遊戯王GX~精霊の抱擁~   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

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STORY56:激闘 憤怒VS暴食!

――異世界・廃墟の時計塔下

 

 

 

SIDE:無し

 

 

 

グラトニー:LP 4000

手札:6枚

フィールド

:セットモンスター1体

:魔法・罠無し

 

 

 

ラース:LP 4000

手札:3枚

フィールド

:スカル・イーター(ATK 0)

:魔法・罠無し

 

 

 

 古びた時計塔の下で対立する、上級護衛のナンバー1と2の二人。

 ナンバー2のグラトニーは消滅し、黒い塵となったプライド、エンヴィー、スロウスを見る。

 彼らのモンスターは、持ち主が敗北した時点で消滅していた。

 

「アホどもが……」

 

 それを見たラースは、少し意外そうに言った。

 

「ほう? もう少し別の言葉をかけると思ったのだがな」

「別に。高い攻撃力と迎撃用のカードを場に仕込んだだけで勝った気になるようなバカ共にかける声なんざねぇよ」

 

 『サイクロン』や『神の宣告』を筆頭として、魔法や罠を除去したり無効にしたりするカードは豊富に存在する。

 いくら強力なカードであっても、発動前に潰されたり、無効にされればそこで御陀仏。複数枚手札にそういうカードを所持していても何枚かは手札に温存し、後々に取っておくのが正しい戦法だろう(余程追い詰められていなければの話だが)。

 もっとも、手札のカードを『手札抹殺』の様なカードで捨てさせられる可能性もあるし、伏せる前に敗北というのも有り得るので、手札に温存しているかといって油断はできないのだが。

 

「第一、今のおいらはもう護衛じゃねぇ。人間の敵であるあいつらに同情するつもりは毛頭ねぇよ」

「そうか」

 

 不敵に笑う二人。

 そして再びディスクが構えられ、睨み合う構図が生まれる。

 

「攻撃を行った『スカル・イーター』は守備表示になる」

 

 

スカル・イーター:ATK 0→DEF 0

 

 

「そしてカードを1枚伏せて、我はターンを終了する」

 

 

 

ラース:LP 4000

手札:2枚

フィールド

:スカル・イーター(DEF 0)

:伏せカード1枚

 

 

 

「おいらのターン、ドロー!」

 

 さて、とグラトニーは熟考する。

 迂闊に攻め入れば、どうなるか分かったものじゃ無い。

 幸いと言うか何と言うか、邪神のカードはまだ手元にあった。故に条件は五分。だが、相手は最強。果たして勝てるのかどうか……。

 そこまで考えてグラトニーは首を軽く振る。弱気になってはいけない、メンタル面こそ、この戦いを制するに重要なファクターなのだから。

 

「セットモンスターを反転召喚! 『リバースルメイカ』!」

 

 そう思ったグラトニーは裏守備モンスターを表向きにする。絵柄から出て来たのは日干しにされたイカだ。

 

 

リバースルメイカ:ATK 0

 

 

「『リバースルメイカ』がリバースした時、相手の場の元々の攻撃力が1000以下のモンスターを1体破壊し、カードを1枚ドローできる! 攻撃力0の『スカル・イーター』を破壊だ!」

 

 

 

リバースルメイカ(効果モンスター)(オリジナル)

星1

水属性/魚族

ATK 0/DEF 0

リバース:相手フィールド上に表側表示で存在する元々の攻撃力が1000以下のモンスターを1体破壊し、デッキからカードを1枚ドローする。

 

 

 

 触手の内の1本を伸ばしたスルメイカが屈んでいた骸骨を砕き、別の触手でグラトニーのデッキトップの1枚を捲る。

 

「更に『リバースルメイカ』をリリースして『どら焼キリン』をアドバンス召喚っ!」

『ヴォォオ~』

 

 

どら焼キリン:ATK 2200

 

 

 グラトニーの宣言と共にスルメが虹色の光の中へとその姿を消す。

 ガカッ、と蹄を鳴らせて、どら焼きの体を持つキリンが現れた。どら焼きから首と足が生えているようにも見える。

 ちなみに牛の仲間であるキリンは、実際に牛の様な声で鳴く。

 

「バトル! 『どら焼キリン』でダイレクトアタック! “ジュラフ・スタンプ”!」

「罠カード発動、『リバイバル・リベンジ』! 自分の場のアンデット族モンスターが破壊されたターン中に攻撃宣言がされた時、自分の場に『骸骨トークン』を2体特殊召喚する」

 

 

 

リバイバル・リベンジ(オリジナル)(改訂版)

【通常罠】

(1):自分の場のアンデット族モンスターが破壊されターン中に攻撃宣言がされた時に発動できる。

自分の場に「骸骨トークン」(アンデット族・闇・星4・攻 0/守 500)を2体特殊召喚する。

この効果で特殊召喚されたトークンは「スカル」モンスターとしても扱い、次の自分のターン終了時に破壊される。

 

 

 

骸骨トークン:DEF 500

骸骨トークン:DEF 500

 

 

 地面の中から出て来る、ボロ布を纏った骸骨。『ワイト』にも見えなくもない、かも知れない。

 

「ならば攻撃対象を変更! 『骸骨トークン』に攻撃!」

『ヴォォォオッ!』

 

 パキシッ、と間抜けな音と共に踏み潰される人骨。大型動物のキリンの前には、死した白骨死体は意味を持たなかったようだ。

 

「おいらはカードを2枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

グラトニー:LP 4000

手札:5枚

フィールド

:どら焼キリン(ATK 2200)

:伏せカード2枚

 

 

 

「我のターン!」

(……『強制肥沃土壌』の入っていないデッキで助かった。下手な事をすれば自爆ものだからな)

 

 グラトニーは密かに心の中で安堵する。

 先刻の『スカル・イーター』の事を考えると、メインデッキに恐らく攻撃力の高いモンスターは少ない。特殊召喚されたトークンがアンデット族である事も考慮すると、パワーで押すタイプなのでは無く、モンスター効果で翻弄するタイプなのだろう。

 となると、バーン効果やハンデス持ちもいる可能性も十分有り得る。もしもそんなモンスターがいれば、それを利用するフィールド魔法は逆に自分にとって不利になる可能性も高い。

 

「我は『骸骨トークン』に装備魔法『代替の骨』を装備する。更に『スカル・ウルフ』を召喚!」

『ウワォアォォアォアオアオアオアアアアアアアアアォオオオオンッ!』

 

 

スカル・ウルフ:ATK 500

 

 

 光のゲートを潜って登場する、骨だけの狼。ただしその大きさは一般的な狼の大きさとはかけ離れており、2階建ての家と同じくらいの大きさに見える。

 

「レベル4の『骸骨トークン』と『スカル・ウルフ』をオーバーレイ」

 

 瞬時に黒い光に変わる白骨死体と、白い光に変わる骨の飢狼。

 その光景にグラトニーは眼を見開いた。

 

「ば、バカな!? トークンはエクシーズ素材にはできねぇハズだぞ!」

「生憎『代替の骨』を装備したトークンは、『代替の骨』自身を素材としてエクシーズ召喚の素材にできるのだ!」

「そ、装備魔法で素材の代替だと!?」

 

 

 

代替の骨(オリジナル)(改訂版)

【装備魔法】

「スカル」モンスターのみ装備可能。

(1):このカードを装備したモンスターがX召喚の素材となる時、このカードをX召喚の素材とする事ができる。

この時、このカードは装備モンスターと名前・レベル・種族・属性が同じカードとして扱う。

この効果を使用し、装備モンスターがX素材とならない場合、装備モンスターを破壊する。

(2):このカード以外の「代替の骨」を1枚除外して発動する。

墓地のこのカードを手札に戻す。

 

 

 

「クッ、エクシーズ用のダブルコスト製造カードか……」

「今回の場合は、厳密に言えば『スカル・ウルフ』と『代替の骨』が素材になるのだがな。さて、2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築だ」

 

 二筋の光が銀河の渦の中へと飛び込む。銀河は爆発を起こし、巨大なシルエットを生み出した。

 

 

☆4×☆4=★4

 

 

「エクシーズ召喚! その巨躯は滅びの宴、『スカル・ジャイアント』!」

『ゴガガガァアアアアアアアアッ!』

 

 

スカル・ジャイアント:ATK 2600

 

 

 シルエットは徐々に姿を現す。巨人としか形容できないその姿は、スロウスの完全体並みに大きい。

 

「装備魔法だけが素材となった事で、トークンは破壊される。ターンの終わりを待たずして消えろ、トークンよ。

 更に素材になった『スカル・ウルフ』の効果を発動。このカードが“スカル”と名のついたシンクロ・エクシーズモンスターの素材となった時、相手はエンドフェイズまで魔法・罠を発動できない」

「な、何だと!?」

 

 

 

スカル・ウルフ(効果モンスター)(オリジナル)

星4

闇属性/アンデット族

ATK 500/DEF 500

このカードはデッキから特殊召喚する事はできない。

このカードが「スカル」と名のついたシンクロモンスターまたはエクシーズモンスターの素材となった時、エンドフェイズまで相手は魔法・罠を発動する事はできない。

 

 

 

「バトル。『スカル・ジャイアント』で『どら焼キリン』を攻撃」

「ぬぉっ!」

『ゴガァアッ!』

『ヴォォオッ!』

 

 ブゥン! 柱の様に太い骨の腕が振るわれ、ラリアットの要領でキリンが吹き飛ぶ。中身の餡子を散らしながらその巨体は吹っ飛んで地面に倒れ、消滅した。

 

 

グラトニー:LP 4000→3600

 

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 

 

ラース:LP 4000

手札:0枚

フィールド

:スカル・ジャイアント(ATK 2600・ORU:2)

:伏せカード1枚

 

 

 

「クッ、おいらのターン、ドロー!」

 

 引いたカードを見てグラトニーは内心舌打ちする。打開できるカードが手札に無いからだ。

 攻撃力2200の『どら焼キリン』はあの時点で1番攻撃力の高いモンスターだった。それが破られた今、グラトニーに対抗する術は無い。

 

「相手フィールドにのみモンスターが存在する時、『鬼オニオン』は、手札から特殊召喚できる!」

 

 光る穴から飛び出す、タマネギを手にした赤鬼。金棒を背負っているところを見ると、タマネギの方が彼?の中では優先順位が高いのだろう。

 

「ただし、この効果で特殊召喚した場合、次のおいらのスタンバイフェイズまでシンクロ素材にできず、リリースする事もできない!」

 

 

 

鬼オニオン(効果モンスター)(オリジナル)

星5

闇属性/植物族

ATK 1650/DEF 1600

相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚した場合、このカードは次の自分のターンのスタンバイフェイズまでシンクロ素材にできず、リリースする事もできない。

 

 

 

鬼オニオン:DEF 1600

 

 

「更にモンスターを1体セットして、ターンエンド!」

 

 

 

グラトニー:LP 3600

手札:4枚

フィールド

:鬼オニオン(DEF 1600)、セットモンスター1体

:伏せカード2枚

 

 

 

「我のターン、ドロー。……グラトニー、少し失望したぞ?」

「何?」

 

 怪訝そうに眉根を寄せるグラトニー。

 

「たかが攻撃力2600程度のモンスターを相手に梃子摺るとは、上級護衛の名が泣く」

「元・護衛だ。それにただの手札事故だっつーの、誰にでもあるだろうが」

「ふん、ならばせめて、この『スカル・ジャイアント』を倒してみるのだな。

 バトル! 『スカル・ジャイアント』で『鬼オニオン』を攻撃! “アンデット・ラリアット”!」

「チッ!」

 

 バキャッ! とラリアットが鬼を吹き飛ばす。

 

「更に『スカル・ジャイアント』のモンスター効果発動! 戦闘で相手モンスターを破壊した時、オーバーレイ・ユニットを1つ使う事で、破壊したモンスターの攻撃力500ポイントにつき1枚カードをドローできる!」

「ッ、ドロー補助か!」

 

 

 

スカル・ジャイアント(エクシーズ・効果モンスター)(オリジナル)(改訂版)

ランク4

闇属性/アンデット族

ATK 2600/DEF 1900

「スカル」と名のついたレベル4モンスター×2

(1):このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

破壊したモンスターの攻撃力500ポイントにつき1枚、カードをドローできる。

この効果は1ターンに1度しか使えず、このカードが特殊召喚されたターンには使用できない。

 

 

 

「破壊した『鬼オニオン』の攻撃力は1650だ。よってカードを3枚ドロー」

 

 

スカル・ジャイアント:ORU 2→1

 

 

「チィッ、手札1枚が4枚に……」

「所詮食物など屍の前では何の意味も持たん炭素の塊だ。我が力の前に平伏すが良い」

「それを言うなら死体なんざ肥料にしかならねぇよ。生きとする物の糧にしてやらぁ」

 

 フッ、と見下すラース。

 ハン、と意にも留めないグラトニー。

 互いに睨み合い、そして――

 

「貴様! 前々から思っていたが、やはり護衛としては相応しくないな! 最早生かしてはおけん!」

「何度も言わせるな! おいらはただ満腹になればそれでいい! そういう契約をして破った邪神に責任がある!」

「殺す! この万年空腹肥満体がぁ! 自分の重みで潰れろ!」

「上等だ! この年中激怒狭量野郎がぁ! 高血圧で血管切れろ!」

 

 互いに、叫んだ。

 

「魔法カード『スカル・コール』を発動! 自分の場に存在する“スカル”と名のついたモンスター1体を選択し、それよりも攻撃力が低いアンデット族を1体、デッキから手札に加える! 我は攻撃力0の『スカル・プリヴェンター』を手札に加える!」

 

 

 

スカル・コール(オリジナル)

【通常魔法】

自分の場に表側表示で存在する「スカル」と名のついたモンスターを1体選択し、選択したモンスターよりも攻撃力が低いアンデット族モンスターを1体、デッキから手札に加える。

この効果で手札に加えたモンスターは、このターン召喚・特殊召喚できない。

 

 

 

 グラトニーは眉根を顰める。ラースが手札に加えたのは攻撃力が0のモンスター。つまりそれは、何かしらの効果を持っているという事だ。

 主な攻撃力0の厄介なモンスターは、相手モンスターを奪う『サクリファイス』。バトルフェイズを強制終了する『バトルフェーダー』や『速攻のかかし』。相手にダメージを押しつける『ユベル』……。どれも油断ならないモンスターだ。

 

「1枚カードをセットし、ターンエンドだ!」

 

 

 

ラース:LP 4000

手札:3枚(内1枚は『スカル・プリヴェンター』)

フィールド

:スカル・ジャイアント(ATK 2600・ORU:1)

:伏せカード1枚

 

 

 

「おいらのターン、ドロー! 『水飴ンボ』を召喚!」

 

 

水飴ンボ:ATK 900

 

 

 水飴の塊が空中に生まれ、そこから飛び出す1匹のアメンボ。足はまだ水飴にくっついている。

 

「更に『デビルッコラ』を反転召喚!」

 

 

デビルッコラ:ATK 1400

 

 

「行くぞ! レベル4の『デビルッコラ』に、レベル2の『水飴ンボ』をチューニング!」

 

 現れた悪魔の根を持つ草が飛び上がる。2つの星にばらけたアメンボが緑の輪を生み出し、その中へと悪魔の根の草が飛び込んだ。

 

「宴の準備は整った! 飲んで食って騒いで歌え! 今夜は無礼講!」

 

 

☆4+☆2=☆6

 

 

「シンクロ召喚っ! 騒げ、『ブルート・ブルゴーニュ』!」

『ブモォオオオオオオオオオオオオオッ!』

 

 ドシン! と地面を踏み鳴らし、背中に酒瓶を背負った巨大な牛の魔人が現れる。

 手にしている大槍は、真っ赤な血に濡れている。

 

 

ブルート・ブルゴーニュ:ATK 1800

 

 

「攻撃力1800か。さて、どう踊る、愉快で不愉快なピエロよ」

「ハ、こう踊らせてもらう! 『ブルート・ブルゴーニュ』で『スカル・ジャイアント』に攻撃! “ブル・インパクト”!」

『ブルァアアアアアアッ!』

 

 槍を振り回して突進するダークブルーの牛。その攻撃力は明らかに届かないが……。

 

「『ブルート・ブルゴーニュ』の効果発動! このカードが戦闘を行う時、相手の属性が水以外なら、その攻撃力の半分を吸収する!」

「ほう、面白い効果だ!」

 

 

 

ブルート・ブルゴーニュ(シンクロ・効果モンスター)(オリジナル)

星6

水属性/獣戦士族

ATK 1800/DEF 2200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが水属性以外のモンスターと戦闘を行う場合、そのダメージ計算時のみこのカードの攻撃力は戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の半分の数値分アップする。

 

 

 

 突進する牛の魔物が相手の力を吸収し、その筋骨隆々の巨躯を更に大きくさせる。

 

 

ブルート・ブルゴーニュ:ATK 1800→3100

 

 

 そしてその鋭い一撃が叩き込まれ―――

 

「だがアマい! 罠発動、『石灰散布』! 相手モンスターが攻撃して来た時、その元々の攻撃力を半分にする! 更にこの効果はチェーンされない!」

「迎撃!? 読まれていたか!」

 

 

 

石灰散布(オリジナル)

【カウンター罠】

相手が自分の場のアンデット族モンスターに攻撃をして来た時に発動できる。

相手の攻撃モンスターの元々の攻撃力は半分になる。

このカードの発動に対して相手はカウンター罠を発動できない。

 

 

 

 バッ! とカーテンの様にばら撒かれる白い粉。眼潰しの効果も持ったそれは、牛の魔人の突撃を止められず、しかし弱めるには十分なものだった。

 

 

ブルート・ブルゴーニュ:ATK 3100→2200

 

 

「反撃だ! “スカル・ラリアット”!」

「ぐぉおおっ!」

 

 

グラトニー:LP 3600→3200

 

 

 突き抜ける衝撃。骨の大腕が振るわれ、牛が吹き飛ぶ。その後ろにいたグラトニーにも、当然その威力は突き抜ける。

 その口の端から軽く血が流れる。

 

「く……(チッ、軽く内蔵(中身)をやったか……)」

「どうした、最初の威勢は?」

「フン……」

「更に『スカル・ジャイアント』の効果発動。オーバーレイ・ユニットを1つ使い、破壊した相手モンスターの元々の攻撃力500ポイントにつき1枚カードをドローだ」

 

 

スカル・ジャイアント:ORU 1→0

 

 

「……これで、ターンエンド!」

 

 

 

グラトニー:LP 3200

手札:4枚

フィールド

:モンスター無し

:伏せカード2枚

 

 

 

「我のターン、ドロー」

 

 グラトニーは表情では飄々とした態度を保っていたが、内心では場の状況に焦りを感じていた。

 ラースの場には攻撃力2600のモンスターが1体。そして手札は今のドローで7枚となった。あの手札次第ではこのターンでの敗北も有り得るだろう。

 

「『スカル・バスター』を召喚!」

『クカカカカカッ!』

 

 

スカル・バスター:ATK 1800

 

 

 片腕にバズーカを携えた人骨が現れる。

 ラースのデッキは“スカル”という名のモンスターで統一してあるようだ。

 

「『スカル・バスター』は1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で、カードを1枚ドローできる。『スカル・プリヴェンター』を墓地へ送る。更にこの効果で捨てたカードがアンデット族だった場合、攻撃力は300ポイントアップする」

 

 

 

スカル・バスター(効果モンスター)(オリジナル)

星4

闇属性/アンデット族

ATK 1800/DEF 400

自分の墓地にカードが存在しない場合、このカードは通常召喚できない。

1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で、デッキからカードを1枚ドローできる。

この時捨てたカードがアンデット族モンスターだった場合、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

 

 

 

スカル・バスター:ATK 1800→2100

 

 

「攻撃力2000オーバーが2体かよ……」

「お別れだグラトニー。バトル! 『スカル・ジャイアント』でダイレクトアタック! “スカル・ラリアット”!」

 

 振われる巨大な骨だけの右腕。これが直撃すればグラトニーのライフは一気に消耗してしまうが……。

 これをむざむざ喰らう程、グラトニーとて弱くない。

 

「リバースカード、オープン! 『パーフェ・プロテクト』! 自分の場にモンスターが存在せずに攻撃宣言がされた時、場に『パフェトークン』を相手モンスターと同じ数だけ特殊召喚する! このトークンは特殊召喚されたターンのみ破壊されない!」

 

 

 

パーフェ・プロテクト(オリジナル)

【カウンター罠】

自分の場にモンスターが存在しない時に相手が攻撃宣言を行った時に発動できる。

自分の場に「パフェトークン」(魔法使い族・地・星2・攻0/守0)を相手の場に存在するモンスターと同じ数だけ特殊召喚する。

この効果で特殊召喚されたトークンはこのカードが発動したターンのみ破壊されない。

 

 

 

「お前の場にいるモンスターは2体! よって2体の『パフェトークン』を特殊召喚!」

 

 

パフェトークン:DEF 0

パフェトークン:DEF 0

 

 

 ポン、とコミカルな音と共に現れるパフェ。フルーツや生クリームをたっぷりと使用しており、その透明なガラスの器に漫画チックな目が浮かぶ。

 パフェは大柄な骸骨に殴られるものの、軽く揺れるだけでビクともしていない。

 

「ふむ、ならばカードを1枚セット。これでターンエンドだ」

 

 

 

ラース:LP 4000

手札:5枚

フィールド

:スカル・ジャイアント(ATK 2600・ORU:0)、スカル・バスター(ATK 2100)

:伏せカード1枚

 

 

 

「おいらのターン、ドロー!」

 

 引いたカードを見て、グラトニーは渋面を作る。

 マズい。ハッキリ言って大ピンチだ。この状況を打開できる術が無い。

 だが、と手札のカードを1枚抜き出す。

 このカードに賭ける。これならまだ逆転の手を打てる。

 

「魔法カード『強欲な壺』を発動! デッキからカードを2枚ドロー!」

 

 

 

強欲な壺

【通常魔法】

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

 ビッ! と引かれた2枚のカード。それはグラトニーの頭の中に光のレールを生み出す。

 1枚のカードから次のカードへ。次から次へと繋がり、そして――

 

「おいらは『パフェトークン』2体をリリースし、『ビッグ・ハンマーボー』をアドバンス召喚っ!」

『ホアァッ!』

 

 

ビッグ・ハンマーボー:ATK 2000

 

 

「更に永続魔法カード『ワイヤー疑似餌』を発動! 発動後、自分の場にこのカードは特殊召喚される! そしてそのレベルは自分の場のモンスター1体のレベルをコピーする!」

 

 

ワイヤー疑似餌:ATK 0/☆?→8

 

 

 虹色の光の中にパフェが消え、入れ替わりに麻婆豆腐の器を頭の上に乗せた大槌使いが現れる。更にその隣には小魚を模したプラスチック製品が出現した。

 

「そして『ビッグ・ハンマーボー』の効果発動! 1ターンに1度、自分の場にレベル6以上のモンスターが特殊召喚された時、デッキから同じレベルのモンスターを1体特殊召喚する!」

 

 

 

ビッグ・ハンマーボー(効果モンスター)(オリジナル)

星8

闇属性/悪魔族

ATK 2000/DEF 3100

このカードが自分の場に表側表示で存在し、自分の場にレベル6以上のモンスターが特殊召喚された時、自分のデッキからそのモンスターと同じレベルのモンスターを1体特殊召喚できる。

この効果は1ターンに1度しか使えない。

 

 

 

ワイヤー疑似餌(オリジナル)

【永続魔法】

自分の場に存在する攻撃力2000以下のモンスターを1体選択して発動する。

このカードは発動後モンスターカード(魚族・水・星?・攻/守0)となって、自分の場に攻撃表示で特殊召喚される。

このカードのレベルは発動時に選択したモンスターと同じになる。

 

 

 

「その効果でおいらはデッキからレベル8の『白菜キッカー』を特殊召喚!」

『トアッ!』

 

 

白菜キッカー:ATK 2650

 

 

 巨大な大槌を振り下ろして空いた大穴。そこから飛び出したのは、大きな白菜。では無く、白菜の胴体から手足の生えた超能力者。デフォルメされた目が赤く輝き、額(らしき場所)のゴーグルを装着する。

 

「レベル8の『白菜キッカー』と『ビッグ・ハンマーボー』、『ワイヤー疑似餌』をオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

 グラトニーの宣言に合わせて、白菜の超能力者が緑、大土使いが茶色、プラスチック製の小魚が浅黄色の光に変わり、上空へと螺旋を描きながら飛び上がる。

 天に生まれた銀河の渦の中へと、3つの光は飛び込んで行った。

 

 

☆8×☆8×☆8=★8

 

 

「エクシーズ召喚! 来い、『ヨーグルトレイン』!」

『ポォオオォオォオォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!』

 

 どこからか警笛が鳴り響き、白煙を吹き上げながら巨大な蒸気機関車が走り寄って来た。石炭車と客車の後ろには申し訳程度にヨーグルトがカップごと車輪で走っている。足元には御丁寧にレールが敷いてある。

 

 

ヨーグルトレイン:ATK 3800

 

 

「こ、攻撃力3800だと!?」

「これがおいらの切り札の内の1枚だ! バトル! 『ヨーグルトレイン』で『スカル・バスター』を攻撃! “ミルキー・スチーム・インパクト”!」

 

 乳白色の煙をあげて機関車がバズーカを携えた骸骨に迫る。

 しかし、これを容易く通す程、ラースは弱くない。

 

「アマいな! リバースカード、オープン! 罠カード『凶悪なるバリア-バッドフォース-』! 攻撃モンスター破壊し、その攻撃力の10倍のダメージを与える! 更にこのカードの発動に対して罠を発動する事はできん!」

 

 突撃する汽車の目の前に展開される漆黒の結界。

 だがグラトニーとて元・上級護衛、7人いる護衛の中の元・ナンバー2。これであっさりやられるような輩では無い。

 

「アマいのはそっちだ! 『ヨーグルトレイン』の効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、バトルフェイズ中に発動した罠カードの効果を全て無効にして除外する!」

「何だと!?」

 

 

ヨーグルトレイン:ORU 3→2

 

 

 光る星がボイラー室に飛び込むと、汽車の警笛が一層強くなり、速度が上がった。

 張られた結界はその突撃に耐えきる事が出来なくなり、木端微塵に砕け散った。

 

「ぐ、ぉおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

 

ラース:LP 4000→2300

 

 

 機関車はそのまま人骨に直撃。背後にいたラースごと吹き飛ばした。

 

 

 

凶悪なるバリア-バッドフォース-(オリジナル)

【通常罠】

相手の攻撃宣言時に発動可能。

攻撃を行う相手モンスターを破壊し、その攻撃力の10倍のダメージを相手に与える。

このカードの発動に対して罠カードを発動する事はできない。

 

 

 

ヨーグルトレイン(エクシーズ・効果モンスター)(オリジナル)

ランク8

ATK 3800/DEF 1000

闇属性/機械族

レベル8モンスター×3

このカードは融合素材にはできない。

バトルフェイズ中に罠カードが発動した時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事でその発動を無効にして除外する事ができる。

この効果はカウンター罠にも発動できる。

このカードにエクシーズ素材が存在しない自分のターンのスタンバイフェイズ時、このカードに墓地のレベル8のモンスターを1体選択してエクシーズ素材として下に重ねる事ができる。

この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか発動できない。

 

 

 

「おいらはこれでターンエンドだ!」

 

 

 

グラトニー:LP 3200

手札:4枚

フィールド

:ヨーグルトレイン(ATK 3800・ORU:2)

:伏せカード1枚

 

 

 

 エンド宣言をした後、ふとグラトニーは生前の事を思い出した。

 裕福でも貧乏でも無い、一般家庭の生まれである自分。特に取り柄も無く、ただただ食べる事が大好きだった。

 そのせいでかなりの肥満体だったが、持ち前の人の良さが味方して友人は多かった。

 そんな彼が何故死んだか。簡潔に言えば、自然の摂理とでも言うべきか。老衰である。

 結婚して傾国の美女というワケでも無いが美人の妻を貰い、子や孫にも恵まれた。それなりに充実した人生だったと記憶している。

 だが、彼には1つだけ心残りがあった。

 

 

――もう1度だけ、あいつの料理が食いたかったなぁ。

 

 

 妻は彼が亡くなる半年前に息を引き取っていた。何よりも美味であった彼女の料理をもう1度だけ食べたい、それだけが最期の願いだった。2度と絶対に、叶うはずも無い、儚い願い。

 きっとその辺を邪神に付け込まれたのだろう。何とも皮肉な話だ、食べ物に執着したせいで、あろう事か、死んで転生したかも知れない彼女を殺そうとしていた。

 それを止めてくれたのがあの4人だ。

 彼らにはいくら感謝してもしたりないだろう。

 

「我のターン!」

 

 だから、例え勝てなくとも、ラースに致命傷を与えるぐらいの事はしないといけない。

 それが、もう1度会おうと約束した男としての義理だからだ。

 

「おのれグラトニー……っ! 貴様、許さんぞぉ!」

「なら来いや! 吠えるだけじゃ勝てねぇぞ!」

「ならば望み通りにしてくれる! 『スカル・ラット』を召喚!」

『チュゥッ!』

 

 

スカル・ラット:ATK 0

 

 

 光のゲートを潜り、骨だけのネズミが現れる。

 齧歯類としての特徴である前歯はあるものの、尻尾が無いためモルモットの様な印象を受ける。

 

「攻撃力0か……。さて、どんな効果を持つ?」

「フン、焦るな。『スカル・ラット』は召喚に成功した時、カードを1枚ドローできる。更に自分の場のモンスターを1体リリースし、そのモンスターの攻撃力分パワーアップする」

「何!?」

 

 

 

スカル・ラット(効果モンスター)(オリジナル)

星3

闇属性/アンデット族

ATK 0/DEF 0

このカードの召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローできる。

自分の場のモンスターを1体リリースする事で、このカードの攻撃力は次の自分のスタンバイフェイズまで、そのモンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

「その効果で『スカル・ジャイアント』をリリースし、攻撃力を2600ポイントアップさせる!」

 

 

スカル・ラット:ATK 0→2600

 

 

 骨の巨人が光となって消滅し、代わりに骨のネズミがその光を浴びて強化される。そしてその大きさは最初の数倍になった、とは言え人間より一回り程小さいのだが。

 

「一気に攻撃力を爆発的に高めて来たか……。だが、それでもこっちの攻撃力には届かないぞ!」

「バトル! 『スカル・ラット』で『ヨーグルトレイン』に攻撃!」

「何!?」

「速攻魔法『骨雪崩』を発動! 自分の場のアンデット族モンスターの攻撃力を倍にする!」

 

 

 

骨雪崩(オリジナル)(改訂版)

【速攻魔法】

自分のアンデット族モンスターの攻撃宣言時、そのアンデット族モンスターを対象に発動する。

(1):選択したモンスターの攻撃力は倍になり、カード効果では破壊されなくなる。

このターンの終了時、自分は選択したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受け、そのモンスターは墓地に送られる。

 

 

 

「『ヨーグルトレイン』はバトルフェイズ中に発動した罠は無効にできても魔法には無力だろう!」

「チッ!」

 

 

スカル・ラット:ATK 2600→5200

 

 

 怒涛の勢いをつけて突進する骨のネズミ。背後からは1つの墓地を掘り起こしてもまだ足りない程の量の骨が雪崩れ込んで来ている。

 これを喰らえばグラトニーのライフは1800となり、ライフが逆転してしまう。しかし、こんな単調な攻撃が通るとはラースも考えていないし、実際グラトニーは通さない。

 

「だったらこうするまでだ! リバースカード、オープン! カウンター罠『シチューンアップ』! デッキの1番上のカードをゲームから除外し、除外したカードによって効果が変動する!」

 

 

 

シチューンアップ(オリジナル)

【カウンター罠】

相手の攻撃宣言時に発動できる。

デッキの1番上のカードをゲームから除外し、除外したカードの種類によって以下の効果を得る。

●モンスターカード:そのモンスターの元々の攻撃力と守備力分だけ、自分の場のモンスター1体の攻撃力と守備力がエンドフェイズまでアップする。

●魔法カード:エンドフェイズまで相手の魔法・罠の効果は無効となる。

●罠カード:バトルフェイズは終了となる。

 

 

 

「除外したカードは『マリシャス・プレス』、罠カードだ! よってこのターンのバトルフェイズは強制終了する!」

 

 

 

マリシャス・プレス(オリジナル)

【通常罠】

相手の場にエクストラデッキから攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚された時に発動できる。

そのモンスターを破壊する。

その後、相手の場の最も攻撃力の高いモンスターと、自分の場の最も攻撃力の低いモンスターでメインフェイズ中に戦闘を行う。

この戦闘によって発生するダメージは500ポイントアップする。

 

 

 

 ピタ、と止まるネズミ。これで仕留められる事は無くなった。

 今度は逆にラースが窮地に立たされる事となる。エンドフェイズに『スカル・ラット』が破壊され、しかも召喚権を使用したからモンスターを召喚できない。

 

「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」

「『スカル・ラット』は消えて貰うぞ」

「分かっている。だが、『スカル・ラット』の元々の攻撃力は0だ。よってダメージは無い」

 

 

 

ラース:LP 2300

手札:3枚

フィールド

:モンスター無し

:伏せカード2枚

 

 

 

「おいらのターン、ドロー! このまま押し切るぜぇ、バトル! 『ヨーグルトレイン』でラースにダイレクトアタック! “ミルキー・スチーム・インパクト”!」

 

 ポォオオオオオオオオオッ! と再び鳴る警笛。車輪が回転を始め、ヨーグルトカップの車両を牽引した機関車がラースを轢くために走り出す。

 対し、ガラ空きだったハズのラースの場には、いつの間にかモンスターが出現していた。

 

 

スカル・スライム:DEF 2400

 

 

「っ!? いつの間に!?」

「貴様のメインフェイズ終了時だ。バトルフェイズで無くては罠の発動を潰せないだろう? 永続罠『スカル・スライム』は発動後、モンスターカードとなって特殊召喚される。そして貴様は既に攻撃宣言を行っているぞ?」

「ッ、構うものか! そのまま攻撃だ!」

 

 警笛がより一層甲高く鳴り響き、機関車が突進する。

 だが、骨と泥の塊はそれを正面から受け止めた。厳密に言えば、両者の間には1体のモンスターが挟まっていた。

 

「何!?」

「速攻魔法『速攻召喚』だ。このカードは手札からモンスターを1体、通常召喚扱いで召喚する。手札の『スカル・ディフェンサー』を召喚した。

 『スカル・ディフェンサー』が場に存在する限り、相手の攻撃対象をこのカードに我の意思で変更でき、またこのカードは1ターンに2度まで破壊されない」

 

 

 

速攻召喚(アニメオリジナル)

【速攻魔法】

手札のモンスター1体を通常召喚する。

 

 

 

スカル・スライム(オリジナル)

【永続罠】

このカードは発動後モンスターカード(アンデット族・水・星6・攻0/守2400)となって、自分の場に守備表示で特殊召喚される。

(このカードは罠カードとしても扱う)

 

 

 

スカル・ディフェンダー(効果モンスター)(オリジナル)

星4

闇属性/アンデット族

ATK 0/DEF 2250

このカードは1ターンに2回まで、戦闘およびカードの効果では破壊されない。

相手の攻撃宣言時、このカードが自分の場に表側表示で存在する時、このカードを相手モンスターの攻撃の対象にする事ができる。

 

 

 

 大きな白い盾が、列車の突進を受け止めた。

 『ヨーグルトレイン』の効果はバトルフェイズ中の罠にしか通じない。本来ならば『次元幽閉』や『ミラーフォース』が通じない上に再利用も封じるという強力な効果が、裏目に出た形だった。

 『ヨーグルトレイン』の効果は、“バトルフェイズ中”の“罠カード”にしか、通じないのだ。

 

「くっ……!」

「どうした、その程度か? さっきまでの威勢はどこへ行った?」

「っ、カードを1枚セットして、ターンエンドだ!」

 

 

 

グラトニー:LP 3200

手札:4枚

フィールド

:ヨーグルトレイン(ATK 3800・ORU:2)

:伏せカード1枚

 

 

 

「我のターン、ドロー。所詮、貴様はこの程度。1位と2位の絶対的な力の差の前に、平伏せ」

 

 現状、フィールドはラースには優位とは言い難い。しかし、精神的な攻防は完全にラースに優位になっていた。

 

「行くぞ! 我は『スカル・ディフェンダー』をリリースし、『スカル・サルベージャー』をアドバンス召喚!」

『コカカカカッ!』

 

 

スカル・サルベージャー:ATK 2000

 

 

 盾を持った骸骨が崩れ、その骨の山の中から大きな縄を持った人骨が現れる。縄の先端は地中に繋がっていた。

 

「『スカル・サルベージャー』がアドバンス召喚に成功した時、墓地のモンスターを1体、効果を無効にして守備表示で特殊召喚できる。『スカル・プリヴェンター』を特殊召喚!」

 

 

スカル・プリヴェンター:DEF 3100

 

 

 地中に繋がった縄を引き上げると、その縄にしがみ付く様に1体の人骨が地中から這い上がって来る。落ち武者の様に武装したその姿は、錆びた金属で全身を覆っている様にも見えた。

 

 

 

スカル・サルベージャー(効果モンスター)(オリジナル)

星6

闇属性/戦士族

ATK 2000/DEF 2000

このカードがアドバンス召喚に成功した時、自分の墓地に存在するアンデット族モンスターを1体、効果を無効にして守備表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターは、表示形式の変更ができない。

 

 

 

「更に魔法カード『スカル・アッパー』を発動! 自分の場に存在するモンスターが全て“スカル”と名のついたモンスターである場合、自軍全てのモンスターのレベルは3つまで上がる!」

「れ、レベルを一気に調整するカード!?」

 

 

 

スカル・アッパー(オリジナル)

【通常魔法】

自分の場に存在するモンスターが全て「スカル」と名のついたモンスターである場合に発動できる。

自分の場の全てのモンスターのレベルをそれぞれ3つまで上げる事ができる。

 

 

 

「その効果で、全てのモンスターのレベルを3つ上げる!」

 

 

スカル・スライム:☆6→9

スカル・サルベージャー:☆6→9

スカル・プリヴェンター:☆6→9

 

 

「レベル9となった『スカル・スライム』、『スカル・サルベージャー』、『スカル・プリヴェンター』をオーバーレイ!」

 

 骨と泥の塊が朱、縄を持った骨が灰、鎧を着た骨が黒の光となって、螺旋を描きつつ飛び上がる。上空に生まれた銀河の渦に、三筋の光は飛び込んだ。

 

「3体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

 

☆9×☆9×☆9=★9

 

 

「エクシーズ召喚! 出でよ、白骨の集合体にして死の国からの絶望を齎せし恐怖の魔龍! 『スカル・インフェルノ・ドラゴン』!」

『ジィビャァアアアアァァアアァゴギガアァオガァアアアアィィイアアアアッ!』

 

 

スカル・インフェルノ・ドラゴン:ATK 4400

 

 

 銀河の渦から、骨だけの翼を動かしながら現れるのは、やはり骨だけの白い龍。周囲には紫に光る星が3つ旋回しており、体中に人や牛、魚といった様々な種類の骨をくっつけて飛んでいる。

 グラトニーはランク8に対し、ラースはランク9、ある意味そこには彼らの間にある差を如実に語る何かがあった。

 

「攻撃力が『ヨーグルトレイン』を上回っただとぉ!?」

「更に速攻魔法『邪神の頭脳戦』を発動! 相手の場のセットされた魔法・罠を選択! それが魔法か罠かを選び、正解ならば破壊して500ポイントのダメージを与える! 逆に不正解ならば我のライフを500回復!」

 

 

 

邪神の頭脳戦(オリジナル)

【速攻魔法】

相手フィールド上の魔法・罠ゾーンに存在する裏側表示のカードを1枚選択する。

選択したカードが魔法カードか罠カードかを宣言し、当たった場合はそのカードを破壊して相手に500ポイントのダメージを与え、外れた場合は自分のライフポイントを500回復する。

 

 

 

「我が選択するのは、罠カードだ!」

 

 チュイオン! とグラトニーの伏せたカードが表になる。

 リバースカードは……、『聖なるバリア-ミラーフォース-』。

 

「当たったな。よって『ミラーフォース』は破壊され、500ポイントのダメージを受けてもらう」

「ぐっ、『ミラーフォース』が……っ!」

 

 

 

聖なるバリア-ミラーフォース-

【通常罠】

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する。

 

 

 

 ラースのカードから放たれた黒い雷が、グラトニーのカードを破壊。更に別の雷が、グラトニーに直撃する。

 

「ぐぉああああああぁぁあああああああぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!」

 

 

グラトニー:LP 3200→2700

 

 

 咄嗟に腕を交差して雷撃を防ぐものの、大きく後ろに下がる。腕からはタンパク質が焦げたような臭いが漂い、黒く焼けている。

 

「これで、貴様は防御の策を失った」

「クッ!」

「更に1つ、教えておいてやろう」

 

 ラースはそう言って、笑う。

 嗤う。

 嘲笑う。

 侮蔑の笑みが、浮かぶ。

 

「『スカル・インフェルノ・ドラゴン』はオーバーレイ・ユニットを1つ使う事で、モンスターを戦闘で破壊した時に相手に戦闘ダメージを与える代わりに、破壊したモンスターの元々の攻撃力と守備力の合計値分のダメージを与える事ができるのだよ」

「何だと!?」

「『ヨーグルトレイン』の攻守の合計値は4800ポイント。即ち――」

 

 貴様の負けだ。

 その宣告が辺りに響き……。

 

「バトル! 『スカル・インフェルノ・ドラゴン』で『ヨーグルトレイン』に攻撃! 消えよ、グラトニー! “ヘルブレイズ・バースト”ォ!」

「ぐぁああっ!」

 

 紫の焔が、蒸気機関車を焼き尽くし、そして―――

 

「『スカル・インフェルノ・ドラゴン』の効果発動! 相手モンスターを戦闘破壊した時、オーバーレイ・ユニットを1つ使う事で、戦闘ダメージを無効にし、その攻守の合計値分のダメージを与える!」

 

 

 

スカル・インフェルノ・ドラゴン(エクシーズ・効果モンスター)(オリジナル)(改訂版)

ランク9

闇属性/ドラゴン族

ATK 4400/DEF 0

レベル9モンスター×3

このカードはX素材が2体でもX召喚できる。

その場合、このカードの元々の攻撃力は半分になり、光属性と戦闘を行う場合ダメージ計算を行わずこのカードを破壊する。

(1):このカードとの戦闘で戦闘ダメージが発生し、また相手モンスターを戦闘によって破壊する場合に発動できる。

このカードのX素材を1つ取り除き、戦闘ダメージを0にする。

このターンのバトルフェイズ終了時、相手に破壊したモンスターの攻撃力と守備力の合計値分のダメージを与える。

 

 

 

「止めだ! “スカル・マーダー・ブレス”!」

「うぉおおおぁあああああああああああああああああっ!」

 

 黒い霧が突風のような勢いで、グラトニーを襲った。

 

 

to be continued

 




グラトニーが好きという方がいてくれて、作者としては嬉しい限り
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