仮面ライダーカブト〜ワームに恋するカブトムシ〜 作:桂ヒナギク
ライダーキックが不発に終わったカブトは体勢を整えて着地した。
サリスたちは去っていく。
そこへ、別のサリスが一体現れる。
カブトは振り返り身構えた。
「お前、仲間、殺した」
片言の日本語を放って襲ってくるサリス。
カブトはカブトクナイガン・ガンモードでサリスを銃撃する。
被弾して怯むサリス。
「は!」
隙を突いてサリスにカブトクナイガン・クナイモードの刃を突き刺す。
サリスは悲鳴を上げながら爆裂霧散する。
カブトゼクターが外れ、カブトは光一の姿へと戻った。
真理絵は退院した。
病み上がり早々、学校に登校する。
教室に入る真理絵。
「柊木さん、ちょっと来て」
光一が真理絵を屋上へ連れ出す。
「なにかあったの?」
「例のライダーと対峙した」
「え……」
「俺も標的になるかもしれない」
「そうなんだ」
「だから俺、ZECTに潜入する」
「え?」
「前々からZECTを不審に思っててな」
「どういうこと?」
「実は俺の両親、ネイティブに殺されてるんだ」
「ネイティブ?」
「サリスに似た姿の怪物さ。それでそいつが言ってた。もうすぐ地球はネイティブのものだって」
「……?」
「その後、渋谷に隕石が落ちて、ワームが発生した。でもそれ、初めてじゃないんだ」
「え?」
「35年前にも、隕石が二つ落下してたらしくてね。記録によると、ネイティブはその隕石に乗っていたんだ」
「もう一つの隕石は?」
「少数ながらもワームが乗ってた。ひょっとしたらワームはネイティブを追ってきたのかもしれない。その真相を明らかにするため、ZECTに潜入するんだ」
「そう。気をつけてね」
「ありがとう」
二人は教室に戻っていった。
放課後、帰路に就いた光一は、ZECTに向かった。
本部で入り口の警備員に止められる。
「本部長に会わせてくれ。入隊したいんだ」
「君はまだ高校生だろう?」
そこへ、白髪の男がやってくる。
「なんの騒ぎだ?」
「はい、こちらの高校生が入隊したいとのことで……」
「通してやれ」
光一は白髪の男に長官室へ案内された。
「私は
「あんたが本部長か」
「少々言葉遣いが悪いな」
「すみません」
「構わん。で? 入隊したいのか?」
「はい」
「……いいだろう。君は腕が立ちそうだ。特殊部隊に入れてやる」
「はあ」
「そうと決まれば早速行ってこい。場所はここだ」
猪俣が光一に印をつけた地図を渡す。
「ここには何が?」
「部隊の拠点がある。ここは絶対にワームには知られるな。いいな?」
光一は指定された基地へと向かう。
内部は洋風の作りになっていた。
「お前が新しい隊員だって? まだ高校生じゃないか」
「
「そうか。たっぷり可愛がってやるから覚悟しとけ?」
サイレンが鳴り響く。
本部からの通達でワームが街中に出現したようだ。
「おい、新米。初の実戦だ。死ぬなよ」
「はい」
光一は車で特殊部隊の隊員に紛れて現場に急行する。
車から降り、持ち場に着く。
複数のサリスたちが、街中で暴れている……ようにも見える。
ワームに見つからないよう、殺害された被害者に近づく光一。
「……!」
被害者の血は緑色だった。
(そういうことか)
どうやら、ワームは人ではなく、ネイティブのみを選別して襲っているようだ。その証拠に遺体の擬態が解けてネイティブになっている者もいる。
戦闘員の一人がザビーに変身した。
「あいつは!」
「これよりワームを掃討する!」
キャストオフし、クロックアップでサリスを一掃するザビー。
光一はカブトに変身し、ザビーの前に出た。
「貴様!」
「よう、また会ったな」
戦闘員は、「カブトだ」と、戸惑っている。
「お前に一つ教えてやる。ZECTは対ワーム組織じゃない」
「知ってるさ。地球侵略のためやってきたネイティブが追ってきたワームに対抗すべく作り上げた組織だ」
「合点がいったぜ。お前も、ネイティブなのか?」
「それは貴様の知るところではないな」
ザビーはカブトに攻撃を仕掛けた。
カブトは攻撃をいなし、カウンターを繰り出す。
互いの拳がぶつかり合う。
互角のためか、なかなか勝負はつかない。
「勝負はつかぬか。この戦い、預けておく」
立ち去ろうとするザビー。
カブトはザビーの背後から跳躍によるライダーキックを放った。
{Rider sting}
ザビーが必殺技でライダーキックを相殺した。
反動で後ろへ吹っ飛ぶカブト。
「後ろから狙うなんて卑怯な真似をするのか」
カブトは体勢を整え、着地と同時に地面を滑る。
「知るかよ」
「やはりお前はここで潰しておくか」
ザビーはクロックアップでカブトの懐に潜ると、拳を乱打して敵を追い詰める。
{Rider sting}
ザビーの必殺技がカブトに炸裂する。
ライダースティングをまともにくらったカブトは、倒れると同時にゼクターが外れ、変身が解けてしまう。
「お前は赤倉じゃないか」
「赤倉……じゃない。赤井……光一……だ……」
「赤井? そうか。お前の目的はなんだ?」
「ZECTの素性を知るため潜入した」
「それで? 成果は得られたのか?」
「大体はな」
「そうか」
連れて行け——というザビーの言葉で光一は戦闘員に捕らえられ、基地の取調室に連行される。
「なぜお前がライダーベルトを持っている?」
拘束されている光一に、ザビーの資格者の男が訊ねる。
「腹減った」
光一の言葉に男は机を叩いた。
「貴様……!」
「取調と言ったらカツ丼だろ。出せ」
「立場を弁えろよ!」
男は光一を蹴り飛ばす。
ガタン!
椅子の倒れる音と共に崩れる光一。
「違法な取調だな」
「とりあえず、こいつは回収させてもらう」
男がライダーベルトを手に去っていく。
「閉じ込めておけ」
去り際の言葉通り、光一は鉄格子の中に放り込まれた。