仮面ライダーカブト〜ワームに恋するカブトムシ〜 作:桂ヒナギク
ハイパーカブトは、無言のまま、どこかへと去っていく。
「待て!」
後を追うザビーだが、ハイパーカブトの姿を見失ってしまう。
「退却するぞ」
輝はそういうと、恵子を連れて撤退し、赤井家に戻った。
「で、どうだったんだ?」
「カブトがもう一人」
天道がハイパーゼクターを取り出す。
「そうそう。これを腰につけてた」
「未来から来たお前自身かもな」
「未来の、俺?」
「ああ。ハイパーゼクターには世界を行き来する以外に、時間を旅する能力があるんだ」
「時間を移動できるのか?」
「俺も、過去や未来を行き来して世界を救ったんだ」
「そうか」
天道が輝にハイパーゼクターを差し出す。
「お前に託そう。加賀美を連れ戻せたら、返してくれ」
輝はハイパーゼクターを受け取ろうとするが、しかし、時空を超えて消え去ってしまう。
「嫌われてしまったようだ」
そう言いながら苦笑いする輝。
音楽会館で歌を歌う女性、
「お疲れ様です」
公演を終えたひとみが、舞台裏で挨拶をする。
「ひとみさん、今日もばっちりでした」
「ありがとうございます」
「この後はどうされるんですか?」
「真っ直ぐ帰ろうと思います」
「そうですか。気をつけて帰って下さい。最近、怪物が現れるって話題になってますから」
「ええ」
ひとみは音楽会館を出た。
そこに、シオマネキの能力を持ったウカワームが現れる。
「は!?」
驚き戸惑うひとみ。
ひとみはウカワームに首を切り飛ばされて殺害され、そいつが彼女に擬態する。
ひとみは何事もなかったかのように、自分の家へ向かって歩き出す。
トン。
曲がり角で、有名なメイクアップアーティストの
ひとみは。
和樹を見て。
恋に落ちた。
「ん?」
和樹がひとみを見る。
「ごめんよ」
「あ、あの、私の方こそちゃんと見てなくてごめんなさい」
「いや、気にしないでくれ」
立ち去ろうとする和樹。
ひとみは離れていく彼の背中を見て思う。
(カッコイイ。また会えないかな)
ひとみは和樹のことを考えながら、家へ向かう。
そこに、ネイティブが現れる。
「殺したな」
ネイティブはそう言って、ひとみに襲い掛かろうとする。
「……!?」
びっくりしたひとみは、ネイティブの攻撃をなんとかかわした。
「殺したって、なんのことよ?」
「とぼけたって無駄だ。お前が擬態している女だよ」
ネイティブがひとみの息の根を止めようと、腕を伸ばした瞬間、その体に弾丸が被弾して怯む。
弾丸の飛来した先を見ると、仮面ライダードレイク・ライダーフォームの姿があった。
「女の子に手を出すとは、ワームであろうと赦さん!」
「ち!」
ネイティブは舌打ちをして退散する。
ドレイクグリップからゼクターが外れ、ドレイクの変身が解ける。
仮面の下から、和樹の顔が現れた。
(嘘でしょ!?)
「大丈夫かい?」
ひとみに歩み寄る和樹。
「あれ? 君は先程の……」
「霧島 ひとみです」
「風間 和樹。君はなんで襲われたんだい?」
「わからないです。いきなり襲ってきて」
「そうか。俺が君を安全に家まで送り届けてあげよう」
「あ、ありがとうございます!」
ひとみは、和樹に付き添われ、帰路に就くのであった。