仮面ライダーカブト〜ワームに恋するカブトムシ〜 作:桂ヒナギク
報道ニュースでカブトがワームに寝返ったという情報が流れている。
「バカな……」
映像に驚いた光一はそう呟いた。
「お兄ちゃん、なにが『バカな』なの?」
「なんでもないよ」
光一はテレビを消した。
ガレージに移動し、サンドバッグに回し蹴りを叩き込んだ。
(一体どういうことなんだ?)
光一はCBR1000RRのタンクバッグからライダーベルトを取り出す。
(こいつは俺が持っていた。なのに、なぜ……?)
そこへカブトゼクターがジョウントしてくる。
「ワームか?」
光一はガレージを開け、エンジンをかけてバイクを駆る。
カブトゼクターに先導され、戦場に駆けつける。
そこでは、ZECTがカブトらしきライダーと戦っていた。
そのライダーは黒く、装甲に配線のようなものが見え、複眼は黄色だった。
仮面ライダーダークカブト。
「あれは……」
光一はライダーベルトを巻く。
「変身」
カブトゼクターをバックルにセットし。
{Henshin}
光一はカブトのマスクドフォームに姿を変えた。
カブトクナイガン・ガンモードをダークカブトに向ける。
弾丸を放ちながら、接近した。
ダークカブトとZECTの戦闘員が振り返る。
「カブトが、二人……?」
戸惑うZECT。
{Clock up}
サイドバックルを叩いたダークカブトが目にも留まらぬ速度でカブトに迫る。
カブトは吹っ飛ばされ、宙を舞い、工事中のフェンスに突っ込んだ。
クナイガンで付近のカーブミラーを粉砕し、サーチライトを照射。
粉々になった無数の鏡の破片にサーチライトが反射すると、そこにダークカブトの姿が浮かび上がる。
「は!」
カブトは突っ込んできたダークカブトの腹部にクナイガン・アックスモードを叩き込んだ。
「ぐ!?」
ゼクターが外れ、ダークカブトの変身が解ける。
マスクの下から現れたのは、見覚えのない男の姿だった。
カブトは男からライダーベルトを奪い取る。
「く、クソ!」
男はワームに姿を変えた。
「ふ!」
カブトはクナイガンの刃をワームに叩き込む。
ワームは緑色の
カブトはCBR1000RRの元に戻る。
ハンドルに触れた瞬間、CBR1000RRはカブトエクステンダーに姿を変えた。
カブトエクステンダーに跨り、現場から去るカブト。
……。
…………。
………………。
買い物帰りの真理絵と光一はすれ違う。
光一はバイクを止めた。
「柊木さん?」
「え?」
振り返る真理絵。
「赤井くん!……?」
真理絵は光一が巻いているベルトに気付く。
「もしかして、あれあなたなの?」
「うん? なんの話?」
「だってそのベルト」
「君はこれがなにか知ってるのか?」
「いや、さっきそれと同じベルトをしてる人を見て」
「どこで見たんだ?」
「学校帰り。なんか変な連中に囲まれたと思ったら、その人が助けてくれて」
「その人、どういう格好だった?」
「うーん……、人っていうか、カブトムシ?」
(なるほど。そういうことか)
「それは変な話だな」
「変、といえば、変な連中が私のこと、ワームって」
(……!)
「ワームだと?」
「なんのことかわからないんだけど」
(柊木さんがワーム? ということは、オリジナルは……)
「赤井くん?」
「うん? なに?」
「赤井くんはなにか知ってる?」
「いや、知らないな」
「そっか。じゃ、私はこれで」
「送ってこうか?」
「ううん、大丈夫」
真理絵はそういうと去っていった。
光一もバイクを走らせ、家へと戻った。