遊戯王GX~精霊の抱擁~ 作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民
聖なるバリア -ミラーフォース-
【通常罠】
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
黎「ご存じミラフォだ。1枚で2体以上破壊できれば気分爽快だぜ」
フィオ「ちなみに『バリア』の後に半角空いてるよ、細かいよね聖バリ」
黎「……ミラフォだろ?」
フィオ「聖バリだよ?」
SIDE:無し
今、オシリスレッドの一室で試験勉強が行われている。メンバーは4人。部屋の持ち主でGX主人公の十代、一番の成長株の翔、コアラみたいな感じの隼人、そして隣室の黎だ。
といっても、まともに勉強しているのは隼人と黎だけだ。
なんでも隼人は、流石にテストの最低ラインはクリアしないと、留年している身だからいつ退学になるのか分からないという。
「ま、理由は何でもいいさ。テストは勉強する理由まで問わないからな」
「教えてくれてありがとうなんだな。オレ、頭あんまし良くないから、大助かりなんだな」
「お安い御用だ」
黎は転生前の高校では学年次席の頭脳の持ち主で、更に大学も国立にストレートで合格した大学3年生。高校1年生の勉強はもう復習程度でしかない。
で、十代と翔が何をしているのかと言えば……。
「ぐが~、すこ~。ぐが~、すこ~」
「神様……。どうか、どうか僕に奇跡を!」
「…………………………、お前ら真面目にやる気無ぇだろ!」
十代はベッドで爆睡。翔はひたすら魔法カード『死者蘇生』に向けて祈りを捧げていた。
十代は実技で少なくとも留年・退学は無いとして、翔は1分でも多く勉強をした方が良いのではないかと黎は思う。
ピン! と黎は1つ面白い事を閃いた。
「翔、翔?」
「何スか、僕は今忙しいんス!」
「(祈りに時間を割くなよ……)この10枚のカードの内からどれか1枚引いてみな。運勢を占ってやる」
「やる!」
神頼みなのだから占いにも頼りたいのだろう。思いっきり喰い付いて来た。
バッ、とデュエルモンスターズの10枚のカードを手札に持つ形で広げる。
「んんんんんんんんん……………、コレ!」
少々悩み、そして手にしたカードは……。
『降格処分』
「ぎゃあっ!」
翔は泡を吹いてぶっ倒れた。
「そんなショックか……」
「翔、大丈夫かぁ?」
因みに残ったカードは……
『天使の施し』
『奇跡の降臨』
『奈落の落とし穴』
『強烈なはたき落とし』
『終焉の王デミス』
『あまのじゃくの呪い』
『ヘイト・バスター』
『門前払い』
『墓場からの呼び声』
5分の4の確率で酷い結果だったのは秘密である。
SIDE:黎
「はい、そこまでなのニャー」
月一試験は大きく分けて筆記と実技がある。筆記は主要五教科。つまり国・数・英・社・理だ。
俺と十代は遅れて来た。勿論、トメさんを手伝ったからだ。因みに俺と十代は隣同士(翔は俺の反対側)なので、せめて名前と1問目くらいは記しておくように忠告しておいた。
『レアカードォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』←翔の他、多数の生徒達
「張り切ってんなぁ、翔のヤツ」
「すか~」←十代
「また寝てるし……」
そう、今日はレアカードが入荷される日。多くの生徒が入荷されるレアカードを求めて購買部へ殺到する。
行かないのは無駄である事を知っている俺、そもそも興味の無いフィオ、デッキの事を信頼している十代と明日香、デッキのバランスが崩れるのを恐れた
………………? 大地の所に何か変なテロップが流れたような?
ま、いっか。気のせいっしょ!
「十代、起きろ。購買にお昼買いに行くんだろ?」
「んご? う、あぁ~。そだっけ」
半分寝てんな、コイツ。
トボトボと帰って来た翔を引き連れて購買へ行くと、トメさんが俺達用にパックを残しておいてくれた。ラッキー!
中身は……、む。ポピュラーだが良いカードだ!
大抵のデッキには合うし、投入しても問題無い。さっそくデッキに差すか!
―――試験会場
実技試験。十代は万丈目とのデュエルに『E・HERO フェザーマン』で止めを刺して見事に勝利した。
いいなぁ、『進化する翼』。コストはデカイが強いからなー。
で、俺が呼ばれて会場に下りて来ました。すでに着いていた筋肉質な相手の服は青色でした。
「で、十代と同じ理由だとは思いますが一応聞いときます。何故レッドの俺が、ブルーの生徒と戦わなくちゃいけないんですか?」
「もちろん、実力が同じ生徒ォが、オシリスレッドにいないからなのーネ。だかーら、オベリスクブルーの生徒ォとデュエルするのーネ」
「……、分かりました」
ま、どうせレッドの中でも実力のある奴を叩こうとかいう魂胆なだろうけど。
誇張とか、そういうのでも何でもなく俺は強い。というか、この学園の生徒達ってポーカーフェイス下手過ぎ。罠張ってるのバレバレだし、ブラフだってモロ分かり。正直、ヘタなイエローやブルーに余裕で勝てるくらいだ。
「遅ぇぞ、後輩でドロップアウトの分際で。オレ様はここで5分近く待ったぞ」
悪かったな。俺が呼ばれたのは1分前なんだよ。文句なら呼び出した人あたりに言ってくれ。
「ところで、ドロップアウト。おめぇ珍しいカード持ってんだってな」
「ん、まあ」
「寄越せ。今すぐにだ」
……、コイツ頭大丈夫か?
「んだとゴラァ!」
「あ、声に出てたか。まあ、こんな筋肉ゴリラもどきに謝る言葉なんて持ち合わせて無いがな」
いやはや、すみませんねぇ。いきなり寄越せだなんて言われて驚いちゃいまして。
「……多分、思ってる事と喋ってる事が逆になってるのーネ」
「あれ?」
ま、いっか。こんな頭悪そうなヤツに差し出すカードなんざねぇし。
「こんの、クソがぁああああああああぁぁぁあああああああああああああああっ!」
「おーおー、怒るとよりゴリラっぽい」
「コロスッ!」
殴りかかって来たが、ヒョイと避けて逆方向に流す。
「やーい筋肉ダルマー。殴る事しか脳にねぇのかー」
「ガガガガッガアアアアアアアアアアアアアッ!」
こんだけ挑発すりゃ十分かな。
「ほらほら、実技っつても、デュエルでしょうがー。殴る蹴るじゃ成績決まんないぜー?」
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスッ!」
おー、コエ。なんか人間として色々大切なモン失ってるっぽい。
「早くデュエル始めるのーネ……」
「こりゃ失礼しました。この類人猿がキレて殴りかかって来たモンでね」
「#%±“%¶‘&◎)>G*(■=※~§|£<*%!」
いや人の言語喋れ。何言ってるか分かんねえよ。
「ほいじゃ、始めるぞ」
「待て。ちょっとこっち来い」
先生が下がり、ディスクを展開した所で、ゴリラが俺を呼び止めた。
ちっ、もう冷めてやがる。
「何さ」
「アンティルールだ。オレ様が勝ったらそのデッキ丸ごと寄越しやがれ」
「……アンティは校則違反でしょうが」
「知るか。だったら譲れ」
コイツの頭が本気で心配になってきた。奪うのはダメだからといって勝ったら譲る形で相手に差し出せというのか。そんなのカツアゲと同じだろうが。チクられたら終わりだぜ?
クロノス教諭を見るとそっぽを向かれた。黙認するつもりらしい。
大徳寺先生、鮎川先生、鮫島校長と、エリート意識無く生徒に接する教師は結構いるんだぞ? 実技の最高責任者がそれで良いのか。
……ん、待てよ。良いチャンスだ。
「いいでしょう。ならばそっちも何か賭けてもらいましょう」
「意味の無ぇ仮定だな。オレ様が負けるとでも思ってるのか、テメェ」
「賭けるモノ決めないんなら俺もデッキを賭ける訳にはいかない。
お互いが賭けるモン決めて初めて賭けは成立するもんだ。そんな事も分からないのなら、アンタはエリートの素質がまるで無いというこったな」
「チッ! なら俺はこれをくれてやる!」
そういうと、男が出したのは『隠された魔導書』や『龍炎剣の使い手』といったこちらでは中々手に入らないカード達だった。
隠された魔導書
【罠カード】
自分のターンでのみ発動可能。自分の墓地の魔法カード2枚を選択し、デッキに加えてシャッフルする。
龍炎剣の使い手(効果モンスター)
星4
炎属性/戦士族
ATK 1800/DEF 1200
自分フィールド上に「龍炎剣の使い手」以外のモンスターが召喚された時、そのモンスターのレベルを1つ上げ、このカードの攻撃力をエンドフェイズ時まで300ポイントアップする事ができる。
つーか、少なくとも『龍炎剣の使い手』は未来のカードなのでは? レベルがどうこう書いてあるし。
「いいでしょう。それで手を打ちましょう」
「へっ、後悔すんなよ?」
『デュエル!』
黎:LP 4000
ゴリラブルー:LP 4000
「先攻はくれてやる。精々足掻いて見せろ、ドロップアウト!」
「アンタこそ、ピエロにならないようにな! ドロー!」
さて、当たり前だが相手はどんなデッキか分からない。先攻は意外と不利なパターンでもある。
ならここは安全に防衛策を張るべし。
「『F・S 鬼火のウィスプ』を守備表示で召喚! リバースカードを1枚伏せて、ターン終了!」
F・S 鬼火のウィスプ:DEF 700
黎:LP 4000
手札:4枚
フィールド
:F・S 鬼火のウィスプ(DEF 700)
:伏せカード1枚
「オレ様のターン、ドロー!」
今回のデッキはこれまで避けていたが、ここで再び精霊のカードを投入する事にした。
いくら謎の激痛が走るとはいえ、いつまでも無視はできない。慣れておかないとね。
さてどう来る?
「はっ、防御固めるだけたぁな、随分と臆病者だぜ! オレは『コストダウン』を発動! 手札の『
充電池メン:☆5→3/ATK 1800
! 電池デッキか!
コストダウン
【通常魔法】
手札を1枚捨てる。
自分の手札にある全てのモンスターカードのレベルを、発動ターンのエンドフェイズまで2つ下げる。
充電池メン(効果モンスター)
星5
光属性/雷族
ATK 1800/DEF 1200
このカードの召喚に成功した時、自分の手札またはデッキから「充電池メン」以外の「電池メン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
このカードの攻撃力・守備力は、自分フィールド上に表側表示で存在する雷族モンスターの数×300ポイントアップする。
「こいつのモンスター効果を発動! デッキから『電池メン-単三型』を特殊召喚!」
『はっ!』
電池メン-単三型:ATK 0
っ! 『電池』シリーズのスーパーアタッカー! こいつを呼んだって事は……!
「次は『地獄の暴走召喚』か?」
「おうよ! 『地獄の暴走召喚』発動! 俺は『電池メン-単三型』を2体追加!」
「俺のモンスターはデッキに1体しかいない。特殊召喚はできない」
「そうか、残念だったなぁ!」
電池メン-単三型:ATK 0
電池メン-単三型:ATK 0
「1ターンでここまで並べるとはね。しかも『単三型』は自身の効果でパワーアップする」
「その通り。『単三型』はオレ様のフィールド上の同じ表示形式の『単三型』の数だけその表示形式の数字が1000上がる。
つまりオレ様の場の『単三型』はこうなる!」
電池メン-単三型:ATK 0→3000
電池メン-単三型:ATK 0→3000
電池メン-単三型:ATK 0→3000
電池メン-単三型(効果モンスター)
星3
光属性/雷族
ATK 0/DEF 0
自分フィールド上の「電池メン-単三型」が全て攻撃表示だった場合、「電池メン-単三型」1体につきこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
自分フィールド上の「電池メン-単三型」が全て守備表示だった場合、「電池メン-単三型」1体につきこのカードの守備力は1000ポイントアップする。
地獄の暴走召喚
【速攻魔法】
相手フィールド上に表側表示でモンスターが存在し、自分フィールド上に攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。
その特殊召喚したモンスターと同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から全て攻撃表示で特殊召喚する。
相手は相手自身のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、そのモンスターと同名モンスターを相手自身の手札・デッキ・墓地から全て特殊召喚する。
電池メン-単三型の体が赤く光り、巨大化する。『5D’s』の『占い魔女』でもこんな感じだったなあ(カーリーさんがアルカディア・ムーヴメントに潜入した時のヤツ)。
「そして『充電池メン』はオレ様の場の雷族モンスター×300ポイント攻撃力と守備力がアップする!」
充電池メン:ATK 1800→3000/DEF 1200→2400
「さあ1キル達成だ! 死ね、“テトラ・プラズマ・キャノン”‼」
4体の電池型モンスターが頭上に電気の塊を作成。それを1つに纏めると、巨大なビームにして射出した。
「生憎、デュエルはパワーだけじゃ勝てない。リバースカードオープン!」
発動するのは、さっきのパックに入っていたあのカード。さあ、思いやりの力を見るがいい!
「『聖なるバリア -ミラーフォース-』‼」
「なんだと!?」
雷の如きビームは半透明のシールドにぶち当たると、4つに分かれ、それぞれの電池型モンスターに跳ね返った。
1:4交換、3枚のアドバンテージになったから、これは十二分に良い結果を残してくれたな。
「はい全滅。せっかく苦労したのに残念でした」
「まだだぁ! 『闇からの奇襲』を発動! このターン墓地に送られたモンスターを復活させてもう1度バトルフェイズを行う!」
げ、未OCGカード!?
闇からの奇襲(未OCGカード)
【魔法カード】
発動ターンに破壊されたモンスターをフィールドに特殊召喚し、プレイヤーはエンドフェイズにもう一度バトルフェイズを行う。
電池メン-単三型:ATK 0→3000
電池メン-単三型:ATK 0→3000
電池メン-単三型:ATK 0→3000
充電池メン:ATK 1800→3000
ウワーオ。なんてこったー!
なんてな! 俺に主人公補正かかってるの知らねぇだろ(誰も知れない)!
「『充電池メン』で攻撃! 『バッテリー・キャノン』‼」
「『F・S 鬼火のウィスプ』は攻撃力1900以上のモンスターとのバトルでは破壊されず、ダメージも発生しない!」
F・S 鬼火のウィスプ(効果モンスター)(オリジナル)
星2
炎属性/戦士族
ATK 800/DEF 700
このカードは攻撃力1900以上のモンスターとのバトルでは破壊されず、いかなるダメージも発生しない。
守備表示のこのカードがバトルを行った時、このカードを攻撃表示に変える事で、相手フィールド上のモンスターの表示形式を2体まで変更できる。
「更にモンスター効果発動! 『ウィスプ』を攻撃表示にし、相手モンスターの表示形式を2体まで変更できる! 俺は『電池メン-単三型』1体と『充電池メン』の表示形式を逆にする! “リバース・ブルーフレア”‼」
ウィスプが手から飛ばした青白い炎は、2体の電池を包み込み、熱さにやられたのか、『電池メン単三型』は守備表示に変わった。
「表示形式が変更された事で、『単三型』の能力値が変化する」
電池メン-単三型:ATK 3000→0
電池メン-単三型:ATK 3000→0
電池メン-単三型:ATK 3000→DEF 0
充電池メン:DEF 2400
「『ウィスプ』は攻撃力1900以上のモンスターとのバトルでは破壊されないし、ダメージも発生しない。残ったモンスターでは何もできないが、どうする?」
「……、ターンエンドだ!」
ゴリラブルー:LP 4000
手札:1枚
フィールド
:電池メン-単三型(ATK 0・ATK 0・DEF 0)、充電池メン(DEF 2400)
:伏せカード無し
「俺のターン、ドロー! 俺は『F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ』を攻撃表示で召喚!」
新しいF・Sをフィールドに呼び出す。ゴツい歯車を肩と足に装着したパワードスーツのような男で、全体的に赤いカラーリングをしているアメコミヒーローのような出で立ちだ。
見てるだけで幼い頃に誰もが見たスーパー戦隊やライダーを思い出すだろう。
「バトル! 『ヴォルカニック・ギア・ガイ』で守備表示の、『ウィスプ』で攻撃表示の『単三型』を攻撃! 喰らえ、“青色の炎弾”、“スピン・ファイア・キック”!!」
身を伏せていた電池型モンスターは青い炎と火炎の蹴りで焼かれ、吹き飛んだ。毎度のことながら、なんか熱いのは気のせいだろうか。
「『電池メン-単三型』撃破! 更に『ヴォルカニック・ギア・ガイ』のモンスター効果発動! 相手の守備表示モンスターを破壊した時、貫通ダメージを与える!」
「なんだとぉ!? あっ、づぁあああああっ!」
ゴリラブルー:LP 4000→3200→1300
「1枚カードを伏せて、ターンエンド」
電池メン-単三型:DEF 0→1000
充電池メン:ATK 1800→2400
黎:LP 4000
手札:3枚
フィールド
:F・S 鬼火のウィスプ(ATK 800)、F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ(ATK 1900)
:伏せカード2枚
「く、このぉ。ドロップアウトの分際で……! ドロー! 『強欲な壺』を発動し2枚ドロー!」
さて、『単三型』を2体破壊したのは失敗だったかな? 残ったモンスターで反撃されたたら2体ともやられちまうなぁ。
まあ、『充電池メン』狙っても『ヴォルカニック・ギア・ガイ』は破壊されたし、あんまし変わんないかな?
実際相手は戦局が思い通りに進まなくて歯噛みしている。
「カードを1枚セットする。オラお返しだ! 喰らえ、2体のモンスターの攻撃! “ダブル・エレクトリック・ショック”!!」
「伏せカードの警戒ぐらいしろっての! 『ブルー・オン・ブルー』を発動! お前の2体のモンスターはお互いを攻撃しあう!」
「なぁにぃっ!?」
あ、なんか聞いた事あるリアクション。お餅が突きたくなってきたなぁ。“男は黙って!”てヤツ。
「当然ダメージ計算は適用する。攻撃力の差の1100ポイントのダメージだ」
「ぎゃあっ!?」
ブルー・オン・ブルー(未OCGカード)
【通常罠】
相手フィールド上にモンスターが2体以上存在する場合、相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上の攻撃モンスター以外の表側攻撃表示モンスター1体を選択する。
選択したモンスターと攻撃モンスターを戦闘を行いダメージ計算を行う。
ズドドォォオン!
はい、自爆。またガラ空きだね。
ダメージ計算もついているからタチ悪いんだよ、これ。
ゴリラブルー:LP 1300→200
「ぐっ、魔法カード『ご隠居の猛毒薬』を2枚発動! 俺のライフを合計2400ポイント回復してターンエンドだ!」
ご隠居の猛毒薬
【速攻魔法】
以下の効果から1つを選択して発動する。
●自分は1200ライフポイント回復する。
●相手ライフに800ポイントダメージを与える。
ゴリラブルー:LP 200→2600
ゴリラブルー:LP 2600
手札:0枚
フィールド
:モンスター無し
:伏せカード1枚
というかコイツ何なのさ? 先日の万丈目の取り巻きの奴の方がまだ強かったんだけど? クロノス先生が刺客として送って来たワケだから、少しは腕が立つと思ったんだけど……。とんだ期待ハズレだな。
「ドロー。魔法カード『強欲な壺』を発動。デッキからカードを2枚ドロー」
へぇ、こいつが来たか。
「おっと、伏せカードの『スケープ・ゴート』を発動! 羊トークンを4体特殊召喚!」
『メエー』
あ、ちょっと可愛い。
関係ないけど、スケープとエスケープって語源同じかな?
つーかそれ以前に少なくともダメージステップ時に発動するべきでは無いだろうか? そうすれば少しは戦況がまともになりそうなんだが。
(これでこのターンは大丈夫だろう。貫通ダメージを受けても)
「貫通ダメージを受けてもライフが残る、か? 甘いな」
「なにぃ!?」
「『F・S マグマドラゴン』を召喚!」
F・S マグマドラゴン:ATK 1800
モンスターの数に悩んだ時はコイツです。援軍を呼ぶのに最適!
「モンスター効果で、デッキから『F・S フレア・チアガール』を特殊召喚!」
『ふぁい、おー!』
F・S フレア・チアガール:ATK 300
出現するのはボンボンを持ったフレアスカートを履いたチアリーダー風の女の子。多分“炎”のフレアと、スカートの“ヒダ”を表すフレアが掛かっているんだろう。
『おおーっ』
おいこら、喰い付くな男子。女子に白い目で見られてっぞ?
まあ可愛いとは思うけどサ。
ちなみにこの子の能力は『勝利の導き手フレイヤ』とおおよそ同じ。
「『フレア・チアガール』のモンスター効果を発動! 俺のフィールド上の『F・S』と名のつくモンスターは攻撃力と守備力が500ポイントアップする!」
「は、はぁあああああああああ!?」
『フレフレッみんな、頑張れ頑張れみんな、オー!』
多分あのゴリラブルーを始め、殆どの人には見えてないとは思うが、『フレア・チアガール』は今、手持ちのボンボンを使って皆の応援をしている。リズム良く踊り、こっちまで力が湧いてきそうだ(スカートの下にはちゃんとスパッツを履いてます。そういう意味では無いですよ?)。
F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ:ATK 1900→2400
F・S 鬼火のウィスプ:ATK 800→1300
F・S マグマドラゴン:ATK 1800→2300
F・S フレア・チアガール:ATK 300→800
「俺は魔法カード『融合』を発動! 手札の『F・S バーナーズ・キャノン』と場の『F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ』を融合!
融合召喚! 燃え上がれ、『F・S ブレイジング・ナイト』‼」
『てえぃ、やあっ!』
入試試験以来の再来、銀色の鎧を身に纏った騎士が降臨。炎を具象化した模様が雄々しさを連想させる。
F・S ブレイジング・ナイト:ATK 2900
「バトル! モンスター全員で羊トークンに総攻撃!
“青色の炎弾”‼
“ボルカニック・ブレス”‼
“チアリング・スパーキング”‼
“空破炎撃斬”‼」
俺の掛け声の共に青い火の玉、灼熱の息吹、火花の弾丸、業火の剣が次々と羊に決まる。ゴウゴウと火の手が上がり、羊は一匹残らず消し炭になった。
貫通ダメージで勝っても良かったんだが、こういう奴はいっぺん痛い目を見て貰わないとね!
「そしてリバースカード、オープン! 速攻魔法『融合解除』‼ 『F・S ブレイジング・ナイト』の融合を解除し、現れろ『F・S バーナーズ・キャノン』、『F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ』‼」
『はぁっ!』
『てやぁっ!』
F・S バーナーズ・キャノン:ATK 1500
F・S ヴォルカニック・ギア・ガイ:ATK 1900
「さて問題。俺の場には攻撃力1500と1900のモンスター。アンタはこの攻撃を受けると、ライフはどうなる?」
「ぜ、ゼロ……」
「
まず、『バーナーズ・キャノン』の肩のバズーカ砲から白い炎が噴き出た。羊トークンを焼いたら骨も残らなさそうだ。
「ぢっ、あっちゃあああああああああああっ!」
ゴリラブルー:LP 2600→1100
そして再び灼熱の回転キックが決まり、ブルーを蹴り飛ばす。かと思いきや、炸裂した瞬間爆発した。
毎度毎度、逐一爆発するねぇ、アクション薄そうなモンスターがやられる時とか、すごい威力の技が炸裂した時とか。
「ぎゃあああああああああっ」
ゴリラブルー:LP 1400→0
黎:WIN
ゴリラブルー:LOSE
はい、俺の勝ち。明日までに何で負けたか考えて来てね。
ま、考えて答え出してもまた俺とデュエルするかは分からないけど。
―――デュエル終了後
「すっげぇな、黎! ブルーにノーダメージで勝ったぞ!」
リングを降りると、十代が駆け寄って来た。
「はは、マグレだよ。十代だって。残りライフ1000の万丈目を、丁度攻撃力1000で削りきるとか、あのピンチを魔法カード1枚で覆すとか、凄過ぎだろう」
「ははは、2人ともバケモノッス……」
ちなみに十代の隣で空笑いしている翔はギリ勝ちだったらしい。テストも途中で寝ちゃたし、ま、今回は昇級は諦めな。
「うむ、また1つ『F・S』への見聞が広まったよ」
「お疲れ様、二人とも。ブルーに勝つなんて凄いわね」
「これなら二人のイエローへの昇級は間違い無いんだな」
「ふふ、キミの強さには惚れそうだよ」
少し遅れて大地と明日香、隼人にフィオもやって来た。そんな凄いかな? ノーダメに拘らなければ、伏せカードを警戒しないアイツなんて、結構容易く倒せるぞ?
「ま、カードはもらったし? 得るモンは大きかったよ」
そう。この時はそう思っていた。月一試験が終わって、帰って、明日からまた学園生活の
それで終わりだと思っていた。
その予想は、この後180度どころか、540度引っ繰り返される事となった。
ブゥンという音と共に、巨大なモニターに鮫島校長が映った。
『皆さん、お疲れ様でした』
昇級のお話かな? 十代は多分断るだろうし、俺もそのつもりだけど。
『さて、カードを最後まで信じ続けて見事勝利した遊城 十代くん、そして鮮やかなタクティスで上級生のブルーをノーダメージで倒した遊馬崎 黎くん。君達のラーイエローへの昇格を認めたいと思います』
『おめでとう』
『おめでとう!』
「昇格、か。十代はどうする?」
「俺? 俺は……、いいかな。オシリスレッドの方が落ち着くし」
「同感。鮫島校長!」
スピーカーかなんかで声は拾っているとは思うが、一応声は張り上げる。観客の皆さんにも聞こえるようにね。
「済みませんが! 俺も十代も! 昇格はお断りさせて頂きます!」
『なんですと!?』
『えええええええええええええええっ!?』
ま、驚くだろうな。観客も騒めいているし。
適当な理由を作った方が良いかな?
「俺達は! まだ! 全然強くありません! 今日勝ったのだって! きっと運の要素が! 強く入ってます! だから! もっと強くなって! 昇格に相応しい実力を! 身につけるまで! レッドで! 修行を積みます!」
少々嫌味っぽいが、理由としては十分だろう。俺はまだ十代の傍を離れるワケにはいかない。原作に関わっていく身である以上、十代が中核となるのだから、離れればそれだけ情報不足で動けなくなる。共に行動しないと危ない。
『……分かりました。そういう事でしたら、今回の昇格は見送らせて頂きます』
ふう、普通はいないだろうな、昇級を蹴る奴なんて。
取り敢えず、次の原作に備えて色々準備しなくちゃな。
なんて考えていた時だった。
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
うわああああああああああああああああああああああああああ!
キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
突如、会場の方で悲鳴と爆発が起きた。
「な、何だ一体!?」
すぐに俺は
幸い、重傷を負った人はいないらしく、悲鳴も爆発に驚いただけらしい。
「人……?」
煙の中に一人、誰かがいる。煙が邪魔で巧く見えないが、小柄で髪が長い。
やがてその何者かは煙の中から姿を現した。
「…………!? お、い……、嘘、だろ…っ?」
出てきたのは1人の少女。茶色のロングは腰まで伸びている。
フィオも同じ茶髪だが、彼女は赤っぽいのに対し、こちらは黒っぽい。ハーフか
解りやすく言えば、フィオの髪はレンガ、煙の中から出て来た少女は腐葉土の色と考えれば、同じ茶色でも違いが分かるだろう。
少女はゆっくりと顔を上げた。その顔は、若干の俺と同じく変化があったが、見間違いようが無かった。
「ミ……、ヤコ……!」
そう、俺が探していた少女、ミヤコ、
久々の再会。だが、素直に喜べなかった
「(
彼女の笑い方が凄く気にかかったからだ。
何故? 何故そんな笑みを浮かべる?
何がお前に起こった?
『な、なんだねキミはっ!?』
焦りを浮かべた鮫島校長は誰何の問いを投げかける。
やはり、都はニタニタと笑っている。
「ふふふ……? あたし……? あたしはねぇ、ユマサキ ミヤコぉ……」
『ゆ、ユマサキ!? 遊馬崎って、あのさっきの昇格蹴った奴と同じ!?』
『え、い、妹さんか何か!?』
「黎、あいつなんなんだよ!? お前と同じ名字だぞ!?」
「キミに何か関係があるの!?」
十代とフィオが投げかけて来た質問に対し、俺は静かに答えた。
「ああ。あいつは俺の、
義妹だ」
to be continued