ドラゴンクエストΩ 〜アルテマこそ至高だ!〜 作:ねここねこねこ
更新頻度をなるべく上げられるようにしていきます。
〜前回までのあらすじ〜
パプニカ王国の依頼で王族の洗礼を受けていたレオナ、キーファ達一行。
しかしそこではレオナ王女暗殺をきっかけとしたクーデターが巻き起ころうとしていた。
地下迷宮から逃げ延びたレオナだったが、デス・アミーゴによって地底魔城へと連れ去られてしまう。
アキラ達はレオナを助けるために地底魔城へと潜入、見事救出に成功したのだった。
しかし、倒したはずのデス・アミーゴはある魔族によってより醜悪な姿へと変わり、パプニカ王都を落とすために消えていってしまった。
救出されたレオナ一行はパプニカ王都を救うために『ルーラ』で戻るのだが……。
「まだか!? まだテムジン様からの合図はないのか!?」
レオドールは焦っていた。なぜならとっくにあってもよい、パプニカ王都を攻め込むための合図が無かったからだ。
彼を守護する兵士達が宥ようと声を掛けるが、それが更にレオドールの神経を逆撫でる。
「レオドール様、落ち着いてください」
「これが落ち着いていられるか! 我々はいつまで待てばよいのだ!」
このまま勢いに任せて進軍してしまえばよいのではないかとレオドールが考えたとき、後ろから悲鳴が聞こえてくる。
「な、何事だ!? 何があった!?」
「い、いえ、我々にもなにがなんだか……」
「ええい、様子を見てくるのだ! さっさとしろ──」
レオドールの怒りの声が
「パプニカ……オトス……パプニカ……」
そこにはアキラ達と戦い、負けた後、謎の声によって無理やり変化させられたデス・アミーゴが立っていた。
目はうつろに、そして身体からは黒い煙のようなものが出ていた。
「な、なんだこの化け物は!? モンスターなのか!?」
「ひ、ひいいぃぃぃぃ〜! お助けを〜!!」
「待て、貴様! 逃げずに戦え!」
レオドールは逃げ出す兵士を捕まえようとするが、追い付くことは出来ずに転んでしまう。
その後ろにはデス・アミーゴが迫っているのだった。
◇
「お父様!」
「レ、レオナ! 無事だったのか!?」
パプニカ城へルーラで戻り、作戦会議室への扉を乱暴に開けて入ってきたレオナに嬉しそうな顔もしつつ、おてんば娘な部分に悲しそうな表情を浮かべるパプニカ国王。
心配そうな声を出すパプニカ国王の声を無視して、レオナは自分の言いたいことを叫ぶ。
「今からモンスターの大群が攻めてくるわ! 早く迎撃の準備をしないと!」
「な、なんだと!? し、しかし今はクーデターの対応で手一杯になってしまっているのに……!」
頭を抱えるパプニカ国王。そこに兵士が報告にやってくる。
「報告! お、王都が──」
「どうしたというのだ!」
「王都が、黒い煙を纏った兵士達によって囲まれてしまいました! その中にはゾンビ系のモンスターも多数混じっていると報告ありです!」
「ま、まさか……」
兵士の言葉に全員が絶句する。クーデターによって使われるはずだった約二万の兵士。
実はデス・アミーゴの発する黒い煙のせいでモンスターと化してしまったということに、この場にいるほぼ全員がまだ気付いていなかった。
「クーデターの兵士達が、モンスターと手を組んでいた……というのか」
絶望の声を出すパプニカ国王。まさかそのようなことがあり得るのかと、あっていいのかと側近の者たちも床に膝をついてしまっていた。
どうすればよいのか。兵士達は二万以上。こちらはそこまでの戦力を用意できたわけではなかったのだ。
そんな中、アキラは冷静に物事を分析していた。
(恐らく、黒い煙を出している兵士というのはデス・アミーゴによって変えられてしまったんだな。あの
地底魔城に現れた
あそこまで分かりやすい笑い声など、他には一切いないからであろう。
(でもどうする? 二万……いくらパプニカの兵士達でも体力も魔法力も保たないだろうし……)
アキラの中では
しかしそれをしてしまうことで、自分にとっては確実に不利益なことになってしまうであろうことが予想ついていた。
(それでも、やるしかない……よな……)
「あ、あの──」
「少しよろしいですかな?」
アキラが提案するために声を掛けようとしたそのとき、後ろからの声が彼の言葉を遮った。
「ラインハット王国大臣殿……い、いかがなされたのかな?」
「つかぬことをお伺いしますが、今パプニカ王都ですぐに出せる兵士はどれくらいですかな?」
「……およそ七千。無理しても追加で一千というところでしょう」
ラインハット大臣の言葉に対し、パプニカ国王は絶望的な数字を伝える。
いくら王都が強固な守りをしていても、七千で二万以上の兵士とモンスターを相手に勝てる可能性は低い。
しかし、それを聞いたラインハット大臣は笑みを浮かべた。
「ふむ。それならなんとかなりそうですな。今、我が国の
ラインハット大臣の言葉を聞いたパプニカ国王を初めとした全員の目から、希望の光が灯っていく。
「そ、それは本当なのか……!」
「ええ、ちょうど我が国も
絶望しか感じ取れなかった現状。しかし、全員が大臣の言葉に対し、歓声を上げて喜ぶのであった。
◇
パプニカ王都を囲むようにしてその場に留まっている黒い煙を纏った兵士とモンスター達。
囲んでいるのだが動くことはなく、不自然なほど直立不動の状態を保っていた。
「パプニカ……オトス……パプニカ……ホロボス」
ただ、デス・アミーゴの声に揃ってボソボソと同じ言葉を話す光景は数が二万も揃っていると王都まで届く音量となっており、それは王都に住む民の不安を煽る結果となっていたのだった。
そして遂に、モンスター達が動き出す。デス・アミーゴが右腕を掲げて、前に振り下ろすと兵士達が少しずつ動き始める。
その歩みはゆっくりではあるが、確実にパプニカ王都へと迫っているのだった。
◇
「パプニカ魔法兵団、構え!!」
モンスター達に囲まれた王都城壁の内外で七千のパプニカ兵達が守っていた。
正確には魔法兵が五百、騎兵が千五百、弓兵が千、そして歩兵が四千の内訳となっていた。
他にも王都内で国民の避難や治安維持に携わっている兵士達が千人いるのだが、こちらはすぐに戦力として出すことは難しかった。
(ラインハットとグランバニアの救援が来るまで数日。これを持ちこたえることさえできれば、
アポロは魔法兵団に「放て!」と指示を出す。
詠唱を終えた兵士達は次々に呪文を唱えていく。
「──『メラミ』!」
「──『ヒャダルコ』!」
「──『イオラ』!」
「──『ベギラマ』!」
「──『バギマ』!」
各隊の得意な属性魔法を唱えていく。ゆっくりと歩みを続ける兵士達は呪文によって燃え尽き、凍り、吹き飛び、焼け焦げ、切り刻まれていく。
パプニカ魔法兵団は優秀な兵士が揃っているため、必ず最低でも一つの属性で中級呪文を覚えていた。
「や、やったか……?」
誰かがぼそっと口にする。呪文によって巻き上げられた土煙によって前が見えなくなっていたため、どうなっているかが分かっていなかった。
しかし。
「そ、そんな……」
「嘘……だろ……?」
土煙が晴れたとき、そこには先程の呪文でやられた者達を踏み潰しながら進んでいく兵士やモンスターの姿があった。
アポロはひるまずに声を荒らげる。
「ええい、次だ! 魔法兵団、次の詠唱を始めよ!」
すぐに詠唱を始める魔法兵達。それに合わせて、騎兵、弓兵、歩兵の将軍達が合わせるように攻撃の準備を始める。
「次の呪文が放たれたら、騎兵団は突撃するぞ!」
「歩兵団は騎兵団に続け!」
「弓兵団は討ち漏らした者を優先的に始末しろ! そして他の兵達の援護に回るのだ!」
兵士達は、突撃する瞬間を今かと待ち望んでいた。
「放てっ!!」
その声に魔法兵達が先程と同じく呪文を唱えていく。
呪文が放たれていくのを見届けた各隊の将軍が大声で叫ぶ。
「今だ! 全軍突撃だーーーっ!!」
「うおおおぉぉぉぉぉおおお!!」
ここに歴史に残る大戦──《パプニカ王都防衛戦》が火蓋を切ったのであった。
なるべく週一くらいのペースで書くことが出来れば良いのですが……。
まだ新規業務が落ち着かずの状態です。できるだけ頑張ります。
新作を投稿しました。良かったらぜひご覧くださいませ!
英雄伝説 青薔薇の軌跡
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