遊戯王GX~精霊の抱擁~   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

99 / 116
黎・都「「なーにかな、なーにかな! 今回は、これ!」」



ジョーカーズ・ワイルド
【通常罠】
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、デッキから「クィーンズ・ナイト」「ジャックス・ナイト」「キングス・ナイト」のカード名が全て記された魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。
(2):自分・相手のエンドフェイズに、自分の墓地の戦士族・光属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。



黎「絵札の三銃士のサポートカードだ、デッキの魔法カード1枚の効果をコピーできるぞ」

都「範囲は狭いし罠だから遅いけど、代わりにデッキから選べるのは利点だね」

黎「墓地からサルベージする効果もあるが、本命はモンスターをデッキに戻す効果と見た方が戦術的だ」


STORY92:悲嘆

 

SIDE:無し

 

 

 

 もうもうと煙が立ち込める。

 初手で放たれた2万以上のダメージを与えるカードによって発生した爆発は、確実に精霊達を呑み込んでいた。

 

「……っ!」

 

 黎は忘れていたのかも知れない、邪神というものがどれ程の脅威なのかを。

 幾人も斃し乗り越えた故の油断か、それとも直前にジョーカーという強敵が構えていた事による失念か。兎角、彼らはこの手の法外なダメージを与える効果を持つカードばかりを使うという事を、今まざまざと痛感させられていた。

 

「さ、桜! フレイ! ポーラァッ!」

 

 これ程の熱量を放つ大爆発、直撃した彼女達が無事とは思えない。

 されど叫ばずにはいられなかった、万が一より小さくとも彼女達が無事だろうという願いを捨てられないからだ。

 

「ジョーカー! 『アテナ』! 『ルイン』!」

「クハハハハ、無駄だ。奴らは死んだ、所詮精霊なぞ人間と同等の雑魚だっただけの話よ」

「ッ!」

 

 同じように戦いの成り行きを見守っていたラースが嘲う。

 やがて視界を奪う煙が晴れていき。

 

 

 

 

 

フレイ&ジョーカー:LP 8000

ポーラ&ルイン:LP 8000

桜&アテナ:LP 8000

 

 

 

 

 

 無傷の彼女達の姿が黎の眼に映った。

 

「何だと!?」

「良かった……」

 

 よく見れば彼女達の前には輪の模様が施された結界が張られており、そこより後ろにいる彼女達の足元は焦げ跡1つ無い。あれでダメージを打ち消したのだろう。

 

「あ、有り得ないでございます、ダメージは0にならない効果の筈でございます!」

「テメェら、何しやがった!」

 

 焦る邪神の護衛に対し、冷や汗を拭った桜達は冷静に説明した。

 

「永続罠『精零隔禁(せいれいかっきん)』を発動したのだ」

「……自分フィールドにカードが無い時、手札からも発動できる」

「これでダメージを打ち消しました」

「だからそれが出来ねぇから言ってんだろうが!」

「喚くな小物、慌てる乞食は貰いが少ないと言うぞ?」

「何ぃ!?」

「0にしたのは28000のダメージではありませんよ、1枚につき2000の方です」

「ど、どういう意味でありますか!?」

「……このカードはダメージの倍率を落とす効果を持ってる、0には何を掛けても0という話」

「チッ!」

 

 敵の発動したカードはダメージを0にする事はできない。つまり数式の解に手を加える事を許さない極めて強力な耐性を持っている。

 一方で桜達の発動したカードは計算の途中式そのものを書き換えてしまう効果であり、これは敵の耐性をすり抜けるというワケだ。

 

 

 

精零隔禁(せいれいかっきん)(オリジナル)

【永続罠】

自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードは手札からも発動できる。

(1):このカードがフィールド(表側表示)に存在する限り、効果ダメージを与える効果の発動に対して以下の効果が適用される。

●カード1枚につき800以上のダメージを与える場合、1枚につき0のダメージとして扱う

●3000以上のダメージを与える場合、そのダメージを100として扱う

●モンスターの元々の攻撃力・守備力の3倍以上のダメージを与える場合、0倍のダメージとして扱い、またその時モンスターはフィールドを離れない

●同じカード名の効果で同じターンに3回以上ダメージを受ける場合、そのダメージを回復として扱う

(2):このカードは発動ターン相手の効果を受けず、また相手の効果でフィールドを離れる場合、代わりにデッキ・手札から「精零隔禁」を1枚墓地に送る、または墓地から除外する事もできる。

(3):このカードはモンスターの召喚・特殊召喚、およびカードの発動のためにフィールドから離す事はできない。

 

 

 

「……このためのサイドチェンジ。……反射も考えたけど、反射を反射されると面倒だったからこうした」

「そういう手を打つ事は予想済みでしたからね、デッキ調整の時に仕込ませて頂きましたよ」

「まぁ、流石に初手から遠慮無く繰り出された時は少々焦ったがな」

 

 用意が良いなと黎は思ったが、すぐに道理だと思い直した。

 桜はずっと黎の戦いに同行して邪神一派のやり方を見ていたし、フレイはフィオと共に黎の戦いについて聞いていた。ポーラに至っては意識が表層化しなかっただけで邪神の膝元にいたのだ、対策を打てても何ら不思議ではない。

 ラース達は邪神の圧倒的なパワーで簡単に倒せると見縊っていたのだろうが、彼女達はそれを超えた腕を持っていたのである。

 

「すまん、助かった」

「タッグパートナーを助けるのは当たり前ですよ」

 

「とても心強い」

「……ん」

 

「この御恩は必ず」

「うむ、だが恩返しの前に勝利を」

 

 

「小癪な手を使うのでございますね」

「申し訳ございません、ラース様。仕留め損ないましたであります」

「次で必ずブチ殺して首を並べて晒してやりまさぁ!」

「デュエルに於いて妨害に会うのは当たり前だ、故に我はこの失敗は許そう。だが敗北は許さぬ、分かっておるな?」

「「「ハッ!」」」

 

 

  ☆

 

 

フレイ&ジョーカー:LP 8000

手札:4枚/5枚

フィールド

:モンスター無し

:精零隔禁(永続罠)

 

 

 

グリーフ:LP 8000

手札:4枚

フィールド

:モンスター無し

:魔法・罠無し

 

 

 

 状況は仕切り直し、3チームがそれぞれのデュエルを再開する。

 手札を1枚ずつ使用した攻防なぞ寝起きの茶番、三文芝居。ここからが敵も味方も本番だ。

 

「まさかそのようなカードで小官達の一撃必殺を回避するとは。しかし所詮は小細工、真の大いなる力の前には無意味であります」

「そう思うのであればかかって来なさい」

「小物程、口煩く喚くものだぞ?」

「口だけは貴様らであります! たった1枚のカードを凌いだ程度で優劣は変わらないのであります!

 手札から魔法カード『悪念融合』を発動! 小官のフィールドにモンスターが存在していない時、デッキと手札からモンスターを素材に融合するのであります! 小官は手札の『マッド・ソロウラー』とデッキの『サドネス勲功爵(くんこうしゃく)』を融合!」

 

 グリーフの墓地に2枚のカードが落とされ、それが赤と青の渦に溶け込んでいく。

 悪意を持ったエグい色のロードローラー、そして嘆き疲れたナイトの爵位が混ぜ合わさり、その姿を1つにした。

 

「融合召喚! 現れよ、『アポカリプト・フェニックス』!」

『ガァァァッ!』

 

 

アポカリプト・フェニックス:ATK 3500

 

 

「いきなり攻撃力3500か……」

「気合いが入りますねぇ」

「融合素材になった『サドネス勲功爵』の効果発動であります。カード効果で墓地に送られた時または除外された時、手札の魔法カードを1枚捨てて3枚ドローするのであります」

 

 現れたのはドス黒い炎を燃やす不死鳥。毒々しい黒と赤と茶色を混ぜた炎に包まれた鳥は地面スレスレでゆっくりと羽ばたきながら滞空し、その後ろでグリーフは手札を増強する。

 モンスターの陰になっていて捨てられたカードはよく見えないが、フレイとジョーカーという類稀な身体を持つ精霊は捨てられたカードが2枚目の『悪念融合』だと気付いていた。ダブりを捨てた、といった所だろうか。

 

「カードを伏せて、小官はターンエンドであります。このエンドフェイズ、『アポカリプト・フェニックス』の効果発動であります! 自分のターンが終わる度に、相手に2000のダメージを与えるのであります!」

「くぅっ!」

「ぐぉっ!」

 

 

フレイ&ジョーカー:LP 8000→6000

 

 

 黒い不死鳥から巨大な炎の玉が放たれ無数に枝分かれし、フレイとジョーカーに雨のように降り注ぐ。

 先んじて発動しておいた防壁の発動条件は3000以上のダメージ、2000ポイントでは適用されない。初撃から手痛い攻撃を2人は受けた。

 

 

 

グリーフ:LP 8000

手札:3枚

フィールド

:EXモンスターゾーン無し

:アポカリプト・フェニックス(ATK 3500)

:伏せカード1枚

 

 

 

「いきなりブチ込んでくれるじゃねぇか」

「今度はこちらの番です、まずはわたくしから。ドロー!」

 

 変則タッグデュエルでは通常のタッグフォースルールと同じ方法でデュエルが行われる。よってこのターンからドローと攻撃が可能だ。

 

「魔法カード『帝王の深怨』を発動! 手札の『怨邪帝ガイウス』を相手に開示し、デッキから『真帝王領域』を手札に加えます!」

「早速揃えて来たでありますか」

「わたくしはスケール4の『アンカモフライト』を、ペンデュラムスケールにセッティング!」

 

 初手で配置されたのは隠居した老人のカード。そのままフレイの背後に立った青い柱の中を登り、4の数字を刻みながら上空に配置される。

 

「『アンカモフライト』のペンデュラム効果、わたくしのエクストラデッキに『アンカモフライト』を除くカードが存在しない時、このカードを破壊して1枚ドローします。そしてエクストラデッキに加わった『アンカモフライト』はペンデュラム召喚できない代わりに、同条件でそのまま特殊召喚できるのです」

『ホッホッホ!』

 

 

アンカモフライト:ATK 1800

 

 

 

アンカモフライト(特殊召喚・ペンデュラム・効果モンスター)

星5

光属性/魔法使い族

ATK 1800/DEF 0

【Pスケール:青4/赤4】

このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のEXデッキのカードが、存在しない場合または「アンカモフライト」のみの場合に発動できる。

このカードを破壊する。

その後、自分はデッキから1枚ドローする。

【モンスター効果】

このカードは通常召喚できない。

このカードがEXデッキに表側表示で存在し、「アンカモフライト」以外のカードが自分のEXデッキに存在しない場合のみ特殊召喚できる。

この方法による「アンカモフライト」の特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

(1):モンスターゾーンの表側表示のこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

「もう1枚、フィールド魔法『真帝王領域』を発動! 1ターンに1度、手札の上級帝王のレベルを2個下げます! これにより手札の『怨邪帝ガイウス』のレベルを8から6にします! そしてそのまま『アンカモフライト』をリリースしてアドバンス召喚!」

『ゴォオオオオ!』

「そしてこの瞬間『アンカモフライト』は、自身の効果により除外されます!」

 

 

怨邪帝ガイウス:ATK 2800

 

 

 ペンデュラムゾーンからエクストラデッキに、そしてフィールドから除外ゾーンへと目まぐるしく移動する老紳士。バトンタッチするように現れたのは邪悪な力が滾る黒い悪魔のような帝王、強力な除外効果を持つフレイの主力の内の1体である。

 

「『ガイウス』をアドバンス召喚した事で効果発動。『アポカリプト・フェニックス』を除外し、1000ポイントのダメージを与えます」

「ぐぬぅっ!」

 

 

グリーフ:LP 8000→7000

 

 

「この瞬間、『アポカリプト・フェニックス』の効果発動! エクストラデッキから次の『アポカリプト・フェニックス』を特殊召喚するであります!」

「フィールド魔法『真帝王領域』の効果! こちらのフィールドにアドバンス召喚されたモンスターが存在する時、相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できません!」

「何!?」

「バトル! 『ガイウス』でダイレクトアタック!」

「がはぁぁぁ!?」

 

 

グリーフ:LP 7000→4200

 

 

 巨大な悪魔の拳が放たれる。次元を歪ませる程の闇をまとった鉄拳は軍人かぶれのようなプレイヤーを過たず直撃し、強烈なインパクトを以て吹き飛ばした。

 ライフを半分近くにまで削ったフレイだが、しかし油断はせず慎重に手札を引き抜いてディスクに差し込む。

 

「魔法カード『帝国の金脈』を発動します。このターンにアドバンス召喚されたモンスターが効果の発動と攻撃に成功している場合、手札を1枚捨てる事で3枚ドローします」

 

 

 

帝国の金脈(オリジナル)

【速攻魔法】

このカード名の効果は(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このターンにアドバンス召喚された守備力1000のモンスターが効果を発動しており、また戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、フィールドのそのモンスターを対象に発動する。

そのモンスターとはカード名の異なる手札を1枚捨てて3枚ドローする。

(2):このカードを含めた墓地の「帝国の金脈」を3枚除外して発動できる。

デッキから2枚ドローする。

 

 

 

「わたくしはカードを1枚伏せて、ターンエンドです。ターンプレイヤーがジョーカーに移るのは貴方のターンの終了後、それまではエクストラデッキをロックさせて頂きます」

 

 

 

フレイ&ジョーカー:LP 6000

手札:3枚/5枚

フィールド

:EXモンスターゾーン無し

:怨邪帝ガイウス(ATK 2800)

:伏せカード1枚、真帝王領域(フィールド魔法)、精零隔禁(永続罠)

 

 

 

「少々油断があったであります」

 

 パンパン、と服についた土埃を払い落としながらグリーフが立ち上がった。

 

「しかしここからが本番であります、貴様らには邪神様の偉大なるお力を魂に刻みながら死んで貰うであります」

「寝言は寝てから言いなさい、グリーフ」

「ならばその寝言で打ち負かせてやるであります、貴様のエンドフェイズに速攻魔法『悪女の涙』を発動! エクストラデッキからカードを1枚墓地に送り、貴様のフィールドの魔法・罠カードを全てデッキに戻すであります!」

「なっ!」

「『アポカリプト・フェニックス』を墓地に送り、貴様の3枚のカードを根こそぎ駆除するでありますよ!」

「フレイ!」

「防げ、バアさん!」

「バアさん言うんじゃありません! 永続罠『精零隔禁』はデッキから同じ名前のカードを墓地に送り、除去効果から身を守ります!」

「では残る2枚を戻すのみであります!」

 

 紫色のカードを墓地ポケットに落とし、魔法カードから大量の濁流が噴き出す。

 咄嗟に1枚のカードだけはバリアを展開して守ったものの、残りのカードは水底に沈みロックも伏せカードも全て消えてしまった。

 

「これでロックは解除されたであります。更に墓地の『アポカリプト・フェニックス』の効果により、エクストラデッキから3体目の『アポカリプト・フェニックス』を特殊召喚であります!」

『ギギャァアアアアアア!』

 

 

 

アポカリプト・フェニックス(融合・効果モンスター)(オリジナル)

星9

炎属性/悪魔族

ATK 3500/DEF 3500

元々のコントローラーが自分のカード名の異なる闇属性モンスター×2

(1):このカードは手札に戻す効果を受けない。

(2):このカードが墓地に送られた、または除外された時に発動できる。

EXデッキから「アポカリプト・フェニックス」1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン攻撃できない。

(3):自分のターン終了時に発動する。

相手LPに2000ダメージを与える。

 

 

 

 再びフィールドに現れる黒い炎の不死鳥。フレイのフィールドのカードは大幅に減っており、一転して情勢はピンチと化していた。

 

 

アポカリプト・フェニックス:ATK 3500

 

 

「小官のターン、ドロー!」

 

 そしてこれはフレイのエンドフェイズ、これからグリーフの攻撃が始まるのである。

 

「墓地の速攻魔法『悪女の涙』の効果発動であります。このカードと手札の闇属性モンスターを1枚除外する事で3枚ドローするのであります。小官は『サドネス勲功爵』を除外し3枚ドロー」

「『サドネス』が除外されたって事は……」

「除外された事で効果発動であります。手札の魔法カードを1枚捨てて3枚ドローであります」

 

 

 

サドネス勲功爵(効果モンスター)(オリジナル)

星10

闇属性/悪魔族

ATK 4100/DEF 0

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードが除外された、または効果によって墓地に送られた場合に発動できる。

手札の魔法カードを1枚捨てて3枚ドローする。

(2):自分フィールドの守備力0の闇属性モンスター1体を手札に戻して発動できる。

手札・墓地のこのカードを特殊召喚する。

このターン、このカードとの戦闘で相手に与えるダメージは0となる。

 

 

 

悪女の涙(オリジナル)

【速攻魔法】

(1):相手フィールドに魔法・罠が3枚以上存在する場合、EXデッキからカードを1枚墓地に送って発動する。

相手フィールドの魔法・罠カードを全てデッキに戻す。

(2):墓地のこのカードと手札の闇属性モンスター1枚を除外して発動できる。

デッキから3枚ドローする。

 

 

 

 グリーフの墓地に『異次元からの埋葬』が捨てられ、更に手札が潤う。これで差し引き4枚の手札強化、手札は6枚に回復した事になる。

 

「小官は墓地の『マッド・ソロウラー』の効果を発動。相手フィールドに空いているカードゾーンが8ヶ所以上存在する場合、デッキの1番上のカードを墓地に送り、このカードを特殊召喚するであります」

 

 

マッド・ソロウラー:DEF 0

 

 

「っ、オレ達のフィールドはペンデュラムゾーンを含めれば10ヶ所も空きがある!」

「ルールを逆手に取られましたね……!」

「そしてこれを手札に戻す事で、墓地の『サドネス』が復活するであります」

『フゥゥ……』

「更に手札の『マッド・ソロウラー』を召喚」

『ギギギギ……』

 

 

サドネス勲功爵:ATK 4100

マッド・ソロウラー:ATK 3000

 

 

 デッキトップのカード──『幻銃士』だった──が消滅し、フィールドに禍々しい色のロードローラー、そして頬のこけたみすぼらしい騎士が現れる。前者は錆び付いてロクに動かなさそうなエンジン音を、後者は今にも倒れそうな吐息を空間に溶かしながらの登場だ。

 

 

 

マッド・ソロウラー(効果モンスター)(オリジナル)

星2

闇属性/機械族

ATK 3000/DEF 0

このカード名の(3)の効果はデュエル中1度しか発動できない。

(1):このカードの攻撃力は3000より高い数値にならない。

(2):このカードは召喚・特殊召喚されたターン、直接攻撃できない。

(3):相手フィールドのカードゾーンが8ヵ所以上使用されていない場合、デッキの1番上のカードを墓地に送る事で発動できる。

手札・墓地のこのカードを守備表示で特殊召喚する。

 

 

 

「このターン『マッド・ソロウラー』は直接攻撃できないであります。また『サドネス勲功爵』は戦闘ダメージを与えられないであります」

「……」

「故に小官は魔法カード『悪念融合』を発動であります!」

「3枚目か……!」

「場の通常召喚された『マッド・ソロウラー』と手札の『幻銃士』2体を融合! 出でよ、『血恨詐狐(けっこんさぎつね)』!」

『グジャァアアアアアアアア!』

 

 

血恨詐狐:ATK 3900

 

 

「攻撃力3900!」

「オレを超えたか!」

 

 ビチャビチャと液体の滴る音が鳴る。獲物を喰らった時に噴き出た血だ。

 それを平然と踏み続け、前足と口元が真っ赤に染まった毒々しい毛並みの狐がそこにいた。PTAが見れば真っ先にクレームをつける魔獣である。

 

「バトルであります! 『サドネス勲功爵』で『ガイウス』を攻撃! ダメージは与えられずともモンスターは駆除できるでありますよ!」

「ちょっと待った! 貴方のターンのメインフェイズ終了時、手札の『天帝アイテール』の効果発動! 墓地の『帝王の深怨』を除外し、このカードをアドバンス召喚します!」

「小官のターンにアドバンス召喚ですと!?」

「『ガイウス』を2体分のリリース素材として、守備表示で現れなさい『アイテール』!」

『ハァッ!』

「そして効果発動! デッキから“帝王”カードを2枚墓地に送り、攻撃力2400以上で守備力が1000のカードを特殊召喚です! カモン、『ウィッチクラフト・ハイネ』!」

『フッ!』

 

 

天帝アイテール:DEF 1000

ウィッチクラフト・ハイネ:DEF 1000

 

 

 グリーフの号令より早く、闇のオーラを漂わせる悪魔が虹色の光に消えゆく。光はそのまま神々しい輝きを放つ別の帝王に姿を書き換え、更に輝ける王はその手の中から別の光を放つと黒いレザーローブを羽織った魔導士をこの次元に呼び寄せる。

 フレイのデッキは帝ステータスを持つモンスターを数枚混ぜており、『ハイネ』もその内の1枚というワケだ。

 

「更に『ウィッチクラフト・ハイネ』の効果発動! お互いのターンに1度、手札の魔法カードを1枚捨てる事で相手の表側表示のカードを1枚破壊できます! 『帝国の金脈』を捨て、『アポカリプト・フェニックス』を破壊です!」

「ぬっ! 攻撃力に惑わされなかったでありますか!」

「このターンの終わりにまた2000ダメージを与える効果が発動するのなら、そのモンスターの攻撃力は実質5500です。3900より高いと判断するのは当然でしょう?」

「『アポカリプト・フェニックス』は死んでもお前のEXデッキから転生して戻って来る。だが既に今のが3枚目、もう転生できねぇ以上はそいつを狙っても問題無いしな」

「チッ! 精霊の分際で小癪な、であります!」

 

 

 

天帝アイテール(効果モンスター)

星8

光属性/天使族

ATK 2800/DEF 1000

このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。

(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。

手札・デッキから「帝王」魔法・罠カード2種類を墓地へ送り、

デッキから攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。

(2):このカードが手札にある場合、相手メインフェイズに自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。

このカードをアドバンス召喚する。

 

 

 

ウィッチクラフト・ハイネ(効果モンスター)

星7

闇属性/魔法使い族

ATK 2400/DEF 1000

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの他の魔法使い族モンスターは相手の効果の対象にならない。

(2):手札から魔法カード1枚を捨て、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

 このモンスターは先のサイドチェンジで入れ替えたカードの1枚だ。公式大会でサイドデッキは本来なら15枚、だがここは言わば野良デュエルの場である以上、デッキを何枚入れ替えても問題無い。フレイは敵のデッキの傾向をこれまで黎が戦って来た相手から把握し、的確にカードを交換したのである。

 

「ならば今度こそバトルであります! 『サドネス』、その邪魔な魔女を処刑せよ!」

『ゲヘェ!』

「ありがとうございます、『ハイネ』……!」

 

 病的に細い騎士が剣を一振り、見えない閃光が走る。次の瞬間、黒服の魔女はその首を刎ね飛ばされ派手な血飛沫と共に絶命させられたのだった。

 攻撃は止まらない。嘆きの騎士が跳躍して元の場に戻ると、今度は血の滴る巨大妖狐が大きな口を開けて光の帝王の上半身を噛み砕く。

 

「そして『血恨詐狐』で『アイテール』を攻撃であります! 消えよ、疎ましい光め!」

「くぅぅっ!」

「この瞬間、モンスター効果発動であります! 相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力1000につき1枚、デッキの上からカードを裏側表示で除外! 次のターン、ドローする代わりにそのカードを手札に加える事ができるのであります!」

 

 

 

血恨詐狐(けっこんさぎつね)(融合・効果モンスター)(オリジナル)

星10

水属性/獣族

ATK 3900/DEF 3600

通常召喚された闇属性モンスター+それとは種族の異なる闇属性モンスター×2

(1):EXモンスターゾーンのこのカードは相手の効果の対象にならない。

(2):このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時に発動できる。

破壊した相手モンスターの元々の攻撃力1000につき1枚、自分のデッキの上からカードをめくってお互いに確認し、裏側表示で除外する。

この効果で除外したカードは次の自分のターン、通常ドローの代わりにお互いに確認して手札に加える事ができる。

(3):このカードを墓地から除外し、相手フィールドのEXデッキから特殊召喚されたモンスター1体を対象に発動できる。

その効果を無効にして破壊する。

この効果は相手ターンでも発動できる。

相手ターンで発動した場合、次の自分のドローフェイズにドローしたカードは全て除外され、スタンバイフェイズに除外されているこのカードを特殊召喚する。

 

 

 

 グリーフのデッキの上からカードが2枚、光となって消える。消えたカードは3人のデュエルディスクにデータとして表示され、そのカード名と効果を晒した。

 除外されたカードは『闇次元の解放』と『邪神の極風』。前者は除外された闇属性モンスターを帰還させる永続罠、後者は手札の魔法・罠カード1枚を除外し相手のフィールド・手札・墓地から魔法・罠カードを全て除外する魔法カードだとフレイとジョーカーは確認する。

 

「小官はカードを2枚伏せ、永続魔法『悪徳の監視』を発動。発動時の処理として除外されている『アポカリプト・フェニックス』を墓地に戻し、これでターンエンドであります」

 

 

 

グリーフ:LP 4200

手札:0枚

フィールド

:血恨詐狐(ATK 3900)(右のEXモンスターゾーンに配置)

:サドネス勲功爵(ATK 4100)

:伏せカード2枚、悪徳の監視(永続魔法)

 

 

 

「オレのターンだ、ドロー!」

「この瞬間『悪徳の監視』の効果発動であります! ドローしたカードを確認し、魔法・罠だった場合、互いのプレイヤーはこのターン1度しか魔法・罠を発動できないであります!」

「……引いたカードは『フーコーの魔砲石』だ」

「チッ、モンスターでありますか。モンスターカードだった場合、相手はデッキから同じ名前のカードを手札に加える事ができるであります。ただし小官はその攻撃力分のライフを回復するであります」

「良いだろう、デッキから2枚目の『フーコーの魔砲石』手札に加えるぜ」

「攻撃力は2200、その数値分こちらのライフが回復であります」

 

 

グリーフ:LP 4200→6400

 

 

 

悪徳の監視(オリジナル)

【永続魔法】

(1):このカードの発動時の効果処理として、除外されているカードを5枚まで選択して持ち主の墓地に戻す。

(2):ドローフェイズに相手がドローしたカードを確認して発動する。

そのカードの種類によって以下の効果を適用する。

2ターン続けて同じ種類の効果が適用される場合、それを無効にしてこのカードを除外する。

●モンスター:相手はデッキからそのカードと同名カードを手札に加える事ができ、自分はその攻撃力分LPを回復する。

●魔法・罠:このターン、お互いに魔法・罠を1度しか発動できない。

(3):自分のターンのドローフェイズ開始時に、フィールドのこのカード(表側表示)を手札に戻して発動する。

通常ドローを2回行う。

 

 

 

 ピーピングを行いつつライフを回復するグリーフ。折角フレイの与えたダメージも8割がた癒されてしまいジョーカー達のライフを上回られた。

 ここで何とかしなければジョーカー達に未来は無い、1ターン目から正念場となったジョーカーは武者震いと共に不敵な笑みを浮かべる。

 

「マジック発動、『天使の施し』! デッキから3枚カードをドローし、その後2枚を捨てる! 捨てるのは『ドラコニアの海竜騎兵』と『スキルサクセサー』!

 続けて『苦渋の決断』を発動! デッキからレベル4以下の通常モンスターを1枚墓地に送り、同じ名前のモンスターを手札に加える! オレが選択するのは『ライブラの魔法秤』だ!」

 

 これで準備は整った。ジョーカーのイメージする陣形を以て敵を突き崩すべく、日焼けした光の騎士は手札を2枚右手に持たせて開示した。

 

「オレはスケール2の『フーコーの魔砲石』と、スケール7の『ランスフォリンクス』で、ペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 ジョーカーの背後に並ぶ2本の光の柱。そこを大砲と振り子を合わせた機械と、鋭い嘴を持つ翼竜が登り、上空で地上を見下ろす。

 先のフレイと異なり、今度は正式なペンデュラムの構えがされた。

 

「これでレベル3から6のモンスターが同時に召喚可能! 天に弧を描く光の共鳴よ、闇を従え魂を震わせよ!」

 

 

☆3=☆6

 

 

 鳴り響くは青き輝きのペンデュラム。

 光のアークを描き、朋友の魂に働きかける輝きが、世界に響く。

 

「ペンデュラム召喚! 出現せよ、オレのモンスター達!

 レベル3、チューナーモンスター『ハロハロ』!

 レベル4、チューナーモンスター『ライブラの魔法秤』!

 レベル4、『聖鳥クレイン』!

 レベル5、『フーコーの魔砲石』!

 レベル6、『ファイヤーオパールヘッド』!」

『ハロロ~!』

『ぴぴー!』

『キョオー!』

『ギュン!』

『ガァァァッ!』

「『クレイン』を特殊召喚した時、オレは1枚ドローする!」

 

 

ハロハロ:DEF 600

ライブラの魔法秤:DEF 1000

聖鳥クレイン:DEF 100

フーコーの魔砲石:ATK 2200

ファイヤーオパールヘッド:ATK 2500

 

 

 南瓜のお化け、魔法の天秤、聖なる白鳥、大砲の振り子、燃える恐竜が光の軍勢となって場に出現する。

 ここから更に展開し、陣形を整える。未知数過ぎるこの敵に猶予を与えるワケにはいかない。

 

「レベル6の『ファイヤーオパールヘッド』にレベル4の『ライブラの魔法秤』をチューニング!

 続けてレベル5の『フーコーの魔砲石』にレベル3の『ハロハロ』をチューニング!」

 

 

☆6+☆4=☆10

☆5+☆3=☆8

 

 

「シンクロ召喚! 勝鬨を上げろ、『フルール・ド・バロネス』!」

『ハァッ!』

「吹雪け、『魔救の奇跡(アダマシア・ライズ)-ドラガイト』!」

『ギガァッ!』

 

 

フルール・ド・バロネス:ATK 3000

魔救の奇跡-ドラガイト:ATK 3000

 

 

 召喚されたのは青い鉱石の龍と白百合を飾った女騎士、それぞれが光の召喚柱の中から飛び出しジョーカー達の前に陣取る。先の黎とのデュエルでも猛威を振るった強力なシンクロモンスター達の登場である。

 

「『バロネス』の効果! 1ターンに1度、フィールドのカード1枚を破壊する! オレは『サドネス』を破壊する!」

「ぬっ!」

「お前の手札はゼロ! 交換するための手札が無ければ、手札を補強できないだろ!」

「しかし小官のフィールドにはまだ攻撃力3900のモンスターがいるであります、貴様のモンスターでは倒せないであります!」

「まだだ! オレは『ドラゴラド』を召喚!」

『グゥッ!』

「召喚成功時、墓地から攻撃力1000以下の通常モンスターを呼び戻す! 蘇れ、2体目の『ライブラの魔法秤』!」

『キュウ~ン!』

 

 

ドラゴラド:ATK 1300

ライブラの魔法秤:DEF 1000

 

 

「レベル4の『聖鳥クレイン』と『ドラゴラド』に、レベル4の『ライブラの魔法秤』をチューニング!」

 

 

☆4+☆4+☆4=☆12

 

 

「シンクロ召喚! 現れろ、『超重天神マスラ-O』!」

『ヌゥン!』

 

 

超重天神マスラ-O:DEF 4000

 

 

 召喚は終わらない。ジョーカーは更に白い機械巨人を呼び出し戦線を固める。

 守備力4000を攻撃力の代わりにでき、手札も補充できるこのカードなら3体目のシンクロモンスターとしては不足が無い。

 

「バトル! オレは『マスラ-O』で『血恨詐狐』を攻撃! このカードは守備力の数値を使い守備表示で攻撃できる! “叢雲颪祇斬(むらくもおろしぎ)り”!」

「トラップ発動、『砕け行く刃』! 攻撃モンスターを破壊して攻撃力の10倍ライフを失わせるであります!」

「10倍だと!?」

「マズい、ダメージじゃないから『精零隔禁』では防げないぞ!」

「これぞ邪神様の崇高なる御力! 卑しい精霊よ、消えるであります!」

 

 ラストの使ったカードだ、と黎は顔を歪めた。

 あの時はユニオンモンスターを盾にダメージを凌いだが、今度は何も装備していない。対処する方法は1つだけである。

 

「『ドラガイト』の効果発動! 1ターンに1度、相手の魔法・罠の発動を無効にして破壊する! “アンメサイア・キャスト”!」

「良し、これで攻撃は通ります!」

「ぬっ!」

 

 

グリーフ:LP 6400→6300

 

 

 地に濡れた狐が討伐されて真っ二つになり、小規模な爆発がグリーフを襲う。ダメージは軽微だが、これでモンスターはいなくなった。

 

「続けてオレは『ドラガイト』でダイレクトアタック!」

「永続罠『有刺鉄線拘束術』を発動! 『ドラガイト』の効果は無効になり、攻撃力も5000下がるのでありますよ!」

「させねぇ! 『バロネス』の効果発動! このカードが表側表示で存在する時に1度だけ相手の効果の発動を無効にして破壊できる!」

「チェーンするであります、墓地の『血恨詐狐』の効果発動! 『フルール・ド・バロネス』の効果を無効にして破壊するであります!」

「何っ!」

「ハッハッハァ! 手札が無いなら、何でありましたかなぁ? 先刻貴様が言った事、うっかり忘れてしまったであります」

「テメェ!」

「意趣返しですか……!」

 

 しかし追撃は通らない。青い石のドラゴンは鉄の棘縄で縛り付けられ、白百合の騎士は狐の怨霊によって彼岸に取り込まれ、それぞれが攻撃できなくされる。ジョーカーの攻撃できるモンスターはこれでいなくなった。

 このワイヤートラップはエンヴィーの使っていたカードだ。過去に使われたカードにある種の懐かしさと、「間違いなく敵は本気だ」とそれ以上の危機感を黎は覚える。

 

 

 

砕け行く刃(オリジナル)

【通常罠】

相手の攻撃宣言時に発動できる。

攻撃してきた相手モンスターを破壊し、その攻撃力の10倍分相手のライフを減らす。

このカードは発動後、墓地には送られずにゲームから除外される。

このカードが除外されたターンのエンドフェイズ時、自分のデッキから異なる名前の罠カードを2枚選択して自分の場に裏側表示でセットする事ができる。

 

 

 

有刺鉄線拘束術(オリジナル)

【永続罠】

フィールド上に表側表示で存在する効果モンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターは攻撃する事ができず、効果は無効化され、攻撃力は5000ポイントダウンする。

選択したモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。

 

 

 

「……『マスラ-O』の効果。相手が魔法・罠を発動した時、デッキから手札が3枚になるようドローする。リバースカードを3枚伏せ、ターンエンドだ」

「無様でありますなぁ、光の宝玉を守る長と言えど所詮はこの程度でありますよ。邪神様に歯向かう程度の頭脳では理解できないでありましょうが」

「オレは『フーコー』のペンデュラム効果発動。セッティングされたターンの終わりに、フィールドの表側表示の魔法・罠を1枚破壊する。オレは『有刺鉄線拘束術』を破壊。これで『ドラガイト』は再び効果が使えるようになる」

「ぬ、小癪!」

 

 

 

フレイ&ジョーカー:LP 6000

手札:1枚/0枚

フィールド

:EXモンスターゾーン無し

:超重天神マスラ-O(DEF 4000)、魔救の奇跡-ドラガイト(ATK 3000)

:ランスフォリンクス(7)=フーコーの魔砲石(2)

:伏せカード3枚、精零隔禁(永続罠)

 

 

 

 ターンが再び回る。

 フレイのカードは壊滅し、ジョーカーのカードで固めた盤面で、グリーフの手番に移る。その恐ろしさが何を意味するか、解らない者はこの場にいないだろう。

 

「小官のターンであります。『血恨詐狐(けっこんさぎつね)』を相手ターン中に除外した場合、通常ドローしたカードは除外されるであります。しかし……」

「前の貴方のターン、除外した2枚のカードをドローの代わりに手札に加える事ができる。ドローしたカードでは無いので除外されない、というワケですか」

「然り然り。というワケで除外されていた2枚のカードが手札に加わるであります。更に除外された『血恨詐狐』はここでフィールドに復活するであります」

『ゴォォォォォン!』

 

 

血恨詐狐:ATK 3900

 

 

 地面から瘴気が渦を巻くように噴き出し、その中から倒した血だらけの巨狐が飛び出して復活する。これで再び手札を補充しつつEXデッキから召喚されたモンスターを破壊するコンボが使えるというワケだ。先程100だけとはいえダメージを受けたのも、墓地から除外して破壊する効果と、この再召喚する効果を狙っての事か。

 

「今度こそ終わりにしてやるであります」

「やってみろ、オレ達のフィールドには守備力4000の『マスラ-O』がいる!」

「根拠の無い空っぽの自尊心なぞクソの役にも立たない事を教えてやるであります。

 魔法カード『邪神の極風』を発動! 手札の『闇次元の解放』を除外し、相手の場・手札・墓地に存在する全ての魔法・罠カードを裏側で除外するであります!」

「チッ、ここがマストカウンターか! オレは『ドラガイト』の効果により、その発動を無効にする!」

 

 

 

邪神の極風(オリジナル)

【通常魔法】

(1):手札の魔法・罠カードを1枚除外して発動する。

相手の手札、フィールド、墓地に存在する全ての魔法・罠カードを裏側表示で除外する。

(2):このカードが除外された時、デッキから1枚ドローする。

 

 

 

 グリーフの発動したカードは極風、即ち高緯度の地域で吹く東風を呼び出し広範囲の除去を繰り出すカードだった。通せば確実に負けるため、ジョーカーは石の青龍が凍える風を起こしてこれに対抗する。黒い風と青い風はぶつかり合い、瓦礫を砕く程の風圧を以て相殺された。

 

「これでテメェの手札はゼロ! もう打つ手はネェだろ!」

「攻撃力3900であってもこちらのライフを一撃でゼロにはできません、次のターンわたくしがモンスターを追加で召喚すれば決着です!」

 

 グリーフの手札はゼロ、フィールドには今は効果を発動しない永続魔法とモンスターが1体いるのみ。

 この状況で敗北する方が難しいだろう。

 

「ナメてるでありますなぁ、精霊如きが」

「何?」

 

 だが、こと邪神に至っては真逆だ。

 その難しいという状況は、逆説突破できれば一気に敵を討てる事でもある。そして圧倒的なカードパワーを持つグリーフ達にとってそれは余りにも易しい条件である。

 

「小官は墓地の『悪念融合』の効果を発動するであります!」

「ここでですか!?」

「このカードが3枚墓地にある時その全て、及び墓地に眠る同名カード3枚2組、即ち合計9枚のカードを除外する事で、デッキからこのカードを手札に加えるであります! これによりぃ、墓地の『幻銃士』と『アポカリプト・フェニックス』全てを除外するであります!」

「くっ、『アポカリプト・フェニックス』はこのための布石だったのか!」

「フレイ、ジョーカー、来るぞ!」

「分かっている!」

 

 グリーフの墓地からカードが異次元へと波打って一気に消える代わりに、彼のディスクが1枚のカードを吐き出し手札に加えさせた。

 新しく増え、フレイとジョーカーに開示されたそのカードの名は──『邪道統合』。異世界からの転生者を破滅させた、必殺の邪悪な『超融合』である。

 

 

 

悪念融合(オリジナル)

【通常魔法】

(1):自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、融合モンスター1体を融合召喚する。

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、デッキのモンスターを1体まで融合素材にする事もできる。

(2):自分の墓地からこのカードを含む「悪念融合」を3枚除外して発動できる。

自分の墓地に存在する元々のカード名が同じカード2種類を3枚ずつ除外する。

その後、デッキから「邪道統合」を1枚手札に加える。

 

 

 

邪道統合(オリジナル)

【通常魔法】

(1):自分墓地の魔法カードを2枚除外して発動する。

表側表示で除外されている自分モンスター1体を裏側表示の除外状態にし、相手フィールドのモンスターを任意の枚数だけ裏側表示で除外する事で、それらのモンスターを素材扱いとして融合召喚を行う。

 

 

 

「『マスラ-O』の効果! 相手が魔法・罠を発動した事でオレは3枚をドロー!」

「無駄にして無意味にして無価値! これから死ぬ貴様らに手札が3枚だろうと30枚だろうと何も変わらぬであります! 魔法カード『邪道統合』を発動であります! 発動コストとして、墓地から『邪神の極風』と『異次元からの埋葬』を除外!」

 

 グリーフが最後の手札を持ち直し、それをディスクに差し込んで発動するとカードが読み込まれ、フィールドに黒い二筋の光が交差するように呑み込む禍々しい色合いと雰囲気の『融合』が展開されていく。

 そしてそこから発生した暴風にも匹敵する吸引に、白い機械巨人と青い石龍は呆気無く吸い込まれていった。

 

「そして『サドネス勲功爵』を表から裏の除外に変更し、貴様のフィールドの『超重天神マスラ-O』と『魔救の奇跡-ドラガイト』を裏側表示で除外して融合するであります!」

「オレのモンスターを除外して素材にするだと!」

「来ますよ、ジョーカー!」

「悪魔よ! 比類なき至高の御方の従僕よ! 今こそ歯向かう力をその身に呑み込み、嘆きの涙を踏み躙る魔獣となれ!」

 

 バキン、と木の板が割れたような乾いた音が耳に届く。

 数秒遅れてそれが太い木を踏み砕くクリーチャーの足音だったと気付いた頃には、三つ首の赤黒い熊が闇の中から姿を現していた。

 

「融合召喚! 現れろ、全てを食い荒らす原生林の覇者! 『悪四牙(あくじき)のウェンカムイ』ィッ!」

『ZAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!』

 

 

悪四牙のウェンカムイ:ATK 3000

 

 

 デカい、その場にいた一同はそう思った。

 身長は5メートル以上、下手すれば10メートルに届くかも知れない。腹には三つ首とは別に牙を剥く口が存在し、両手の爪もまるで大振りのナイフか斧のように鋭く分厚い。

 歴戦の英傑である彼らでも、これに組み付かれたらアウトだろう。

 

「このモンスターが融合召喚されている限り、効果の対象にならず相手は融合モンスターを召喚できないであります。つまりそこの騎士ごっこ、貴様自身の召喚は不可能であります」

「騎士ごっこたぁ言ってくれるじゃねぇか」

「攻撃力は3000、2体の攻撃を受ければ6900のダメージで我々は終わりですか……!」

「アマいであります! 『ウェンカムイ』の攻撃力は除外されているカード1枚につき1000ポイントアップするでありますよ!」

「何!?」

「何ですって!?」

 

 

【ジョーカーの除外されているカード】

超重天神マスラ-O

魔救の奇跡-ドラガイト

 

【フレイの除外されているカード】

帝王の深怨

アンカモフライト

 

【グリーフの除外されているカード】

サドネス勲功爵(裏側)

悪女の涙

悪念融合

悪念融合

悪念融合

アポカリプト・フェニックス

アポカリプト・フェニックス

アポカリプト・フェニックス

幻銃士

幻銃士

幻銃士

闇次元の解放

邪神の極風

異次元からの埋葬

 

 

「除外されているカードは合計18枚! よって攻撃力は18000アップ! そして『邪神の極風』が除外された時、カードを1枚ドローするであります!」

「何と法外な……!」

 

 

悪四牙のウェンカムイ:ATK 3000→21000

 

 

 メギリ、と筋肉の軋む音が鳴る。初期の7倍になったこのパワーは、このモンスター自身にも最早制御できていないようだ。

 これこそがグリーフの切り札。除外するカードを駆使し、圧倒的な攻撃力を得る。昨今では除外をコストにするカードも多いため圧倒的な攻撃力を得るのも難しくない。仮に相手が除外をしない【ティアラメンツ】等であってもデッキを16枚も削らせたり『邪道統合』で並べられた5体のモンスターを除外したりする事で極端なパワーアップも楽に可能なのである。

 

「まだであります。小官は魔法カード『寡婦(やもめ)から搾取された涙』を発動。このカードは互いの墓地のモンスターを除外し、同名モンスター3体を融合召喚するであります!」

「こっちの墓地から除外して素材にするだと!」

「しかも一気に3体の融合召喚!?」

「小官の墓地から『マッド・ソロウラー』を、貴様らの墓地から『フルール・ド・バロネス』を除外し、融合! 現れよ、3体の『ディストレスタンク・ダムセル』!」

『ア゛ァァァァァァァァァ!』

 

 

ディストレスタンク・ダムセル:ATK 2000

ディストレスタンク・ダムセル:ATK 2000

ディストレスタンク・ダムセル:ATK 2000

悪四牙のウェンカムイ:ATK 21000→23000

 

 

 召喚されたのはキャタピラつきの台車に括り付けられた女性の亡骸。由来は恐らく『ヒロピン(ヒロインピンチ)』と同じ意味を持つ『DID(Distress in Damsel)』だろう。死してなお戦車の如く兵器に使われる様は、ピンチどころか破滅と言うべきかも知れないが。

 

 

 

寡婦から搾取された涙(オリジナル)

【速攻魔法】

(1):お互いの墓地からモンスター1体ずつを除外して融合素材とし、融合モンスター1体を融合召喚する。

その後、融合召喚扱いで同名モンスターをEXデッキから2体特殊召喚する。

(2):(1)の効果で3体特殊召喚できない場合、その特殊召喚されたモンスターは裏側表示で除外され、除外されたカードの枚数×1000ダメージを受ける。

 

 

 

「『ディストレスタンク・ダムセル』の効果発動であります。自分の墓地から魔法・罠を任意の枚数除外し、相手フィールドの魔法・罠カードを同じ枚数除外するであります。小官は墓地の『葬送訃逸(そうそうふいつ)』『邪道統合』『砕け行く刃』『有刺鉄線拘束術』を除外し、貴様のフィールドの伏せカード3枚と、その邪魔な永続罠を全て除外してやるであります!」

「永続罠『精零隔禁』は墓地から同じ名前のカードを除外しても自身を守る事ができます!」

「オレもトラップ発動、『ジョーカーズ・ワイルド』! デッキから『ジョーカーズ・ストレート』を墓地に送る事で、その効果を得る! 現れろ、絵札の三銃士達!」

 

 

 

ジョーカーズ・ワイルド

【通常罠】

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分・相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、デッキから「クィーンズ・ナイト」「ジャックス・ナイト」「キングス・ナイト」のカード名が全て記された魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。

この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。

(2):自分・相手のエンドフェイズに、自分の墓地の戦士族・光属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。

 

 

 

ジョーカーズ・ストレート

【通常魔法】

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の手札を1枚選んで捨て、デッキから「クィーンズ・ナイト」1体を特殊召喚し、デッキから「キングス・ナイト」「ジャックス・ナイト」の内1体を手札に加える。

その後、モンスター1体を召喚できる。

このターン、自分は戦士族・光属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

(2):自分・相手のエンドフェイズに、自分の墓地の戦士族・光属性モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。

 

 

 

クィーンズ・ナイト:DEF 1600

キングス・ナイト:DEF 1400

ジャックス・ナイト:DEF 1000

 

 

 鉄の台車に乗せられた女の亡骸、その内の1体が黒い雷を放ち2人の魔法・罠カードを撃ち抜く。

 咄嗟に1枚は守り、もう1枚をチェーンする事で絵札の三銃士がフィールドに並び立つが、伏せられていたままの『連成する振動』『ガード・ブロック』を含め3枚のフィールドのカード、そして墓地から5枚の魔法・罠が除外となる。何とかフィールドは保たれたが、これで『ウェンカムイ』は更に強化されてしまった。

 表側守備表示の召喚が可能、というルールがあるのがせめてもの幸いだろうか。

 

 

悪四牙のウェンカムイ:ATK 23000→31000

 

 

 グリーフのフィールドのモンスターは5体、ジョーカーとフレイのモンスターは3体。

 ライフは6000も残っているが、敵側には攻撃力が3万以上の怪物がいる。あれを防がねば首の皮すら残らない。

 

「バトル! 小官は3体の『ダムセル』で壁モンスターを攻撃! このカードは貫通効果を持つであります!」

「何!? ぐぉぉっ!」

「くっうぅぅぅ!」

『『『キィアアアアアアアアアアアアアアアア!』』』

 

 戦車に組み込まれた女の亡骸が悲鳴をあげ、黒い雷を放つ。

 邪悪な意志によって無理矢理動かされた女達の雷鳴は、絵札の三銃士を残らず焼き払った。

 

 

フレイ&ジョーカー:LP 6000→5600→5000→4000

 

 

「これで最後であります! 我が力の結晶『ウェンカムイ』よ、あの無様な精霊共を食い殺せ! “鮮血のカリストマーダー”!」

「させません! 墓地の『真源の帝王』の効果発動! 墓地の『帝王の轟毅』を除外し、このカードをモンスター扱いにして特殊召喚します!」

 

 

真源の帝王:DEF 2400

悪四牙のウェンカムイ:ATK 31000→32000

 

 

 首を噛み千切ろうと迫る巨大な牙と爪。これを受けるワケにはいかないと、フレイは墓地から光のヴェールに包まれた帝王の像を産み出して盾にする。一瞬で食い千切られてしまったが、代わりに2人は無事だった。

 

 

 

真源の帝王

【永続罠】

「真源の帝王」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):1ターンに1度、自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード2枚を対象として発動できる。

そのカードをデッキに加えてシャッフルする。

その後、自分はデッキから1枚ドローする。

(2):このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分の墓地の「帝王」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。

このカードは通常モンスター(天使族・光・星5・攻1000/守2400)となり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する(罠カードとして扱わない)。

 

 

 

「悪足掻きを、『アイテール』で墓地に送ったカードでありますか」

「返しのターンに捲られる(切り返される)のは分かっていましたので、防御札は仕込んでおくものです」

 

 白く輝く帝王の像は粉々にされたが、フレイ達には掠り傷一つ無い。

 だが一方のグリーフにも、まだ攻撃は残っていた。

 

「ならば『血恨詐狐』でダイレクトアタックであります!」

「ジョーカー! がはぁぁっ!?」

「フレ、ぐぉおおおおおおっ!」

 

 

フレイ&ジョーカー:LP 4000→100

 

 

 最後の攻撃を前にフレイは、咄嗟にジョーカーを庇って血の滴る妖狐の攻撃を真正面から受け止める。

 だが妖狐は突進から噛み付きに変更してフレイの胴に牙を突き立てると、更に尾を伸ばしてジョーカーの体を貫いた。

 

「ガハッ!」

「ぐ、が……!」

「無様なり、庇ったつもりが何の意味も無いとは」

 

 素早く精霊の魔力を防御に回したお陰で致命傷は避けられたが、手痛い重傷となったのは間違いない。

 これでフィールドのモンスターも魔法も罠もゼロ、手札もゼロ、墓地のリソースも枯れて『真源の帝王』も使えず、壊滅状態にまで追い込まれてしまった。

 腹と口からドクドクと流れる血を抑えつつ、2人は何とか立ち上がりディスクを構え直す。

 

「『ダムセル』の効果。戦闘ダメージを与えた次の小官の通常ドローは2倍になるであります」

「ガ……、ぐっ……。2枚ドロー、と……いえ、まさか……!」

「察したようでありますなぁ? そう、『ダムセル』はこのターン3回ダメージを与えたであります」

「ぎ、ぐ……! 2の3乗で8枚ドローかよ……! ガフッ!」

「然り。そしてこのエンドフェイズ、除外された『砕け行く刃』の効果発動。デッキから名前の違う罠カードを2枚セットするであります」

 

 グリーフのデッキからカードが2枚排出され、それがディスクに裏向きで置かれる。同時にフレイとジョーカーのディスクにそのカードの名前とテキストが確認できるようデータが転送された。

 

 

 

暗雲の接収(オリジナル)(改訂版)

【通常罠】

(1):魔法・罠・モンスター効果の発動、モンスターの召喚・特殊召喚・反転召喚を無効にして破壊し、ゲームから除外する。

その後、相手LPに1000ダメージを与える。

このカードの発動に対し、カウンター罠を発動する事はできない。

 

 

 

アブソプションドロー(オリジナル)(改訂版)

【通常罠】

(1):相手の直接攻撃宣言時に発動できる。

その攻撃で受けるダメージを無効にし、攻撃モンスターの元々の攻撃力700につき1枚ドローする。

 

 

 

 伏せられたカードは万能無効のカード、そして直接攻撃を無効にしてドローするカード。残りライフ100では除去は必須だが、その除去カード自体にチェーンされてしまえばジ・エンド。

 しかもグリーフはピーピング用のカードを場に出し、魔法・罠をドローすれば行動がロックされる。

 これらに加えて5体のモンスターが並ばれては、降参しても最早誰も文句を言うまい。

 

「小官に手傷を負わせた褒美に、『ウェンカムイ』の効果を教えておくであります。こいつが倒された時、除外された小官のカードが全て手札に戻るであります」

「何、ですって……!?」

「クソが、それじゃあ『幻銃士』を戻されたら一巻の終わりだ……!」

 

 

 

悪四牙(あくじき)のウェンカムイ(融合・効果モンスター)(オリジナル)

星12

闇属性/獣族

ATK 3000/DEF 5000

悪魔族モンスター1体以上+相手フィールドのEXデッキから特殊召喚されたモンスターを含むモンスター2体以上

(1):EXモンスターゾーンのこのカードの攻撃力は除外状態のカードの枚数×1000アップする。

(2):融合召喚されているこのカードはフィールドに表側表示で存在する限り相手の効果の対象にならず、相手は融合モンスターを特殊召喚できない。

(3):フィールドのこのカードが相手によって墓地に送られた、または除外された時に発動する。

除外されている自分のカードを全て手札に加える。

このデュエル中、自分の手札が7枚以上であってもエンドフェイズに手札を捨てる処理を行わない。

 

 

 

ディストレスタンク・ダムセル(融合・効果モンスター)(オリジナル)

星6

闇属性/機械族

ATK 2000/DEF 1000

機械族モンスター1体+効果モンスター1体

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分の墓地から魔法・罠カードを任意の枚数除外して発動できる。

同じ枚数だけ相手フィールドの魔法・罠カードを除外する。

(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(3):このカードが戦闘ダメージを与えた場合に発動できる。

次の自分の通常ドローの枚数を2倍にする。

 

 

 

「小官はこれでターンエンド。サレンダーは許さぬ、小官達に、否、邪神様に歯向かった愚かさを無限の闇の中で永遠に後悔するが良いであります」

 

 

 

グリーフ:LP 6300

手札:0枚

フィールド

:悪四牙のウェンカムイ(ATK 32000)(左のEXモンスターゾーンに配置)

:血恨詐狐(ATK 3900)、ディストレスタンク・ダムセル(ATK 2000)×3

:伏せカード2枚(『暗雲の接収』『アブソプションドロー』)、悪徳の監視(永続魔法)

 

 

 

 状況を整理しよう。

 フレイとジョーカーのライフは残り100、フィールドには効果を持たないペンデュラムカードが2枚。墓地で発動できるカードは『スキルサクセサー』。そして相手の場には発動と召喚を無効にして1000ダメージを与えるカードと、ダイレクトアタックを防ぐカード。更に3万を超える攻撃力のモンスターまでいる。

 

「はぁ、はぁ……、わたくしのターンです」

「バアさん、勝てるか……?」

「すぅー……ふぅー……。……勝ちますよ、勝たなくてはなりません。後バアさん言うのやめなさい、女性に年齢の事についてあれこれ言うのは失礼でしょう」

「フン……、グブッ! クソ、減らず口叩いても痛いモンは痛いなぁ」

「でしょうね、グ、ゥ……!」

 

 胴体に走る痛みを堪えながらデッキに手を伸ばすフレイ。

 手札を見る。速攻魔法『帝王の烈旋』、相手モンスターをリリースするカード。強力な除去効果だが、『暗雲の接収』がある以上は自殺にしかならない。

 ジョーカーが手札コストで捨てたカード、そして自分の手札のカード、ドローして手札に加わる正体不明のカード……。現時点で使えるカードは3枚か4枚だろう。

 ならば、恐らくこれがラストターン。全ては、この1枚次第だ。

 

「行きますよ、わたくしのターン……、ドロー!」

「永続魔法『悪徳の監視』の効果! ドローしたカードを開示せよ!」

「わたくしの引いたカードは……、これです!」

 

 

to be continued

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。