なのは+『永遠の空』   作:黒影翼

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プロローグ~始まりの来訪者

 

 

プロローグ~始まりの来訪者

 

 

 

Side~アミティエ=フローリアン

 

 

 

見知らぬ空、私はふらつく身体を抱えて目の前の浮かぶ妹を見つめていた。

交戦の果てに打ち込まれたウイルス弾の効果が出てきたせいで身体が言う事を利かなくなっていた。

 

手にした銃をおろした妹…キリエは、そのまま私に背を向ける。

 

「キリエ…待ちなさい!」

「バイバイ、アミタ。多分もう会わないわ。」

 

去っていくキリエ。

追おうとするも身体が言うことをきかない。

動かないといけないのに…キリエを止めなきゃいけないのに…っ!

 

見失ったキリエを追うために今は体調をどうにかしようとふらつく頭で考え、接近する反応がある事に気づいた。

ちょうど良かった、とりあえずあの人に治癒術士か抗ウイルス剤かの場所を聞こう。

 

「ちょっと、ここ管理外世界だよ?あまり派手に」

「あのっ!治癒術士の方かAC93系の抗ウイルス剤をご存じないでしょうか!?」

 

声をかけてくれた白い髪の女性に向かって腕を突き出して銃を突きつける。

キリエを止めるためにも時間がないから、すぐに治して動かないといけない。

 

「何で戦闘態勢?」

「非礼は重々承知ですが、当方非常に急いでおります。妹を止めないと、大変な事になるんですっ!」

「礼儀正しいんだか失礼なのか分からない人だね。」

 

目の前の白い髪の女性は、戸惑った様子で武装を起動させる。

しまった…戦闘やってる余裕なんて無いのに…

とりあえず適当にあしらって逃げ

 

「あっ!?」

 

唐突に、突きだした腕の隙間から飛び出してきた『何か』に顎を打ち上げられた。

 

今の感触は…魔力弾?

 

よろけたものの、何とか体勢を整えた私は…

 

 

 

いつの間にか目の前まで迫っていた女性が短剣を振り上げているのを最後に、意識を断ち切られた。

 

 

 

 

Side~ディアーチェ

 

 

 

「む…」

 

書から感じるわずかな違和感。

それが、何かを忘れているような、なくしてしまったような感覚だと、今はなぜかそう理解することが出来た。

 

…妙な予感を感じて居間に向かうと、丁度返ってきたらしいリライヴが見知らぬ女を背負っている姿があった。

 

「何事だ?」

「あ、ディアーチェ。いい所に。」

 

女を背負っているリライヴが事情を話す。

翠屋にシュークリームを食べに行くというふざけた理由で管理外世界にとんだリライヴが、そこで空中戦闘を感知して放置も出来ないと現場に向かった所、この女を発見したと言う事だった。

 

唐突に明確になった書の違和感と時を同じくして現れた女。無関係の可能性もあるが…

 

「局の人に動きを抑えられる前に現地に飛んで調査しようって事になったんだ。ディアーチェは…」

「我は行かん。」

 

きっぱりと答える。

 

「こんな時まで王様病って!」

「気が早いわ馬鹿者。」

 

我の答えが気に食わなかったらしいレヴィがいきり立つのを片手で制して流す。

それと同時に、我は書を見せた。

 

「何か…違和感があるのだ。それも、このタイミングでだ。」

「お前のデバイスに違和感?」

 

速人が僅かに真剣になったその視線を向ける。

 

「うむ。我はこれからシュテル、レヴィを連れて我等が宵の巻物に移された星に飛ぶ。」

 

無関係ならそれでよし、すぐに地球に移ればいい。

そうでなければ…害となる要素を弾いた場所を、長期間放置は出来ん。

速人とリライヴも賛成なのかすぐに頷いたのだが…

 

「えー…マスターと一緒じゃないの?」

 

レヴィが不満そうに呟いた。

き、貴様はそもそも我を王とする宵の騎士の一人だろうに…ま、まぁ管制はフレイア、宵の巻物の主は速人なのだが…

 

「貴様ぁ…我が王だと言うことを忘れておるな…」

「そうですよレヴィ。」

 

シュテルが静かにレヴィをたしなめる。

うむ、レヴィより話が分か

 

「ディアーチェは貴族生活で戦闘が一番不得手なのですから、守らないと危険でしょう?」

「貴様もか!ええいこの不忠者共が!!」

 

前言撤回。シュテルが真っ当な訳がなかった。

恭也同様冷静な割に人をからかうのを楽しむ性格だったな…こやつは。

 

「分かった、気をつけろよ。」

「…貴様の方こそな。我の方は問題も無いかもしれんが、地球では確実に問題が起こっている上、貴様は勿論今となってはリライヴも大した出力はないのだからな。」

 

忠告をしたつもりなのだが、リライヴと速人は揃って楽しげに笑みを浮かべる。

 

「なんだかんだで優しいんだよね。」

「そうそう。」

 

何処か素直になれない子供を見るような二人の視線にいらついたのだが、ここで癇癪を起こせば余計にからかってくるのは目に見えている。

 

「ええい、行くぞ!シュテル!レヴィ!」

 

大見得を切って部屋を出ようとし…

 

「レヴィ、弁当とハンカチとカートリッジはキチンと持ちましたね?アリシアやフレイアは同行しないのですから準備は万全にしておきますよ。」

「OK。バッチリだよ!」

「遠足かおのれらは!!!」

 

保護者と子供のようなやり取りをしているシュテルとレヴィの手を取って、さっさと家を出た。

 

 

 

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