ドラゴンクエストΩ 〜アルテマこそ至高だ!〜 作:ねここねこねこ
次の日。ドラクエの世界に転移してから3日目の朝。
アキラは顔を洗って、朝食を食べたあと、部屋に戻って支度をする。
ぬののふくを着て、どうのつるぎを腰に差す。
「それにしても……やっぱり違和感あるな」
ぬののふくとは一般の町民や農民が来ていてもおかしくない簡素な服なのに、ショートソードよりすこし短いサイズとはいえ、どうのつるぎが腰に差してあるのはとても違和感があった。
それでも初期装備としての攻撃力は破格のため、お金が貯まるまでは我慢しようと思いながら宿の外に出る。
そしてルイーダの酒場に行くと、ちょうどカナブンがいたためドラキー攻略法について聞く。
「ドラキーですか? ああ、初めは苦戦しますよね」
そう言って、対策法を教えてくれる。
対策はシンプルで、攻撃して地面に叩き落とすことに注力したほうが良いと話す。
さらに向こうが攻撃をしてくるようであれば慣れないうちはすぐに走って逃げる。そして逃げるのを決して怖がったりしないことと話していた。
あまりにシンプルだが、たしかにドラキーは逃げたときに高確率で追ってこないため、一旦逃げた後に再度挑戦する方法もあるなとアキラは考えた。
「カナブンさん、ありがとうございます」
「いえいえ、今日は地下2階層ですか?」
「はい。ちょっと様子を見てみたいと思います。無理そうなら地下1階層でお金を貯めて装備を整えようかなと」
「ええ、それも大事ですね。決して無理だけはしないでください」
カナブンと別れ、アキラは旅の扉から初心者迷宮に向かう。
まだ迷宮2日目だったが、ワープの感覚に少し慣れたのか、昨日よりは体調の悪さ加減が少なくなっていた。
少し休み、迷宮を進んでいく。
アキラはスライムやスライムベスはもうそこまで苦戦することなく、倒すことが出来ている。
ドラクエ特有のレベルアップしたという感覚がないことに不思議さは覚えたが、現実はそこまで甘くないのだと気を引き締めて進む。
そして、早々に昨日のリベンジを果たす相手が出てきたのであった。
(出てきたか、ドラキー……次は負けないぞ!)
幸いにもドラキーはアキラの後ろを向いており、ふらふらと飛んでいた。
そこで不意打ちとばかりに、ドラキーにジャンプしながら斬りつける。
ドラキーは攻撃を受けて地面に落ちていく。
「これでとどめだ!」
アキラはすかさず追撃でドラキーに突き攻撃をする。
ドラキーはそのまま消えていった。
(よ、よし! リベンジを果たしたぞ! 不意打ちだったけど、カナブンさんの言う通りやったら意外と簡単だった)
息を乱しつつもドラキーから手に入れた3Gを仕舞う。
そこからは地下2階層をてこずることはなかった。
いたずらもぐらは、スコップを持った二足歩行のもぐらである。
スコップによる縦の振り下ろし攻撃か横のなぎ払い攻撃しかしてこなく、どちらの攻撃になるかの動作も分かりやすいので、簡単に避けられる。
そのため避けた後に攻撃を加えるスタイルで簡単に倒すことが出来た。
おおなめくじはその名の通り、なめくじのサイズが尋常ではないくらい大きくなったモンスターである。
全長がアキラの胸元くらいまでの大きさもいたため、少し引いてしまっていた。
しかし体当たり攻撃しかしてこないのと、攻撃までの動きが緩慢なため先制攻撃で簡単に倒すことが可能であった。
そしてモンスターを倒しつつ進んでいると、地下1階層よりも早く下の階への階段を見つけることが出来た。
アキラは下の階に早速降りていき、セーフティゾーンで遅めの昼食を取ることにした。
今日は卵とベーコンのサンドイッチで、思っていたよりも量が入っていたためアキラとしても満足した昼食となった。
(さて……地下3階層が一番下だったよな)
アキラは座りながら地下3階層の地図を確認する。
今いるところが地図の左下であり、ボス部屋は地図の真ん中と書いてある。
通常通り歩いていけば、1時間くらいで到着出来る距離ではある。
アキラはこのままボスに挑戦するか、様子だけを見て帰るかを悩んでいた。
初心者迷宮のボスであるおおきづちは、ドラクエをやっていたときからどんなモンスターかを分かっていたため、おそらく負けないと感じていた。
カナブンに聞いたときにも、原作と同じで力は強いが大振りをしてくるため当たらなければ問題なさそうなモンスターである。
(様子を見て、負けそうなら逃げるって感じにしようかな)
初心者迷宮のボス部屋は少し広めの部屋なだけなので、簡単に出入りができるとカナブンから説明を受けていた。
なのでもし負けそうになっても、最悪逃げれば良いという考えも持っていたので、アキラはボス部屋に行くことにした。
地下3階層のモンスターは地下2階層のモンスターに加え、ももんじゃが出てくる。
ももんじゃは白い体毛に覆われた身体にトサカが付いており、アヒルのような嘴と足に、サルのような尻尾を持つモンスターである。
カモノハシをまんまるに太らせて二足歩行にしたモンスターと言えばイメージはしやすいであろう。
ももんじゃの攻撃は、体当たり攻撃と爪でのひっかき攻撃が主な方法である。
アキラは体当たりを避けつつ、ひっかき攻撃はどうのつるぎで防ぐようにしてダメージを受けないようにしていた。
どうのつるぎで3回ほど攻撃すると倒せるため、油断さえしなければ問題なく倒せるモンスターだった。
ドラキーも倒し方さえ分かってしまえば、恐れることは何もなく、攻撃もよく見て躱すかそのままカウンター攻撃で倒すことも出来るようになっていた。
そして慎重に進み、1時間ちょっと経ったところで通路の奥にボス部屋への入り口が見えてきた。
(ここでとりあえず終点だな。一旦休憩して、おおきづちに備えるとしよう)
アキラは装備と道具を確認しつつ、座って休憩をする。
ボスはボス部屋からは出てこないため、警戒するべきは今まで歩いてきた道だけなので、比較的安心して休むことが出来ていた。
(やくそうは2個……最悪1個使ってヤバそうなら逃げようか)
自分自身での引き際を確認する。
ここを間違えると死に繋がる世界だということは嫌というほど分かっている。
だからこそ油断大敵で慎重に進む必要があった。
慎重に進むために一旦帰って装備を整える選択肢も頭によぎったが、どうせ攻撃は避けるしか手段がないため身軽な方が良いと判断した。
相手がおおきづちとはいえ、この世界来て初めてのボス戦である。
アキラは緊張する自分をなだめるように深呼吸をする。
そして覚悟が出来たので、立ち上がってボス部屋へと入っていく。
そこには自身の身体よりも大きなサイズの木槌を持ったモンスターが立っていたのであった。
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