ドラゴンクエストΩ 〜アルテマこそ至高だ!〜   作:ねここねこねこ

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ごめんなさい。
昨日の夜に間違って修正前の内容を投稿してしまいました。
こちらが正しい内容です。

次回の投稿は3〜4日後の予定です。



第十四話

 アルテマウェポン[劣化]の刀身を出すために試行錯誤していたアキラは、朝の鳥の鳴き声でようやく一睡もせずに集中していたことに気付いた。

 あくびを噛み殺し、顔を洗おうと思い外に出る。そして、朝食を平らげたあとは、部屋に戻って昼過ぎまで爆睡するのであった。

 前日にポイズントードと死闘を行ったのにも関わらず、一晩中起きて集中していればそうなるのも無理はない。

 アキラが寝ている間に訪問があったことにすら気付かないほどに疲労が溜まっていたのであった。

 

「……ん、何時だ?」

 

 目を覚ましたアキラが腕時計を見ると、時刻は13時を回っていた。

上半身だけ起こし、伸びをしながらもまだ眠そうな仕草をする。

 もう一眠りしようか微睡(まどろ)んでいるところで、部屋のドアを叩く音がする。

 

「はい」

「あ、アキラさん起きてますか? 宿の受付の者ですけど、実はルイーダの酒場のカナブンさんの使いの方が午前中に来まして、いつでもいいのでルイーダの酒場に来てほしいとのことです」

「あ、わかりました。ありがとうございます」

「いえ、それでは」

 

 宿のスタッフの人がカナブンの伝言を届けに来てくれたため、その声で完全に目を覚ます。

 とりあえずまた顔を洗おうと外に出て、昼食を食べたあと、準備をしてルイーダの酒場に向かうのであった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 ルイーダの酒場に着いたアキラは、いつものテーブルにいたカナブンに話しかける。

 

「カナブンさん、こんにちは」

「おお、アキラさん! 来てくださってありがとうございます! 実は昨日スタッフからアキラさんが初級者迷宮を攻略したとお聞きしまして」

「あ、はい。結構ギリギリでしたけど……」

「まぁそのへんの話は後にするとして、冒険者証を貸してもらえますか?」

「え、あ、はい」

 

 アキラは首に掛けられている冒険者証をカナブンに渡すと、カナブンは裏に行き、数分ののち戻ってきてアキラに冒険者証を返す。

 冒険者証を受け取ったアキラはカナブンに促されて【ステータス】を開く。

 そこには冒険者ランク:Eと書かれていた。

 

「初級者迷宮の攻略はEランクへ昇格条件となります。アキラさんは昇格条件を満たしたので、本日からEランク冒険者です。おめでとうございます」

「おお! ありがとうございます!」

「それで、Eランク冒険者の特典の説明をしますね」

 

 アキラはカナブンからEランクの冒険者の特典として、ルイーダの酒場で鑑定のサービスを使うことが出来ることを聞く。

 

「あれ? でも昨日の時点で使ってもらっていたのですが……」

「それは初級者迷宮を攻略しているので、気にしなくて大丈夫ですよ」

「そうでしたか。わかりました」

「それと、もう1つあります。中級者迷宮へ入るために()()があります」

 

 カナブンから中級者迷宮に入るための条件が伝えられる。それは初級者迷宮を5()()()()()()()()()()ということ。

 それには理由があり、国として冒険者が簡単に死んでしまわないようにという配慮である。

 アキラもそのことには納得した顔をし、カナブンに質問をぶつける。

 

「わかりました。他の初級者迷宮はどの街にあるのですか?」

「えっと、この地図をお渡ししますので、参考になさってください。これもEランク冒険者への特典となります」

 

 そう言ってカナブンはアキラに地図を渡す。地図を見るとドラクエシリーズで見たことがある街や城の名前をたくさん確認して、少し嬉しそうな顔をする。

 カナブンはその様子を見て、冒険者に憧れる少年達の姿を重ねて微笑んでいた。

 他に特に用事もないため、アキラはそのままルイーダの酒場を出ようとカナブンと店側に移動していると、なにやら騒がしい声が聞こえた。

 

「──そう言われましても……」

「──緊急なの! 誰かいないの!?」

 

 アキラとカナブンは顔を合わせたあと、騒ぎのするところへ向かった。

 そこには赤い頭巾を被った金髪の少女が従業員のルナに詰め寄っていたのであった。

 

「どうされたのですか?」

「あ、支部長。実は──」

「あなた、ルイーダの酒場(ここ)の支部長なの!? ちょうどよかった! 私の妹が──」

「ちょっと落ち着きましょうか。私はルイーダの酒場(ここ)の支部長をしているカナブンと申します」

 

 カナブンは赤ずきんの少女がまくしたてようとしたところにストップを掛ける。

 自己紹介された少女は自身の名前も言っていなかったことに気付き、少し顔を赤くしたが、深呼吸をして自分の名前を名乗る。

 

「失礼したわ。私の名前はベロニカと申します」

「はい、ベロニカさん。それでどうされたのでしょうか?」

 

 カナブン、ルナはベロニカと名乗った少女の話を聞いていく。

 アキラもその場にいたが、話を聞いてしまっていいのか考えつつも、もはや移動できる空気ではなかったので黙ってカナブンの後ろに立っていることにした。

 ベロニカの話によると、目を離した隙に妹がガラの悪い男たちに連れ去られてしまったということだった。

 

「……それは困りましたね」

「そうなの。だから助っ人で誰か腕の立つ冒険者はいないのかって聞いていたんだけど……」

「今の時間はどの冒険者も迷宮に潜っているか、依頼中なので誰もいないんですとお伝えしていたところだったのです」

「でも早くしないと──」

「事情は分かりました。それではこうしましょう」

 

 カナブンはそう言って、後ろを振り返り、アキラに話しかける。

 

「アキラさん、ルイーダの酒場からの緊急依頼です。『ベロニカさんの妹さんの行方を探して、救出してください』」

「……え?」

 

 急に言われてアキラは驚きと戸惑いを含んだ顔をした。まさか後ろで立っていただけの自分が巻き込まれるとは思っていなかったからだ。

 そして、まさかこんなところで突然原作のキャラクターに会えるとも思っていなかったからというのもあった。

 そこでようやくアキラの存在に気付いたベロニカは、アキラの顔を見て不安そうな顔をする。

 

「え、この人……大丈夫なの?」

「ええ、問題ないと思います。初級者迷宮を単独(ソロ)で最短攻略するくらいの強さはありますので」

 

 カナブンの言葉を聞いて、ベロニカは驚きの表情をする。

 初級者迷宮とはいえ、単独(ソロ)で最短攻略が出来る人などほとんどいないからである。

 ベロニカでさえも、初級者迷宮を妹と攻略経験がある助っ人の3人でようやく攻略したくらいのレベルであった。

 

単独(ソロ)で最短攻略!? で、でもそれなら大丈夫そう! お願いします! 妹を助けるのを手伝ってください!」

「……分かりました。まずはどこに連れて行かれたのかを探さないとですね」

「ありがとうございます! 場所については私が探しておいたわ」

 

 ベロニカは聞き込みをして、大きな背負袋を担いだガラの悪い連中が少し前にアリアハンのすぐ近くにある塔に向かって行くのを見たという目撃情報を得ていた。

 カナブンは場所に心当たりがあるのか、そこについて話をする。

 

「そこは……”ナジミの塔”ですね。少し前に調査したときは最上階に老人がいるだけで、そんな怪しい連中はいなかったのですが……」

 

 首をかしげるカナブンからナジミの塔への行き方を教えてもらったアキラとベロニカは、妹を助けるためにナジミの塔へ向かうこととなった。

 

「……ここからは行くのが難しそうね」

「ええ、たしかに」

 

 ベロニカとアキラは準備もそこそこに、町の外で聖水を振りまいた後、ナジミの塔に向けて出発した。

 そして岬の洞窟の近くに到着して様子を伺っていると、見張りと思われる男が数人ほど入り口を見張っていた。

 アキラ達はここからの侵入は難しいと判断したが、次善策をどうするか頭を悩ませていた。

 

「このままだとあの子がどんな目に遭うかわからないのに……どうしよう……」

「……もしかしてですが、別の入口があるかもしれません」

「え!? 本当!?」

 

 アキラは妹を心配するベロニカを見て、少し考えた後、自分の考えを話すのであった。

 




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