遊戯王GX~精霊の抱擁~   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

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黎・フレイ「なーにかな、なーにかな、今回はこれ!」



ウォーター・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。
「ボンディング-H2O」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの炎属性モンスター及び炎族モンスターの攻撃力は0になる。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地の「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。



フレイ「水属性・海竜族モンスターです。少々召喚条件が厳しいですが」

黎「相手を炎属性に変えられれば一方的に殴れるぞ。破壊されても後続を呼べるのはお得なポイント」

フレイ「『ウォーター・ドラゴン-クラスター』という上位種も現れましたし、そちらのリクルート先と割り切るのも良いでしょう」


STORY19:水の龍と炎の巨人

SIDE:無し

 

 

 

「ぜぇ、ぜぇ…………」

 

 灯った炎の勢いも弱く、『ヴォルカニック・デビル』が音を立てて倒れ伏した。

 その眼前には真っ黒に変色した『超古深海王シーラカンス』と『ウォーター・ドラゴン』がいた。

 火山の近くだというのに、その周囲は大量の水がぶち撒けられていた。

 

「ぐ、何故、このような事をする……! 民は、無関係のはずだあっ! 何故、何故このような殺生な事ができるのだぁ!」

 

 瞳の光は、死にかけであっても強い。血を吐きながらも気高に吼えるその姿は数日前にプライドと戦っていた黎の姿を彷彿とさせる。

 

「答える義理は無いな」

「耳障りだロートル」

 

 それを軽く一蹴する水の里の長と龍。双方共に口内に大量の水を溜める。あれが放たれ、直撃したら、最早立つ事すらできない『ヴォルカニック・デビル』は確実に死んでしまうだろう。

 

「「死ね!」」

 

 同時に放たれる水の巨柱。水圧も滝とは比較にならないだろう。

 

(ここまでか……。済まない皆……、ワシは、炎の長失格だな……)

 

 目を静かに閉じ、最期の時を受け入れる。心の中で、走馬灯の中で自分と関わり合った全ての人に謝りながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“フォビドゥン・ゴスペル”!」

「“カメリア・ストーム”!」

「“マグネット・ソード”!」

 

 突如として思わぬ援軍がやって来た。

 光り輝く歌が、椿の花の嵐が、磁力の斬撃が飛来し、水の柱を防ぎ切ったのだ。

 ゆっくりと『ヴォルカニック・デビル』が首だけ動かして後ろを見ると、そこには三人の精霊が、里の長がいた。

 

 一人は、アメリカの先住民のような格好をし、白い鳥の被り物をした女性。

 一人は、椿の大輪の下半身を持つ、美しい女性。

 一人は、三体の磁石の戦士(マグネット・ウォリアー)が変形合体した岩の剣士。

 

 弱々しい声で『ヴォルカニック・デビル』が彼らの名を一人ずつ呼ぶ。

 

 

「『ガーディアン・エアトス』殿……」

「大丈夫ですか? 不穏な気配を察知して来たのですが」

 

「『椿姫(つばき)ティタニアル』殿……」

「どういう事なのか、彼らには説明してもらいたいわねぇ」

 

「『マグネット・バルキリオン』殿……」

「間に合って何よりでござる。某、恩義を返せないのはお断りでござるからな」

 

「ザコがまた集まって来やがったか」

「構わん。今の我らに敵は無い」

 

 三対二という状況で感情一つ揺れ動かない『シーラカンス』と『ウォーター・ドラゴン』。

 

 一方で三人は走り寄って『ヴォルカニック・デビル』を近くの岩陰に寝かせると、己の剣を引き抜いて対面した。

 『エアトス』は神秘的な片刃の細身の剣(レイピア)を。

 『ティタニアル』は柄に椿の柄をあしらった日本刀を。

 『バルキリオン』は磁力を帯びた短剣(グラディウス)を。

 

「余す事なく、全部吐いてもらいます」

「さてと、覚悟は良いかしら?」

「汝ら、神妙に致せ!」

 

 それを見て水の長と龍も構えなおす。

 

「もののついでだ。貴様らも葬って風、木、地の里も攻め入ってくれる!」

「俺様達に刃向った事を後悔して死ねぇ!」

 

 剣と水が交錯し、戦いの火花が散り始めた。

 

 

 

 

ヴォルカニック・デビル(効果モンスター)

星8

炎属性/炎族

ATK 3000/DEF 1800

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に表側表示で存在する「ブレイズ・キャノン-トライデント」を墓地に送った場合に特殊召喚する事ができる。

相手ターンのバトルフェイズ中に相手フィールド上に攻撃表示モンスターが存在する場合、

相手プレイヤーはこのカードに攻撃をしなければならない。

このカードがモンスターを破壊し墓地へ送った時、相手フィールド上のモンスターを全て破壊し、相手ライフに1体につき500ポイントダメージを与える。

 

 

 

 

超古深海王シーラカンス(効果モンスター)

星7

水属性/魚族

ATK 2800/DEF 2200

手札を1枚捨てる。

1ターンに1度だけ、デッキからレベル4以下の魚族モンスターを可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃宣言をする事ができず、効果は無効化される。

フィールド上に表側表示で存在するこのカードが魔法・罠・効果モンスターの効果の対象になった場合、自分フィールド上の魚族モンスター1体を生け贄に捧げる事でその効果を無効にし破壊する。

 

 

 

 

ウォーター・ドラゴン(効果モンスター)

星8

水属性/海竜族

ATK 2800/DEF 2600

このカードは通常召喚できない。

「ボンディング-H2O」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、炎属性と炎族モンスターの攻撃力は0になる。

このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

 

 

ガーディアン・エアトス(効果モンスター)

星8

風属性/天使族

ATK 2500/DEF 2000

自分の墓地にモンスターカードが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

このカードに装備された装備魔法カード1枚を墓地へ送る事で、相手の墓地に存在するモンスターを3枚まで選択し、ゲームから除外する。

この効果でゲームから除外したモンスター1体につき、エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。

 

 

 

 

椿姫ティタニアル(効果モンスター)

星8

風属性/植物族

ATK 2800/DEF 2600

自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動する。

フィールド上に存在するカードを対象にする魔法・罠・効果モンスターの発動を無効にし破壊する。

 

 

 

 

磁石の戦士マグネット・バルキリオン(効果モンスター)

星8

地属性/岩石族

ATK 3500/DEF 3850

このカードは通常召喚できない。

自分の手札・フィールド上から、「磁石の戦士α」「磁石の戦士β」「磁石の戦士γ」をそれぞれ1体ずつリリースした場合に特殊召喚する事ができる。

また、自分フィールド上に存在するこのカードをリリースする事で、自分の墓地に存在する「磁石の戦士α」「磁石の戦士β」「磁石の戦士γ」をそれぞれ1体ずつ選択して特殊召喚する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE:黎

 

 

 

 スラスターを最大限に吹かして、つまり全速力で前進しているというのに、『シーラカンス』も『ウォーター・ドラゴン』も全く見えてこない。

 

「ちっ、これ以上はスピード出ねぇぞ……」

 

 無茶な加速は制御が利かなくなり、逆に到着を遅くしかねない。

 と、少し距離のある火山の向こう側で大きな爆発があった。途端に周囲に水が飛び散り、赤い椿の花が飛んで来たり、突風が吹いたりした。

 

「わわ、わわわわっ!」

「フィオ、手ぇ離すなよ!」

 

 更にはバランスや方向の感覚もおかしい。どうやら磁力も発生しているみたいだ。

 

「れ、黎! もしかしてあそこに……!」

「言われずしても!」

 

 何故花や風が飛んで来たのかは分からないが、少なくともあそこで戦いが起こっているのは確か。しかもかなりハッキリと邪神の気配がする。

 一度空中で停止を掛けて方向転換すると、俺は一気にそちらへ向かって加速した。

 

 

 

―――火山の麓

 

「これは……」

 

 その状況はまさに惨劇と呼ぶに相応しかった。

 岩陰では『ヴォルカニック・デビル』がグッタリした様子で横になっており、少々遠くには三本の剣が突き刺さった『超古深海王シーラカンス』が倒れている。

 そして何故か炎の里にいないハズの属性、地属性の『マグネット・バルキリオン』、風属性の『ガーディアン・エアトス』と『椿姫ティタニアル』が血だらけで『ウォーター・ドラゴン』と対峙していた。

 そして感覚に間違いは無かったようで、『シーラカンス』はもう残り香程度だが、『ウォーター・ドラゴン』からはハッキリと邪神の気配を感じた。

 

「「「はぁ……、はぁ……、はぁ……っ!」」」

「ふん、長といっても所詮はこの程度か」

 

 息も絶え絶えの三人に対し、『ウォーター・ドラゴン』には目立った傷(水の体なので見えないだけかも知れないが)は無い。

 

「おぷっ……!」

「大丈夫か?」

 

 隣でフィオが口元を押さえる。無理も無ぇだろうな、あまりにも血の臭いが濃過ぎる。血腥(ちなまぐさ)いなんて言葉では言い表しえない程だ。血の臭いに慣れた筈の俺だってこれはキツい。しかも一人では無く複数人分の血だから余計タチが悪い。

 

「フィオはここで待ってろ。俺はあの惨状を止めに行く!」

「う、ぷっ! ゴメン…………」

 

 近くの岩陰にフィオを隠すと、俺は『エアトス』達と『ウォーター・ドラゴン』の間に割り込んだ。

 丁度水の塊を吐き出そうとしていたところで、『ウォーター・ドラゴン』は俺の姿を認めると水塊を飲み込んだ。

 

「そこまでにしてもらおうか?」

「ほぅ、“騎士”の魂か」

「「「!」」」

 

 『ウォーター・ドラゴン』の問いに答える代わりに炎の力を体に纏う。これで返事になるハズだ。

 

「ククククク、まさかそちらからやって来るたぁな。手間が省けたぞ! ゴァァッ!」

「知るか。何をしたのかはさて置き、キッチリ罪は清算してもらう」

 

 セリフの最後で吐き出された水をタングステン合金のシールドで受け流しながら宣言する。

 

「第一、最初から俺を狙っていたなら何故炎の里を狙った。あそこは関係無い筈だ」

「はっ! 知らねぇのか、テメェ」

「あ?」

「あの宝玉の力ってのはなぁ、それぞれの里をエネルギーの媒体にしてるんだよ。つまり、里を潰すと力の供給が止まり、宝玉の力が極端に弱くなる。

 そこを叩けば楽に殺せるだろ? 何か間違ってるか?」

 

 ギリ……、と歯を軋ませる。邪神に取り憑かれると都みてぇに性格が変わっちまうみたいだな。いや、捻くれると言うべきか。

 

 黙って俺は変身を解除して宝玉をカードに変えると、ガシャリ! とディスクに差し込んだ。

 

「肉弾戦も吝かじゃあ無ぇが、ここはデュエルで決着をつけようじゃねえか」

「くかかか! ここでのデュエルは肉体にもダメージが通るというのにか? 良いだろう!」

 

 

『デュエル!』

 

 

黎VSウォーター・ドラゴン

LP 4000 VS LP 4000

 

 

 俺がデッキからカードを5枚手札に加えたのに対し、『ウォーター・ドラゴン』は自分の前に浮いている半透明のカードを5枚揃えた。こいつは『水陸の帝王』みたいな紅蓮の悪魔のしもべタイプでは無く、『サイコ・ショッカー』タイプか。

 

「俺様のターンだ! 出でよ、『オキシゲドン』!」

『ビギャァアアアアアアアッ!』

 

 

オキシゲドン:ATK 1800

 

 

 半透明のカードが表側に引っ繰り返り、発せられた光から緑の大気の翼竜が現れる。一見するとドラゴン族だが、実は恐竜族だ。

 さて、必要経費と割り切るか、別の手を探すか。

 

「更にリバースカードを2枚セットし、ターンエンド!」

 

 

 

ウォーター・ドラゴン:ATK 4000

手札:3枚

フィールド

:オキシゲドン(ATK 1800)

:伏せカード2枚

 

 

 

「俺のターン! 良し、『F(ファイア)S(スピリッツ) ヴォルカニック・ギア・ガイ』を攻撃表示で召喚!」

『先陣行くぞ!』

 

 

F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ:ATK 1900

 

 

 ここは必要経費として割り切る!

 

「バトル! 『ヴォルカニック・ギア・ガイ』で『オキシゲドン』を攻撃! “スピン・ファイア・キック”!」

『てぇいやぁ!』

 

 炎の廻脚が空気の翼竜に炸裂。いつも以上の大爆発を巻き起こした。

 

「『オキシゲドン』は炎属性モンスターとの戦闘で敗れた時、お互いのプレイヤーに800ポイントのダメージを与える!」

「こっちも『ヴォルカニック・ギア・ガイ』の効果ダメージを受けてもらう!」

 

 まずは爆発。両者を巻き込む大爆発が襲いかかる。

 

「くっ!」

「むっ!」

 

 

 

 

オキシゲドン(アニメ効果)

星4

風属性/恐竜族

ATK 1800/DEF 800

このカードが炎属性モンスターとの戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、お互いのライフに800ポイントダメージを与える。

 

 

 

 

黎&ウォーター・ドラゴン:LP 4000→3200

 

 

「『ヴォルカニック・ギア・ガイ』の効果で超過ダメージ100ポイントに『オキシゲドン』の元々の攻撃力の半分の900ポイント分のダメージが加算される!」

「ぬぁああっ!」

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 3200→2200

 

 

 残念ながらジャスト1000なので更なる追加ダメージは無い。

 

 

 

F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ(効果モンスター)(オリジナル)(改訂版)

星4

炎属性/戦士族

ATK 1900/DEF 1200

(1):このカードが戦闘を行い、ダメージ計算終了時までに相手に与えたダメージが1000ポイント未満の時、相手プレイヤーは自分の手札1枚につき400ポイントのダメージを受ける。

(2):このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、そのモンスターの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:破壊した相手モンスターの元々の攻撃力の半分の数値分のダメージを与える。

●守備表示:相手の守備力をこのカードの攻撃力が上回った分だけ相手プレイヤーにダメージを与える。

 

 

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

 

 

黎:LP 3200

手札:4枚

フィールド

:F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ(ATK 1900)

:伏せカード1枚

 

 

 

「俺様のターン、ドロー!」

 

 こいつのデッキは『オキシゲドン』を召喚した所を考えれば十中八九【ウォーター・ドラゴン】だ。『ハイドロゲドン』や『オキシゲドン』が分類される恐竜族を強化しても、『ウォーター・ドラゴン』は海竜族だから旨味は薄い。その逆もまた然りだ。

 来い! 今の俺に『ウォーター・ドラゴン』なんざ敵では無い!

 

「魔法カード『テラ・フォーミング』を発動し、サーチしたフィールド魔法『ウォーターワールド』を発動!」

 

 しまった! 水属性強化系の魔法カード!

 

「そして『ハイドロゲドン』を召喚!」

 

 

 

ウォーターワールド

【フィールド魔法】

フィールド上に表側表示で存在する水属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンする。

 

 

 

ハイドロゲドン(効果モンスター)

星4

水属性/恐竜族

ATK 1600/DEF 1000

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、自分のデッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

 

ハイドロゲドン:ATK 1600→2100/DEF 1000→600

 

 

「今度は俺様の番だ! 『ハイドロゲドン』で『F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ』を攻撃! “ハイドロ・バズーカ”‼」

「! 通せば二体目が来る! 罠カード発動、『くず鉄のかかし』!」

 

 バズゥウウウン! と金属製の案山子が水を弾き飛ばす。ギシギシ鳴りながらも大して堪えてはいないようだ。

 

「ならばリバースカードを1枚セットし、ターン終了!」

 

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 2200

手札:1枚

フィールド

:ハイドロゲドン(ATK 2100)

:伏せカード3枚、ウォーターワールド(フィールド魔法)

 

 

 

「俺のターン!」

 

 ピッ! とカードを引き抜く。この世界のカードは紙ではあるが、特殊な材質も使っているらしく、多少荒事に使っても全く痛まない。

 

「魔法カード『種火』を発動。『ヴォルカニック・ギア・ガイ』をデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドロー!」

 

 引き当てたのは『融合』と『ミッド・ピース・ゴーレム』!

 

「相手の場にのみモンスターが存在する時、『バイス・ドラゴン』はリリース無しで手札から特殊召喚できる! ただし、この時のその能力値は半分になる! 攻撃表示で特殊召喚だ!」

『グォオオオオオッ!』

 

 

 

バイス・ドラゴン(効果モンスター)

星5

闇属性/ドラゴン族

ATK 2000/DEF 2400

相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

 

バイス・ドラゴン:ATK 2000→1000/DEF 2400→1200

 

 

「更に魔法カード『融合』を発動。手札の『ビッグ・ピース・ゴーレム』と『ミッド・ピース・ゴーレム』、『スモール・ピース・ゴーレム』を融合! 来い、『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』!」

『ヌゥゥゥウウウアッ!』

 

 

 

ヴァラエティ・ピース・ゴーレム(融合・効果モンスター)(オリジナル)

星8

地属性/岩石族

ATK 3000/DEF 2300

「ビッグ・ピース・ゴーレム」+「ミッド・ピース・ゴーレム」+「スモール・ピース・ゴーレム」

このカードは上記のカード以外で融合できない。

自分のターンの終了時、このカードをエクストラデッキに戻し、自分の墓地から融合素材となったモンスターをフィールド上に特殊召喚できる。

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。

このカードは魔法・罠カードの効果では破壊されない。

 

 

 

ヴァラエティ・ピース・ゴーレム:ATK 3000

 

 

 現れたのは『マルチ・ピース・ゴーレム』より更に一回り大きなゴーレム。4本の腕を持ち、頭頂部には短い角が生えている。

 

「行くぞ! まずは『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』で『ハイドロゲドン』を攻撃! “オールサイズ・プレッシャー”‼」

「リバースカード、オープン! 『聖なるバリア―ミラーフォース―』! これで貴様のモンスターは全滅だ!」

 

 

 

聖なるバリア―ミラーフォース―

【通常罠】

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

「無駄だ! 『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』は魔法・罠カードでは破壊されない!」

「だが『バイス・ドラゴン』は破壊させてもらう!」

 

 『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』が大きな腕を振りかぶって殴りかかると、白い障壁が現れその衝撃を流す。『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』には傷一つ付かないが、後方で待機していた『バイス・ドラゴン』は爆発し、やられてしまった。

 済まない、『バイス・ドラゴン』。

 

「『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』の攻撃は通るぞ!」

「かあっ! 『ガード・ブロック』を発動! ダメージを無効にして1枚ドローする!」

 

 ……おかしい。

 あいつが使ったリバースカードは1番左とその隣のカード。その2枚は最初のターンに伏せられたものだ。

 何故『ヴォルカニック・ギア・ガイ』の攻撃時に使わなかった? そうすれば、ダメージはもっと少なかったはずだ。こっちが大型モンスターを出すのを待っていたのか?

 

「……ターンエンド」

 

 

 

黎:LP 3200

手札:0枚

フィールド

:ヴァラエティ・ピース・ゴーレム(ATK:3000)

:伏せカード1枚(『くず鉄のかかし』)

 

 

 

 兎に角、あのデッキの主戦力が『ウォーター・ドラゴン』だと仮定するなら、しばらくは問題無い筈だ。『ゲート・ガーディアン』ほどじゃ無いが、あれも呼び出すのに中々手間の掛かるモンスター。この状況で出て来るとは思えない。

 

「俺様のタァーン! 魔法カード『強欲な壺』を発動! カードを2枚ドロー!」

 

 手札を増やした、来るか!

 ククク、と『ウォーター・ドラゴン』が笑う。……不味いか?

 

「罠カード『戦線復帰』を発動! 墓地の『オキシゲドン』を特殊召喚!」

『クォオオオオオオッ!』

 

 

オキシゲドン:DEF 800

 

 

 

戦線復帰

【通常罠】

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

 

 

 

 お、おいちょっと待て! まさか、呼び出すのか!?

 

「更に二体目の『ハイドロゲドン』を召喚! そして『死者蘇生』で最初の『ハイドロゲドン』を特殊召喚! この状況が何を意味するのか、分かるよなあ、小僧?」

「アンタの手札にはもう『ボンディング-H2O』がある、違うか?」

「その通りよ! 『ボンディング-H2O』、発動! 俺様の場の『オキシゲドン』と2体の『ハイドロゲドン』を墓地に送り、『ウォーター・ドラゴン』、俺様自身を特殊召喚!」

 

 

 

ボンディング-H2O

【通常魔法】

自分フィールド上に存在する「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を生け贄に捧げる。

自分の手札・デッキ・墓地から「ウォーター・ドラゴン」1体を特殊召喚する。

 

 

 

ウォーター・ドラゴン:ATK 2800→3300/DEF 2600→2200

 

 

 どうやらこの世界では自分と同じモンスターが召喚された時は自分自身が場に出るものらしく、『ウォーター・ドラゴン』もそうやって場に出て来た。

 おいおいおいおい、マジで召喚してきやがった!

 

「行くぞ! 俺様自身で『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』を攻撃! “アクア・パニッシャー”!」

「く、『くず鉄のかかし』ぃ!」

 

 バッシャァアアアアアアアアアアン!

 

 金属製、否、最早それは金属装甲の案山子と言えるだろう。バリアを張った案山子が激流を弾き、俺を守る。ザァアアアア、と水飛沫が雨と呼べる程の量と強さで降って来た。

 こんなの真面に喰らったらと思うと、背筋が寒くなるな。思わずあのプライド戦の『深海の超水圧』で内臓も骨も破壊された事を回顧する。

 

「ターンエンドだ!」

 

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 2200

手札:0枚

フィールド

:ウォーター・ドラゴン(ATK 3300)

:ウォーターワールド(フィールド魔法)

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 マズいなぁ。『ウォーター・ドラゴン』は全フィールド上の炎属性と炎族モンスターの攻撃力を0にする効果がある。しかも、戦闘破壊された時に墓地の元となった水素(ハイドロゲドン)2体と酸素(オキシゲドン)1体を復活させる効果があり、壁には事欠かない。

 そして『ボンディング-H2O』は墓地の『ウォーター・ドラゴン』も対象にできる。つまり、『ウォーター・ドラゴン』は高い再生能力を持ったモンスターという訳だ。

 しかもレベル8だから『トレードイン』にも活用できる。改めて考えると恐ろしいモンスターだ。

 

「俺は『ネクロ・ガードナー』を守備表示で召喚し、『ヴァラエティ・ピース・ゴーレム』の効果発動! このカードをエクストラデッキに戻し、墓地の融合素材を特殊召喚する。これでターンエンド」

 

 

ネクロ・ガードナー:DEF 1300

ビッグ・ピース・ゴーレム:DEF 0

ミッド・ピース・ゴーレム:DEF 0

スモール・ピース・ゴーレム:DEF 0

 

 

 ここは持ち堪えるしか無い。『ネクロ・ガードナー』が来てくれたのは幸いだった。これなら『くず鉄のかかし』と併用して、後6回まで攻撃に耐えられる。

 

 

 

黎:LP 3200

手札:0枚

フィールド

:ネクロ・ガードナー(DEF 1300)、ビッグ・ピース・ゴーレム(DEF 0)、ミッド・ピース・ゴーレム(DEF 0)、スモール・ピース・ゴーレム(DEF 0)

:伏せカード1枚(『くず鉄のかかし』)

 

 

 

「俺様のターンだ! 魔法カード『邪天使の施し』を発動! このカードは互いのプレイヤーはカードを3枚ドローし、相手だけが(・・・・・)手札を2枚捨てる!」

「ハァ!? 何だそりゃ!?」

 

 

 

邪天使の施し(オリジナル)

【通常魔法】

お互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローする。

その後、相手プレイヤーは手札を2枚墓地に送る。

 

 

 

 くそっ! あれも邪神の作り出したオリジナルカードか……。

 

「更に速攻魔法『邪神の頭脳戦』を発動! 貴様の場の裏側表示の魔法か罠カードを1枚、種類を選択して破壊し、正解なら相手に500ダメージ、不正解なら俺様のライフが500回復する!」

「またメリット尽くしのカード!?」

 

 

 

邪神の頭脳戦(オリジナル)

【速攻魔法】

相手フィールド上の魔法・罠ゾーンに存在する裏側表示のカードを1枚選択する。

選択したカードが魔法カードか罠カードかを宣言し、当たった場合はそのカードを破壊して相手に500ポイントのダメージを与え、外れた場合は自分のライフポイントを500回復する。

 

 

 

「選択するのは罠カード、『くず鉄のかかし』だぁ!」

 

 しまった、『くず鉄のかかし』のメリットを完全に利用された!?

 

 黒い雷が伏せカード『くず鉄のかかし』を焼き尽くし、別の雷が俺に当たった。

 素早く絶縁体を体の表面に回して感電を防がなかったら命が危険だったかも知れない。

 

「ぐぁああああああああっ!」

 

 

黎:LP 3200→2700

 

 

「れ、黎……!」

 

 ようやく回復したフィオがヨタヨタと歩きながら俺の名を弱々しく呼ぶ。俺は痺れる手を何とか伸ばして彼女に制止をかける。

 

「だ、い、じょう、ぶだ!」

「で、でも……」

「そんな、フラフラの状態で来られても困るよ。俺は、大丈夫だから、もう少し待っていろ……!」

 

 まだ血の臭いは辺りに強く充満している。密閉空間じゃ無いどころか完全に開けたこの火山の麓で臭いが残っているのは、風が吹かないだけでは無く、地面に血が染み込んでしまっている事もあるのだろう。

 

「そして自分の場にレベル7以上の水属性モンスターが存在する事により、『イーヴィル・マリントルーパー』を特殊召喚!」

『デアッ!』

 

 

イーヴィル・マリントルーパー:DEF 600

 

 

「効果発動! このカードを生け贄に捧げる事で、生け贄に捧げた時のこのカードと同じ表示形式のモンスターを全てゲームから除外する!」

「あぁ!?」

 

 め、滅茶苦茶だ! 守備モンスター全滅!?

 

 

 

イーヴィル・マリントルーパー(効果モンスター)(オリジナル)

星5

水属性/悪魔族

ATK 400/DEF 600

自分フィールド上にレベル7以上の水属性モンスターが存在する時、このカードは特殊召喚できる。

自分フィールド上のこのカードをリリースする事で、その時のこのカードと同じ表示形式の相手フィールド上のモンスターを全てゲームから除外する。

その後、お互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

 

 真っ黒な海難救助隊員が消滅し、俺の場のモンスターが次元の歪みに捕まる。そのまま歪みに取り込まれ、こちらも消滅した。

 クソッ! これじゃ『ネクロ・ガードナー』の効果が使えない!

 

「そして、互いにカードを1枚ドローだ」

「くっ!」

 

 !

 

「止めだ! 俺様自身で直接攻撃! “アクア・パニッシャー”!」

 

 激流が放たれる。俺に向かって放たれたそれはもう柱とか壁とか、そんな次元のものでは無く、一種の巨大な生き物のように見えた。

 

「危ない、黎……ッ!」

 

 辛うじて振り絞ってくれたフィオの声が聞こえなければ、圧巻されたまま馬鹿正直に喰らっていただろう。

 心配してくれてありがとよ、フィオ!

 

「手札から『速攻のかかし』を墓地に送り、その攻撃を無効にする!」

 

 登場するのは御馴染になって来た機械仕掛けの案山子。毎度毎度、お世話になります。

 

「『速攻のかかし』のモンスター効果で、バトルフェイズは強制終了される」

「ぬぬぬ、ならばメインフィズ2に移るまでだ。俺様は墓地の『イーヴィル・マリントルーパー』をゲームから除外し、『邪神教徒の鏡』を召喚!」

 

 次元に亀裂が走り、黒い海難救助隊員がその亀裂に飲み込まれたかと思うと、その亀裂は、ヒビの入った鏡だった。

 黒く縁取られ、入ったヒビが不気味だ。禍々しい装飾が邪神を崇めるものだという事を宣言しているように見える。悪魔崇拝(サタニズム)とどちらがマシか、思わず考えてしまう。

 

 

邪神教徒の鏡:ATK ?

 

 

「こいつは墓地の攻撃力1000以下のモンスターを1体、ゲームから除外しなければ召喚できねぇ。そしてこいつは除外したモンスターのレベル×1000の攻撃力と守備力を得る」

「! レベル5を除外したって事は……」

「こいつの攻守は5000だ!」

 

 『F(ファイブ)G(ゴッド)D(ドラゴン)』クラスだと!?

 

 

邪神教徒の鏡:ATK ?→5000/DEF ?→5000

 

 

 

邪神教徒の鏡(効果モンスター)(オリジナル)

星4

闇属性/機械族

ATK ?/DEF ?

このカードは墓地の攻撃力1000以下のモンスターを1体ゲームから除外しなければ召喚できない。

このカードの攻撃力と守備力はこの効果で除外したモンスターのレベル×1000となる。

 

 

 

 壊れ過ぎだろう、邪神カード……。どうやれば良いんだっての!

 

「ターンエンド」

 

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 2200

手札:1枚

フィールド

:ウォーター・ドラゴン(ATK 3300)、邪神教徒の鏡(ATK 5000)

:ウォーターワールド(フィールド魔法)

 

 

 

「頑張って、黎……」

「まだだ……! まだ終わっていない! 俺のターン、ドロー! 『天使の施し』を発動! デッキから3枚引いて2枚捨てる!」

 

 なんて意気込んでみたものの、手札のカードじゃ太刀打ちできない。『巨大化』や『収縮』でもあれば『邪神教徒の鏡』だけでも無力化できるんだが……(元々の攻撃力に関係した効果を持ち、“?”も0として扱うので、パワーアップがリセットされる)。

 

 賭けるか……。

 

「俺は『F・S スチーム・エクスプローダー』を守備表示で召喚」

『チッ、初陣が壁役かよ』

「俺様自身の効果で攻撃力は0になる」

「解っている」

 

 

F・S スチーム・エクスプローダー:ATK 1700→0/DEF 1300

 

 

「『スチーム・エクスプローダー』は自分の場にモンスターが存在しない時に召喚された時、手札を1枚デッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローできる」

『蒸気ナメんなや!』

 

 ピィイイイイイイイッ!

 

 背中に蒸気機関を背負った男は、汽笛を鳴らしながらその煙突から蒸気を大量に吹き出し、カード1枚をその中から俺に授け、代わりに俺の手札がいつの間にか光に変わって消えていた。

 

「!」

 

 良いカードだ。取り敢えず、急場は凌げそうだ。

 

「1枚カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

 

黎:LP 2700

手札:0枚

フィールド

:F・S スチーム・エクスプローダー(DEF 1300)

:伏せカード1枚

 

 

 

 さあ来い! 踏み込んで来た時が勝負だ!

 

「俺様のターン、ドロー!」

 

 何のカードを引いた。それで勝敗を決する事ができる!

 

「行くぞ! まずは俺様自身で『スチーム・エクスプローダー』を攻撃! “アクア・パニッシャー”!」

「リバースカード、オープン! 罠カード『火炎バリア』!」

 

 ゴウッ! と炎の壁が立ち塞がり、押し寄せる水が蒸発する。

 

「相手が炎属性以外のモンスターで攻撃し、俺の場の攻撃対象となったのが炎属性モンスターの時、このターンのみ俺の場の炎属性モンスターは破壊されない!」

「チッ!」

 

 

 

火炎バリア(オリジナル)

【通常罠】

自分の場の炎属性モンスターが攻撃の対象となった時に発動できる。

相手の攻撃を行うモンスターが炎属性以外の時、発動ターン自分の場の炎属性モンスターは破壊されない。

 

 

 

「ならば俺様は手札の『ニードル・ギルマン』を墓地に送り、『イーヴィル・デスタートル』を召喚!

 こいつは手札の水属性モンスターを墓地に送る事で、攻撃力を1500上げて召喚できる!」

 

 真っ黒な甲羅の紫のカメが地中から飛び出す。口には『ニードル・ギルマン』が咥えられていて、完全に召喚しきるとバリバリと食われてしまった。

 うぇ……。ちっちゃい子には見せらんねぇな。

 

 

 

イーヴィル・デスタートル(効果モンスター)(オリジナル)

星3

水属性/魚族

ATK 1400/DEF 300

このカードは手札の水属性モンスターを1体墓地に送らないと召喚できない。

この効果で召喚された時、このカードの攻撃力は1500ポイントアップする。

1ターンに1度、自分の場の水属性モンスター1体のレベル-4だけデッキからカードをドローできる。

 

 

 

イーヴィル・デスタートル:ATK 1400→2900→3400/DEF 300→0

 

 

「そして効果発動! 1ターンに1度、場の1体の水属性モンスターのレベルマイナス4枚、デッキからカードをドロー! 選択するのは当然俺様だぁ!」

 

 ほんっとにデタラメな効果持ちのモンスターばっかりだ!

 『ウォーター・ドラゴン』のレベルは8、つまり4枚のドロー!

 

 

ウォーター・ドラゴン:☆8

 

 

「クククク、更にこのカードは自分の場に闇属性モンスターと水属性モンスターが存在する時、手札から特殊召喚できる! 出でよ、『ダークシー・アルガー』!」

 

 アルガー、海藻か!

 成程確かに真っ黒な海藻でできた怪人だ。

 

 

 

ダークシー・アルガー(効果モンスター)(オリジナル)

星4

水属性/植物族

ATK 1000/DEF 1200

自分の場に水属性モンスターと闇属性モンスターが存在する時、このカードは手札から特殊召喚できる。

このモンスターがフィールドに存在する限り、相手のライフは回復しない。

 

 

 

ダークシー・アルガー:ATK 1000→1500/DEF 1200→800

 

 

「そして手札の『カオスホーン・ホエール』をゲームから除外して効果発動! ライフを500払い、『ダークシー・アルガー』の攻守は4倍になる!」

「はぁああああっ!? 4倍って、デタラメにも程があるだろ!」

 

 今更ながら、こんな怪物相手に戦っていた四人の長を尊敬する。

 

 

 

カオスホーン・ホエール(効果モンスター)(オリジナル)

星6

闇属性/魚族

ATK 0/DEF 0

このカードは戦闘では破壊されない。

このカードが守備表示になった時このカードを破壊し、コントローラーは800ポイントのダメージを受ける。

手札に存在するこのカードをゲームから除外し、ライフを500ポイント支払う。

自分フィールド上に表側表示で存在する水属性モンスター1体の攻撃力・守備力は4倍になる。

 

 

 

ダークシー・アルガー:ATK 1500→6000/DEF 800→3200

ウォーター・ドラゴン:LP 2200→1700

 

 

「リバースカードを2枚セットし、ターンエンドだ」

 

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 1700

手札:0枚

フィールド

:ウォーター・ドラゴン(ATK 3300)、邪神教徒の鏡(ATK 5000)、イーヴィル・デスタートル(ATK 3400)、ダークシー・アルガー(ATK 6000)

:伏せカード2枚、ウォーターワールド(フィールド魔法)

 

 

 

「う、わ……!」

「どこの地獄絵図だよ……!」

 

 相手モンスター全員が攻撃力3000オーバー。しかもその内2体は5000と6000という普通に考えても殴り勝つ事が不可能な相手。

 そして相手の場には伏せカードが2枚。こんなピンチなんて、元いた世界でもあり得るのだろうか……。

 

「でも……」

 

 静かに視線を背後に移す。

 片膝をついた『ガーディアン・エアトス』が、自分がボロボロなのにも関わらず『ヴォルカニック・デビル』の治療をしている。

 その横で『椿姫ティタニアル』がフィオの背中を優しく擦っている。横で剣を構えて余波に備えているのは『マグネット・バルキリオン』だ。

 全員、俺の事を見守っている。俺の勝利を信じている。

 

 目を閉じる。瞼の裏には炎の里の皆が浮かび上がった。無事に撤退できただろうか。

 

 それからアカデミアの皆の姿が。アニメのキャラクターとかそんなの関係無い。彼らはあそこで確実に生きている。二次元上の登場人物では無い。

 

 そして、大切な友人のフィオと、最愛の義妹の都。

 

『黎!』

『お義兄(にい)ちゃん!』

『『頑張って!』』

 

 ………………、ああ!

 

「俺は、諦めない」

 

 皆が俺を信じていてくれるから! 化物だけど、心があるから!

 

「ふん、気に食わねぇな、その俺様に勝てる気でいるその目はよぉ!」

「だったら、どうにかしてみな!」

 

 デッキトップのカードに、全てが懸かっている。

 

 

【BGM:遊星のテーマ】

 

 

「俺の、ターン!」

 

 !

 

「手札から魔法カード『物語の始まり』を発動! 手札の残り枚数に応じて、このカードは効果が変化する!

 0枚なら場のカード1枚をデッキボトムに戻してカードを5枚ドロー。1枚から3枚なら墓地のカードをデッキに戻して、その枚数×100ライフを回復。4枚以上ならデッキから好きなカードを1枚手札に加える!」

 

 

 

物語の始まり(オリジナル)

【通常魔法】

このカードの効果はこのカード以外の手札の枚数によって、以下のように変わる。

●0枚:自分の場に存在するカード1枚をデッキの1番下に戻し、カードを5枚ドローする。

●1枚以上3枚以下:自分の墓地のカードを任意の枚数デッキに戻し、戻した枚数1枚につきライフを100ポイント回復する。

●4枚以上:デッキからカードを1枚選択して手札に加える。

 

 

 

「今の俺の手札は0枚! これにより、『スチーム・エクスプローダー』をデッキボトムに戻してカードを5枚ドロー!」

 

 引いたカードは、まさに逆転を導くためのカード達だった。

 皆が俺を信じている。俺もデッキを信じている。それが、この結果を呼んだのか!

 

「俺は速攻魔法『ツインツイスター』を発動! 1枚手札を捨て、魔法・罠カードを2枚破壊する! お前の伏せカード、2枚とも潰させて貰うぞ!」

「ン何っ!?」

 

 墓地に『灰流うらら』が呑み込まれると同時、2枚のリバースカードが突風で吹き飛ばされ砕け散る。

 破壊されたのは『魔法の筒』と『奈落の落とし穴』か、危ない。

 

「だが俺様達の圧倒的攻撃力は健在、やられはせん!」

「手札から『F・S マグマドラゴン』を召喚し、効果でデッキからチューナーモンスター『F・S グリル・ゴーレム』を特殊召喚!」

『ハァアアアアァッ!』

『ゴォオオオオオッ!』

 

 

F・S マグマドラゴン:ATK 1800→0

F・S グリル・ゴーレム:ATK 1300→0

 

 

「レベル4の『マグマドラゴン』にレベル3の『グリル・ゴーレム』をチューニング!

 燃え盛る焔、水面を斬り裂く剣とならん! 希望が溢れる明日となれ!」

 

 

☆4+☆3=☆7

 

 

「シンクロ召喚! 灰燼に帰せ! 『F・S バーニング・ブレードガイ』!」

『はぁっ!』

 

 

 

 

F・S バーニング・ブレードガイ(シンクロ・効果モンスター)(オリジナル)

星7

炎属性/戦士族

ATK 2800/DEF 1700

「F・S」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードは相手の魔法・罠カードの効果を受けない。

 

 

 

 

F・S バーニング・ブレードガイ:ATK 2800→0

 

 

「ムダだ! 炎は俺様の前に無力と化す!」

「黎……!」

「まあ安心して見てな! 『グリル・ゴーレム』の効果で墓地の『F・S バーナーズ・キャノン』を手札に加える! そして『スチーム・エクスプローダー』の効果で特殊召喚!」

 

 

 

 

F・S スチーム・エクスプローダー(効果モンスター)(オリジナル)(改訂)

星4

炎属性/機械族

ATK 1700/DEF 1300

このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、この自分の場にカード以外にモンスターが存在しなければ、手札を1枚デッキに戻し、カードを1枚ドローできる。

このカードが魔法カードの効果でフィールドを離れたターン、1度だけ手札の「F・S」モンスターを特殊召喚扱いとして召喚できる。

 

 

 

F・S バーナーズ・キャノン(効果モンスター)(オリジナル)

星4

炎属性/戦士族

ATK 1500/DEF 1200

1ターンに1度、相手フィールド上の魔法・罠カードを1枚破壊できる。この時、相手プレイヤーに300ポイントのダメージを与える。

 

 

 

F・S バーナーズ・キャノン:ATK 1500→0

 

 

「効果発動! このフィールド魔法を焼き払え!」

「何だと!?」

 

 『ウォーターワールド』がフィールドにカードとして姿を現し、それが砲塔から放たれる炎によって消える。同時に周囲に満たされた水は蜃気楼のように消え去っていく。

 ……水場を蒸発させる火炎地獄を期待したのは内緒だ。

 

 

ウォーター・ドラゴン:ATK 3300→2800

ダーク・シー・アルガー:ATK 6000→5500

 

 

「そしてお前に300ダメージを与える!」

「ぐぅっ!」

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 1700→1400

 

 

「更に魔法カード『火炎融合-ファイア・フュージョン』を発動! デッキの『F・S 鬼火のウィスプ』と『F・S フレア・チアガール』を融合素材にし、『F・S ブレイジング・ナイト』を融合召喚!」

『てやぁっ!』

 

 

 

 

火炎融合-ファイア・フュージョン(オリジナル)

【通常魔法】

「F・S」と名のついたモンスターを融合召喚する時のみ発動可能。

デッキから融合素材となるモンスターを選択して融合素材とする事ができる。

この時、手札またはフィールドのモンスターを融合素材の内の1体としない場合、融合召喚したモンスターはエンドフェイズにゲームから除外され、プレイヤーはその元々の攻撃力分のダメージを受ける。

 

 

 

 

F・S ブレイジング・ナイト:ATK 2900→0

 

 

「行くぞ、これで最後だ! 魔法カード『ミラクルシンクロフュージョン』を発動! 俺の場の『バーナーズ・キャノン』と『バーニング・ブレードガイ』、『ブレイジング・ナイト』を除外融合!」

「更に融合するだと!?」

 

 

 

ミラクルシンクロフュージョン

【通常魔法】

自分のフィールド上・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターをゲームから除外し、シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、セットされたこのカードが相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

 

「出でよ、炎帝の巨人兵! 『F・S 覇炎巨剣士(はえんきょけんし) ルージュ・グラン・サーブル』!」

『ウォオオオオオオオオオオッ!』

 

 次元が捩じ曲がって『バーニング・ブレードガイ』と『バーナーズ・キャノン』、『ブレイジング・ナイト』が1つになる。そして爆炎が燃え盛り、その中から出て来たのは斬馬刀を携えた巨人。地縛神や三幻神ほどでは無いが、十分に大きい。

 

 

 

F・S 覇炎巨剣士 ルージュ・グラン・サーブル(融合・効果モンスター)(オリジナル)(改訂版)

星10

炎属性/戦士族

ATK 3200/DEF 3000

「F・S」と名のついたレベル7以上のシンクロモンスター+「F・S」と名のついたレベル7以上の融合モンスター+炎属性・戦士族モンスター

(1):このカードは融合召喚以外の方法で特殊召喚できない。

「ミラクルシンクロフュージョン」の効果でのみ融合召喚できる。

(2):このカードは融合素材に使用したモンスターの種類に応じて、以下の効果を得る。

●フィールドのS(シンクロ)モンスター:このカードは相手の対象を取らない効果を受けない。

●フィールドの融合モンスター:このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分だけ相手のLPを減らす。

●フィールドの通常召喚された炎属性・戦士族モンスター:このカードは効果では破壊されず、コントロールも変更されない。

 

 

 

「でけぇ!」

「大きい……!」

 

 

F・S 覇炎巨剣士 ルージュ・グラン・サーブル:ATK 3200

 

 

「俺様の能力が通用してない!?」

「『ルージュ・グラン・サーブル』は対象を取らない効果を受けない!」

「くっ!」

「これで最後だ、バトル! 『ウォーター・ドラゴン』に攻撃! “赤色の剣舞踊(ダンセ・ド・ルージュ)”!」

『テェヤアアアアアアアアアアアアッ!』

「ギィイイイイイイイイイイヤアアアアアアアアアアアアアッ!」

 

 赤色超えた赤色、最早橙や白とも見れるその爆炎を纏った剣で『ルージュ・グラン・サーブル』は『ウォーター・ドラゴン』を斬り裂く。水の体だというのに『ウォーター・ドラゴン』は激しく燃え上がり、悶え苦しんだ。

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 1400→1000

 

 

「最後に『サーブル』の効果で『ウォーター・ドラゴン』の元々の攻撃力の半分、1400ポイントのダメージだ!」

 

 『ルージュ・グラン・サーブル』が剣を一振りすると、火の玉が無数に放たれ、『ウォーター・ドラゴン』に追撃の炎を喰らわせた。

 

「ぐぁああああああああっ!」

 

 

ウォーター・ドラゴン:LP 1000→0

 

 

黎:WIN

ウォーター・ドラゴン:LOSE

 

 

【BGM終了】

 

 

 

 

 

 デュエルに勝利し、ソリッド・ヴィジョンがスゥ―――、と消えていく。

 静かに『ウォーター・ドラゴン』が倒れ、黒いオーラがしぼんでいった。

 

【ギギギギギギギギギギギギギィ…………ッ!】

「あれは!?」

 

 と、しぼんだオーラが一点に集まると、黒い『何か』に変わった。その『何か』は邪神の気配を濃く放ちながら上空へと去り、どこかへと逃げだし始めた。

 既にボロボロで、自然消滅も時間の問題だが、その間に誰かに憑いたりしたら大問題だ。

 

「逃がすか!」

 

 素早く炎の力を体に流し込み、火の砲弾を放つ。ギシギシと体中が痛いが、気にしない!

 砲弾は過たず『何か』に命中し、断末魔も無しに焼却した。

 

 

to be continued

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