ドラゴンクエストΩ 〜アルテマこそ至高だ!〜 作:ねここねこねこ
「ん? ここは……?」
男は目を覚ます。周囲には森が広がっていた。
そして、目が覚める前の出来事を思い出していた。
(たしかドラクエやっていて、俺もドラクエの世界に行きたいなーって思っていたら、気が付いたら真っ白い空間にいたんだよな
男はその時のことを思い出していた。
2つの光に成仏させられるところをなんとか説得して、
詳細は頭の中に入れておくと言われたのを思い出したところで、この世界についての知識があることに気付く。
(へぇ……この世界は色んなドラクエが混ざっているのか
昔からドラクエをずっとやってきた男にとっては、非常に好ましい世界であり、わくわくしていた。
「とりあえず……ここから町か村を見つけないとな」
そう思い、辺りを見渡すが先程と同じく木しか見えなかった。
どうしようかと思い、上を向くと白い煙のようなものを発見した。
(おお! これはもしかして……!)
男は急いで煙のする方向へと行き、10分ほど進んだところで開けた広場のようなところに小屋を発見するのであった。
喜びながらもその小屋へと向かって、ドアにノックをしようとしたとき──
「おい、お前。何をやっている?」
突然男は後ろから話しかけられる。
背後から誰かに話しかけられるとは思っていなかった男は、突然のことに驚き、混乱してしまっていた。
「え、あ、その……」
後ろを向くと、話しかけてきたのはひげがびっしりと生えているガッシリとした体格の初老の男性。
その手には、斧が握られていた。その様子を見て恐ろしくなってしまったのか、男は震え上がってしまい何も言えなくなってしまった。
「お前、ここに何か用なのか? ……もしかして迷子か?」
声を出せない男は、その質問に対し小刻みに何回も頷く。
男の様子を見た初老の男性は、表情を変えないまま「そうか、道に迷ったのか」と答えるとそのまま小屋の中に入っていってしまった。
その出来事に拍子抜けしてしまい、地面に座り込もうとしたところで小屋の中から怒鳴り声が聞こえてくる。
「辛気臭いガキは嫌いだ! さっさと入ってこい!」
「は、はい!!!」
男は急いで小屋のドアを開ける。
しかし、ドアを開けた瞬間、目の前に大きな塊があり、男を押しつぶす。
後ろに倒れ込んだ男は、痛みと顔にザラザラとした感触を感じつつも
「いってぇ! ……ってな、なんだ!?」
男の上に乗っていたのは大型の犬であり、男の顔を舐めていたのであった。
いくらやめろと言っても聞かない犬に対して、諦めたかのように舐められていると、「そろそろやめてやれ。俺の客だ」という声に素直に従って離れていく。
「珍しいな。あいつが人に懐くなんてソロ以来だ…」
ボソッと呟きながら男に濡れたタオルを渡す。
タオルを受け取った男は顔を拭くと、立ち上がる。
「あ、ありがとうございます」
「ああ。ところでお前の名前は?」
「俺は……」
「なんだ? 名前を言いたくないのか?」
「い、いえ……カケルといいます」
カケルは自分の名前を答える。名前を聞いた初老の男性は、「そうか」とだけ話すと黙ってしまう。
その場にはなんともいえない空気だけが流れていた。
「あ、あの……」
「なんだ?」
「近くに町や村などはありますか? 道に迷ってしまったので困っていて……」
「ああ。ここから南に行けば、ブランカがある」
「ブランカ……」
カケルはブランカの名前を聞くと黙ってしまう。その様子を怪しげに見ていた初老の男性だったが、全く反応がないので席を立ち上がり食事の準備を始める。
そして準備が終わった後、「飯を食ったらさっさと寝ろ!」とだけ伝えて寝てしまう。
(ブランカの北にある森の中の小屋。この人もしかして……木こりの人か?)
ドラゴンクエスト4には、ブランカの北に木こりの家というのがあった。
口は悪いが、とても優しい心の持ち主で犬と暮らしているというところも同じだったため、カケルは同一人物の可能性が高いと考えていた。
(それにしても……まさか本当に来ることが出来るなんてなぁ……
カケルは年上の従兄弟の影響でゲームが好きになっていた。
それは高校生になっても変わらずだった。RPGはそれこそ色んなものをやっていたのである。
藁の上で明日からどうしようかなと悩んでいたが、急な環境の変化で疲れもあったのか、いつの間にか眠りに落ちていた。
◇◇◇◇◇◇
朝、カケルが起きると木こりの老人がちょうど家を出ていくところだった。
そして、カケルが起きたのを確認した木こりの老人は、
「お前、その格好で行くつもりか?」
「……え?」
「そんな格好で道を歩いていたら簡単に死んじまうだろうが。……そこの箱の中の荷物を好きに使え」
そう言って、そのまま出ていってしまった。
少し早口なのと、乱暴に扉を閉めていったのは木こりの老人なりの照れであろうと勝手に解釈をして起き上がったカケルは、用意されていた朝食を食べる。
そして朝食後に、先程話にあった箱の中身を見るのであった。
【箱の中身】
・やくそう:2個
・せいすい:1個
・銅のつるぎ
・皮のよろい 上
・あつでのズボン
・皮のくつ
・50G
・小さな袋
箱の中には思っていたものよりも良い装備と道具があり、カケルは木こりの老人の優しさに感謝をしつつ、装備をする。
カケルの格好は冒険者に憧れた少年にしか見えなかったが、本人としてはドラクエの世界でよく知る武器防具を装備できた感動の方が大きかった。
少しの間だけ余韻に浸ったカケルは、準備をし終えると仕事に出てしまったであろう木こりの老人に心の中でお礼を言って、小屋を出ていくのであった。
小屋を出たカケルは、まずせいすいを振りまく。
これで弱いモンスターなら寄って来なくなったのもあり、ブランカへの道のりは問題ないだろうと少し安心して森から出る。
そして木こりに言われたとおりの方角に30分ほど歩くと、建物が見えてくるのであった。
(おおお! あれがブランカかな?)
ブランカへの道中、せいすいの効果もあったのかモンスターに遭うことはなかった。
どうのつるぎは持っているが、剣の使い方すら知らないカケルにとって、モンスターとの闘いは更に未知の領域である。
安全に経験を積むまではモンスターと遭遇することはなるべく避けたかったため、木こりの老人とせいすいに感謝していた。
(よし! ブランカに着いた! これから頑張るぞ!!)
新たな旅の始まりに、カケルは気持ちを高揚させつつ、彼にとっての始まりの国ブランカへと足を踏み入れるのであった。
間話です。この話は今後ある程度関わってきます。
基本アキラがメインなのですが、続きを見たいって人がいたら間話で話を書いてもいいかもですね。
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