仮面ライダーカブト〜ワームに恋するカブトムシ〜   作:桂ヒナギク

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Episode 9

 ハイパーカブトは、無言のまま、どこかへと去っていく。

「待て!」

 後を追うザビーだが、ハイパーカブトの姿を見失ってしまう。

「退却するぞ」

 輝はそういうと、恵子を連れて撤退し、赤井家に戻った。

「で、どうだったんだ?」

「カブトがもう一人」

 天道がハイパーゼクターを取り出す。

「そうそう。これを腰につけてた」

「未来から来たお前自身かもな」

「未来の、俺?」

「ああ。ハイパーゼクターには世界を行き来する以外に、時間を旅する能力があるんだ」

「時間を移動できるのか?」

「俺も、過去や未来を行き来して世界を救ったんだ」

「そうか」

 天道が輝にハイパーゼクターを差し出す。

「お前に託そう。加賀美を連れ戻せたら、返してくれ」

 輝はハイパーゼクターを受け取ろうとするが、しかし、時空を超えて消え去ってしまう。

「嫌われてしまったようだ」

 そう言いながら苦笑いする輝。

 

 

 音楽会館で歌を歌う女性、霧島(きりしま) ひとみ。

「お疲れ様です」

 公演を終えたひとみが、舞台裏で挨拶をする。

「ひとみさん、今日もばっちりでした」

「ありがとうございます」

「この後はどうされるんですか?」

「真っ直ぐ帰ろうと思います」

「そうですか。気をつけて帰って下さい。最近、怪物が現れるって話題になってますから」

「ええ」

 ひとみは音楽会館を出た。

 そこに、シオマネキの能力を持ったウカワームが現れる。

「は!?」

 驚き戸惑うひとみ。

 ひとみはウカワームに首を切り飛ばされて殺害され、そいつが彼女に擬態する。

 ひとみは何事もなかったかのように、自分の家へ向かって歩き出す。

 トン。

 曲がり角で、有名なメイクアップアーティストの風間(かざま) 和樹(かずき)とぶつかる。

 ひとみは。

 和樹を見て。

 恋に落ちた。

「ん?」

 和樹がひとみを見る。

「ごめんよ」

「あ、あの、私の方こそちゃんと見てなくてごめんなさい」

「いや、気にしないでくれ」

 立ち去ろうとする和樹。

 ひとみは離れていく彼の背中を見て思う。

(カッコイイ。また会えないかな)

 ひとみは和樹のことを考えながら、家へ向かう。

 そこに、ネイティブが現れる。

「殺したな」

 ネイティブはそう言って、ひとみに襲い掛かろうとする。

「……!?」

 びっくりしたひとみは、ネイティブの攻撃をなんとかかわした。

「殺したって、なんのことよ?」

「とぼけたって無駄だ。お前が擬態している女だよ」

 ネイティブがひとみの息の根を止めようと、腕を伸ばした瞬間、その体に弾丸が被弾して怯む。

 弾丸の飛来した先を見ると、仮面ライダードレイク・ライダーフォームの姿があった。

「女の子に手を出すとは、ワームであろうと赦さん!」

「ち!」

 ネイティブは舌打ちをして退散する。

 ドレイクグリップからゼクターが外れ、ドレイクの変身が解ける。

 仮面の下から、和樹の顔が現れた。

(嘘でしょ!?)

「大丈夫かい?」

 ひとみに歩み寄る和樹。

「あれ? 君は先程の……」

「霧島 ひとみです」

「風間 和樹。君はなんで襲われたんだい?」

「わからないです。いきなり襲ってきて」

「そうか。俺が君を安全に家まで送り届けてあげよう」

「あ、ありがとうございます!」

 ひとみは、和樹に付き添われ、帰路に就くのであった。

 

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