ドラゴンクエストΩ 〜アルテマこそ至高だ!〜   作:ねここねこねこ

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本話から第二章に入ります。
ぜひこれからもよろしくお願いいたします。

※本話で変更点が1つございました。
ルカニに相当する魔法が無いと勘違いしていたのですが、デプロテという魔法があったため採用しました。
それにより、『ものまね』でドラクエの呪文でFFの魔法に相当しないものがあった場合に覚えられるかどうかという内容については、要検証という文章に変更しました。
大変申し訳ございませんでした。
設定集は作成・更新していますので、ご希望があれば公開しようと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。



第二章 王族との関わり
第十八話※


 セーニャを救出してから3週間ほどが経過していた。

 アキラはベロニカとセーニャから呪文を教えてもらうという名目で、『ものまね』を繰り返していた。

 そこで新しい魔法を覚えつつも、いくつか分かったことや、まだ疑問に思っていることなどが出てきていた。

 

 まず、『ものまね』をしたときは全ての呪文に対して『ものまね』の発動が可能であった。

 これは今のところ例外が無かったため、ほぼ間違いないという結論に至っていた。

 

 疑問点としては、全ての呪文を覚えることが可能なのかということである。

 ドラクエとFFはお互いに相当する呪文と魔法は数多い。しかし、()()()()()()()()場合は覚えられるのかというのは今後も検証していこうということでアキラの中で落ち着いていた。

 

 そして、『ものまね』は()()()()()()()という事実を知った際には、アキラだけでなくその様子を見ていたベロニカ達も驚いていた。

 同じ行動を真似ることが出来るため、呪文を使えるメンバーがいれば誰かが別の行動をするまで、半永久的に使用できるということだ。

 ちなみにアキラは、『ものまね』の本来の仕様について驚いていたが、ベロニカ達は『ヒャド』を無詠唱で連続して唱えていたということに対しての驚きであったことにアキラは気付いていなかった。

 

 そのアキラの有能さに気付いたベロニカ達が、彼をパーティーメンバーとして誘うのは自然の流れだった。

 ベロニカとセーニャの2人に対して嫌な気持ちが一切無く、むしろ好印象を持っていたアキラはとりあえず一時的なものとしてパーティーを組むことを了承。

 そこから別の場所の初級者迷宮を攻略するためにアリアハンを出発したのは、全員が出会ってから5日目のことだった。

 

 その後の彼らはアリアハン以外に3つの初級者迷宮を攻略し、現在はグランエスタード国にある初級者迷宮の最下層に来ていた。

 グランエスタードにある初級者迷宮は他の場所に比べ難易度が高く、中級者迷宮の下位と遜色ないレベルの迷宮であった。

 その理由は、ボスのゴーレムにあった。ゴーレムはその攻撃力と防御力の高さゆえに、何の準備もなしに正面から戦闘を行うと、まず初級者レベルの冒険者では勝つことが出来ない。

 そのため、アキラ達も事前に入念な準備を重ねていたのであった。

 

「ようやく5つめの初級者迷宮の攻略直前まで来たわね」

「そうですわね。それにしても……」

 

 ベロニカとセーニャは、アキラをジッと見つめてため息をつく。

 

「え、な、なに?」

「あんたがアリアハンの初級者迷宮でどうやって()()()()()()()()のか、ようやく分かったわ」

「ええ。こんな無茶な探索の仕方をしていたなんて……」

 

 通常の迷宮攻略は、4人〜5人ほどのパーティーを組んで2〜3日で1階層クリアを目指すのが常識であった。

 しかし、アキラは早いときには1日で2階層分の突破をしていたため、それがどれだけ異常なことをしているかは比べればすぐに分かるであろう。

 それも彼のドラクエに対する知識の豊富さから来ている。

 

 もちろんあくまで知識でしかないため、間違った対処をしてしまうことや、その固定観念のせいで思わぬ失敗をしてしまうこともあったが、ほとんど知識とズレは無かったために他の冒険者よりも効率よく進むことが出来ていた。

 初めは戸惑っていたベロニカ達も、アキラの指示に従うことで攻略ペースが早いにも関わらず、今まで以上に無理なく進めていたため文句も出なかった。

 

「とりあえずこの先のボスが問題だね」

「えっと、ゴーレムだったかしら?」

「そう。動き自体は遅いんだけど、攻撃の速度だけは速いから注意が必要なんだ」

「アキラさんの情報だと、たしか……デバフ系の呪文や風属性の呪文に弱いんでしたよね?」

「だね。だから僕とセーニャの攻撃がより効きやすいとは思う。作戦としては──」

 

 アキラが考えた作戦とは、シンプルに遠距離からの攻撃である。

 戦闘開始直後にベロニカとアキラで『ボミオ』と『スロウ』を唱えてスピードを下げつつ、その間にセーニャが『ピオラ』を唱えてパーティーメンバーのスピードを上げる。

 その後、ベロニカはゴーレムの足元に呪文を唱えて牽制をし続け、セーニャとアキラが動き回りながら『バギ』と『エアロ』で集中攻撃をするというものだった。

 

 初めは2人から「動きながら呪文を唱えるなんてことは出来ない」と言われたが、()()()()()()アキラが試しにやってみたところ、コツを掴めば1週間程度の訓練で出来るようになっていた。

 ベロニカ達はその光景を見て驚いていたが、アキラのコツを聞いてから同じように練習したら3日間で出来てしまい、その才能の高さで逆にアキラを落ち込ませてしまったというのは余談である。

 

「じゃあ……行こうか!」

「ええ!」

「はい!」

 

 アキラ達は気合を入れて、ゴーレムの待つボス部屋へと突入していくのであった。

 

 

 

 

 

 ボス部屋は400m四方に囲まれた広い部屋だった。

 その中心には、オレンジ色のレンガで作られた体を持つ巨人(ゴーレム)が鎮座していた。

 アキラ達が部屋に入った途端、目の部分が白く光り、ゆっくりと動き出す。

 

『UGAAAAAAAAAA!!!』

 

 声にならない叫びが聞こえ、全員が身震いして(すく)み上がりそうになるが、アキラの声で全員が動き出す。

 

「みんな! 作戦通り行くよ! ……『スロウ』」

「え、ええ! ……『ボミオ』!!」

「はい! ……『ピオラ』!」

 

 ゴーレムはアキラ達の呪文により、元々遅かった動きが更に鈍くなる。

 そして、スピードが上がったアキラ達が散開し、3人による遠距離攻撃が始まった。

 

「……『エアロ』」

「……『バギ』!!」

 

『GHAUUUUUU!!』

 

 アキラのアドバイス(原作知識)の通り、風属性の呪文が効果的なのか、『メラ』や『ヒャド』では(ひる)むことすらなかったゴーレムは『バギ』や『エアロ』により足を止めるどころか、徐々に身体が削られていく。

 身体が削られていった効果もあり、更に動きが鈍くなり、スピードが上がった3人に追いつくことは出来なくなっていた。

 

『GU…………GA……』

 

 そして、アキラ達に文字通り()()()()()()()()()()、ゴーレムは倒れてそのまま消えていった。

 

「「「やったぁぁぁぁ!!!」」」

 

 ゴーレムが消えたのを確認した3人は喜びあった。

 アキラ自身もまさかここまで上手くいくとは思っていなかったため、心の中で安堵していた。

 

(よ、良かった……。でももし初めの雄叫びで全員が動けなくなっていたら、全滅もありえたね)

 

 アキラのパーティーは防御の低い魔法使い系が中心となっているメンバー構成のため、ゴーレムの一撃で戦闘不能になる可能性もあった。

 そのため、接近戦に持ち込まれることだけは絶対に避けなければならなかったのだ。

 彼なりに慎重に作戦を考えたつもりであったが、その作戦にも穴があったことを密かに反省するアキラだった。

 

「よし、じゃあ帰ろうか」

「そうね! 帰ったらお祝いよ!」

「ええ! 楽しみですわ!」

 

 アキラ達は部屋の中心に浮かび上がった魔法陣を踏んで、グランエスタードのルイーダの酒場へと戻るのであった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「ただいま戻りました」

「アキラさん、お帰りなさい! ……も、もしかして?」

「ええ、初級者迷宮を攻略してきました」

「…………やっぱりですか。アリアハンのカナブン支部長や他の町の支部長からも情報を聞いていたとはいえ、尋常じゃないくらいの早さですね……」

「あ、あはは」

 

 グランエスタード支部長であるルドウィグは、世界にある初級者迷宮の中でも最も難関とされる場所を4日間で攻略されたことに引き気味に答えていた。

 その空気を感じ取ったアキラも苦笑いで返しつつ、その場はなんとも言えない雰囲気になっていた。

 ルドウィグはその雰囲気を誤魔化すように咳払いをすると、支部長としての顔に戻り、アキラ達へ今後のことを話し始める。

 

「で、ではアキラさん達は初級者迷宮を5つ攻略しましたので、冒険者ランクDへのランクアップとなります。

手続き中にDランクについての説明をしますので、冒険者証を出してください」

 

 3人は冒険者証をルドウィグに渡すと、手続きをするために職員へと預ける。

 そしてDランクで出来るようになったことについて話し始める。

 

「それではDランクになったことで、アキラさん達は銀行へお金を預けることが出来るようになります。

他にも中級者迷宮への探索許可と指名依頼が来るようになります」

 

 Dランクではルイーダの酒場が運営する銀行へお金を預けるようになる。

 お金は世界各地にあるルイーダの酒場で下ろすことができ、両替も手数料なしで利用することが出来る。

 これは、Dランクから入ることが出来る()()()()()()()()()が影響していた。

 

 Dランクになると中級者迷宮に入ることが出来る。そこは初級者迷宮とはレベルが違う難易度になり、気軽に攻略出来るようなものではない。

 その代わり、迷宮内でたまに宝箱を発見出来ることや、ボスを倒すと必ず宝箱が出現するため、見返りは大きかった。

 宝箱の中身によっては高額で売ることも出来るため、その際には全て持ち運ぶよりも銀行のシステムを使う方が楽なのだ。

 

 指名依頼に関しては、Dランクでは名前が売れていればたまに来ることもある。

 それは護衛依頼であったり、中級者迷宮からのドロップ品の収集依頼であったりと様々である。

 もちろん指名依頼ということもあり、相手は貴族や大手の商会、ルイーダの酒場自体などからも来るので報酬は通常よりもかなり多いため、同じく銀行の活用が必須となってくるのであった。

 

「こんなところですね。あと、なるべくなら中級者迷宮は、()()()()()()()()()で攻略しないでもらえると助かるのですが……」

「わ、分かりました。本当に気を付けていこうと思います」

 

 アキラの言葉を聞いたルドウィグは、ホッとしたような顔をしていた。

 実はアリアハン支部のカナブンから無茶をさせないように言われていたため、やんわりと指摘をしたのだ。

 

「そういえば、アキラさんは今後どうされる予定なのですか?」

「う〜ん。とりあえずDランクに上がるのを目標にしていたので、少し休んだら中級者迷宮を見てみようかなとは思っています」

「そうですか……グランエスタード(うち)の中級者迷宮はそれなりに難易度が高いので、行くのであれば他の街をオススメしますよ」

 

 ルドウィグにそう言われたアキラは、比較的難易度が低い中級者迷宮がある街を聞いたあと、Dランク昇格祝いを行うために併設してある酒場に向かうのであった。

 

 

 

「それでは……Dランク昇格を祝って──」

「「「かんぱーい!!!」」」

 

 3人は各々の木のコップを当てて、乾杯をする。

 この世界ではお酒を飲む年齢は15歳以上と決まっており、その年齢を超えているアキラ達は()()()()()()を飲んでいた。

 初めは生ぬるいエールしかないのかと思っていたアキラだったが、色んな部分で彼の思っている以上の()()()()があり、冷えたビールだけでなくハイボールやその他のお酒も安価に飲めるようになっていた。

 

(この世界でも()()()()()()()()って名称なんだよな……まぁ細かいことは気にしたら負けか)

 

「アキラー! ちゃんと飲んでるー?」

「はいはい、飲んでるよ。……てかベロニカはお酒飲んで本当に大丈夫なの?」

「毎回うるさいわねー! 私はあなたと同じ16歳なんだから、飲んで何が悪いのよ!」

 

 アキラが2人とパーティーを組んで分かったことがあった。

 ベロニカは酒癖が悪く、飲みだすと絡んでくるようになる。そして一定以上飲むと、プツンと糸が切れたかのように寝てしまう。

 セーニャは終始ニコニコとお酒を飲み、どれだけ飲んでも潰れるのを見たことがなかった。

 

「どうせあんただって、私よりもセーニャが良いって思ってるんでしょー?」

「はいはい、そうですね」

「なによー! 私だって元の身体に戻れば、スタイル良いんだからー!!」

「はいはい、そうですね」

 

(同じ双子でこんなに違うとは……)

 

 ブツブツ言いながら絡んでくるベロニカを軽くあしらい、アキラ自身もお酒を飲み進める。

 そしてベロニカが潰れたあと、セーニャと飲みながらゆっくりと話すのが恒例であった。

 

「……ようやく寝たか」

「お姉様も嬉しかったんですよ」

「ん? ベロニカってお酒飲むといつもこうでしょ?」

「いいえ。実は今まではお酒を飲んでも、私以外の誰かにここまで絡むことはなかったですわ。多分、アキラさんを本当に信頼しているんでしょう。

それか…………ふふふ。なんでもありません」

 

 何かを言おうとしたセーニャだったが、途中で止める。彼女はベロニカを見て笑っているだけで一切答えることは無かったため、アキラも気にはなったが聞くのを諦める。

 その日は結局深夜にお開きとなり、お互いの部屋に戻って休むことになった。

 アキラも自室に戻って、ベッドの上に倒れ込む。

 

(んー、久々にこんなに飲んだなぁ。やっぱりベロニカ達とDランクに昇格出来たのは本当に嬉しかったんだな)

 

 お酒で酔ったときのふわふわとした感覚を心地良く感じつつ、ゆっくりと目を瞑る。

 そのまま夢の世界に旅立ったアキラだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、まさか次の日にベロニカ達と別れることになってしまうとは、露程(つゆほど)も思っていなかったのであった。

 

 

【ステータス】

・名前:アキラ

・称号:

・冒険者ランク:D

・ジョブ:ものまね士

・レベル:9

・所持金:1,613G

・各種能力:

HP:52

MP:30

ちから:19

みのまもり:10

すばやさ:32

きようさ:19

こうげきまりょく:28

かいふくまりょく:28

みりょく:29

うん:28

 

【スキル】

・ものまね士スキル:3 【熟練度:58】

・剣スキル:3 【熟練度:48】 (剣装備時攻撃力+5、剣装備時会心率上昇)

・武術スキル:2 【熟練度:69】 (身体能力UP)

・特殊技能:

白魔法(ケアル、ポイゾナ、ライブラ、プロテス、シェル)

黒魔法(ファイア、ブリザド、エアロ)

時魔法(ヘイスト、スロウ、デプロテ)

 

・ユニークアビリティ:ものまね

 

【装備品】

頭:騎士団の帽子

身体 上:騎士団の服 上

身体 下:騎士団の服 下

手:騎士団の手ぶくろ

足:騎士団のブーツ

武器:てつのつるぎ

盾:かわのたて

装飾品①:収納の指輪

 

【所持アイテム】

やくそう:10個、どくけしそう:10個、キメラのつばさ:10個、おもいでのすず:3個

 

【予備の装備品】

アルテマウェポン[劣化]、どうのつるぎ、かわのよろい上下、ぬののふく、かわのブーツ

 




ドラクエを"呪文"、FFを"魔法"と区別した言い方をしています。
混ざらないように気を付けます!

あと、パーティーを組んでからセーニャにもベロニカと同じように話すようになりました。

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◆パーティー解散時点でのステータス

【ベロニカ ステータス】
・名前:ベロニカ
・称号:ラムダの里の巫女
・冒険者ランク:D
・職業:魔法使い
・レベル:9
・各種能力:
HP:43
MP:45+20
ちから:14
みのまもり:7
すばやさ:29
きようさ:27
こうげきまりょく:45+15
かいふくまりょく:0
みりょく:26
うん:21

【スキル】
・魔法使いスキル:3 【熟練度:16】
(ギラ、ヒャド、ルカニ)
・杖スキル:3 【熟練度:40】
(杖装備時こうげき魔力+5、戦闘勝利時MP小回復、杖装備時最大MP+20)
・魔導書スキル:2 【熟練度:11】
(魔結界、常時こうげき魔力+10)
・巫女スキル:2 【熟練度:31】
(メラ、マジックバリア、ボミエ)



【セーニャ ステータス】
・名前:セーニャ
・称号:ラムダの里の巫女
・冒険者ランク:D
・職業:僧侶
・レベル:9
・各種能力:
HP:48
MP:43+20
ちから:19
みのまもり:9
すばやさ:20
きようさ:24
こうげきまりょく:0
かいふくまりょく:37+15
みりょく:27
うん:23

【スキル】
・僧侶スキル:3 【熟練度:21】
(ピオラ、バギ、スカラ)
・杖スキル:3 【熟練度:23】
(杖装備時かいふく魔力+5、デビルンチャーム、杖装備時最大MP+20)
・たてごとスキル:2 【熟練度:19】
(炎の旋律、常時かいふく魔力+10)
・巫女スキル:2 【熟練度:36】
(ホイミ、マヌーサ、キアリー)
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