遊戯王GX~精霊の抱擁~   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

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フィオ・都「「なーにかな、なーにかな! 今回は、これ!」」



虹クリボー(効果モンスター)
星1
光属性/悪魔族
ATK 100/DEF 100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを手札から装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。
装備モンスターは攻撃できない。
(2):このカードが墓地に存在する場合、相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。



フィオ「『クリボー』シリーズのモンスターだ!」

都「攻撃抑制の2種類の効果を持ってるよ。『王宮の鉄壁』があれば除外されないけど、蘇生して壁になる効果は1ターンに1度だけだから注意してね」

フィオ「効果を発動→攻撃中止→装備の順だから、『サイクロン』に強いのも嬉しいポイント。悪魔族だからサポートカードも多いよ!」


STORY81:希望の未来 ホープ七変化

 

黎:LP 1

手札:0枚

フィールド

:No.39 希望皇ホープ(ATK 2500、ORU:2)、No.61 ヴォルカザウルス(ATK 2500、ORU:1)、No.22 不乱健(DEF 1000、ORU:1)、迅雷の騎士ガイアドラグーン(ATK 2600、ORU:1)

:伏せカード2枚、ジャンク・アタック(装備魔法・『迅雷の騎士ガイアドラグーン』に装備)

 

 

 

高田:LP 7900

手札:4枚

フィールド

:仮面竜(ATK 1900)、キラー・トマト(ATK 1900)、共鳴虫(DEF 1300)、共鳴虫(DEF 1300)

:スピリットバリア(永続罠)、幻魔の王城(フィールド魔法)、新調スーツ(通常罠・『仮面竜』に装備)

 

 

 

SIDE:黎

 

 

 

 中盤戦に差し掛かるハンディキャップデュエル。だが俺は絶対にこのデュエルには負けない。

 さあかかって来い。テメェのその歪みに歪んだ野心、捻り潰してやる!

 

「この野郎、叩き潰してやらぁ! マジック発動、『リクルート・エイジ・エンド』! デッキから特殊召喚された攻撃力1500未満のモンスターを1体墓地に送り、新たに2枚ドローする! 『共鳴虫』を潰す!」

 

 

 

リクルート・エイジ・エンド(オリジナル)

【通常魔法】

(1):自分のデッキからモンスター効果によって特殊召喚された攻撃力1500未満のモンスター(表側表示)1体を選択して発動する。

そのモンスターを墓地に送り、2枚ドローする。

この効果で墓地に送ったモンスターの効果は発動できない。

 

 

 

「俺様は『カオス・ネクロマンサー』を召喚! こいつの効果は知ってるよなぁ! 俺様の墓地のモンスターの数が攻撃力になるのよ!」

 

 

【高田の墓地のモンスター】

キラー・トマト

ドラゴンフライ

巨大ネズミ

仮面竜

巨大ネズミ

巨大ネズミ

共鳴虫

共鳴虫

 

 

「墓地のモンスターは8体、よって攻撃力は2400だぁ!」

 

 

カオス・ネクロマンサー:ATK 0→2400

 

 

 いくらこいつが莫迦を極めに極めたバカ田だったとしても、計算が出来ないワケじゃない。

 まだ攻撃力を上げてくる筈だ。

 

「更に『キラー・トマト』と『共鳴虫』をリリースし、『ビッグ・ソルトマン』を特殊召喚!」

 

 

ビッグ・ソルトマン:ATK 3000

カオス・ネクロマンサー:ATK 2400→3000

 

 

 ジリ貧のように追い詰められて行く高田。起死回生の策としてか、怪しく笑う死霊の魔導士と巨大な塩の魔人がトマトと鈴虫を握り潰して現れた。

 

「ギャハハ、リクルートの次はサラリーマンってな! 知ってるか? サラリーマンは給料男、サラリーとマン! そしてそのサラリーの語源ってのはなぁ――」

「元は塩を意味するラテン語の『sal』だ。塩は内臓の機能や精神状態の安定、更には自己治癒力を一定に保つためにも必要不可欠。古代ローマでは兵士の給料として塩が出されていた点からその重要性は古来から分かっていた事は明白であり、或いはその事がサラリーの語源でもあるとされる。古くは塩の採掘場所を巡って戦争が起こる事も珍しくなかったそうだ。その点は戦国武将の武田信玄と上杉謙信のやり取りから生まれた『敵に塩を送る』という諺からも分かるだろう。

 その主成分は塩化ナトリウム、塩素とナトリウム。この内、人体に必要なのはナトリウムの方。主な採取方法は塩田に海水を撒いて採集、海水を煮詰める、岩塩からの採掘、塩湖から掬うの4種類。いずれも土地や資源に恵まれていなければ条件としては成り立たない。

 生きていくのに欠かせないのならば、戦争の火種になったって何の不思議でも無いだろう。……で、俺の講義内容に付け足す事は?」

「チィ…………ッ!」

「無いらしいな。さっさとデュエルを進めろ」

「クソが! 俺様は手札の『シャインエンジェル』を捨てて、魔法カード『ビル倒し』を発動! このターン、俺様のモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した時、その元々の攻撃力分のダメージを与える!」

 

 

 

ビル倒し(オリジナル)

【通常魔法】

手札を1枚捨てて発動する。

このターン、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

このターンの戦闘によって自分のモンスターが破壊された時、その元々の攻撃力分だけ自分はダメージを受ける。

 

 

 

 高田が発動したのは高層ビルが爆破によって崩壊するイラストを持った、緑のカード。

 ビル倒しって、それは新人社員がビルの一階から最上階まで外回りに行く事だろうが……。

 

 

カオス・ネクロマンサー:ATK 3000→3300

 

 

「バトルだぁ! 『仮面竜』、そのデカい希望とやらに攻撃! 『新調スーツ』の効果で貴様は終わりだぁ!」

「そうはさせるか! 攻撃対象となった『希望皇ホープ』の効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、モンスター1体の攻撃を無効とする! “ムーン・バリア”!」

 

 

No.39 希望皇ホープ:ORU 2→1

 

 

 吐かれる炎を、背中の翼を変形させて作り上げた盾で防ぐ『ホープ』。

 さあ、もう一発来い!

 

「ただし、オーバーレイ・ユニットを全て失った状態で攻撃対象に選択されれば、『ホープ』は自壊してしまう」

「ならば『カオス・ネクロマンサー』で『ホープ』を攻撃ィ! “ネクロ・パペットショー”!」

 

 続いて青白い怨霊を大量に従えた死霊の魔導士が、その魂を金色に輝く戦士へと向ける。

 

「さあ、どうする? 効果を使うか?」

「使わせてもらおう! 『ホープ』、“ムーン・バリア”だ!」

 

 星が胸部の緑の宝玉へ吸い込まれ、湾曲した翼の壁で幽霊の大群を防ぐ。オーバーレイ・ユニットは使い切ったが……、これで良い。

 

 

No.39 希望皇ホープ:ORU 1→0

 

 

「これで『ホープ』のオーバーレイ・ユニットは無くなったぁ! やれ、『ソルトマン』! その目障りな金ピカを攻撃!」

「『ホープ』の効果発動! 自分自身を破壊する!」

 

 繰り出される3度目の攻撃。それが宣言された瞬間、白い騎士の内側から爆風が生まれ、呻き声と共に『ホープ』は爆散した。

 

「これでテメェの守りの盾は無くなった! もう攻撃は防げねぇ!」

「…………」

「主殿……!」

「……サー!」

「さて、どいつを攻撃しても『ビル倒し』の効果で結果は同じだが、どうせなら……」

 

 値踏みするように動いていた高田の目が、一点に止まる。その視線の先には、低い守備力を曝け出している腐敗した巨人がいた。

 

「ダメージがデケェ方が良いよなぁ、えぇ!? 『ソルトマン』で『不乱健』を攻撃ィ! “禍塩砲射(かえんほうしゃ)”ァ!」

 

 渦巻く燃える塩を吐き出す塩の魔人。紅の粒子の壁が腐敗した巨人を呑み込む。

 タンパク質が焦げる独特の臭いが周囲に生まれ、破壊を確信したのか高田の高笑が響き渡った。

 

「ギャハハハハハ! 死ねぇ!」

「それはどうかな?」

「何ぃ!?」

 

 アマいんだよ。何で俺が伏せカードとかじゃなくて自壊の危険を孕む『ホープ』で攻撃を防いだのか、まるで分かってねぇな。

 ニヤリと笑う俺の視線の先では、膝立ち状態からしっかりと足の裏で地面を踏み締める巨人が塩の奔流を防いでいた。無論、表皮が焦げているだけで本体の方にはダメージは無い。元々死体人形なのだ、痛覚その他は無いのだろう。

 

 

No.22 不乱健:DEF 1000→ATK 4500

 

 

「こ、攻撃表示だと!?」

「俺はお前の攻撃宣言に合わせて罠カード『ガムシャラ』を発動していたのさ! こいつは俺の守備表示モンスターが攻撃された時、表示形式を攻撃表示に変更し、バトルを続行させる! 攻撃力そのものは『不乱健』の方が上! 迎え撃て!」

 

 バァン! と両腕を弾いて塩の流れを弾くと、巨人はその大きな腕で塩の魔人を殴り倒した。

 

「ソ、『ソルトマン』!?」

「更にこの瞬間『ガムシャラ』のもう1つの効果発動! このバトルで相手モンスターが破壊された場合、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える! 3000のダメージを喰らいな!」

「ンだと、ぐあぁっ!?」

 

 

高田:LP 7900→4900

 

 

 

ガムシャラ

【通常罠】

自分フィールド上に守備表示で存在するモンスターが攻撃対象になった時に発動できる。

その守備表示モンスターの表示形式を表側攻撃表示に変更する。

さらに、その戦闘によって攻撃モンスターを破壊し墓地へ送った時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「ぐ、クソ……!」

「分かってないなぁ? 何で『ホープ』が破壊されたと思ってんだ? まさかテメェの実力だと思ってるんじゃねぇよなぁ?」

「ち、違うってのか!」

「おうよ。あれはな、わざとだ。わざと破壊させたんだよ。最初に『ホープ』の防御能力と自壊能力をチラつかせれば、お前はまずオーバーレイ・ユニットを全部剥ぎ取りに来る。そして『ホープ』がいなくなれば攻撃はほぼ確実に通るとお前の貧相な発想力は辿り着く。そうすればテメェのエリート意識と俺への敵対心から確実に守備表示の『不乱健』を狙うと思ったんでね。

 効果ダメージで止めを刺せる状況なら、まずデカいダメージを狙うって事ぐらい安易に予想できる。なら攻撃力が最も高く、そして守備力が低くて破壊しやすい『不乱健』を狙うだろう、ってな」

「テメェまさか、俺の攻撃の順番まで計算済みだったのか!」

「無論だ。それに『ソルトマン』の攻撃だけ『不乱健』で受けて、残りは『ホープ』で最初から防ぐ予定だったさ。順番が狂った所で誤差の範囲内、何の問題も無い」

 

 そう、最初から計算済み。こいつの性格、攻撃の順番、どのモンスターがどのモンスターに攻撃するか。全てを演算してシミュレートした。『フェイク・アドバンテージ』で『ガムシャラ』を最初に引いた時から、この流れは全て頭の中に入っていた。

 もっとも、本当に描いた通りに動いてくれるとは思わなかったがな。

 

「要するにテメェは俺の手の上で踊らされていたってワケだ。差し詰め滑稽な人形だな」

「こ、の野郎……! 『幻魔の王城』の効果発動! 墓地から『共鳴虫』と『仮面竜』をデッキに戻してシャッフルし、1枚ドローする!

 そしてカードを2枚セットして、俺は『ソルトマン』の効果発動! このカードが相手によって破壊された時、デッキからモンスターカードを1枚墓地に送り、墓地から特殊召喚できる! デッキから『共鳴虫』を墓地に送って、現れろ! 更に墓地から『ソルトマン』が特殊召喚された時、攻撃力が2000上がってカード効果では破壊されなくなり、俺が受ける効果ダメージも0となる!」

 

 

ビッグ・ソルトマン:ATK 3000→5000

カオス・ネクロマンサー:ATK 3300→3600→3000→3300

 

 

 再び現れる塩の魔人。ほう、中々優秀な効果だ。

 だが、そんな手間のかかるモンスターじゃあ、俺相手に優位に立つ事はできないぞ。

 

 

 

ビッグ・ソルトマン(効果モンスター)(オリジナル)(改訂版)

星7

ATK 3000/DEF 100

闇属性/岩石族

このカードは自身の効果以外で特殊召喚できない。

このカード名の(2)の効果はデュエル中1度しか発動できない。

(1):相手フィールドにEXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する場合、自分フィールドのモンスターを2体リリースして発動できる。

このカードを特殊召喚する。

(2):(1)の方法で特殊召喚されたこのカードが相手によって破壊された場合、そのターン終了時にデッキからモンスターカードを1枚墓地へ送って発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚された場合、以下の効果を得る。

●元々の攻撃力は表側表示で存在する限り5000となる。

また相手のカード効果では破壊されず、表側表示で存在する限り自分が受ける効果ダメージは0となる。

 

 

 

「ターンエンドだぜ!」

 

 

 

高田:LP 4900

手札:0枚

フィールド

:仮面竜(ATK 1900)、カオス・ネクロマンサー(ATK 3300)、ビッグ・ソルトマン(ATK 5000)

:伏せカード2枚、スピリットバリア(永続罠)、幻魔の王城(フィールド魔法)、新調スーツ(通常罠・『仮面竜』に装備)

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 さて、効果破壊されないモンスターか。対象方法はあるが、まずは……。

 

「俺は『ヴォルカザウルス』の効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ使い、『仮面竜』を破壊する! “マグマックス”! 効果破壊なら『新調スーツ』のダメージを受けない!」

 

 

No.61 ヴォルカザウルス:ORU 1→0

 

 

「そうはさせねぇぞ! 永続罠『クランプ・バインド』! このカードが存在する限り、俺様の場のカードは1ターンに1度、相手の効果を受けない!」

 

 赤い星を噛み砕き、胸部から灼熱のマグマを放出する恐竜。狙われた仮面のドラゴンは、しかし、無数の鎹に邪魔をされて火傷一つ負う事は無かった。

 

 

 

クランプ・バインド(オリジナル)

【永続罠】

このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールド上に表側表示で存在するカードは1ターンに1度だけ、相手のカード効果を受けない。

 

 

 

「どうだ! もう『ホープ』はいねぇし『ヴォルカザウルス』もオーバーレイ・ユニットを使い切った! これで次のターンに『仮面竜』で自爆特攻は確実に成功する! そうすれば『新調スーツ』の効果で貴様は終わりだぁ!」

「それはどうかな?」

「何ぃ!?」

「俺は魔法カード『トラップ・ポーズ』を発動! 相手フィールド上に今、表側表示で存在する罠カードをエンドフェイズまで全て無効にする!」

 

 ベキベキベキッ! と石版になる3枚の罠。

 更にその内2枚、『スピリットバリア』と『クランプ・バインド』から光が飛び出し、俺のデッキに宿った。

 

「そしてこの効果で無効にした永続罠カードの枚数分、カードをドローする! お前の場の永続罠は2枚、よって2枚ドローだ!」

「上手いな、これで『新調スーツ』は効果が無効になって装備状態を維持できない。『仮面竜』が場に残っていても破壊される!」

「……しかも、『スピリットバリア』が無効になった。……これで戦闘ダメージを与える事ができる」

「チィ……ッ!」

 

 悔しがる高田を尻目に、更に手札を切る。

 『ガイアドラグーン』は1枚しかこのデッキに差して無い。だから今回の『ヴォルカザウルス』の出番はこれでお終いだ、悪いな。

 

「手札から魔法カード『ナンバーズ・リチャージ』を発動! このカードは自分の墓地に存在するランク4以下のナンバーズ1体を選んで発動する。選択したナンバーズを墓地から復活させ、俺の場のそれよりランクの高いエクシーズモンスター1体と『ナンバーズ・リチャージ』自身をそのナンバーズのオーバーレイ・ユニットにする!

 蘇れ、ランク4! 『No.39 希望皇ホープ』!」

『ホォォォォォォォォォォォプッ!』

「そして効果でランク5の『ヴォルカザウルス』と『ナンバーズ・リチャージ』自身をオーバーレイ・ユニットにする!」

「何!? 『ホープ』が蘇った上にオーバーレイ・ユニットまで復活しただとぉ!?」

 

 

No.39 希望皇ホープ:ATK 2500/ORU 0→2

 

 

 紫の魔法陣から蘇る金色の騎士。その周囲に俺の魔法カードと赤い恐竜が黄色く輝く星となって旋回する。

 

「ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターは、特殊召喚されたターンに攻撃できず、モンスター効果は発動できなくなる! そしてナンバーズを素材とした場合、1枚ドローする!」

 

 

 

ナンバーズ・リチャージ(オリジナル)

【通常魔法】

自分フィールド上にエクシーズモンスターが表側表示で存在する場合、自分の墓地に存在する「No.」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターを墓地から特殊召喚し、自分フィールド上に表側表示で存在する選択したモンスターよりランクの高いエクシーズモンスター1体とこのカードをその下に重ねてエクシーズ素材とする。

この効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン攻撃できず、モンスター効果を発動できない。

またこの効果で「No.」と名のついたモンスターを下に重ねてエクシーズ素材とした場合、1枚カードをドローする。

 

 

 

「へ、ヘン! あの厄介な盾野郎が戻ったかと思えば、効果が使えないんじゃねぇか、驚かせやがって! おまけに俺様の場には攻撃力5000の『ソルトマン』がいるんだぜ! テメェの『不乱健』でも勝てやしねぇ!」

「なら、これならどうだ? 『ホープ』の神髄はこれだけじゃあ終わらない! 俺はランク4の『希望皇ホープ』でオーバーレイ!」

 

 翼を折り畳み、剣のオブジェへと姿を戻して行く『ホープ』。そして地面に生まれた金色の銀河の渦の中へと潜り込み、爆発の中で新たなを姿を得る。

 

「1体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

 

★4→★4

 

 

「カオス・エクシーズ・チェンジ! 現れろ、混沌を光に変える使者! 闇の中より舞い出でし希望! 『CNo.39 希望皇ホープレイ』!」

『ホォォォォォォォォプ、レイィィィィィィィィッ!』

 

 無数の光輝く粒子とともに、漆黒の、よりシャープな剣のオブジェクトが螺旋を描いて姿を現す。白かったパーツは闇のように漆黒に染まっている。

 銀河の中から完全に登り切ると、蝙蝠を思わせるような翼が開き、背中の大剣のセーフティ・ロックが外れた。そして額の緑の宝玉が光輝き、赤いルビーのような瞳に生命の明かりが灯る。

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ:ATK 2500

 

 

「カオス、ナンバーズ……、だと!?」

「そうだ。より高貴であろうとする気高さ。そして誰かを憎んだりする激しい感情。その2つが合わさって生まれる誰かのために戦おうとする慈愛の心。それを現したのがカオス、即ち、カオス・ナンバーズだ!」

『ホォォォォ……!』

 

 威風堂々と立つ『ホープレイ』は、まるで俺の言葉に呼応するように気炎を吐いてくれた。お前もやる気満々ってワケか。頼もしいぜ。

 これが俺の求めている、前世の闇と現世の光の集合体の一片。この力を極める事が、今後の俺の課題だろう。

 

「『希望皇ホープレイ』の効果発動! このカードは俺のライフが1000以下の時、オーバーレイ・ユニットを任意の数だけ使う事で、その数×500ポイント、攻撃力がアップする! 俺は3つ全てを使って、“オーバーレイ・チャージ”!」

 

 

黎:LP 1

CNo.39 希望皇ホープレイ:ATK 2500→4000/ORU 3→0

 

 

「更に使用したオーバーレイ・ユニット1つにつき1000ポイント、相手モンスター1体の攻撃力をダウンさせる!」

 

 

ビッグ・ソルトマン:ATK 5000→2000

 

 

 周囲を旋回する輝く星。それらが『ホープレイ』の背中から伸びたアームによって掴まれ掲げられた大剣に灯ると、混沌の騎士の全身を白く輝くオーラが包み込み、漆黒の鎧を光り輝く純白に染めた。

 その一方で塩の魔人は体中から煙が上がって色合いが鈍る。消えていった白煙は恐らく力の源だったのだろう。

 

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ(エクシーズ・効果モンスター)

ランク4

光属性/戦士族

ATK 2500/DEF 2000

光属性レベル4モンスター×3

このカードは自分フィールド上の「No.39 希望皇ホープ」の上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

自分のライフポイントが1000以下の場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力を500ポイントアップして相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンする。

 

 

 

「攻撃力が逆転されただと!? 畜生、攻撃力7000までなら最悪でも相撃ちかよ!」

「そういう事だ! バトル! 『不乱健』で『カオス・ネクロマンサー』を攻撃!」

「ぐぉぉぉ!?」

 

 

高田:LP 4900→3700

 

 

「続いて行け、『ホープレイ』! 『ソルトマン』を攻撃! “ホープ剣・カオススラッシュ”!」

 

 素早く振り抜かれる三本の刃。右の一太刀が塩でできた左腕と下腹部を、左の一太刀が右腕と胸部を、そして背中のアームによって振り下ろされた大剣が、全身がバラバラになるよりも早く、魔人の体を正中線で真っ二つに切り裂いた。

 相変わらずの滅多切りだ……。

 

「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」

 

 

高田:LP 3700→1700

 

 

 うん、戦闘ダメージが入るってのはやっぱり良いモンだ。

 

「『ガイアドラグーン』で『仮面竜』を攻撃! “ドラグーン・シェイバー”! 『ジャンク・アタック』のダメージも受けてもらう!」

 

 唸りを上げる螺旋槍。それが仮面のドラゴンの胸を深々と貫き砕く。

 砕かれた事によって生まれたその破片は空中を当て所無く飛んでいたが、突如として方向性を帯び、高田の方へ向けて高速で飛来し吹き飛ばした。

 

「で、デッキから『仮面竜』を特殊召喚! ぐぼぉ!?」

 

 

高田:LP 1700→1000→300

仮面竜:ATK 1400→1900

 

 

 ちょっと足りなかったか。だが大ダメージには変わり無い。残りライフ300なら、『ジャンク・アタック』のあたりですぐに削り取れるな。それがダメでも別に効果ダメージを与える方法ならいくらだってある。

 

「俺はカードを1枚セットして、ターンエンド。『ホープレイ』の効果終了、攻撃力は元に戻る」

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ:ATK 4000→2500

 

 

 しかも『不乱健』にはまだオーバーレイ・ユニットが残っている。これで自爆特攻をしかけた所で、『スピリットバリア』を無効にしてやれば戦闘ダメージを与える事が可能だ。

 これで八方塞がりって所か、そろそろ決着だな。

 

 

 

黎:LP 1

手札:1枚

フィールド

:CNo.39 希望皇ホープレイ(ATK 2500・ORU:0)、迅雷の騎士ガイアドラグーン(ATK 2600・ORU:1)、No.22 不乱健(ATK 4500・ORU:1)

:伏せカード1枚

 

 

 

 ターンが渡され、高田の順番が巡る。だが奴は寝転んだ状態のまま、まるで動こうとしない。

 

「どうした、お前のターンだぞ」

「なあ、遊馬崎。俺はどこで間違えたんだ……?」

「あ?」

 

 いきなり何言ってるんだ、コイツ?

 

「俺はよう、ただ見返してやりてぇだけなんだよ。テメェも、見捨てた奴も、教師も、何もかも。なのにこれは何だ? これだけ強くなったってのに、俺は何で地面に這い蹲ってるんだ? 俺は、何を手に入れたんだ?」

「…………」

「力を折角手に入れたってのになぁ……。……いや、違うな。俺はそんなモン求めてねぇ」

 

 ゴロリ、と高田は起き上がった。

 

「俺はブルーに居てぇ。あそこが俺の居場所なんだ。だから強くなりたかったんだ」

「何故、ブルーに拘る? イエローやレッドだって、多少環境は悪くなるが良い所だぞ。住めば都だ」

「ちげぇ、ちげぇんだよ……。俺は、俺様は、エリートじゃなくちゃいけねぇんだ……」

「高田……?」

「俺様は──、青くなくっちゃならねぇんだよぉっ!」

 

 その叫び声と共に、高田の右手が突如として黒く輝きだした。だが朝日のような温かいものも、月のように冷たくも穏やかなものでも無い。暗い、深淵の、深い、闇の輝きだ。黒く光る(光を反射しない光)という科学的な理論に真っ向から喧嘩を売るような悍ましいナニカ。

 あれは……。分かる、あれは、人の手の中にあってはいけない!

 

「お、おぉ……? 何だ、力が漲って来るぞ!」

 

 そして次の瞬間、奴の背後に黒尽くめの男が現れた。ガッシリとしてアスリート、いや、武道の達人のような体躯。年は中年か壮年くらいで背はかなり高い。しかし何故か半透明。

 そして何より全身から漂う、これまでに感じた誰よりも濃密な邪神の護衛の気配。

 

「テメェが、最後の護衛か!」

『如何にも。我が名は最後にして最強の護衛、ラース。と言っても、ここに居る我はただの分身だがな』

 

 ッ、分身でこれ程の……! 同じ上級護衛のグラトニーやラストとはケタ違いだ……!

 ラースの幻影は俺への興味は最初から無かったのか、クルリと高田の方を向いた。

 

『クククククク、貴様にそう易々と敗北されては困るのでな? 助太刀してやろう』

「おお、ありがてぇぜ!」

「高田、よせ! その力を使うな! その先にあるのはお前自身の破滅だぞ!」

「構うものかぁ!」

 

 俺の忠告も聞かず、高田はドス黒く輝く右手をデッキトップのカードに添えた。

 

 

 

 

 

「最()デュエリストのデュエルは、全て必然!」

 

 

 

 

 

 な、何だその口上は!?

 

 

 

 

 

「あらゆる希望も命も絶望と死に染める!」

 

 

 

 

 

 そんなのは、まるっきり……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『ジェノサイド・ドロー』ォォォォォオ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まるっきり、邪神の護衛と同じじゃないか!

 

「ギャハ、来たぜ!」

『ククク、当然だな。さあ、奴を殺し、貴様の実力を証明するのだ!』

「おうよ! 俺は『仮面竜』をリリースし『ジェノサイド・グリム・リーパー』をアドバンス召喚! このカードはレベル8だが、相手フィールド上に攻撃力2500以上のモンスターが2体以上存在する場合、リリース1体で召喚できる!」

 

 俺の場のモンスターは3体、いずれも攻撃力は2500オーバー……!

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ:ATK 2500

No.22 不乱健:ATK 4500

迅雷の騎士ガイアドラグーン:ATK 2600

 

ジェノサイド・グリム・リーパー:ATK 1000

 

 

 あいつが呼び出したのは、黒いオーラを身に纏った死神。身の丈を大きく超える大鎌を携え、ドクロの面に黒いボロボロのローブ。正に誰もがイメージする死神。だが、その全身からは腐臭にも似たあの嫌な気配が濃密に漂っていた。

 

「『ジェノサイド・グリム・リーパー』の効果発動! このカードがアドバンス召喚に成功した時、俺の墓地のモンスター1体につき500ポイント俺のライフを回復し、その数値分だけ攻撃力がアップする! 更にこの効果は無効化されない!」

「何!? 『不乱健』の効果が効かないだと!?」

「俺様の墓地のモンスターは合わせて15体! よって7500ポイントのライフと攻撃力を獲得だぁ!」

 

 

ジェノサイド・グリム・リーパー:ATK 1000→8500

高田:LP 300→7800

 

 

「攻撃力8500!」

「何という滅茶苦茶な!」

「……これが、邪神の力!」

「更に『幻魔の王城』の効果発動! 墓地から『カオス・ネクロマンサー』と『キラー・トマト』をデッキに戻してシャッフルし、1枚ドローする!」

 

 再び邪悪なエナジーが高田の右手に集まる。

 まさか、これからドローを全てそれでやるつもりか!?

 

「ギャハハハハハ! 『ジェノサイド・ドロー』!」

 

 深い紫色に染まり、相手の手札に加わるデッキトップ。まずい、計算が狂い過ぎている! 奴の素の実力と『王城』だけならライフが1であっても抑え込めたのに、このままでは押し切られてしまう!

 

 

 

ジェノサイド・グリム・リーパー(効果モンスター)(オリジナル)

星8

闇属性/アンデット族

ATK 1000/DEF 0

相手フィールド上に攻撃力2500以上のモンスターが2体以上存在する場合、このカードはモンスター1体をリリースして召喚できる。

このカードがアドバンス召喚に成功した時、自分の墓地に存在するモンスターの数×500ポイントライフを回復し、その数値分このカードの攻撃力をアップさせる。

この効果の発動と効果は無効化されない。

このカードがアドバンス召喚されたターン、自分は手札から魔法・罠カードをフィールドに出す事はできない。

 

 

 

「バトル! やれ、『ジェノサイド・グリム・リーパー』! その白黒を捻り潰せぇ! “地獄の断罪劇”!」

「っ、罠発動! 『くず鉄のかかし』! 相手モンスター1体の攻撃を無効にし、フィールドに再セットする!」

 

 腐臭と残像を放つ鎌を防ぐ鋼鉄製の案山子。今日もご苦労様です。

 

「チッ! 俺はこれでターンエンドだ!」

 

 

 

高田:LP 7800

手札:1枚

フィールド

:ジェノサイド・グリム・リーパー(ATK 8500)

:幻魔の王城(フィールド魔法)、スピリットバリア(永続罠)、クランプ・バインド(永続罠)

 

 

 

「俺のターンだ、ドロー!」

 

 こうなったらもう容赦しねぇぞ。これ以上長引かせれば確実に俺が不利。なら、ここは前のターンに温存しておいたこれを使うのみ!

 

「俺は手札から『RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース』を発動! このカードはランク4エクシーズを進化させ、ランク5のカオス・エクシーズを特殊召喚する!」

「何!? エクシーズモンスターをランクアップだと!?」

「俺はランク4の『希望皇ホープレイ』でオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

 漆黒の騎士がその姿を変化する前のシャープな剣のオブジェへと変える。次の瞬間、その姿は紫の光へと変わり、空高くに生み出された銀河の渦へと飛び込んだ。

 

 

★4→★5

 

 

「カオス・エクシーズ・チェンジ! 混沌より進化した赫焉の力! 悠久の勇士が仮の姿となりて、今ここに現れる! 『CNo.39 希望皇ホープレイV』!」

『ホォォォォォォ!』

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイV:ATK 2600

 

 

 銀河の爆発から生まれるのは奇怪な黒い塊。そこから触手が伸びて腕を構築し、棘が伸びて翼を形作る。黄色の星は金色に縁どられた赤い十字型のクリスタルとなり、皮膜の代わりに紫色のエネルギーを放出しながら浮遊するその姿は、闇のように黒い全身と相まって寧ろ悪役のそれだ。

 

「何が出て来るかと思えば、高々2600の攻撃力! 俺様のモンスターの敵じゃねぇよ!」

「なら吹き飛ばすまで! 俺は『不乱健』の効果発動! オーバーレイ・ユニットと手札を1つずつ消費し、自身を守備表示に変更! そしてこのターンの終わりまで『クランプ・バインド』の効果を無効にする!」

『ヴォォォォォォォォォォオオオオオ!』

 

 

No.22 不乱健:ATK 4500→DEF 1000/ORU:1→0

 

 

 光の玉と手札1枚を吸収し、耳を劈く様な咆哮を上げる腐敗した巨人。その咆哮を受けて『クランプ・バインド』はベキベキと石化する。

 

「なぬ!?」

「これで効果破壊も可能になった。『不乱健』を攻撃表示に変更!」

 

 

No.22 不乱健:DEF 1000→ATK 4500

 

 

「だが、攻撃力はこっちの方が上! テメェには勝ち目は無いぜ!」

「それはどうかな! 俺は『ホープレイV』のモンスター効果発動! カオス・オーバーレイ・ユニットを1つ使う事で、相手モンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える! 対象は『グリム・リーパー』! 更にこのダメージの数値はフィールド上のものを参照する、よってテメェは回復した数値以上の、8500ポイントのダメージを受けてもらうぞ!」

「な、なんだとぉ!?」

「受け取りな、“Vブレード・シュート”!」

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイV:CORU:1→0

 

 

 闇の騎士が腰から曲がった双剣を引き抜き、柄の部分を結合させる。それを右手に持ち替えて回転を加えると、剣は光り輝きながら円盤のようになり、投擲される。

 投げられた円刃はうねりを上げて死神を撃ち抜いた。

 

「これで俺の勝ちだ!」

 

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイV(エクシーズ・効果モンスター)

ランク5

光属性/戦士族

ATK 2600/DEF 2000

レベル5モンスター×3

このカードが相手によって破壊された時、自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す事ができる。

また、このカードが「希望皇ホープ」と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。

●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「そうはいかねぇよ!」

 

 

高田:LP 7800→15300

 

 

「何!? ライフが減るどころか回復しただと!?」

「残念だったな! 俺様は手札の『ジェノサイド・サイエンティスト』の効果を発動したのさ! 手札からこのカードを捨てる事で、このターン俺様が受けるダメージを回復に変える事ができる!」

 

 

 

ジェノサイド・サイエンティスト(効果モンスター)(オリジナル)

星1

炎属性/戦士族

ATK 500/DEF 100

このカードを手札から捨てて発動する。

このターン自分が受けるダメージを無効にし、その数値分だけ回復する。

この効果は相手ターンのみ発動できる。

 

 

 

「く……!」

「残念だったな! 『不乱健』の効果が健在なら、絶対効果で破壊してくると踏んでたぜ! 効果ダメージのオマケつきでなぁ!」

 

 こいつ……、俺の戦法を読んでいたのか!?

 まずい、手札を使い切ってしまった……! これじゃあ……!

 

「俺はこれでターンエンド!」

 

 

 

黎:LP 1

手札:0枚

フィールド

:CNo.39 希望皇ホープレイV(ATK 2600・CORU:0)、迅雷の騎士ガイアドラグーン(ATK 2600・ORU:1)、No.22 不乱健(ATK 4500・ORU:0)

:伏せカード1枚(『くず鉄のかかし』)

 

 

 

「俺のターン、『ジェノサイド・ドロー』! 『王城』の効果発動! 墓地から『コーリング・ノヴァ』2体をデッキに戻し、もう1度『ジェノサイド・ドロー』!」

 

 ッ、また2連続で……!

 

「俺様は『ジェノサイド・ポイズンワーム』を召喚!」

『ウォォォォォォォォム!』

 

 

ジェノサイド・ポイズンワーム:ATK 1000

 

 

 高田が呼び出したのは巨大な虫。芋虫やミミズのように長いが、胴体は人間よりも太い上に空中に浮いている。丸い口には牙が中心へ向けてズラリと並んでいるし全身から毒々しい体液を垂れ流していて、どう見ても大人しい類の虫では無い。

 

「そして装備魔法『殺戮の火薬』を装備! これを装備したモンスターの攻撃力は、相手の場に存在するモンスターの中で元々の数値が最も高い攻撃力分アップする! 攻撃力はこれで4500ポイントアップ!」

 

 

ジェノサイド・ポイズンワーム:ATK 1000→5500

 

 

「……攻撃力5500!?」

「ぬぅ、デタラメな!」

「ヒィーヒャハハハハハ! この圧倒的なパワー、最高だぜ! バトル! 『ポイズンワーム』で『ホープレイV』を攻撃だぁ!」

「罠発動、『くず鉄のかかし』!」

 

 火薬の詰まった樽を背負った巨虫の突進を阻む金属製の案山子。だが、これがある事を知っていながら攻撃したという事は……!

 

「この瞬間、『ポイズンワーム』の効果発動! このカードが効果の対象になった時、デッキから1枚カードを墓地に送ってそれを無効にし、破壊する!」

「ッ!」

 

 

 

ジェノサイド・ポイズンワーム(効果モンスター)(オリジナル)

星3

ATK 1000/DEF 1550

地属性/昆虫族

このカードが相手のカード効果の対象になった時、デッキの上からカードを1枚墓地に送り、そのカードの効果を無効にして破壊する。

この効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

 

 

 予想通り破られたか。ビッシリと生えた歯で食い千切られる金属製の案山子。毒液を滴らせる虫はそのまま闇色の騎士に噛み付いた。

 

「取ったぜぇ!」

「そうはさせるか! 墓地の『ガード・マスター』の効果をチェーン発動! 俺の場の攻撃表示モンスターが攻撃された時、このカードを除外して対象モンスターの表示形式を守備表示にしつつこのターンのバトルによる破壊から守る!」

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイV:ATK 2600→DEF 2000

 

 

 地面に落ちた傍から岩を溶かす毒を持つ牙。それが闇の騎士に突き立てられる。しかしその一瞬前に既に黒髪の拳法家による護身術の演舞は終了しており、それを受け継いだ騎士は毒に侵される事も無く攻撃を防いだ。

 

「しぶとい……!」

「褒め言葉だ。ゴキブリとでも言ってくれ」

 

 飄々と返す俺に、高田は歯噛みする。

 人生ってのは生きた奴の勝ちだ。どれだけ華やかであっても死んでしまったら栄誉も何も手に入らない。そこで終わりだ。命を失った時点で全てを失うんだ。死んで花実は成らない。どんなに無様でも、どんなに惨めでも、生き残れなかった奴は人生の、いや、世界の負け犬だ。だから自分の命を守ろうとも思えない奴はクソだ。最後に地に足をつけない奴はクソの塊だ。世界に負けた奴が生きる場所は、この世には無い。

 そういった意味じゃあ俺もまたクソだ。誰がどれだけ悲しむのか実感が湧かないし、湧けない。死ぬ事に恐怖を抱かないし、抱けない。だから平気で身を捨てられるし、誰の盾にだってなれる。

 けれど。

 だけれども。

 俺は化物、それで良いんだ。

 少なくとも、それが平和なんだ。

 

「バトルフェイズ終了時に『殺戮の火薬』を装備したモンスターが戦闘を行っていた場合、破壊される。だがジェノサイドモンスターが破壊された場合、1枚ドローできる!」

 

 

 

殺戮の火薬(オリジナル)

【装備魔法】

装備モンスターの攻撃力は相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの中でもっとも高い攻撃力分だけアップする。

このカードを装備したモンスターが戦闘を行った場合、バトルフェイズ終了時に破壊される。

「ジェノサイド」と名のついたモンスターがこのカードを装備して破壊された場合、1枚カードをドローする。

 

 

 

「『ジェノサイド・ドロー』!」

 

 更に邪悪なエネルギーでドローを加速する高田。バーンして来ないのが幸いか……。

 まあやった所で俺の墓地には『プリベントマト』が『テイク・オーバー5』の効果で存在するからある程度は耐えられるが……。

 

「ヘヘ、またもや良いカードが来たぜ! 俺様は墓地の『ジェノサイド・グリム・リーパー』、『ジェノサイド・サイエンティスト』、『ジェノサイド・ポイズンワーム』を除外! 現れろ、『ジェノサイド・ベノムスナイパー』!」

『ゲハァッ!』

 

 次元の渦へ殺戮の名を持つモンスター達が消え、入れ替わりに現れた毒々しい狙撃手がゴーグルを上げてこちらを見下すように嘲笑う。

 今度は何の効果持ちだ。何が出て来ても驚かない自信があるぞ、もう。

 

「『ベノムスナイパー』はテメェのターンのエンドフェイズごとにテメェに1000ポイント、更に俺様のスタンバイフェイズごとに500ポイントのダメージを与える!

 更にこいつはバトルでは破壊されず、こいつとのバトルで俺は戦闘ダメージを受けない! そしてこいつを攻撃したモンスターの効果は無効となる!」

「何、バトルで破壊されないバーン効果持ちだと!?」

 

 

ジェノサイド・ベノムスナイパー:DEF 4000

 

 

 言ってる傍からバーン効果来ちゃったよ!

 しかも守備力4000!

 

 

ジェノサイド・ベノムスナイパー(効果モンスター)(オリジナル)

星7

闇属性/戦士族

ATK 0/DEF 4000

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地に存在する「ジェノサイド」と名のついたモンスターを3種類ゲームから除外した場合にのみ特殊召喚できる。

このカードは戦闘では破壊されず、このカードとの戦闘で発生するコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。

このカードが表側表示で存在する場合、相手ターンのエンドフェイズ時に1000ポイント、自分のターンのスタンバイフェイズ時に500ポイントのダメージを相手に与える。

このカードを攻撃したモンスターはダメージ計算終了時にモンスター効果が無効となる。

 

 

 

「……汚い! ……あんなの、『不乱健』じゃないと倒せないのに、戦闘破壊ができないなんて……!」

「しかもこのターンの終わりと同時に『スピリットバリア』と『クランプ・バインド』が復活する。まずいぞ……!」

「ターンエンドだ!」

 

 

 

高田:LP 15300

手札:0枚

フィールド

:ジェノサイド・ベノムスナイパー(DEF 4000)

:幻魔の王城(フィールド魔法)、スピリットバリア(永続罠)、クランプ・バインド(永続罠)

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 リミットはこのターンが終わるまでか。それならどうとでもできそうだ

 ったく、護衛連中との経験が無ければこんなに落ち着いてデュエルなんて出来んかったろうな……。

 果たしてそれは良い事なのか、それとも悪い事なのか。おっと、良いカードを引いた。

 

「俺は手札から魔法カード『エクシーズ・トレジャー』を発動! フィールドのエクシーズモンスターの数だけカードをドローする! フィールドのエクシーズモンスターは3体! よってカードを3枚、ドローする!」

 

 チャッ、と引いたカードを確認。

 ……まだ運は俺を見離したワケでは無いらしいな。

 

「行くぞ! 俺は『RDM-ヌメロン・フォール』を発動!」

「ランクアップ・マジックの次はランクダウン・マジックだと!?」

「このカードは俺の場の『希望皇ホープ』系統のモンスターをより下のランクへとランクダウンさせる!

 俺はランク5の『希望皇ホープレイV』でオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

 闇の騎士は俺の呼び声に応じ、腕を元の触手のような物質へと変換。更に不気味なエネルギーを放っていた翼も折り畳んで収納すると、新たに地面に構成された銀河の渦へと紫の光になって飛び込んだ。

 

 

★5→★1

 

 

「ランクダウン・エクシーズ・チェンジ! 新たな希望の原点にて始祖の雄叫び! 天衣無縫の力を纏いて勝利へと突き進む! 真なる光で勝利を照らせ! 『No.39 希望皇ホープ・ルーツ』!」

『ルゥゥゥゥゥゥツッ!』

 

 

No.39. 希望皇ホープ・ルーツ:ATK 500

 

 

 見る者をホッとさせるような青白い輝きの爆発の中から姿を現すのは、『ホープレイ』を更に細くシャープにした姿。清純さを表す青い光沢と共に全ての希望へと姿・形を成し得る薄い鎧と細い剣を持っている。

 

「ケッ、何が出て来るかと思えば高が攻撃力500だぁ? ヤケにでもなったかよ!」

「まだ慌てる時じゃねぇよ、高田。バトル! 『不乱健』、『ベノムスナイパー』を攻撃!」

「バカが! こいつは戦闘じゃ破壊されないっつってんだろうが!」

「だからもう少し大局を見据えろって。攻撃宣言に合わせて『ホープ・ルーツ』の効果発動! モンスターの攻撃宣言時、オーバーレイ・ユニットを1つ使い、攻撃を無効にする!」

 

 

No.39 希望皇 ホープ・ルーツ:ORU 1→0

 

 

 走って狙撃手へ殴りかかる大男。しかし細身の戦士が剣で光の玉を打ち出して拳に当てると、攻撃はそこで止まった。

 

「自分で自分の攻撃を止めた!?」

「そして、この効果で攻撃を中断させられたモンスターがエクシーズモンスターである場合、このカードの攻撃力はそのモンスターのランク×500ポイントアップする!」

「何だと!?」

「『不乱健』のランクは、8!」

「……つまり8×500で……」

 

 

No.39 希望皇ホープ・ルーツ:ATK 500→4500

 

 

「攻撃力4500!? だが『ベノムスナイパー』はバトルでは破壊されないぜ!」

「それはどうかな! 続いて『ホープ・ルーツ』で攻撃! “ホープ剣・ルーツ・スラッシュ”!」

 

 両手で構えた剣を大きく振り下ろす青と白の希望の騎士。それが猛毒の狙撃手に触れた瞬間、禍々しい笑みを浮かべていたスナイパーは爆発して消し飛んだ。

 

「何ぃ!? バカな、何故俺様のモンスターが破壊されたんだ!?」

「『ヌメロン・フォール』でランクダウンしたモンスターが相手モンスターとバトルする時、相手モンスターの効果を無効にする!」

「ンだとぉ!?」

 

 

 

RDM-ヌメロン・フォール

【通常魔法】

自分フィールド上の「希望皇ホープ」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターよりランクが低い「希望皇ホープ」と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

この効果でエクシーズ召喚したモンスターは以下の効果を得る。

●このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、バトルフェイズの間だけその相手モンスターの効果は無効化される。

 

 

 

No.39 希望皇ホープ・ルーツ(エクシーズ・効果モンスター)

ランク1

光属性/戦士族

ATK 500/DEF 100

レベル1モンスター×2

自分または相手モンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にし、そのモンスターがエクシーズモンスターだった場合、このカードの攻撃力はそのモンスターのランク×500ポイントアップする。

 

 

 

 さて、これで相手フィールドにモンスターはいなくなった。

 今度こそブチ込ませてもらう!

 

「『ガイアドラグーン』でダイレクトアタック! “ドラグーン・シェイバー”!」

「ギャバァアァァァアアア!?」

 

 

高田:LP 15300→12700

 

 

 螺旋する疾風の槍で高田が吹き飛ぶ。

 しかしこれだけ手間暇かけて2600ダメージか。効率が悪いな……。

 

「どうだ! これが俺の、エクシーズモンスターの、ナンバーズの力だ!」

「ぐ、クソ……!」

「俺はカードを1枚場にセットして、ターンエンド!」

 

 

 

黎:LP 1

手札1枚

フィールド

:No.39 希望皇ホープ・ルーツ(ATK 4500・ORU:0)、迅雷の騎士ガイアドラグーン(ATK 2600・ORU:1)、No.22 不乱健(ATK 4500・ORU:0)

:伏せカード1枚

 

 

 

 さて、このターンも凌げるかな?

 

「クソッタレが! 俺様のターン、『ジェノサイド』――」

 

 再び邪悪なエネルギーを右手に集めてデッキトップへかざす高田。

 だが――

 

「ド――、ッ!?」

 

 

 

 

 

 ガクンッ!

 

 

 

 

 

「グ……!?」

 

 突然、高田は地面に膝をついた。ドローもできず、空の両手を地面について体を支えている。その体にはさっきまでは無かったはずの脂汗が大量に浮かんでいる。おまけに呼吸も荒いし顔色も悪い。

 あれは、スタミナが限界を訴え始めている時とよく似ている症状……!

 

「な、にが……?」

「バカ! だから止めろっつったんだ! そんなエネルギーを大きく消費するドローを続けてれば、お前の体の方が先に限界になるんだぞ!」

 

 アニメで例えるのなら1ターンに2度のシャイニング・ドローと同じ。主人公やボスキャラレベルなら兎も角、こいつは他人から能力を譲渡された一般人。何度も繰り返せば体が持たないのは当然の結果。如何に強化され、デッキがアブノーマルになろうが、中身がノーマルならばこうなるのは自明の理だ。

 ガタつく足で立ち上がる高田に、俺は警告する。

 

「高田、これ以上はお前の体が壊れるぞ! もう止めろ! 勝敗が決する前に死ぬつもりか!」

「まだだ……! まだ終わっちゃいねぇぜ……! オォォォォ! 『ジェノサイド・ドロー』ッ!」

 

 こいつはまだ……、まだやるってのか!?

 

「魔法カード『殺戮の宝札』! 自分フィールド上にモンスターが存在せず、テメェの場にモンスターが2体以上存在する場合、墓地からジェノサイドモンスターを1体除外し、デッキから2枚ドローする! 俺様は『ジェノサイド・ベノムスナイパー』を除外! 『ジェノサイド・ドロー』!

 そして『幻魔の王城』の効果! 墓地の『共鳴虫』と『仮面竜』をデッキに戻す! ジ、『ジェノサイド・ドロー』ォッ!」

「高田ッ!」

「更に俺様は儀式魔法『殺戮の狂宴(きょうえん)』を発動! この効果で手札の『ジェノサイド・スライサー』とフィールドの『クランプ・バインド』を儀式の生贄に……、現れろ、『ジェノサイド・オーガ』ァ!」

『JAGOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!』

 

 

ジェノサイド・オーガ:ATK 3000

 

 

 腐臭の漂う煙から爛れた肉の大鬼が召喚された。眼窩には目玉が無く、視神経によって繋がっている眼球が頬の辺りに垂れ下っている。

 どんどんと使うモンスターの印象が悪化していっている……。もしこれが本当に高田の阿呆の心情の現れならば、いい加減に止めないと取り返しが付かなくなりかねない……。しかし、どうやって? 俺では奴の心に響かせる言葉は吐けない!

 

「高田、お前……!」

「『ジェノサイド・オーガ』のモンスター効果、発動だぜぇ! このモンスターの儀式召喚に成功した時、フィールドのカードを全て破壊する! そしてこの瞬間、墓地の『ジェノサイド・スライサー』のモンスター効果発動! このカードを墓地から除外する事で、俺のモンスターはこのターン破壊されない!」

「何ぃ!?」

 

 

 

殺戮の狂宴(オリジナル)

【儀式魔法】

「ジェノサイド・オーガ」の降臨に必要。

自分の手札の「ジェノサイド」と名のついたモンスターと自分フィールド上からカードを1枚ずつ墓地に送り、手札から「ジェノサイド・オーガ」を儀式召喚する。

 

 

 

ジェノサイド・オーガ(儀式モンスター・オリジナル)

星8

闇/悪魔

ATK 3000/DEF 0

「殺戮の狂宴」により降臨。

このカードの儀式召喚に成功した時、フィールドに存在する全てのカードを破壊する。

このカードは墓地から特殊召喚できない。

このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。

 

 

 

ジェノサイド・スライサー(効果モンスター・オリジナル)

星4

闇/戦士

ATK 1900/DEF 1500

このカードと戦闘を行ったモンスターはダメージ計算終了時にゲームから除外される。

墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。

このターン、自分フィールド上に表側表示で存在する「ジェノサイド」と名のついたモンスターは破壊されない。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「これでテメェのフィールドはガラ空き! そして『ジェノサイド・オーガ』はバトルする間、テメェは魔法も罠も発動できねぇ効果を持っている!」

 

 俺の墓地を見る。先刻破壊されたカードは『エクシーズ・リボーン』、どの道使えるカードでは無かったが、それでもブラロにアルマデスを混ぜた効果は厳しい。

 奴の攻撃力は3000、それを食らえば1しか無い俺のライフは消し飛ぶ。だが……。

 

「バトル! これで今度こそ終わりだぁ! 『ジェノサイド・オーガ』、そいつを叩き伏せろぉ!」

「温いわぁ! 手札の『虹クリボー』のモンスター効果発動! 相手モンスターが攻撃して来た時、手札のこのカードを装備させる! そしてこのカードが装備されているモンスターはバトルに参加できない!」

「何っ!?」

 

 防御の策は何重にも張り巡らせる、それが鉄則だ。

 手札の青いボール型モンスターを魔法・罠ゾーンにセッティングすると同時、その虹色に輝く角を持ったモンスターが腐敗した大鬼の周囲を何度も旋回し、虹色の光が軌跡を生み出す。その軌跡は枷となって『ジェノサイド・オーガ』を拘束した。

 魔法・罠が使えないという事はつまり、モンスター効果で対処しろという事だ。抜かったな、高田。

 

 

 

虹クリボー(効果モンスター)

星1

光属性/悪魔族

ATK 100/DEF 100

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。

このカードを手札から装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。

装備モンスターは攻撃できない。

(2):このカードが墓地に存在する場合、相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。

このカードを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

「どうした、デカい口を叩いておきながらこの程度か?」

「ぐ……、ターンエンドだ!」

 

 

 

LP 12700

手札:0枚

フィールド

:ジェノサイド・オーガ(ATK:3000)

:幻魔の王城(フィールド魔法)、スピリットバリア(永続罠)

 

 

 

「俺のターン、ドロー! 魔法カード『強欲な壺』を発動! これによりカードを2枚ドローする!」

 

 ……どうやら運命は言っているらしいな、「そろそろ幕引きにしろ」と。

 このターンで決める事は不可能。だが、奴の攻め手を無力化し、弱らせる事は可能だ。虎などの猛獣だって相手を噛み殺すのでは無く、首を噛み締めて窒息させ、そして獲物を食らう。獲物を食うにはまず弱らせる。それが前提だ。

 そしてこれが、貴様を弱らせる一手!

 

「テメェの顔も見飽きた。いい加減に決め手を打たせて貰おうか、高田!」

「ああ゛!? やれるモンならやってみろや! 『スピリットバリア』の効果で俺は戦闘ダメージを受けねぇ! そして攻撃力3000の『ジェノサイド・オーガ』をどうやって潰すつもりだ!」

「こうする! 俺は魔法カード『リ・エクシーズ』を発動! このカードは自分の墓地のモンスター一組を素材にして、墓地のエクシーズモンスターを1体エクシーズ召喚する!」

 

 

 

リ・エクシーズ(アニメオリジナル・自己解釈効果)

【通常魔法】

自分の墓地に存在するエクシーズモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターの正しい召喚素材となるモンスター一組を自分の墓地から選択して自分フィールド上に特殊召喚し、そのモンスター一組を素材として選択した墓地のエクシーズモンスターをエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する。

 

 

 

「俺は墓地のレベル4『ガガガマジシャン』と『アステル・ドローン』でオーバーレイ! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

 

☆4×☆4=★4

 

 

「エクシーズ召喚! 再び現れろ、『No.39』! 全ての原点、夢を運ぶ白き翼! 『希望皇ホープ』! 『アステル・ドローン』の効果で1枚ドロー!」

『ホォォォォォォォォォオオオオォップ!』

 

 

No.39 希望皇ホープ:ATK 2500

 

 

 地上に描かれる赤い銀河の渦から再臨する希望の象徴。これこそ友情と熱意を重ねた力の最初と最後を飾った勇者の原点だ。

 そして俺の攻め手はここからだ!

 

「そして俺は手札から、『RUM-ヌメロン・フォース』を発動!」

「またランクアップ・マジックだと!?」

「ランク4の『希望皇ホープ』で、オーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

 

★4→★5

 

 

「カオス・エクシーズ・チェンジ! 真の絆で勝利を掴め! 神羅万象を今こそ網羅し、重なる思いで世界を変えろ! 顕現せよ、『CNo.39』! 『希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』!」

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー:ATK 2800

 

 

 白き希望は更なる姿へと変わる。外部に赤を基調とした鎧を纏い、額の青い宝玉が、輪廻の渦を思わせる螺旋を得た赤き瞳が強い輝きを放つ。

 そう、これは俺が得られなかった光の化身。絆を信じず、誰も認めず、ただ独りである事を望んだ、あの時の俺とは真逆の存在だ。だから今、俺はこいつの力が心の底から欲しい。昔の俺では、ジョーカーに勝てない。そして恐らく、控えている残りの邪神と護衛も。

 『ヴィクトリー』の力は完全じゃないけれど、完全に俺が近付く事はできると思う。故に俺はこの勝利の力を得て、更なる勝利の高みへと突き進まなければならない!

 

「『ヌメロン・フォース』第二の効果! この効果でランクアップに成功した時、フィールドに表側表示で存在する、ランクアップしたモンスター以外の全てのカード効果を無効にする!

 よってフィールド魔法『幻魔の王城』、永続罠『スピリットバリア』、装備カード状態となっている『虹クリボー』、そしてお前のモンスター『ジェノサイド・オーガ』の効果は無効! そして装備効果が無効になった事で、『虹クリボー』は墓地へと送られる!」

「ダニィ!? 全ての効果を無効にするだとぉ!?」

 

 青く清らかな光が『ヴィクトリー』が現れた銀河から溢れ出る。その光によって場のカードは浄化されて行き、不気味な城は姿を消し、鬼の拘束も消える。

 

「だが攻撃力は俺様の『ジェノサイド・オーガ』の方が上、負けやしねぇ!」

 

 確かに攻撃力2800の『ホープレイ・ヴィクトリー』では、攻撃力3000の『ジェノサイド・オーガ』には普通にやったんじゃあ勝てない。だが勝利の栄光はその程度では潰せない!

 

「バトル! 行け、『ホープレイ・ヴィクトリー』! 『ジェノサイド・オーガ』をぶった斬れぇ!」

「ハッ、バカめ! とうとう血迷ったか!」

「バカは貴様の方だ! 『ホープレイ・ヴィクトリー』のモンスター効果発動! このモンスターが攻撃する時、相手プレイヤーは魔法も罠も発動できない! そしてオーバーレイ・ユニットを1つ使う事で更なる効果を発動! 相手モンスターの効果を無効にし、その攻撃力を自分の攻撃力に加える! “ヴィクトリー・チャージ”ッ!」

 

 

ORU:3→2

ジェノサイド・オーガ:ATK 3000

CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー:ATK 2800→5800

 

 

「ご、ごせん、はっぴゃくぅ……!?」

「これが俺の希望の力だ! “ホープ剣・ダブルヴィクトリー・スラッシュ”!」

 

 俺の掛け声に合わせ、『ヴィクトリー』の両腕からアーマーを纏う前の腕が現れる。鎧の腕は腰の剣を、元々の腕は背中に差していた剣を抜き、金色に輝く大きな翼を広げながらVの字を二重に描くようにして腐敗した大鬼を切り裂いた。

 

「ぐふ、ぐへぇ、ぐぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」

 

 

LP 12700→9900

 

 

 いくつもの破片となってバラバラになった『ジェノサイド・オーガ』は起爆し、その真後ろにいた高田は派手な縦回転で山道を横切り、頂上方面へと転がって行った。

 

 

 

RUM-ヌメロン・フォース

【通常魔法】

自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高い「CNo.」と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

その後、この効果で特殊召喚したモンスター以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの効果を全て無効にする。

 

 

 

CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー(エクシーズ・効果モンスター)

ランク5

光属性/戦士族

ATK 2800/DEF 2500

レベル5モンスター×3

このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。

また、このカードが「希望皇ホープ」と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。

●このカードが相手の表側表示モンスターに攻撃宣言した時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

ターン終了時まで、その相手モンスターの効果は無効化され、このカードの攻撃力はその相手モンスターの攻撃力分アップする。

 

 

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 ディスクに残りの手札をセットし、俺の足元に裏側表示のカードのソリッドヴィジョンが生まれる。これでまだ充分に戦える。

 だが――

 

「が、あ……っ!」

 

 これまでのダメージと爆風で黒焦げになって尚も立ち上がる高田。これはもう俺の言葉や行動では止められそうに無い。

 となると……。

 

(ポーラ、聞こえるか?)

(え、サー? どうしたの?)

 

 念話のチャネリングを開き、ポーラに接続する。

 このバカを戻すためには、とある人物の力が必要不可欠だ。

 

(今から言う人達をここに連れて来て欲しい。方法は問わん、何が何でも連れて来る事を最優先事項にしてくれ)

(……分かった)

 

 俺の指定した名前を聞くと、ポーラは地面に凍った道を作り出し、靴の裏に氷の刃をつけて滑って去る。差し詰めインスタントのスケートというワケか。

 

 

 

LP 1

手札:0枚

フィールド

:CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー(ATK:2800・ORU:2)

:伏せカード1枚

 

 

 

 頼むぞ、ポーラ。俺にこいつの心に響かせる言葉は紡げない。出来るのはデカい声で喚き、動けなくなるまで叩きのめすだけ。クソ、不甲斐無ぇなぁ……。転生者だ何だって言っても、俺に出来る事なんてこうも高が知れている。

 

「俺様の……、ターン……! 『ジェノサイド・ドロー』……!」

 

 ぐぐぐ、とフラつく体を叩き起こしながら高田がカードを引く。もう『ジェノサイド・ドロー』を行うだけの体力も無いクセに……、このままじゃああいつの体が本格的に危険だ!

 

「『強欲な壺』を、発動……! 『ジェノサイド・ドロー』……! そして、『マジック・プランター』を、『スピリットバリア』を墓地に送って発動し……、もう2枚ドロー、する……! 『ジェノサイド・ドロー』ッ!」

 

 何が……、何がお前をそこまで勝利へと、青い制服へと繋ぎ止めようとしているんだ。一体オベリスクブルーに何の因果があってお前はそこまで執着すると言うんだ、高田!

 

「ぐ……、手札から魔法カード『ジェノサイド・リターン・ヴァリー』……。除外されている『ジェノサイド・グリム・リーパー』、『ジェノサイド・ベノムスナイパー』、『ジェノサイド・ポイズンワーム』、『ジェノサイド・サイエンティスト』を墓地に戻す……! そして手札1枚をデッキに戻し、デッキから“ジェノサイド”の名を持つ魔法カードを手札に加えるっ!

 そして魔法カード『ジェノサイド・フュージョン』を発動……! 墓地から5体のジェノサイドモンスターを除外し……、エクストラデッキから、『ジェノサイド・オミナス・ドラゴン』を融合、召喚……!」

『ギォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!』

 

 

ATK:3500

 

 

 青い三つ首の龍を呼び出す高田。恐ろしい程のその執念に、正直な話、寒気すら感じる。

 この執着心を、俺は知っている。あれは負けたくないと、負けて全てを失うと知っている奴が見せる、貪欲なまでの精神の根底から生まれる念だ。

 それが何を求めているのかまでは分からない。だが恐らく彼はエリート意識や見下し根性とは違う何かを以てこの勝負強さを発揮している。そんな気がする。

 

 

 

ジェノサイド・リターン・ヴァリー(オリジナル)

【通常魔法】

全てのゲームから除外されている「ジェノサイド」と名のついたモンスターを墓地に戻す。

その後、手札を1枚デッキに戻す事でデッキから「ジェノサイド・リターン・ヴァリー」以外の「ジェノサイド」と名のついた魔法カードを1枚手札に加える事ができる。

 

 

 

ジェノサイド・フュージョン(オリジナル)

【通常魔法】

自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、「ジェノサイド」と名のついた融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。

(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

 

 

 

「『ジェノサイド・オナミス・ドラゴン』のモンスター効果発動……! このモンスターは1ターンに1度相手のモンスター1体を選択して、このターンその数値分の半分だけ攻撃力をアップし、更にそれが攻撃表示ならば破壊できる……! 俺は『ホープレイ・ヴィクトリー』を、選択……! “スクリーム・アブソプション”ッ!」

「そうはさせるか! 罠発動、『パニック・シャッフル』! 俺のフィールド上に存在するエクシーズモンスターが相手の効果対象になった時、全ての攻撃表示モンスターをターンの終わりまで守備表示にする! そして互いの墓地の魔法・罠カードは全てデッキに戻る!」

 

 

 

ジェノサイド・オミナス・ドラゴン(融合・効果モンスター・オリジナル)

星10

闇/ドラゴン

ATK 3500/DEF 2000

「ジェノサイド」と名のついたモンスター×5

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

エンドフェイズまで選択したモンスターの攻撃力の攻撃力の半分の数値をエンドフェイズまでこのカードの攻撃力に加える。

この効果で選択したモンスターが攻撃表示の時、そのモンスターを破壊できる。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

パニック・シャッフル(アニメオリジナル)

【通常罠】

自分フィールド上のエクシーズモンスター1体が相手のカードの効果の対象になった時に発動できる。

フィールド上に攻撃表示で存在する全てのモンスターの表示形式を守備表示にする。

その後、お互いのプレイヤーはこのターンのエンドフェイズ時までモンスターの表示形式を変更できない。

お互いのプレイヤーは墓地の魔法・罠カードを全て持ち主のデッキに戻す。

 

 

 

ジェノサイド・オミナス・ドラゴン ATK:3500→DEF:2000

CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー ATK:2800→DEF:2500

 

 

 これでお互いの墓地の魔法・罠カードは全てデッキに戻った。そして守備表示となった事で、攻撃も封じ効果破壊の条件も満たなくなった。これで何とかなるだろう。

 だが寧ろ問題は、高田の体だ。今だってかなり息が上がっているし、脂汗を大量に掻いている。

 

「ゼェ……、ゼェ……。俺は、永続魔法……、『コールカード』を、発動……」

 

 『コールカード』……。確かフィールドに留まったターン数によって、デッキか墓地よりカードを手札に呼び込めるカードだったはず……。

 

 

 

コールカード(オリジナル)

【永続魔法】

このカードが存在する限り、お互いのプレイヤーのライフポイントは回復しない。

フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送って発動する。

経過した自分のスタンバイフェイズの数に応じて以下の効果を発動する。

●1回:自分の墓地のカードを1枚選択してデッキに戻し、1枚ドローする。

●2回:自分の墓地のカードを1枚選択して手札に加える。

●3回:デッキからカードを1枚選択して手札に加える。

●4回以上:デッキと墓地からカードを1枚選択して手札に加える。

 

 

 

「はぁ……、はぁ……、ターンエンドだぜぇっ!」

 

 

 

LP 9900

手札:0枚

フィールド

:ジェノサイド・オミナス・ドラゴン(DEF 2000)

:コールカード(永続魔法)、幻魔の王城(フィールド魔法)

 

 

 

「俺のターン、『強欲な壺』を発動、2枚ドローする! そしてエクストラデッキの『No.99 希望皇龍ホープドラグーン』の効果発動!」

「エクストラデッキから、モンスター効果だと……!?」

「このモンスターは手札のランクアップ・マジック1枚をコストに、俺の場の『ホープ』系列モンスターを素材にエクシーズ召喚できる! 手札から『RUM-アージェント・カオス・フォース』をコストに、『ホープレイ・ヴィクトリー』、新たな進化を遂げろ!」

 

 

★5→★10

 

 

「砕け散りし光の記憶。今、ひとつの星となりて、天命を貫く霹靂となれ! 現れよ『No.99』! これがナンバーズの終焉にして頂点! 『希望皇龍ホープドラグーン』!」

『グォオオオオオオオオオオオオン!』

 

 

ATK:4000

 

 

「ここで墓地の『アージェント・カオス・フォース』の効果を発動! 俺がランク5以上のエクシーズモンスターを特殊召喚した時、このカードを手札に1度だけ戻す事ができる!」

 

 

 

RUM-アージェント・カオス・フォース

【通常魔法】

自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターよりランクが1つ高い「CNo.」または「CX」と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、このカードが墓地に存在し、自分フィールド上にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、墓地のこのカードを手札に加える事ができる。

「RUM-アージェント・カオス・フォース」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

 

 

「更に『ホープドラグーン』の効果発動! 俺の墓地からナンバーズ1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚できる! 甦れ、『希望皇ホープレイ』!」

『ヌゥン!』

 

 

DEF:2000

 

 

「もう1枚! 魔法カード『ライズ・アンロウ・モーメント』を発動! エクシーズモンスターを特殊召喚したターン、手札のランクアップ・マジックを相手に見せて発動! デッキから新しいランクアップ・マジックを手札に加え、召喚したエクシーズモンスターはこのターンのみエクシーズモンスターとして扱わない! 俺は『RUM-アストラル・フォース』をサーチする!」

 

 

 

No.99 希望皇龍ホープドラグーン(エクシーズ・効果モンスター)

ランク10

光属性/ドラゴン族

ATK 4000/DEF 2000

レベル10モンスター×3

このカードは手札の「RUM」魔法カード1枚を捨て、自分フィールドの「希望皇ホープ」モンスターの上にこのカードを重ねてX召喚する事もできる。

(1):1ターンに1度、自分の墓地の「No.」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

(2):このカードを対象とするモンスターの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

ライズ・アンロウ・モーメント(オリジナル)

【通常魔法】

(1):Xモンスターを特殊召喚したターン、そのモンスターを対象に手札の「RUM」を1枚見せて発動できる。

デッキから見せたカードとは名前の異なる「RUM」を手札に加える。

このターン対象のモンスターはXモンスターとしては扱わず、見せた「RUM」も発動できない。

(X素材はそのままとし、またX素材を取り除いて発動する効果も発動できる)

 

 

 

「そして手札に加えた『RUM-アストラル・フォース』を発動! 俺の場のエクシーズモンスター1体をダブルランクアップさせる!」

「く、ランクを2つ上げるって事か……!」

「ご名答! 俺は『希望皇ホープレイ』でオーバーレイ・ネットワークを再構築! 本来ならこのカードは1番ランクの高いエクシーズモンスターにしか使えないが、『ホープドラグーン』は今エクシーズモンスターとして扱わない!」

 

 

★4→★6

 

 

「ランクアップ・エクシーズチェンジ! 人が希望を越え、夢を抱くとき、遥かなる彼方に、新たな未来が現れる! 現れろ、『No.39』! 限界を超え、その手に掴め! 『希望皇ビヨンド・ザ・ホープ!』」

『ホォァアアアアアアアアアアアアアッ!』

「『ビヨンド』がエクシーズ召喚された時、お前のモンスターの攻撃力は0となる!」

「ンだとぉ!?」

 

 

No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ:ATK 3000

ジェノサイド・オミナス・ドラゴン:ATK 3500→0

 

 

 一瞬にして並び、そびえ立つ力強き戦士達。片や『ホープ』達よりも大きな体躯で金刃を携えた白亜の巨人。片やそれより更に巨大な、金に輝く皮膜の翼を持った同じく白亜の龍。

 この時代や邪神の護衛は、モンスターより魔法・罠の効果を活かしたデッキが多い。だから『未来龍皇』とかは入れてない。

 つまりこれこそが、俺の今出せる最強の陣形だ!

 

 

 

RUM-アストラル・フォース

【通常魔法】

自分フィールド上のランクが一番高いエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターと同じ種族・属性でランクが2つ高いモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、このカードが墓地に存在する場合、自分のドローフェイズ時に通常のドローを行う代わりに、墓地のこのカードを手札に加える事ができる。

この効果を発動するターン、自分は「RUM-アストラル・フォース」の効果以外でモンスターを特殊召喚できない。

 

 

 

No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ(エクシーズ・効果モンスター)

ランク6

光属性/戦士族

ATK 3000/DEF 2500

レベル6モンスター×2

このカードはルール上、「希望皇ホープ」と名のついたカードとしても扱う。

このカードがエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は0になる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して除外し、自分の墓地の「希望皇ホープ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。

その後、自分は1250ライフポイント回復する。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

「こ、攻撃力3000と4000だと……!?」

「バトル! 『ビヨンド』、そのドラゴンを切り裂けぇ! “ホープ剣・ビヨンド・スラッシュ”!」

「エリートをナメるなぁ! 『ジェノサイド・オミナス・ドラゴン』の効果発動っ! 互いのターンに1度、相手モンスター1体の攻撃力を吸収し、そいつが攻撃表示ならば破壊できる! 消えろぉ、『ホープドラグーン』ッ! これで攻撃力は4000、返り討ちにしてテメェは死ぬ!」

「この瞬間、『ホープドラグーン』の効果発動! このモンスターがモンスター効果の対象となった時、オーバーレイ・ユニットを1つ使う事で、その発動を無効にし破壊する!

 希望の権化たる龍よ、その絶対なる存在の力にて、己が身に触れんとする愚者に裁きを! “ドラグーン・ハウリング”!」

 

 青い三つ首の龍がその両目から光線を発し、白亜の龍を射抜かんと唸りをあげる。その鈍い輝きは夜の闇という事も相まって邪悪の二文字を連想させた。しかし『ホープドラグーン』は自身の周囲に白い雷を撒き散らすように旋風を起こすと、それらを束ねた雷撃で『ジェノサイド・オミナス・ドラゴン』の光線を遮る。そして薄暗く燃える炎を吐いて相手の龍を貫き、爆破して散らしてしまった。

 

「なん、だと……!?」

「攻めの手を削るつもりが、逆に壁を失うとは逆効果だったな! 『ビヨンド』、今度はダイレクトアタックだぁ! “ホープ剣・ビヨンド・スラッシュ”!」

「ぬぉぉおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

 

LP 9900→6900

 

 

 両手に持った3枚刃を重ね、一本の光の大太刀に変え、高田を切り付ける。

 まだだ、まだ終わりじゃない!

 

「続いて、『ホープドラグーン』でダイレクトアタック! “ホープバースト・ドラグーンフレア”!」

「うがぁあああああああああああああああああ!」

 

 

LP 6900→2900

 

 

「た、耐えたぞ……! これでテメェにはもう、打つ手はネェはずだ……。のこりのその通常魔法で、俺に追撃できるワケがネェ……!」

「甘い! 『ビヨンド・ザ・ホープ』の更なる効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ使い、自分フィールド上に存在するエクシーズモンスターを1体除外し、墓地のホープを特殊召喚! 更に俺のライフを1250ポイント回復させる!

 『コールカード』の効果で回復はできないが、特殊召喚は可能! 俺は『ビヨンド』を除外し、現れろ、『ホープレイ・ヴィクトリー』!」

 

 

ORU:1→0

ATK 2800

 

 

「ま、またモンスターがぁ!?」

「追撃させて貰う! 行け、『ホープレイ・ヴィクトリー』! “ホープ剣・ダブルヴィクトリー・スラッシュ”!」

「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

 

LP 2900→100

 

 

 二重に描かれるV字に斬られ、吹き飛び倒れる高田。鮮血が周囲に飛び散り、そのダメージの大きさを物語る。だが俺の心はそれを見ても哀れとは思わない。寧ろ昔の、より血を求めて殺し合いをしていた時の、あの昂揚感を抑えるので必死だった。

 体が、どんどんヤバくなっていっているんだろう。本能で自分の命の終わりが近付いている事を察しているのかも知れない。フレイの薬で治したが、それでも戦いは止まない。あの薬に二度目は無い以上、次が俺の最期。だからこそ昔の好戦的な感覚を呼び起こし、戦いに怯む事を、戦って体が壊れる事に怯える事を拒んでいるんだ。

 きっと俺は、血の中に生きる化物だから。殺し合えなければ、俺は生きる意味を見失うんだろう。

 

「さあ、殆ど勝負はついたぞ、高田。もうお前のライフは残り僅か、いい加減に諦めな」

「ぐ、が……! ざっけんな……! このエリートが、俺様が、テメェなんざに、サレンダーなんざ……、ウゲボォッ!?」

 

 ビシャビシャベジャッ!

 

「もうよせ、高田。今の吐いた血の量は危険だ。度重なる『ジェノサイド・ドロー』、俺から受けたダメージ、もう人間の体では限界ギリギリのダメージが溜まっている。これ以上続ければ、本当に命に係わるぞ!」

 

 全ては命あっての物種だ。死んでしまっては何もできない。プライドもへったくれも無い。

 だが……。

 

「断るっ! テメェに、何が分かる……! 世の中にはなぁ、命より重てぇモンがあるんだよ! ここで負けるくらいなら死んでもテメェに勝って栄誉を残してやらぁ! テメェのクソ以下の安い命と一緒にすんな、この人間以下のカス野郎が!」

「ふ……、っざけんなぁ!」

 

 高田の強情さに、何よりその言葉に俺はキレた。

 

「テメェこそいい加減にしろ! 死んだ事も、誰かを目の前で失った事も無いクセに偉そうな事をほざくんじゃねぇ! 死んだら何も残らねぇんだよ! 残っていても分からねぇ! 生き物は死んだら後に残るのは骨だけなんだよ! 栄誉も誇りもすぐに消えて無くなる! それが分からないんだったら、1度死んで次の人生でやり直して来い!」

「っ!」

「『テメェに何が分かる』だぁ? 分かるワケねぇよ、俺はテレパシーなんざ持って無ぇんだ! だから人は互いに分かり合おうとする! 頑張って分かり合って、100%は無理でも99%分かろうとするんだよ! 何も話さないクセに浅いセリフを吐くな、クソガキが! 俺はこれでターンエンド! さあ、テメェのターンだ、栄誉ってモンを残してみろよ!」

 

 

 

LP 1

手札:1枚(『RUM-アージェント・カオス・フォース』)

フィールド

:CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー(ATK:2800・ORU:0)、No.99 希望皇龍ホープドラグーン(ATK:4000・ORU:1)

:魔法・罠無し

 

 

 

「俺様の、ターン……!」

 

 ターンが移り、ガタガタになった体を何とか起こして立ち上がる高田。しかしその手にはもう力が入っていない事は明白。右腕は全くと言って良い程上がらず、顔色も半ば青白いどころか土気色だ。

 

「ジェノサ……」

 

 そして辛うじてディスクに添えた手も、呟いた顔と共に地面に倒れ伏した。

 

「ここまでだ、高田。邪法に手を染めた結果、甘んじて受けるんだな」

「…………」

 

 これでデュエル続行不能につき終了だろう。直接の敗北でも無し、負けた時のデメリットも無いと思うが――

 

「ぐ、がぁあああああああああああああああああああああああああああ!」

「た、高田!?」

 

 そう思った瞬間、奴は天まで届け、大地よ裂けろと言わんばかりに咆哮をあげて立ち上がり、俺を睨み付けてきた。

 こいつ、ここまでの事を根性で……!

 

「ふぅー……! フゥー……ッ! 俺は、負けたくないんだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

「高田、お前……」

 

 最早、俺にかける言葉も止める術も無かった。

 そのままあいつが黒い光を纏った右手でドローしようとした、その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうやめろ、高田!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 静寂な真宵の火山道、そこに一人の男の声が響き渡る。

 そこにいたのは、金髪の、俺達と同年代のオベリスクブルーの学生。

 

「し、白石……!?」

 

 高田の親友、白石光一だった。

 

 

to be continued

 

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