遊戯王GX~精霊の抱擁~   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

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フィオ・フレイ「「なーにかな、なーにかな! 今回は、これ!」」



No.39 希望皇ホープ(エクシーズ・効果モンスター)
ランク4
光属性/戦士族
ATK 2500/DEF 2000
レベル4モンスター×2
(1):自分か相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
その攻撃を無効にする。
(2):このカードがX素材の無い状態で攻撃対象に選択された場合に発動する。
このカードを破壊する。



フィオ「ご存じダブルミーニングのホープ! 攻撃を2回防ぐ事ができるよ!」

フレイ「スペルスピード1なので相手のカードにチェーンできない点には注意です。自分のカードとのコンボを狙いましょう」

フィオ「進化先もいっぱいいるから、そのモンスター目当てでこのカードを採用しても良いかも。バリエーション豊富なシリーズで敵を翻弄しよう!」


STORY80:1 VS 1万の戦い

 

SIDE:無し

 

 

 

「1だ、俺のライフは1ポイント。それでデュエルを開始する」

 

 高田は目を見張った。この男、今聞き違いじゃ無ければライフ1で戦うと言ったか。

 しかも1万も相手に与えて。さっきまで戦っていたフィオのライフですらまだ100残っていた。その1%しかないライフで立ち向かえると本気で思っているのか。

 

「て、テメェ! この俺様をナメてんのか! たった1ライフたぁ自殺志願者か! ンなテメェをぶっ潰しても面白くも何ともネェんだよ!」

「自殺志願? 違うな。俺はこう言いたいんだよ、『ライフ1でお前を倒す』ってな!」

「あぁ!? この選ばれし栄光あるオベリスクブルーであり、セブンスターズの一員でもある俺様相手にライフ差9999で戦うってのか!? 身の程知らずもいい加減にしやがれ、このクソ野郎が!」

 

 自分は強くなった。そう確信したのに、この男もそれを見ていたはずなのに、何故黎がこうまで高田を見下すのか、見下されている本人にはまるで理解できなかった。

 高田の咆哮を、しかし黎は鼻で嘲笑った。

 

「身の程知らずはテメェだ高田。お前じゃあ俺に1ダメージも与えられないって事を証明してやる。回復される事も無く、1度でもダメージを受ければその時点で敗北するスペランカー戦。お前じゃ俺に絶対勝てないって事を教える良い機会じゃねぇか」

「この野郎、いい加減にしろよ!? これだけパワーアップした俺を前にまだそんな減らず口が叩けるか! その目は節穴か!? 自信過剰もここまで来るとイライラするぜ!」

「自信過剰? 減らず口? お前こそ身の程を弁えろ。ライフが1あればテメェを叩きのめすには充分だって俺は言ってるんだよ!」

 

 ゴウ! と噴き出す黎の覇気に、高田は言葉が詰まった。

 この男はもう、数日前の腑抜けとも、数分前の未熟者とも違う。それだけの気迫が黎にはある。強くなった、誰であっても叩き潰せるだけのパワーを手に入れた、そう確信したのに、この男の前には何故かそれすら霞んで見えた。

 

(ふ、ふざけんじゃねぇぞ!)

 

 栄光ある選ばれしデュエリストの自分が、こんな野卑で下劣な男相手に恐怖を感じるなどあってはならない。そんな恐怖を与えるクソ生意気なゴミはここで叩き潰さなければ、後々のブルーの看板に泥を塗りかねないだろう。

 

「良いだろう、テメェのその条件で受けてやるぜ!」

「OK、後でやっぱ無しってのは却下だぜ?」

「クズが! この俺様の実力の前に跪きやがれ!」

「断る!」

 

 黎は持っていたデッキホルダーからデッキを1つ取り出した。

 このデッキは属性がバラけている。他に持って来たのは【炎星】、【海皇水精鱗】、【ガスタ】、【メガロックワンキル】、【フォトン】、【スキドレ墓守】の6つ。

 どれも属性が統一されてしまっているため、その属性のモンスターで攻め込まれると少々厳しい。

 先刻の様子だと属性と種族でのリクルーターが高田のデッキには混在しているようだ。なら少なくとも2種類の同一属性があると考えるべきだろう。

 デッキをディスクにセットし、ライフカウンターが起動。レーンにそってエッジが動き、手元のボタンを使ってライフを4000から1に書き換える。これでデュエルの準備が完了した。

 

「行くぞ、高田。この落とし前、たっぷりつけさせてもらう!」

「ぶち殺してやる! テメェの首を手土産に凱旋してやらぁ!」

「頑張れ、主殿!」

「……サー、見守ってるから!」

 

 

『デュエル!』

 

 

黎 VS 高田

LP 1 VS LP 10000

 

 

 

高田:LP 10000

手札:5枚

フィールド

:巨大ネズミ(ATK 1900)、シャインエンジェル(ATK 1900)、キラー・トマト(ATK 1900)、仮面竜(ATK 1900)、ドラゴンフライ(ATK 1900)

:スピリットバリア(永続罠)、幻魔の王城(フィールド魔法)

 

 

 

黎:LP 1

手札:5枚

フィールド

:モンスター無し

:魔法・罠無し

 

 

 

SIDE:黎

 

 

 

「行くぞ、俺のターン、ドロー! 俺は『ガガガマジシャン』を召喚!

『フッ、ガガッ!』

 

 

ガガガマジシャン:ATK 1500

 

 

 俺の一番手は黒いコートを羽織った銀髪の魔導士。背中には『我』の字がデフォルメされており、ヤンキーのような鋭い瞳で高田を睨み付けた。

 

「テメェ、忘れてネェか? もう1500程度の攻撃力じゃあ俺様のモンスターは倒せないんだよ!」

「知ってるさ。更に魔法カード『テイク・オーバー5』を発動、デッキトップを5枚墓地に送る!」

 

 デッキから5枚のカードを切り、それを墓地へと飲み込ませる。

 送られて行くカード達を見て、俺は密かに笑った。

 

「更にカードを2枚セットして、ターンエンド」

 

 

 

黎:LP 1

手札:2枚

フィールド

:ガガガマジシャン(ATK 1500)

:伏せカード2枚

 

 

 

「ギャハハハ! 俺様のターン、ドロー!」

 

 さて、高田の性格のあの部分がもし変わっていないのであるならば、この後奴は同じ闇属性である『キラー・トマト』で攻撃を仕掛けて来る可能性が高い。しかも攻撃力を倍にして、な。

 

「勝てないと分かってザコを出すとはなぁ!? 結局テメェはクズレッドの化物、輝かしきブルーの人間様である俺には勝てねえって事だ!

 もうカードを出す必要もネェ! 『幻魔の王城』の効果で闇属性を選択し、バトル! 『キラー・トマト』、そのザコモンスターを蹴散らせぇ!」

 

 高田の宣言に応じて突進して来るトマトモンスター。

 思った通りだ、性格の根本は変わってねぇ!

 

 

キラー・トマト:ATK 1900→3800

 

 

「これで終わりだぁ!」

「ご生憎だな! 罠発動、『マジック・ディフレクター』! このターン中のみ、儀式・通常魔法以外の全ての魔法カードの効果を無効とする! 当然、テメェの『幻魔の王城』の効果も無効となり、攻撃力は初期の数値に戻る!」

「何!?」

 

 

 

マジック・ディフレクター

【通常罠】

このターン、フィールド上の装備・フィールド・永続・速攻魔法カードの効果を無効にする。

 

 

 

キラー・トマト:ATK 3800→1400

巨大ネズミ::ATK 1900→1400

シャインエンジェル:ATK 1900→1400

仮面竜::ATK 1900→1400

ドラゴンフライ:ATK 1900→1400

 

 

「反撃だ、“ガガガ・マジック”!」

『ガァ、ガッ!』

 

 光の粒子が集まり、アンテナのようなパーツを付けた多脚機械が現れる。アンテナから怪しい電波を機械が飛ばすと、一時的に城に渦巻いていた薄気味悪い気配が消え、それと同時にモンスターも弱体化。顔面トマトは不良魔導士に突進するも、腕で弾かれてしまった。

 

「チッ! だが戦闘ダメージは『スピリットバリア』の効果で受けない! 更にデッキから新たな『キラー・トマト』を特殊召喚だぜ!」

 

 

キラー・トマト:ATK 1400

 

 

 そう、それで良い。高田、お前のデッキはリクルート切れを防ぐために枚数を最大の60枚にしてある。だがデッキに入る同じ名前のカードは3枚。フィールド魔法でどんな相手でも倒せるように属性はバラけさせる必要があるだろうから、後続を含めると6枚、もしくは9枚。

 一見すればそれはとんでもなく多いように見える。だが……。

 

「クソッ、油断したぜ。俺様はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」

「ターンの終わりに『マジック・ディフレクター』の効力は消えるが、フィールド魔法との因果関係が消滅したため、お前のモンスターの攻撃力は1400のままだ」

「分かってらぁ、ンな事! クズの分際で逐一うるせぇんだよ!」

 

 

 

高田:LP 10000

手札:5枚

フィールド

:巨大ネズミ(ATK 1400)、シャインエンジェル(ATK 1400)、キラー・トマト(ATK 1400)、仮面竜(ATK 1400)、ドラゴンフライ(ATK 1400)

:伏せカード1枚、スピリットバリア(永続罠)、幻魔の王城(フィールド魔法)

 

 

 

「俺のターン、ドロー! この瞬間、墓地の『テイク・オーバー5』を除外する事でもう1枚ドローできる!」

 

 高田、どうやらお前はまだ自分が完全に優位だと思っているみたいだな。

 教えてやる、そのデッキが、そのフィールド魔法に頼る戦術が、どれ程までに頼りないかって事をな!

 

「俺は『ドドドウォリアー』を召喚! このカードは攻撃力を500下げる事で、リリース無しで召喚できる!」

『ド~ドド~ッ!』

 

 

ドドドウォリアー:ATK 2300→1800

 

 

 地中から大地を叩き割るように砕いて、アックスとバックラーを装備したバイキング風の巨漢戦士が姿を現す。こいつはリクルーターやサーチャーの天敵だ。もっとも、こいつのデッキ相手にはやや相性が悪いのも事実だが。

 

「バトル! 『ドドドウォリアー』、『シャインエンジェル』を攻撃! “ドドドアックス”!」

 

 ブン! と振り下ろされる斧。その一撃は金色の髪と羽を持つ天使を頭から正中線で真っ二つに切り裂き、お約束の爆発を起こした。

 

「ぐうっ! だがダメージは『スピリットバリア』の効果で発生しねぇ! 更にバトルで破壊された事により、『シャインエンジェル』の効果発動!」

「無駄だ! 『ドドドウォリアー』の効果発動! このカードがバトルする場合、相手の墓地のカード効果はダメージ計算終了時まで無効となる! つまりダメージ計算終了時には既に破壊されているリクルーターの効果は使えないって事だ!」

「ンだとぉ!?」

 

 

 

ドドドウォリアー(効果モンスター)

星6

地属性/戦士族

ATK 2300/DEF 900

このカードはリリースなしで召喚できる。

この方法で召喚したこのカードの元々の攻撃力は1800になる。

また、このカードが攻撃する場合、ダメージステップ終了時まで相手の墓地で発動する効果は無効化される。

 

 

 

「だ、だが俺様の場には闇属性の『キラー・トマト』も、地属性の『巨大ネズミ』も残っている! 次のターンこそ、テメェの敗北だぁ!」

「それはどうかな?」

「あぁ!?」

「早計だっつってるのさ! 俺はバトルを終了させ、『ガガガマジシャン』のモンスター効果発動! 1ターンに1度、自分のレベルを1から8の中から好きな数値に変更できる!

 その効果で俺は『ガガガマジシャン』のレベルを4から6にする!」

 

 

 

ガガガマジシャン(効果モンスター)

星4

闇属性/魔法使い族

ATK 1500/DEF 1000

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に1から8までの任意のレベルを宣言して発動できる。

エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルになる。

「ガガガマジシャン」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

 

ガガガマジシャン:☆4→6

 

 

「れ、レベル6が2体!?」

「気が付いてももう遅い! 俺はレベル6の『ドドドウォリアー』と『ガガガマジシャン』でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

 俺の掛け声に合わせて巨漢の斧戦士が橙、不良魔導士が紫色の光となり、螺旋を描いて空高く舞い上がる。そして地面に生まれた赤色の銀河の二重渦へと飛び込み、爆発を起こした。

 

 

☆6×☆6=★6

 

 

「煮え滾るが如き赫々(かくかく)の魂を込め、その指先に敵を据えて撃ち抜け! 暗闇をも貫く強き闘志! エクシーズ召喚! 出撃せよ、『ガントレット・シューター』!」

『フォォッ!』

 

 

ガントレット・シューター:DEF 2800

 

 

 ガシン! と重量感タップリにその場に降り立ったのは、赤いアーマーに鋭い爪を付けた手甲を装着した大柄な戦士。攻撃も守備も効果もバランスの取れている、突破や殲滅に向いたランク6モンスターだ。

 

「そ、そいつぁあの青髪の女の使っていた……」

「へぇ、フレイも使ってたのか。ま、ランク6だしなぁ。じゃ、効果の説明はいらねぇな?」

「うぅ……!」

「『ガントレット・シューター』の効果発動! オーバーレイ・ユニットを2つとも使って、お前の『巨大ネズミ』と『ドラゴンフライ』を破壊する! “メタルアーム・ランチャー”!」

 

 

ガントレット・シューター:ORU 2→1→0

 

 

 肩甲骨の辺りにある六連リボルバー形式の排気マフラーが火を噴き、赤い戦士が両手を前に突き出す。それに合わせてガントレットが飛び出し、そのまま青い大きな齧歯類と緑のトンボの腹を貫いて爆発させた。

 これで5体いたモンスターも残り2体、随分と減ったな。

 

 

 

ガントレット・シューター(エクシーズ・効果モンスター)

ランク6

地属性/戦士族

ATK 2400/DEF 2800

レベル6モンスター×2

自分のメインフェイズ時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを破壊する。

 

 

 

「チィッ……!」

「これでお前のモンスターの数も半分以下。流石のリクルーター達も、効果を封じられたり効果で破壊されちまったらお手上げだよなぁ? どうした? ご自慢の強ーいモンスター達はよぉ?」

「うるっせぇ! やる事ねぇならさっさとターンエンドしやがれ!」

 

 よしよし……、バッチリだ。こいつの性格の根本にある排他的なエリート思想はやっぱり顕在。ならそこを煽ってやりゃあ奴は冷静な判断力を失う。そうなったデュエリストがどうなるか、そんなの火を見るよりも説明フラグを立てるよりも未来は明らかな事だ。

 

「俺はリバースカードを1枚セットして、ターンエンドだ」

 

 

 

黎:LP 1

手札:2枚

フィールド

:ガントレット・シューター(DEF 2800)

:伏せカード2枚

 

 

 

「クッソ! 俺のターン、ドロー! 『幻魔の王城』の効果発動! 墓地の『シャインエンジェル』と『巨大ネズミ』をデッキに戻してシャッフルし1枚ドロー!

 畜生め、手札の枚数が前のターンと変わってねぇ! なのに俺様のモンスターが3体もやられるとかアリかよ!」

 

 地団太を踏んで高田が怒鳴る。

 OCG環境の基本は『高速で展開して相手に何もさせない』だった。それの良し悪しは今は置いておくとして、それに慣れてしまった身としては、お前らの戦術がヌルいようにしか感じないんだがな。

 ……尤も試しに向こうで言うガチデッキの【クシャトリラティアラメンツ】や【結界像ふわんだりぃず】を組んだ所、全く動かないくらい事故を連発してしまったが。こっちの世界ではあっちのガチガチのガチデッキは使えないよう、宇宙意志みたいなのが働いているのかも知れない。

 まぁ個人的にはそんな一方的にカードを出すだけのデュエルは大嫌いなので願ったり叶ったりなのだが。

 

「だが、それもここまでだ! 俺様は手札から魔法カード『チェンジ・トゥ・フレッシュ』を発動! このカードは手札のモンスターを1体捨てて、デッキから同じ名前のモンスターを2体、攻撃力を500上げて特殊召喚する! 俺は手札から『巨大ネズミ』を捨てて、デッキから『巨大ネズミ』を特殊召喚! 『チェンジ・トゥ・フレッシュ』と『王城』の効果で攻撃力合計1000ポイントアップだ!」

 

 

 

チェンジ・トゥ・フレッシュ(オリジナル)(改訂版)

【通常魔法】

このカードを発動するターン、自分はこのカードの効果以外ではモンスターを特殊召喚できない。

(1):手札のモンスターカードを1枚捨てて発動する。

デッキから捨てたモンスターと同じ名前のモンスターを2体、効果を無効にして特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力が1500未満の場合、攻撃力は500アップする。

 

 

 

巨大ネズミ:ATK 1400→1900→2400

巨大ネズミ:ATK 1400→1900→2400

 

 

「どうだ、これで攻撃力は2400! 倍にすりゃあ4800だ! 今度こそテメェは終わりだなぁ! ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハ! 呆気無ェ! 所詮は崇高なる青き魂に楯突く薄汚ぇクソレッドだ!」

「マズい! 『ガントレット・シューター』の守備力2800を上回るぞ!」

「……1400のままなら、倍にしても破壊されなかったのに!」

「ギャハ! そうだ決めたぞぉ? 俺様がテメェをブッ殺したら、1人1人レッド寮のゴミカス共を見せしめに殺してやるよ! この学園に、いいや世界にクズは要らねぇ! レッドの次はイエロー、その次はクソ女共、そして最後はそいつらに肩入れしてたブルーの面汚しだ! ギャッハハハハハハハハハハ! 世界でこれで綺麗になると思うと、俺が正しいって思えて清々しいぜ!」

 

 大声をあげて嗤う高田、焦る桜とポーラ。

 大丈夫だ、これも既に想定してある。

 

「『王城』の効果で地属性を指定! そしてバトル! 1体目の『巨大ネズミ』でその目障りな『ガントレット・シューター』を攻撃ぃ! 消えろぉ!」

「そうはさせるか! 罠発動、『逆さ眼鏡』! このカードの効果で、ターンが終わるまで全てのモンスターの攻撃力を半分にする!」

「何っ!?」

 

 

 

逆さ眼鏡

【通常罠】

フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にする。

 

 

 

巨大ネズミ:ATK 2400→4800→2400

巨大ネズミ:ATK 2400→4800→2400

キラー・トマト:ATK 1400→700

仮面竜:ATK 1400→700

ガントレット・シューター:ATK 2400→1200

 

 

「この効果で下がるのは攻撃力のみ! つまり守備力は変化しない! したがって『ガントレット・シューター』を『巨大ネズミ』は戦闘破壊できない!」

「グッ!」

 

 突進するネズミを押し留めて投げ飛ばす『ガントレット・シューター』。

 これでこのターンは防げた。だがこの行動は、単なる防御だけじゃあ無い。もう1つ意味がある。

 

「どうした、高田? フィオとの戦いで力を使い切ったか? お前がザコだ何だと見下していたフィオも、実はお前の事を十分に翻弄できるレベルは持っていたって事だなぁ? それとも、強くなったってのは嘘か?」

「て、テメェ……! ふざけんなぁ!」

「ふざけんな? おいおい、お前はこれまでターンが何度回って来た? その度に俺を仕留める事ができないお前が強くなったなんて言われたって信じる方が難しいっての」

「こっ、んのクソ野郎がぁ! リバースカード、オープン! 罠カード『不正解雇』! このカードは相手の場の、このターンバトルで破壊されなかったモンスターを1体選択して破壊し、そのカードの守備力分のダメージを与える! 2800の守備力でテメェは終わりだぁ!」

「アマいぜ! カウンター罠発動、『プリヴェント・ヴァニシング』! 自分フィールド上に存在するモンスター1体が相手のカード効果で破壊される時、それを無効にして破壊する! 更にデッキから罠を1枚、相手に見せる事でそれをセットできる! ただし相手は手札からカウンター罠を1枚捨てる事でセットを無効にし、そのカードを除外できる!」

 

 

 

不正解雇(オリジナル)

【通常罠】

このカードは自分ターンのバトルフェイズ終了時にのみ発動できる。

そのバトルフェイズ中に戦闘を行い、破壊されなかった相手の場の表側表示モンスターを1体選択する。

選択したモンスターを破壊し、その守備力分のダメージを相手に与える。

 

 

 

プリヴェント・ヴァニシング(オリジナル)

【カウンター罠】

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体のみが相手のカード効果によって破壊される場合に発動できる。

その効果を無効にして破壊する。

その後、デッキから罠カードを1枚相手に見せる事でそのカードをセットできる。

相手は手札のカウンター罠カードを1枚捨てる事で、そのカードのセットを無効にしゲームから除外する事ができる。

 

 

 

「俺は『リビングデッドの呼び声』を選択! さあ、どうする!」

「カウンター罠は……、捨てねえ……!」

「ならばセットは有効だ!」

「クソォッ! 俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

 良し良し、順調順調。

 このまま行けば十分ペースを握れる。力の使い方を、手に入れ方を間違えたお前に俺は倒せねぇ。それを思い知らせてやる!

 

 

 

高田:LP 10000

手札:3枚

フィールド

:仮面竜(ATK 1900)、キラー・トマト(ATK 1900)、巨大ネズミ(ATK 2400)、巨大ネズミ(ATK 2400)

:伏せカード2枚、スピリットバリア(永続罠)、幻魔の王城(フィールド魔法)

 

 

 

「俺のターン、ドロー! 俺は魔法カード『エクシーズ・フェイク・アドバンテージ』を発動! このカードの発動ターン中に俺がエクシーズ召喚に成功すれば、その度にカードを1枚ドローできる! ただしこの効果で2枚以上カードをドローした場合、エンドフェイズに手札をその数だけ除外し、その倍の枚数分デッキトップから除外しなければならない! そして手札が除外できない場合、ライフは半分になる!」

 

 

 

エクシーズ・フェイク・アドバンテージ(オリジナル)(改訂版)

【通常魔法】

このカードは自分のLPが2000以上の場合、1000LPにつき1000LPを払わなければ発動できない。

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このターン相手のLPは0にならない。

(1):このカードが発動したターン、X召喚が成功する度に自分は1枚ドローする。

(2):(1)の効果でカードを2枚以上ドローしているエンドフェイズに発動する。

ドローした枚数だけ手札を裏側表示でゲームから除外し、その倍の枚数分デッキの上からカードを裏側表示でゲームから除外する。

手札の枚数が足りない場合、手札を全て裏側表示で除外し、自分のLPを半分にする。

手札を除外できない場合、または手札が存在しない場合、自分のLPを半分にする。

 

 

 

「あ、アドバンテージをボードとハンドの両方で稼ぐだと!? インチキ効果もいい加減にしろや!」

「対属性バトルで確実に有利になれる『幻魔の王城』に言われたくない。第一このカードを発動したターンじゃあお前のライフを0にする事はできねぇし、エンドフェイズとやや遅めだがディスアドバンテージもあるぞ」

 

 ったく、ガキかこいつは。いや、ガキだな。自分の手に入らない物があると駄々を捏ねるクソガキだ。他人の力を奪い、足を引っ張り、誰かを見下して嘲笑う。救いようの無いクソガキだ。

 別に俺は、子供は嫌いじゃ無い。小さい子には小さい子なりの理屈があるし、考えがある。そもそも誰かを慮って意見をフレキシブルに変えるという器用なマネはできない。そんな純粋とも言える姿は、どちらかと言えば好きだ。

 それを否定し自分の考えを押し付けるのはバカな大人のやる事、そんな大人の方が寧ろ俺は嫌いだ。愛情を注ぎ、子供達の心を尊重しつつ間違った方向へ行かないように誘導する、出来た大人のレオさんやメリオルさんの真逆と言えるだろう。

 目の前にいるこいつがそうだ。他人を思うだけの頭脳があり、譲歩する技術を培えるだけの年月を重ね、それなのに誰かを踏みにじって自分の居場所を確立する。そしてそれに心を痛めない。

 こいつはガキだ。いいや、ガキの皮を被ったクソだ。俺が大嫌いな人間だ。

 俺はこいつを許さない。自分の堕落を誰かの所為にし、人の大切なモノを壊して憂さを晴らす。その度に誰かを傷付け、けれどそれを嘲って他人事で済ませる。こんな奴に、負けて堪るか!

 

「俺は手札から『アステル・ドローン』を召喚!」

『キャハッ!』

 

 

アステル・ドローン:ATK 1600

 

 

 五芒星を描きながらポップなスタイルの魔法使いが現れる。

 

「更に永続罠『リビングデッドの呼び声』を発動! 蘇れ『ガガガマジシャン』!」

『ガガッ!』

 

 

ガガガマジシャン:ATK 1500

 

 

 続いて再登場する不良魔導士。

 レベルを調整するこのカードは便利。アニメでは中々効果を使われずにレベル4モンスターとしか活用されないのが残念だ。

 

「レベル4が2体かよ……!」

「俺は『ガガガマジシャン』の効果発動! 自分のレベルを4から5に上げる!」

 

 

ガガガマジシャン:☆4→5

 

 

「何!? 折角レベルが揃っていたってのに、わざわざ変えただと!?」

「続いて『アステル・ドローン』の効果! このカードはエクシーズ素材にする時、レベル5として扱う事ができる!」

「ンだと!?」

 

 不良魔導士の腰のブローチに星マークが1つ増えると同時に、隣にいたポップな魔導士も空中に星を5つ描く。これでレベルを5として扱う事になるのだろう。

 ちなみにレベルを1つ上げるワケでは無いので、レベルをいくら変更しようが素材時にレベル5扱いになるか、そのレベルにしかならない。

 

 

 

アステル・ドローン(効果モンスター)

星4

地属性/魔法使い族

ATK 1600/DEF 1000

(1):このカードをX召喚に使用する場合、このカードのレベルを5として扱う事ができる。

(2):フィールドのこのカードを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。

●このX召喚に成功した場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

 

「行くぞ! レベル5の『ガガガマジシャン』と『アステル・ドローン』でオーバーレイ!」

『ガァガガッ!』

『ハァッ!』

「2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築! 噴煙の滾る太古の世界より、時を超えて目覚めよ燃え盛る恐竜! 鼓動と絆を道標に咆哮せよ!」

 

 

☆5×☆5=★5

 

 

「エクシーズ召喚! 出でよ、『No.61』! 焼き払え、『ヴォルカザウルス』!」

『ギジャァァァァァァァァァッ!』

 

 

No.61 ヴォルカザウルス:ATK 2500

 

 

 空中に出現する61の数字と共に、赤く滾る球体上の溶岩が現れる。卵のように溶岩は割れ、中から紅蓮の力を溢れさせる恐竜が姿を現した。

 相棒の『フリーザードン』なんていなかったんだ……。

 

「この瞬間、『エクシーズ・フェイク・アドバンテージ』の効果で1枚、更にオーバーレイ・ユニットとなった『アステル・ドローン』の効果で1枚、合わせて2枚カードをドローする! 更に魔法カード『マジック・プランター』! 『リビングデッド』をコストに2枚ドロー!」

「ば、バカな!? 手札が逆に増えただと!?」

「良いぞ、主殿! 完全に本調子だ!」

「……サー、そいつを叩きのめして!」

「おうよ! 俺は『ヴォルカザウルス』の効果発動! 1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ使い、相手の場の表側表示モンスター1体を破壊する! 喰らえ、“マグマックス”!」

 

 

No.61 ヴォルカザウルス:ORU 2→1

 

 

「対象は『仮面竜』だ!」

 

 恐竜が赤い星を1つ噛み砕き、全身にマグマの力を充填させる。エネルギーがマックスになった時、胸部の突起が2つに割れ、溶岩が柱のように噴き出して仮面を着けたドラゴンを焼き尽くした。

 

「更にそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!」

「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!」

 

 

高田:LP 10000→8600

 

 

「良し、初ダメージだ!」

「……完全にサーの本調子!」

 

 マグマの奔流はドラゴン一匹を焼いた程度では止まらない。そのまま後ろにいた高田をも襲い吹き飛ばす。

 タンパク質の焼ける焦げ臭さと、服の焼けた黒い煙によって全く美味しくないデコレートをされた高田は地面に背面から叩き付けられた。

 

 

 

No.61 ヴォルカザウルス(エクシーズ・効果モンスター)

ランク5

炎属性/恐竜族

ATK 2500/DEF 1000

レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択した相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

この効果を発動するターン、このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できない。

 

 

 

「く、くそぉ……!」

「溶岩の平均温度は1000度。最低でも800度はあるが……、いくら本物では無いとは言え、それを正面から受けて立つとは大したモンだな」

「うるせぇ! 俺が効果ダメージを受けたこの瞬間、罠カード『新調スーツ』を発動! 受けたダメージ以下の攻撃力を持ったモンスターを1体、デッキから特殊召喚してこいつを装備する! 俺様が喰らっちまったダメージは1400! よってデッキから攻撃力1400の『仮面竜』を特殊召喚! そしてこの効果で特殊召喚されたモンスターがバトルで破壊された時、その元々の攻撃力分だけ相手にダメージを与える!」

 

 

 

新調スーツ(オリジナル)

【通常罠】

自分が効果ダメージを受けた時に発動できる。

受けた効果ダメージ以下の数値の攻撃力を持つモンスターを1体、自分のデッキから攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。

この効果で特殊召喚されたモンスターが戦闘によって破壊された場合ゲームから除外され、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 

 

仮面竜:ATK 1400→1900

 

 

「どうだ! テメェはライフが1しかねぇ! 次のターンに自爆特攻を仕掛けりゃあ俺様の勝ちだ!」

「果たしてそれはどうかな?」

「何!?」

「教えてやる! ターンの終わりでも無いのに、“次のターン”なんて宣言するのは自殺行為だ!

 俺は手札から『限界竜シュヴァルツシルト』を特殊召喚! このカードは相手フィールドに攻撃力2000以上のモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できる! お前の場には攻撃力2400となった『巨大ネズミ』が存在するため、発動条件を満たす!」

 

 

限界竜シュヴァルツシルト:ATK 2000

 

 

 

限界竜シュヴァルツシルト(効果モンスター)

星8

闇属性/ドラゴン族

ATK 2000/DEF 0

相手フィールド上に攻撃力2000以上のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

「レベル8を手札から特殊召喚だと!?」

「そして手札から『死者蘇生』を発動! 墓地のモンスターを1体呼び戻す! 俺は『ヴォルカザウルス』のオーバーレイ・ユニットとして墓地へ送られた『ガガガマジシャン』を復活させる!」

『ガガッ!』

 

 

ガガガマジシャン:ATK 1500

 

 

「『ガガガマジシャン』の効果発動! レベルを最大値の8にする!」

 

 

ガガガマジシャン:☆4→8

 

 

 瞬時に揃う高レベルモンスター。茶色い無限の記号を現すような姿勢の龍と、三度登場した不良魔導士が場に並ぶ。

 

「また高レベルが揃いやがった!? 何なんだそのデッキはぁ!?」

「これが『ガガガマジシャン』を軸に戦うこのデッキ、【ガガガエクシーズ】の基本戦術だからな。

 俺は闇属性レベル8の『シュヴァルツシルト』と『ガガガマジシャン』でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

 

☆8×☆8=★8

 

 

「その力は地平線をも粉砕し、あらゆる物を膝下へと傅かせる! エクシーズ召喚! 出でよ、『No.22』! 握り潰せ、『不乱健』!」

『ブォォォォォォォォォッ!』

 

 

No.22 不乱健:ATK 4500

 

 

 銀河の渦から出現する、フードを被った巨人。腕が最早大樹のように太く、全身が筋肉によって固められている。顔は見えないものの、その中からは鋭い眼光が敵を射貫いていた。

 

「攻撃力4500だとぉ!?」

「『エクシーズ・フェイク・アドバンテージ』の効果で1枚ドロー!

 まだだ! 俺はランク6の『ガントレット・シューター』でオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

 

★6→★7

 

 

「その槍は天空を貫く疾風の力! その咆哮は大地を砕く雷鳴の力! エクシーズ・チェンジ! 仇なす巨壁を貫け! 『迅雷の騎士 ガイアドラグーン』!」

『ガァァァアァアアアッ!』

 

 

迅雷の騎士 ガイアドラグーン:ATK 2600

 

 

 天空へと光となって消えて行く手甲の戦士。空が割れるが如く強い閃光が生まれ、中から龍に下半身が結合した槍騎士が現れた。龍と共に赤い鎧が装着されており、両手に持った槍が空を鋭く切る。

 

「この召喚はエクシーズ召喚として扱うため、『エクシーズ・フェイク・アドバンテージ』の効果で更に1枚ドロー!」

 

 これで手札は再び5枚。

 もう一丁行くぜ!

 

 

 

迅雷の騎士ガイアドラグーン(エクシーズ・効果モンスター)

ランク7

風属性/ドラゴン族

ATK 2600/DEF 2100

レベル7モンスター×2

このカードは自分フィールド上のランク5・6のエクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

 

 

「俺は手札から『トイナイト』を特殊召喚! 相手の場に存在するモンスターの数が自分のモンスターの数に勝る場合、このカードは手札から特殊召喚できる! そしてこの効果で特殊召喚された場合、手札から同じ名前のモンスターを特殊召喚できる! 来い、もう1体の『トイナイト』!」

『ギュン!』

『ギュン!』

 

 

トイナイト:ATK 200

トイナイト:ATK 200

 

 

 花火を散らしながらレゴブロックのようなオモチャの兵士が2体現れる。

 使い勝手の良いレベル4なだけに、デッキから特殊召喚できないのが残念だ。『ヴェルズマンドラゴ』でも同じような事が言えるが……。

 

 

 

トイナイト(効果モンスター)

星4

地属性/機械族

ATK 200/DEF 1200

このカードはデッキから特殊召喚できない。

相手フィールド上のモンスターの数が自分フィールド上のモンスターの数より多い場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、手札から「トイナイト」1体を特殊召喚できる。

 

 

 

「こ、今度はレベル4が2体!?」

「レベル4の『トイナイト』2体でオーバーレイ!」

 

 橙の光に代わって空へ不規則な曲線を描きつつ上るオモチャの兵士達。二筋の光は地面に生まれた金色の銀河の渦の中へと飛び込んで輝く超新星爆発を巻き起こした。

 

「2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

 

☆4×☆4=★4

 

 

「夢と希望の金色に輝く戦士! 心の光を双剣に宿し、暗鬱なる闇を切り裂け! エクシーズ召喚! これが未来への思い! 『No.39』! 『希望皇ホープ』!」

『ホォォォォォォプッ!』

 

 

No.39 希望皇ホープ:ATK 2500

 

 

 金色の爆発光の中から姿を現すのは塔のような大剣。白く輝くその姿は刃を翼、内部の刀身を体に、青い宝玉を胸元に据えた戦士へと姿を変えた。

 さ、頼むぜ四代目主人公のエースモンスターにして攻防一体の騎士よ。

 

 

 

No.39 希望皇ホープ(エクシーズ・効果モンスター)

ランク4

光属性/戦士族

ATK 2500/DEF 2000

レベル4モンスター×2

(1):自分か相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

その攻撃を無効にする。

(2):このカードがX素材の無い状態で攻撃対象に選択された場合に発動する。

このカードを破壊する。

 

 

 

「『エクシーズ・フェイク・アドバンテージ』の効果で1枚ドロー!」

「ば、バカな……! たった1ターンで大型モンスターがこんなに……! しかもまだ手札が4枚!?」

「まだまだ驚かせてやるよ。装備魔法『ジャンク・アタック』を『ガイアドラグーン』に装備! このカードを装備したモンスターがバトルで相手モンスターを破壊した時、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える。当然これは効果ダメージだから『スピリットバリア』で防ぐ事はできないぞ?」

「ぐっ!」

「待たせたな、バトルだ! やれ、『ホープ』、『ヴォルカザウルス』、『不乱健』、『ガイアドラグーン』! 『巨大ネズミ』に連続攻撃! “ホープ剣スラッシュ”! “バーニング・ブレス”! “不乱拳”! “ドラグーン・シェイバー”!」

 

 一斉に飛びかかる俺のモンスター達。腰から引き抜かれた片刃の剣が、灼熱のマグマと炎の息吹が、巨人の鉄拳が、龍の突進する勢いで突かれた槍が、青い齧歯類へ向けて放たれた。

 あの軌道で攻撃したらそれぞれの技が当たるんじゃないだろうか、なんて益体の無い事を考えた時。

 

「図に乗るなよクソが! これでも喰らいやがれ! 罠カード『聖なるバリア-ミラーフォース-』! これでテメェのモンスターは全滅だ!」

 

 高田は伏せてあったカードを開けて結界を張った。高密度のエネルギーに満ちたシールドが展開し、こちらの攻撃を阻む。攻撃が当たって衝撃の走ったバリアは守るだけでは止まらず、その衝撃をそのままカウンターするように跳ね返した。

 悪いな、そいつに仕事はそうそう与えられないんだよ。

 

「俺は『不乱健』の効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ使い、手札を1枚切って守備表示にする事で、相手フィールド上の表側表示カード1枚の効果を無効にする!」

 

 

 

No.22 不乱健(エクシーズ・効果モンスター)

ランク8

闇属性/アンデット族

ATK 4500/DEF 1000

闇属性レベル8モンスター×2

このカードはエクシーズ召喚でしか特殊召喚できない。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、手札を1枚墓地へ送り、相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる。

このカードを守備表示にし、選択したカードの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

 パシュン! と周囲を旋回する紫の光の玉が巨人の顔へ吸い込まれて弾ける。それに合わせて手札の『ガガガガール』をコストに『不乱健』の効果が発動した。

 高田の張った結界全体にのしかかる様に覆い被さり、抱き締めるようにバリアを砕く。

 

 

No.22 不乱健:ATK 4500→DEF 1000/ORU:2→1

 

 

「これでミラフォは無効。守備表示になったから『不乱健』はもう攻撃できないが、残りのモンスターは無事だ。てなワケで攻撃続行!」

 

 高田の場にいる齧歯類が2体とも攻撃で吹き飛ぶ。炎で焼かれ、隣の個体も槍で貫かれた衝撃で、高田は更にダメージを負った。

 

「『ガイアドラグーン』に装備した『ジャンク・アタック』の効果で破壊された『巨大ネズミ』の元々の攻撃力の半分、700のダメージを喰らえ!」

「おぐぁあっ!」

 

 

高田:LP 8600→7900

 

 

ジャンク・アタック

【装備魔法】

装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「この……! 『巨大ネズミ』の効果発動! 来い、2体の『共鳴虫(ハウリング・インセクト)』!」

『リィィィィィィィィン!』

 

 

共鳴虫:ATK 1200→1700

共鳴虫:ATK 1200→1700

 

 

「叩き斬れ、『ホープ』!」

『ホォォォプッ!』

 

 後続で相手は煩く鳴き散らす鈴虫を呼ぶが、すぐに『ホープ』の剣によって両断された。

 

「チィッ! まだだ! 『共鳴虫』を更に特殊召喚!」

 

 

共鳴虫:DEF 1300

 

 

 

共鳴虫(効果モンスター)

星3

地属性/昆虫族

ATK 1200/DEF 1300

このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、デッキから攻撃力1500以下の昆虫族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

その後デッキをシャッフルする。

 

 

 

 ああ、何度でも呼べば良い。そうやってデッキを圧縮して行けばデッキの残り枚数は次第に少なくなって行く。『王城』の効果でデッキに戻せるのは1ターンに2枚まで。それ以上のペースで潰してリクルートさせれば、次第にリクルート先の確保は難しくなるはず。

 リクルートが切れた時が勝負。その瞬間までは攻撃と防御に集中しつつ、相手の手を読むんだ。高田の一歩、いや、二歩、まだ足りない三歩、否、四歩、否々、五歩先を読むんだ。それこそが俺の神髄、俺のやり方。相手の裏を、裏の裏を掻いて、戦術を崩すんだ!

 

「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド。『エクシーズ・フェイク・アドバンテージ』の効果で手札を除外しなくてはならないが、俺の手札は今0枚。よってライフを半分にしなくてはならないが……」

「……サーのライフは1。……デュエルにおいて、数値は全て整数でなくてはならない」

「小数点以下は全て切り上げになる。つまり主殿のライフは……」

 

 

黎:LP 1→1

 

 

「ら、ライフが変わらないだとぉ!?」

「残念だったなぁ?」

 

 

 

黎:LP 1

手札:0枚

フィールド

:No.39 希望皇ホープ(ATK 2500、ORU:2)、No.61 ヴォルカザウルス(ATK 2500、ORU:1)、No.22 不乱健(DEF 1000、ORU:1)、迅雷の騎士ガイアドラグーン(ATK 2600、ORU:1)

:伏せカード2枚、ジャンク・アタック(装備魔法・『迅雷の騎士ガイアドラグーン』に装備)

 

 

 

「俺様のターン、ドロー! クソ、何故だ! 何故これ程までに強くなった俺がテメェ如きにこうも苦戦する! 何故だ! 何故だぁ!」

「ンなもん、お前が弱いからに決まってるだろうが」

 

 地団太を踏んで叫ぶ高田。俺はそれに対し、どこまでも冷たく返す。

 その返答が気に食わなかったのだろう、奴は更に怒鳴り声を上げて激昂した。

 

「ふ、ふっざけんなぁ! 俺はなぁ、俺様はなぁ、強くなったんだよ、誰よりもな! 現にそこで倒れてる女は俺が潰してやった! もう誰にもバカにさせねぇ! 俺様は最強になるんだ! 裏切られて見限られて、やっと分かったんだ! 人は怒りで強くなる! この怒りが! 憎しみが! 恨みが! 呪いの怨念こそが、俺様を強くするってなぁ!

 このクソ下らない、俺様をバカにした世界なんてぶち壊してやるぜ! 今度こそ、俺様が堂々と生きられる、誰にも捨てられない世界に生きて、その頂点に君臨してやらぁ!」

 

 ……ああ、そうか。だからこいつは心の闇に付け込まれたのか。

 寂しさ、傲慢、裏切られたと思った悲しみ、そういったモンが凝り固まって、こいつの闇が構成されてしまっているのか。複雑に絡まっちまったそれは、もう一個体に成り果てていると言っても過言じゃ無い。こうなったらまず一筋縄じゃいかない。

 なら、その歪んでしまった性根を叩き直してやるまでの事。解いて直すなんて面倒な事はしない。一篇転落して、ゼロからやり直して来いや!

 

「俺様は最強になる! この力で、この屈辱に塗れた人生をやり直すんだ! テメェらみてぇなクソ下らない人生とは違う、栄光あるモンにしてやるんだよぉ!」

「お前、それは間違ってるぞ」

「何ぃ!? 一体何が間違ってるってんだよ!」

「どんな人生だって、それはそいつの、一回限りのものなんだ。やり直す事なんざ出来やしない。けれどもどれだけ失敗を繰り返そうが、諦めなければ道は開ける。諦めた奴は自分の人生そのものに負ける。そして、負けた奴には人生をやり直す資格なんざありはしない」

 

 そう、俺は前世で、何時しか生きる事を諦めていた。

 その気になれば山にでも籠って一緒に暮らせたってのに、それを拒んだ。

 何故か? それは俺が都と生きる事に疲れていたから、生きる事そのものをもう諦めていたから。その疲れきって病んだ心は捌け口として他人の悲鳴を求めていた。俺の手で傷付けて浴びる返り血、その温かさだけが俺の成果物だった。他人の命を奪うという低俗なマウントの取り方に、俺は酔っていたから。

 ──つまり、化物としての生き方に逃げていたんだ。

 今だからこそハッキリ言える。諦めたら人は死ぬんだと。

 

「どんな人生もそいつのモンだ。大きい夢、小さい夢、デカい野望、ショボい願望。そんな目標を人生の目の前に添えて、人は生きていく。例えどんな内容だろうと、人が人の人生を笑う資格なんて無いんだよ。大切なのは笑われない人生にする事じゃない。人の上に立てる人生にする事でもない」

 

 ドン、と俺は自分の胸を叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「自分の人生に胸を張って生きる事だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「胸を、張るだと……? ンなモン、惨めだったら張れねぇよ! 張れるようにするからこうして強くなろうと……!」

「それは言い訳だ。お前が他人を見下したいがためのな!」

 

 さあ、テメェのターンだ高田。

 教えてやる、そんな曲がった力は役に立たないって事をな!

 

 

to be continued

 




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