態に嘆息しつつも、それでもやって見せると気合を入れ直した一行は、万全と豪語出来る戦闘態勢を整え、向かって来る軍勢を迎え撃つべく出撃した…!

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