エピローグ~永い時を繋がる空の下での再会
Side~ユーリ=エーベルヴァイン
「紫天の書と宵の巻物を束ねて制御するシステム?」
「はい。」
アリシアは私のお願いを聞いて、笑顔をみせてくれた。
「そっか、速人に何かあっても宵の巻物やフレイアを連れてってくれるつもりなんだね。」
「それでなくても、私達はシステムですから。デバイスごと砕かれない限り、きっと長生きしてしまいます。」
「そうだね。」
夜天の守護騎士の皆は今代限りって限界があるけど、私たちは違う。
「わかった、作るよ。名前は決まってる?」
「え?えっと…デザインとかも分からないので、完全には決まってないんですけど…」
「少しは案があるんだ。聞かせてよ。」
明るいアリシア相手に、ちょっとだけ躊躇ってしまう。
私を永遠の牢獄から救い出してくれた皆さんには、失礼かもしれないから。
「永遠。」
思った通り、一瞬驚くアリシア。
「何か…理由でもあるの?」
「宵…日暮れの空と、夜明け前の…紫天を繋ぐからです。そして…私たちが生まれる前からずっとあって、これからも続く時が、どこまでもつながっていて欲しいから…」
そうすれば…いつかまた彼女達の力にもなれるかもしれないから。
その本当の理由は言えなかった。
時間を越えていることは、私と速人とリライヴしか知らないから。
それでも、何か察してくれたのか、アリシアは小さく頷いてくれた。
「まぁユーリのコアも永遠結晶だし、今更か。なのはとか守護騎士の人には受けよくなさそうだけど、なんと言ってもユーリの依頼だしね。」
「ありがとうございます。」
明るく承諾してもらえたのが嬉しくて、深く頭を下げた。
でも、顔を上げると深刻そうな表情になっていて…
「お礼ならさ、最近速人にモーション掛け始めたシュテルを何とか出来ない?リライヴとなのはだけでも大変なのに…」
「え…と…そう言うのには、協力出来ないです…」
「そうだよね…あーもうどーしよー…」
頭を抱えるアリシアを見ながら、速人の事を思い浮かべる。
宵の巻物の主で、アリシアもリライヴも助けた人。
抱えきれないのを知りながら、それでも諦めなかったから、ディアーチェ達は救われて、時を越えてもつながる思いを持っている。
みっともないと分かってて嫉妬してディアーチェを止めた私を、ディアーチェと一緒に抱きしめてくれた。
暖かくて優しくて…きっとそうであり続けるために今も頑張ってて…
私も…いつかなれるでしょうか?
全てといわなくても、主として皆は守れるように。
ううん、ならないといけない。
私が皆と一緒にいたいなら、私から手を伸ばせるように。
何一つ取りこぼさないように、そんな自分にならないと。
Side~アミティエ=フローリアン
ユーリの力が借りられなくなった。それは、回復の兆しを見せたエルトリアにとっては滅びへ近づいたとさえ言えるかもしれない。
でも、頑張らないと。
このまま失敗でもすれば、キリエがまた自分のせいとか思って傷ついてしまう。
私の力が続くうちに、絶対に…
「随分思い詰めてますね、アミタ、キリエ。」
「「えっ…」」
そんなあり得ない声がして、振り返る。
視線の先には、さっき去ったばかりのユーリが大人の姿でそこにいて…
「願ったとおり、繋がっていたみたいです。本当に遠くて長かったですけど…」
「嘘…何で…」
「家族の力になるのは、宵の巻物の主には当たり前なんです。」
キリエの驚きを一言で流したユーリは、その手を差し出して…
「緑の大地をもう一度…一緒に頑張りましょう。」
驚きで動けないキリエより先に、私は慌ててかけだしてその手をとった。
いつかの博士を思い出すような、暖かくて優しい手を…
SIDE OUT
という訳で、これにて『永遠の空』は終了となります。
後ははさんでもいくつかの後日談等くらい…かな?
時間移動やら闇の欠片やらで結構広く無茶をした自覚はあるのですが、お祭り(全員集合系)なので、ご容赦いただけると幸いです(汗)
ここまでお付き合いいただいて、ありがとうございました!