遊戯王GX~精霊の抱擁~ 作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民
黎「なーにかな、なーにかな! 今回は、これ!」
ゴブリン突撃部隊
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻2300/守 0
(1):このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分ターンの終了時まで表示形式を変更できない。
黎「毎度お馴染みのモンスターだ、今更説明も要らないくらいにな。一見すると雑魚だけど、昨今じゃあ通常召喚できて攻撃力2200の厄介なモンスターを倒せる、案外お得なモンスターだよ」
ゲートをくぐる途中、試験用紙みたいな物があった。解いてみれば、遊戯王、否、デュエルモンスターズ関連のモノばかり。
ちょちょいと解いたら『4』という番号が浮かび、受験証書に変わった。
……4って、なんか不吉。個人的にすっごいイヤなんだけど、こーゆーの。
いや、オカルト云々以前に、
で、ゲートをくぐり終わると、人気の無い林の前にいた。
「遅刻だぁ~っ!」
っ!? あれってGX主人公の遊城 十代!?
って事は終了時刻間際!?
もう少し早くしてくれても良かったんじゃねーの!?
大急ぎで追いかける。こっちは試験会場分からんねぇんだよ!
「待ってくれ! 多分俺とお前さんは行き先同じだ!」
「えっ!?」
突然掛けられた声に驚き、足を止める十代。急いでる時は止めちゃダメだぜ?
「そっか、アンタもか! いやー、電車が遅れるとか、参るよな!」
「まったくだよ!!」
実際は違うけどね。
走りながらも会話は続く。
「俺、遊城十代。お前は?」
「黎。遊馬崎黎だ。よろしく」
「へへ、学園が楽しみだぜ! お前、相当強いだろ?」
「ま、ね。地元じゃ1番強かった」
自慢じゃ無いが、連敗記録はここ数年作っていない。
「へー。でも、俺の
「ふ、俺のデッキもまた然り、だ」
「く~、マジで楽しみになって来たぜ!」
「だったらまず、合格目指すんだな!」
「おう!」
そんなやりとりをしながら俺達は試験会場へ向けて走る。初っ端から遅刻とかシャレにならーんっ!!
取り敢えず間に合った。
で、普通のモブ先生が相手らしい。十代は原作通りクロノス先生が相手だ。受験番号4番、というのが功を奏したらしく、クロノス先生の怒りは買わなかったようだ。十代と同着なのに、ちょっと彼に悪い気がする。
さて、切り替えないと。モブ相手とは言え、油断は禁物だからな。
「受験番号4番、遊馬崎黎。お願いします!」
「うむ、全力で来なさい!」
デッキからカードを5枚切る。
因みに言っておくが、『サイクロン』や『強欲な壺』といったカードも入れてある。流石にオリカだけじゃ回らなさそうなんでね。
『デュエル!』
黎:LP 4000
試験官:LP 4000
さぁ、行くぜ!
「俺の先攻で行きます! ドロー‼」
引いたカードと手札を見る。どうやら考えておいた数十手の手の中のアレが使えそうだ。
「『
「ファイア・スピリッツ……?」
ま、知らねえだろうな。この世に1枚しかないんだから。
『グォオォォォオオオオオッ‼』
雄叫びと共に真っ赤なマグマから紅の龍が飛び出す。
一応言っておくと『プロミネンス・ドラゴン』とは全く似ていないので、悪しからず。
F・S マグマドラゴン:ATK 1800
F・S ―ファイア・スピリッツ―
これが炎の結晶から生まれたカード。万物を焼き尽くす紅蓮の力。
「モンスター効果発動! 召喚に成功した時、デッキまたは手札からレベル4以下の炎属性モンスター1体を特殊召喚できる。来い、『F・S 鬼火のウィスプ』‼」
続いて青白い炎を纏って仮面を被った侍装束の男が現れる。
F・S 鬼火のウィスプ:DEF 700
「ふん、何を出すかと思えば、クズモンスターか」
「――あ゛?」
おい。今のはムカついたぞ?
「カードを1枚伏せて、ターンエンド」
黎:LP4000
手札:3枚
フィールド
:F・S マグマドラゴン(ATK 1800)、F・S鬼火のウィスプ(DEF 700)
:伏せカード1枚
「私のターン、ドロー。君に良い事を教えてあげよう」
「……何でしょう」
ひっじょ~に聞きたくないが、一応返す。こういう所、甘いと自分でも思う。
「クズなザコモンスターをいくら並べても、勝てはしない。デュエルはパワーだよ!」
こいつ、初期のクロノス先生といい勝負だ……!
はっきり言って性格悪い。こんな奴に教鞭をとって欲しくない。
「まずは『ゴブリン突撃部隊』を召喚!」
ゴブリン突撃部隊:ATK 2300
「更に『デーモンの斧』と『メテオ・ストライク』を装備! これにより攻撃力が1000ポイントアップし、守備表示モンスターを超えた時、攻撃力が守備力を超えた分だけ戦闘ダメージを相手に与える!」
悪魔の顔を模した戦斧を装備する、緑肌の鬼トリオ。ところで斧装備してんの先頭の奴だけなんだが……。
ゴブリン突撃部隊:ATK 2300→3300
……下らねぇ。同じパワーなら『愚鈍の斧』の方がデメリットアタッカーの『ゴブリン突撃部隊』には有効だってのに。ま、貫通効果を持たせたってのもあるし、そこそこ優秀ってトコか。
簡易版『
「……、下らないったらありゃしない。腕前の程が知れるってんだ」
「聞こえてるぞ」
おっと、声に出てたか。
謝らないけど。
「『ゴブリン突撃部隊』で右側のモンスターを攻撃‼」
右……、『鬼火のウィスプ』か。名前くらい覚えろよ。1分経ってないぞ?
「喰らえ、2700ダメージ!」
3300引く700は2600だ。計算も出来ないのか、この人は。
バイトか何かか?
突撃部隊がウィスプに向けて進軍し、そのまま取り囲む。タコ殴りにでもするつもりなのか? エグイな。
そのまま斧や金棒を振り下ろそうとした瞬間、青い炎が球体状にウィスプを取り囲み、バリアの様に攻撃を防いだ。
「『F・S 鬼火のウィスプ』は攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されず、ダメージも発生しない」
「なにっ!?」
へっ、見てろよ……。その高慢チキな鼻っ柱、圧し折ってやる!
「モンスター効果は更に続く! 守備表示のウィスプが攻撃を受けた時、コイツを攻撃表示にし、ダメージステップ終了時に相手の場のモンスターの表示形式を2体まで変更できる! もっとも、『ゴブリン突撃部隊』には無意味だけどな」
攻撃後に自分で守備表示になっちゃうからね。
F・S 鬼火のウィスプ:ATK 800
ゴブリン突撃部隊:DEF 0
「おや、自慢の装備カードの影響が全部パーになってしまいましたね?」
「くぅっ、リバースカードを2枚セットし、ターンを終了する……」
試験官:LP 4000
手札:1枚
フィールド
:ゴブリン突撃部隊(DEF 0)
:デーモンの斧、メテオ・ストライク(魔法・ゴブリン突撃部隊に装備)、伏せカード1枚
「俺のターン、ドロー!」
お! これならこのターンで終わらせる事ができるな!
じゃ、早速……
「このターンで終わらせる!」
「何ぃ!? だが、そうはいかんぞ! 永続
ゴブリン突撃部隊:ATK 3300
F・S マグマドラゴン:ATK 1800
F・S 鬼火のウィスプ:ATK 700
「はっはっは、どうだ、このターンでまだ終わらせられると言うのかね‼」
……こいつの高笑い、すんごいムカつく。
「下らねえ」
「ああ゛!?」
「……デメリットアタッカーを出した時点で想定される行動はいくつかある。そいつは1番分かりやすく、少しでもデュエルモンスターズをかじっていれば打てる作戦だ」
守備表示を封じ、デメリットを消す。初心者でも簡単に使えるお得な方法と言える。
だがこのカードを採用するのなら、守備貫通を与える『メテオ・ストライク』を採用するのは頂けない。こちらのモンスターも攻撃表示になって死に札になりかねないからだ。
「結論。あんたは強くない」
相手の返事は聞かない。なにかギャーギャー騒いでるが、気にしない。
「『F・S バーナーズ・キャノン』を召喚‼」
F・S バーナーズ・キャノン:ATK 1500
巨大なバズーカを背負った鎧兵が現れる。見た目は『ターレット・ウォリアー』に似ている。
「はっ、そんなザコになにが出来る!」
「うるせぇ、黙ってろ! 『バーナーズ・キャノン』の特殊効果発動! 1ターンに1度、相手の場の魔法・罠カードを1枚破壊でき、更に相手に300ポイントのダメージを与える! “バーニング・ショット”! 対象はリバースカードだ‼」
肩に装着された2丁のバズーカから白い焔が噴き出し、リバースカードを焼き払った。伏せカードは『聖なるバリア-ミラーフォース-』。危ない危ない。メジャーなカードの中でも特に強力な奴だ。
聖なるバリア-ミラーフォース-
【通常罠】
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
「ぐぅっ!」
試験官:LP 4000→3700
「続いて魔法カード『融合』を発動! 『鬼火のウィスプ』と『バーナーズ・キャノン』を融合!」
侍装束の男と鎧兵が時空の渦に飲み込まれ、消失する。渦は光を発し、そして光の中から新たなる戦士が現れた。
「融合召喚‼ 焼き斬れ『F・S ブレイジング・ナイト』‼‼」
『ハァァァァァァアッ、ハアッ‼』
白銀の鎧を身に纏い、赤い炎を具象化したようなマントを羽織る騎士。兜から覗く紅の瞳には強い意志が宿っている。
F・S ブレイジング・ナイト(融合・効果モンスター)(オリジナル)
星9
炎属性/戦士族
ATK 2900/DEF 2700
「F・S」と名のつくモンスター×2
(1):このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力と守備力の合計値の半分をダメージとして相手に与える。
F・S ブレイジング・ナイト:ATK 2900
「な、何かと思えば、ゴブリン突撃部隊より弱「フィールド魔法発動」何ぃっ!?」
「『スピリッツ・ワールド』‼ 「
平たく言えば、『摩天楼-スカイ・スクレーパー-』の上位互換。相手の表示形式もこっちの表示形式も一切関係無く発動できる優れ物だ。
「『ブレイジング・ナイト』で『ゴブリン突撃部隊』を攻撃‼」
F・S ブレイジング・ナイト:ATK 2900→3900
「
『ぜ、ぇえええええ、やぁっ‼‼』
紅蓮の炎を纏った剣が一閃、突撃部隊を3人とも斬り裂いた。どうでもいいけど、何で逐一爆発するのかねぇ?
「ぐあああああっ!」
試験官:LP 3700→3100
「そして『ブレイジング・ナイト』のモンスター効果! 破壊した相手モンスターの攻撃力と守備力の合計値の半分のダメージを与える! “ファイア・フォース”‼」
「のうぁぁぁぁあぁあっ!?」
試験官:LP 3100→1450
「そして『マグマドラゴン』でダイレクトアタック! “ボルカニック・ブレス”‼」
「ぎゃああああああああああっ‼」
F・S マグマドラゴン:ATK 1800
試験官:LP 1450→0
黎:WIN
リアルだな、ソリッドヴィジョン。なんか熱いし。
さて、決して俺はドSじゃ無いが、意趣返しだ。
「1つ、良い事を教えましょう、試験官殿?」
「……何だ」
5D'sの主人公、不動 遊星の言葉を引用してみる。遊星、ちょっと借りるぜ?
「この世の中には、役に立たないカードなんて無い。クズだなんだと貶す心こそがザコの証明だ」
「なっ!?」
「んじゃ、ありがとうございました」
文句つく前に退散。ま、これで十分に合格圏内だろ。
さて、行くか。デュエルアカデミアに。
――ドクンッ
「……っ!?」
何だ、今の鋭い痛みは……!
to be continued
前述の通り、作中で直す箇所は少ないですが、いくつかの変更点がございます。