仮面ライダーカブト〜ワームに恋するカブトムシ〜 作:桂ヒナギク
鉄格子の中に放り込まれた光一は、腕時計の時間を確認している。
「うわああああ!」
悲鳴と共に、見張りの男が吹っ飛んできて気絶する。
その直後、見覚えのない青いライダーがやってくる。
青いライダーの両肩には、バルカン砲がついている。
仮面ライダーガタック・マスクドフォーム。
「赤井くん、助けに来たよ」
「君、柊木さん?」
ガタックが鉄格子をガタックバルカンで破壊し、ライダーベルトを光一に渡す。
「はい、これ」
「それどうしたんだ?」
「研究棟から盗んできた」
「捕まるぞ」
光一はベルトを巻き、檻を出る。
「侵入者だー!」
戦闘員が大勢駆けつけてくる。
光一もカブトに変身し、ガタックと共にやってきた戦闘員を叩きのめす。
その時、どこからともなく呻き声が聞こえてきた。
呻き声の元に向かうと、仮面をつけられ、拘束されている何者かの姿が鉄格子に向こうにあった。
「ううー! ううー!」
暴れる仮面の何者かだが、拘束具はびくともしない。
「柊木さん、破壊してくれ」
ガタックはガタックバルカンで鉄格子を粉砕した。
拘束具を断ち切り、仮面を外してやる。
そのマスクの下にあったのは……。
「あなたは?」
男は天を指差す。
「天の道を往き、総てを司る男……
「俺のと、同じ……?」
「ああ。俺は元いた世界では、カブトだった」
話は後だ——と、天道は続ける。「まずはここを出るぞ」
「ああ」
カブトとガタックは天道を連れて基地を脱出する。
赤井家に真理絵と天道を招き入れる光一。
「それにしても信じられないな。俺たちが生きる世界の他に別の世界があるなんて」
「俺がここに来たのはこれが原因だ」
天道がハイパーゼクターを取り出した。
「これは?」
「俺の世界にあったカブトの強化メカだ。これだけは何がなんでも奪われる訳にはいかなかった。元の世界に戻るために必要だったからな」
「あなたはこの世界には何か目的があって来たんですか?」
「戦友を助けにな」
「戦友?」
「ああ。
「そのお友達はどうして?」
「全ての戦いが終わった後、権藤と名乗るやつが現れ、ガタックの力が必要だと言って連れて行かれたんだ。そいつには世界を行き来する力があってな。だからハイパーゼクターの力を使って追ってきたのだが……」
「そこでZECTに捕まった?」
「ああ。権藤はこの世界のZECTと繋がってるはずだ」
「それ、俺たちが調べてあげますよ」
「ならこれを持ってろ」
天道が緑色の石を光一に渡す。
「これは?」
「持っている人間をネイティブに変える石だ。お前たちは顔が割れてるだろう? だからそいつを使って別の人間になって紛れ込め。不本意だが、状況が状況だ」
天道はもう一つ石を取り出す。
「いや、私は……」
真理絵は一瞬、ワームの姿を見せた。
「変わった組み合わせだな」
「よし、行こう!」
光一がネイティブの姿になる。
「あ……」
自分の体を見るネイティブ。
次の瞬間、ネイティブの体が光一ではない、別の姿に変わった。