なのは+『永遠の空』   作:黒影翼

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後日談・最初で最後の死闘

 

後日談・最初で最後の死闘

 

 

Side~高町速人

 

 

「お話は伺っています美由希様!しばらくご指導の程よろしくお願いします!!」

「きょ、恭ちゃん…一体何言ったの?」

「あー…気にしなくていいと思うぞ。高位技能者崇拝習性があるだけだから。」

 

まともに話せるようになってからの雫と地球一同の初邂逅。

 

殆ど剣しか触れないような生活を送ってきた雫だが、そのくせ拗ねたりせずに…むしろ化物みたいに強い兄さんを中心としてやたらと憧れを抱いている。

 

…と言うか、こんな単語並べる8、9歳児ってどうなんだ?

俺は技術修行時と食事位しか一緒に活動してないからなぁ…一体何をどんな風に教えたらこうなるのやら。

 

「すまんな、しばらく雫を頼む。」

「あ、うん。仕事頑張ってね。」

 

一週間程度の依頼が兄さんと俺に同時に入って、その間雫に何の修行もさせないと言うのは、かえって雫に悪いと言う事で、丁度いい機会と言う事でたまたまこのタイミングで暇だった姉さんの所に預けていく事になったのだ。

 

 

雫の引渡しだけを済ませて、俺達はミッドに戻…らずに、山に向かう。

 

 

かつて地球にいた頃は修行によく使っていた渓谷。

人の姿がまるで見えないくらいの奥に行った所で、俺は兄さんと向かい合った。

 

「それじゃリライヴ、後の色々は頼む。」

「…うん、気をつけて。」

 

同伴して貰ったリライヴに離れて貰い、ナギハを装備する。

ただそれが合図となって…

 

 

俺の全身を気が狂いそうな殺気が貫いた。

 

 

 

空気が変わる。

 

あちこちの『生』が怯えている。

 

…これで人間名乗るってんだから、贅沢極まり無いぜ、全く。

 

 

 

 

 

 

 

「俺と全力で戦え。」

 

ある日突然受けた誘いは、驚いてあまりあるものだった。

 

「全力も何も、俺未だにまともに」

「お前は俺との修行で魔力を行使しないだろう。たとえ負けても…な。」

 

兄さんの指摘は確かに正しく、俺は兄さんとやる時はナギハを展開する以外魔力と言う魔力を使わなかった。

あくまでも技術修練であったし、力に頼ればその分おざなりになるから。

だから、魔法修練と技巧修練を別にやって、総合戦闘訓練で両方使うという形で修行を続けてきた。

 

「…それはそれで、逆に文句があるんだけどな。俺技量で及ばないまでもニアイコールくらいにはなってるつもりなんだけど。正気か?」

「お前こそ…俺の本気を引きずり出せていると思ってるのか?」

 

はったり、思い上がり。

『普通の人間』が魔導師に向かって言う台詞としては、その辺が妥当だろう。

 

だが…兄さんがその域にいない事は俺が身をもって知っている。

 

「…わかった、勝つ。それでいいだろ?」

「ふ…言ってろ。ある程度日程は既に組んである。さすがに数日はまともに動けなくなるだろうからな。」

「選択肢なかったのな…」

 

 

 

そんなやり取りを行ったのが数日前。

だけど…

 

 

 

マジで断ればよかった。

 

 

 

 

何で『加減できない時に殺してしまう事もある』程度のはずの兄さんが、本職で殺る気満々のグリフと同等以上の殺気を湛えてるんだよ…

 

とはいえ、いきなり魔力を行使する気はさすがにない。

そこまでする前に…まだ修行で使ってないモノがあるからだ。

 

 

 

意識を閉じ、心を閉じ、俺は自分から全てを抜いてその場に構えた。

 

 

 

Side~月村恭也

 

 

 

…完全気配遮断…か。

『心』の修練を下手にやりこんでしまったが為に、かえって強く違和感を覚える。

 

見えているのに其処に『気配』が無い。

魔法の存在を知ってしまっていると、幻術か何かと疑ってしまいそうになる。

 

 

木々の多いこの空間で、一瞬でも意識を外せば、確実に見失う。

 

 

だが…おそらくまだ魔法を使う気はないのだろう。

 

 

勝つ、あいつはそう言っていた。

引きずり出して見ろ…と言う事か、舐められたものだ。

 

 

 

初手、俺は飛針を投擲した。

軽いが、寸分たがわず目を狙ったそれは、左指から伸びた糸によって止められた。

 

指鋼線…見えないほど細いとなると、0番級か。

 

一応全力が出せる状態で来てくれたらしいことに感謝しつつ、接近。

そのまま左の指先で振るわれる5本の鋼線を俺はリールから伸ばした鋼線で絡めとった。

5つが別々でなければ、絡ませればまともに操ることなど出来ない。リールを手放してさらに接近を図る俺に対して、速人は慌てる事無く指から伸びる鋼線を右手のナギハで断ち切った。

 

 

刀の間合い、ここからが…本番だ。

 

 

初手から右の刀を互いに打ち合わせ、そこに俺は左の『徹』を重ねる。

と、速人はあっさりと右手から刀を手放し、そのまま中空に浮いた刀を左手で掴んだ。

 

左の一閃を下がってかわし…

 

 

 

射抜。

 

 

長距離刺突奥義を、左で放つ…

 

だが、当然丸見えの状態で放って今の速人に通じる訳も無い。

故に俺は、突き出さずに保ったままで懐に踏み込んで沈み込んだ。

 

 

 

追。

 

 

 

水月を狙った一閃を右で捌こうとして、捌ききれずに後方に吹っ飛ぶ速人。

脇腹を掠めた感触がしたが、直撃は外したらしい。

 

横倒しに転がる速人に向かって、俺は続けざま右で短剣を投げる。

 

刹那、気配が戻ると同時に鋭い気質を感じる。

気配遮断と併用が効かないとなると…神速。

 

転がっているうちに刀を納めたのか、そのまま短剣を素手で払うようにして抜刀の構えを取って踏み込んできた。

 

 

だが…

 

 

いくら速くても、何をするか見えていれば対処は出来る。

 

薙旋。

神速を伴った一閃目の抜刀で伸びた腕を捕らえ、その腕に刃を添えようとする。

 

が、唐突に強くなった力で中空に投げ出された。

 

予想の範疇だったので慌てる事無く着地する。

おそらくは、身体強化を使ったのだろう。

木々をなぎ倒し、大地を裂くような戦いをする魔導師だ、人一人投げるくらいは姿勢が悪くてもたやすいはずだ。

 

「…つくづく出鱈目だな、人間やめちまえ。」

「ある意味とっくにやめているさ。」

 

俺が神速も使っていないのに一通り手を使う事になったのが納得いかなかったのか、速人が軽く悪態を吐く。

 

だが、ここからだ。

 

アイツが魔力を使うことを躊躇わなくなるのなら、俺は多用できない神速を多用せざるを得なくなる。

だから、無理を承知で神速に対して素で応対したのだが、どうにか上手くいった。

 

 

「分かったよ、見せてやる。」

 

一瞬、肩の力を抜いたかのように見えた速人。

次の瞬間…不自然に風が吹いた。

 

木の葉や土埃が速人から逃げるように舞い上がる。その真っ只中で、やはり見間違いでなかったのか、笑みを見せた速人がナギハを収め…

 

 

「こっから先はヒーローだ、絶対負けないぜ。」

 

 

グリフを超え、天と地ほどの出力差があるあらゆる相手と立ち会って退く事が無かったヒーローが、俺の目の前に立っていた。

 

 

 

あの日から…

 

『忍、何とか引きつけるから逃げてくれ。』

『恭也!』

『すまない、今の俺にアイツらをとめるのは無理だ。だから…』

『ずっと一緒だって言ったじゃない!』

 

忍とすずかを護りきれなかった力の差に絶望しかけ、そんな力の差と真っ向から戦い続けていた義弟の事を目の前で見たあの日からずっと胸の内で燻っていたモノ。

 

本題とは関係ないが、それを晴らす機会が訪れた事になんとも言えない高揚を感じる。

 

 

だがまだだ…ここから先、手も足も出ずに負けたのでは意味が無い。

俺は再度気持ちを砥ぎ直し、刀を両手に構えた。

 

 

Side~高町速人

 

 

冗談が過ぎる。

仮にも戦闘機人を破って見せた兄さんだ、当然ただの生身で破れると思ってたわけじゃない。

 

だが、神速も使わないうちから魔力まで『使わされる』とは思ってなかった。

 

先に腕を捕られたとき、そのままだと『枝葉落とし』によって腕を落とされていた。

勝つと断言したし、何より兄さんが本気なのは十二分に感じていたから、なりふり構ってる余裕が無かった。

 

…ったく、おかしいにも程があるっての。

 

魔導師や次元世界の兵器相手にも負けたくなくて修練してるのは知ってるが、それら相手に十分勝てる俺が全力を出す段階に至って余力を残してる『生身の人間』。

 

コレをおかしいと呼ばなかったら一体何がおかしいって言うのか。

 

 

けど…負ける訳には行かない。

なぜなら今回は…

 

 

ヒーローとして立っているのだから。

 

 

「二連、風翔斬『ウィンドスラッシャー』!!」

 

両のナギハを振るって二つの風の刃を飛ばす。

横薙ぎの一つを、刀で切り裂く兄さん。

 

や、今更驚かないけどな!並の魔導師なら防御魔法すら展開する間を与えないんだが…

 

もう一閃が鍵だ。

狙いは兄さんではなく、その背後にある木。

 

斜めに切れたそれは、だんだんと傾いて…

 

「おおぉぉぉっ!!」

「っ!」

 

俺はそんな中兄さんに向かって踏み込んだ。

背後から倒れる木に巻き込まれれば怪我では済まない兄さんは、そのまま切りあうことを選ばずに垂直に横に飛ぶ。

俺だけが倒れてくる木の直線状に残る事になり…

 

「はっ!」

 

風を纏った刀の一閃で、断ち切りつつ倒れてきた木を兄さんの方向に向かって吹き飛ばした。

 

魔力を使って吹っ飛ばした木の一部。

欠片とも呼べないサイズのそれは、当然生身の兄さんにどうにか出来る筈も無く…

 

 

交差の線が走ったと思った直後、4辺に分かれて周囲に散った。

 

 

斬りやがった。多分雷徹で。

 

…分かってたけどな。このまま普通にやってたんじゃどうにもならないって事くらい。

あの兄さん相手なんだ、『全て』使う必要があるに決まってる。

 

 

神速。

 

 

モノクロの世界を兄さんに向かって駆ける。

そのまま距離を詰めて…

 

 

『花菱』による乱撃交差。

 

 

あくまで緩やかにも見える、止まっているようにすら感じられる時の中で呼吸も忘れて繰り返される斬撃。

 

ただし、神風を見れば分かるとおり、俺はこのまま身体強化を行使する事ができる。

普通に考えればただの神速だけで斬りあいになるわけが無いが…

 

 

兄さんの剣閃は、俺より速かった。

 

 

おかげで不利な段階で受ける事を余儀なくされて、まともに力を発揮できずに終わる。

互角で済んだのは出力が俺の方が上だからだ。でなければ今ので当に殺されている。

 

「っ!」

 

最後の斬撃で力任せに刀を振りぬいて兄さんの姿勢を崩す。

さすがにこっちもすこし体勢が崩れたものの、其処から神速による追撃は来なかった。

 

いくら兄さんでも、おそらくは二段掛けだっただろう神速の終わりに入りなおすのは無理みたいだな。

できてたまるか。と言いたいが…既に出来たらおかしい事をいくつもやってるこの馬鹿兄相手だと保障もない。

 

 

幻歩法『イリュージョンステップ』。

 

 

神風の一歩で通り過ぎ、背後を取って気配を絶つ。

危険を自覚したのか、兄さんは背後に振り返りながら隠し短刀を乱雑に投げ放つ。

 

だが、木の影を利用して姿を隠した俺は、兄さんの視界から消えた。

 

 

Side~月村恭也

 

 

軽い頭痛。

二段がけ終わって間も無く神速に入ったせいだろう。

 

だが、其処までやっても見失った。

 

…最悪だ。

 

木々も風も生きているように感じられるような空間で、いるはずの人間の気配が無い。

 

 

何もつかめない。

 

 

何処から来るのか分からない。

 

 

殺気も何もない。

 

 

いるのが『分かっている』のに何処にいるのか分からない事がこれほど恐ろしいとは思わなかった。

 

 

…僅かに揺らめく光。

当然、速人が俺の視界を…『直接』通る事はない。

 

だが、其処に巧妙を見た。

 

投擲した短刀。木に突き刺さった短刀。その側面。

 

その光が翳る部分が少しずつ大きくなる。

 

完全に背後を取って、まだ俺が気付いていないと思っているだろう速人が向かってきて…

 

「っ…はああぁぁぁっ!!」

 

神速による旋回抜刀から、薙旋に入った。

気付かないうちに抜刀の峰打ちでも叩き込むつもりだったのだろう速人。

 

心の隙をつけたはずだが、速人はさほど驚く事も無くあわせてきた。

 

単純に神速で打ち合ったら互角か俺が不利かのどちらかになる。

 

やるしか…ない。

 

二段掛けに入って、速人が振り切れるタイミングより先に打ち合わせて止める。

三撃をどうにか互角で済ませた最後の一撃で、切り札をきった。

 

 

意識伝達による身体の反応を、神速の要領で強制的に速める。

 

 

筋量が変わっている訳ではないので、当然過負荷過ぎる上に場合によっては肉離れ等も当たり前に起こすのだが…

瞬間の瞬発力は、それによりもたらされる攻撃力は…

 

 

十二分に魔力強化に通用する『力』だった。

 

 

左手のナギハを弾き飛ばされた速人は、完全に予想外の出来事だったのか目を見開いて驚く。

 

「ぉおぉぉっ!!」

 

刀をはじかれ体勢を崩した速人に向かって、『徹』の蹴りを放つ。

『徹』は当たり所にもよるが、たとえ防護服を着ていようと関係なく殺せる凶器。

 

体裁関係なしと言った様子でバックステップした速人は、空いた左手で隠し短刀を投擲する。

蹴りを振りぬいた直後で避わしきる事が出来なかったものの、どうにか左腕で受ける事ができた。

どうせ先刻の部分強化で使い物にならない左腕だったから、気にする必要も無い。

 

刀を納め、抜刀の体勢で速人を見据える。

 

どの道全ての手札を切らなければ、勝ち目のある相手じゃない。

…次で決める。

 

 

小太刀二刀御神流斬式・奥義の極み『閃』。

 

 

Side~高町速人

 

 

馬鹿げてる。

 

完全気配遮断を使ってる俺を完璧に捕捉した上に、身体強化してる俺の手にしたナギハを弾き飛ばすなんて。何したこの化物。

 

掌の皮ごとすれて持っていかれた、未だに痺れの残る左手。最早刀をとっても普通には振るえない。

 

 

しかも…どう考えても飛ばされた刀を取りにいかせてもらえる空気じゃない。

 

 

右手に持ったままのナギハ。

兄さんが抜刀体勢になった時に同じく構えをとらなかったのは失敗だったかもしれない。

 

 

 

今までで初めてのレベルの警鐘が頭の中に鳴り響く。

 

 

 

死ぬ。これは死ぬ。

撃たれたら死ぬし、動いたら撃たれる。つまり絶対死ぬ。

 

 

 

 

やるしか…ない。

神風で兄さんが動く前に体勢を崩すような何でもいい、何かをしてアレを撃たせないようにするしかない。

 

 

 

 

神風。

 

 

 

モノクロの神速の世界。その通常身体が追いつかない世界を普段どおりに動けるほどに身体強化を併用できるようにした、身体への負荷を無視した究極奥義…

 

 

 

のはずだ。なのに…

 

 

何で一歩も動く間が無く兄さんが目の前にい―

 

 

 

 

 

刹那、兄さんの一閃が脇腹に吸い込まれた。

 

 

 

「っ!」

 

甲高い音。深めに裂かれた右脇腹。その腹に添えられた左手。その手に…

 

 

 

待機状態のナギハがあった。

 

 

 

リアクティブパージを筆頭に、魔法として発動しないような機能なら瞬時に使える次元世界装備。

特に、起動と違ってリリースは本当に瞬間で済む。

右の刀で防ぐのも間に合わないと思った『のか』、俺の身体は勝手にそうしていた。

 

 

そして…

 

 

そのまま体当たり。

地味極まり無い上に、距離が無いので殆ど押すような感じになるが、神風での体当たりはそれなりの衝撃を与えてくれた。

 

「が…」

 

木にぶつかって止まり、肩が触れていた兄さんの肋骨から嫌な音がした。

 

 

 

 

きっと、兄さんなら…魔導師にも騎士にも兵器にも、戦闘者にだって勝てたろう。

 

けど残念だったな、悪いが俺は…ヒーローだ。

 

 

 

息が抜けて動けなくなったらしい兄さんに向かって、空の右拳を握り残りの体力を振り絞るつもりで兄さんの頬に向かって振りぬいた。

 

 

 

 

 

左頬に拳を受けて倒れる兄さんを見て、その体が起き上がる事が無いことを確認した俺は…

 

「っ…そ…マジで死ぬかと思った…」

 

その場で崩れて座り込んだ。

 

今まで足くらいしか痛めなかった神風で、一歩すら動く間も無く防御に回した左腕が何かおかしくなっている。

致命こそ避けたとはいえ、脇腹に刀が食い込んだ状態で神風での体当たりなんてやったせいか出血が酷い。

左手の掌を見てみれば、罅の入ったナギハが掌に食い込んでいた。

 

って、罅って…待機状態だから精製した刃と違ってコアなんだが…大丈夫か?

 

普通に心臓に動かれたら失血死しかねないので代謝を落とす。

 

と、丁度全身を暖かい光が包み込んだ。

 

「凄い地味な終わり方だったね、ヒーローさん。」

「あ、サンキューリライヴ。」

「とりあえず死なないように治すだけ治すけど、無茶な回復は悪影響大きいからシャマル先生の所に行くよ。」

 

言いつつリライヴは倒れて動かない兄さんにも回復魔法をかける。

特に異論も無い俺は素直に頷いた。

 

「…ねぇ、何でこんな無茶につきあったの?」

 

俺と兄さんの事だから口を挟まなかったんだろうが、目に見えて暗い顔をしているリライヴ。そりゃまぁ心配だったんだろうな、デバイスによる保護も非殺傷もろくに出来ない兄さんとの全力戦闘なんて。

 

「…いつまでもできる事じゃないからな。」

『恭也にもそう言われたでしょう?だから貴女に記録を頼んだのですし。』

 

俺とイノセントにそれぞれに告げられ、リライヴは口ごもる。

 

いきなり誘われた身で、俺も特に何か聞いたわけじゃない。

だけど、想像くらいは出来る。

 

「…兄さん、激甘だから。」

「え?」

「ま、傍目にそう見えないと思うけど…な。」

 

困惑しているリライヴを他所に俺はゆっくりと立ち上がった。

 

 

家族を殺したがる訳が無い。まして、リライヴに頼んでまで戦闘記録を残しておきたいはずも無い。

ならこれは何の為の仕合なのか…誰のための記録なのか…

 

 

 

堅苦しいのもいいけど、黙ってこんな準備ばっかりやってると、無自覚に追い詰めかねないぞ兄さん。

 

 

 

ろくに褒められてない姪の姿を思いだしつつ、俺は深く息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

そして、そのまま転移魔法でミッドに戻りはやての家へ顔を出して…

 

『仕合したらこうなった』と素直に言ったら、怒ったシャマルさんにベッドに固定された挙句に身体に『使用禁止』と書かれた紙を張られた俺と兄さんは、結局殆どそのままで雫を向かえに行く日まで過ごす事になった。

 

「…俺、絶対もう兄さんとは全力戦闘やらないからな。」

「…安心しろ、俺ももう二度と御免だ。」

 

互いに疲れたように呟いた俺達は、何もすることが無い空間で目を閉じた。

 

 

SIDE OUT

 




とりあえず、速人主人公の締めとしては…って、それだけならStsまでで一応終わってるのですが(汗)お祭りのGODもなんだかんだで主役格だったので、速人の締めとしてやっときたかったモノとして、今回は『恭也との全力戦闘』でした。
そしてまぁ、先が読めるとは思いますが次の主役格に必要なものでもあるので(笑)

で、この先…後日談等が終わった後の話ですが、扱いに悩んでいます。
具体化はまだですが、案はあるので書くとは思います。
ですが、『現段階から始めるか』が少々考えどころとなっています。

4期完結してないんで、色々被ったりずれたりするのが(汗)
ただ、ここまで続きでやってると、時間が空いて、しかも原作完結してからとなると、それはそれで『忘れた頃に』ってなる事間違いなしなので、此方まで追ってきていただいた方とかいらっしゃるのでそれも少し(汗)

自分で決めるべきとは思っています。なので、『要望を聞いてみる』と自分で決めました(苦笑)。

と言う訳で、後書きまで付き合って頂いた方で望む方針があれば教えていただけると幸いです。
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