Fate/Masked order(仮)   作:わたあめ

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お待たせしました、やっとカルデアであれが起こります。


プロローグ 2

chapter4 Ritsuka side

 

「フォ?フォウ」

「フォウさん?なにを…って人?どうしてこんな所に」

プニプニと柔らかい物が頬に押し付けられる。

(んぅ?なんだろ…ダメだ眠い)

「あと5分…」

と、お決まりの文句を呟く。

「フォウ!フォーウ!」

「フォ、フォウさん、ダメですよそんな風に寝てる人の顔に肉球を押し付けては…でも起きて貰うためには仕方ないのでしょうか…」

すると、次第にその強さと回数が増え、しまいには

「フォーーウ!!」

「あ!」

グサッと頬に爪が突き立てられた。

「いったーー!!何!?何なの!?」

あまりの痛みに飛び起き回りを見渡すと、そこには眼鏡を掛けた少女と小さな謎の生物がそこに居た。

 

通路で眠っていた所を謎の白い生物…フォウに爪を立てられ叩き起こさ…起こして貰って数分、フォウと共にいた少女…マシュと話をしていた。していたのだが。

「ダメ…すごい眠い…」

と、しきりに目を擦る。

「だ、大丈夫ですか?立夏さん」

「うぅ…今すぐにでも眠りたい…」

先程から眠気に襲われてしまっていた。

「うぅ…」

「ど、どうしましょう…一度医務室に連れていった方が良いんでしょうか…」

「フォウゥ…」

オロオロと、マシュが慌てている。(あぁ、この娘すごい優しい娘なんだなぁ)等と思っていると不意に後ろから声を掛けられる。

「あぁ、そこに居たのかマシュ。ダメだぞあまり断りもなく出歩くのは…と、先客がいたんだな。君は…そうか、君が立夏君だね」

そう、声がした方を見ると、深い緑色をしたタキシードを着て同じ色のシルクハットを被った男性がいた。

「私はレフ・ライノール、ここで働かせて貰ってる技師の一人だ」

「あの…どうして私の名前を…?」

「あぁ、君の事は色々と期待していてね。それで少し資料に目を通させて貰っていたのさ」

そう聞くとシルクハットに手を掛けながらこちらの名前を知っていた理由を語る。

「はぁ…」

(期待…?私そんな期待されるような才能あったかな…魔術に関しては結局基礎の基礎しか習ってないし。あ、もしかして、あのシミュレーションで戦ってたのってお父さんが言ってたサーヴァントって奴?)

と、今更ながらにあの戦闘シミュレーションで戦っていた3人の男女が何者だったのか推察する。

「あの…立夏さん大丈夫ですか?やはり体調が優れないのではないですか…?」

そんな風にマシュが声を掛けてくる考え込んで黙って居たのが体調が悪いととられてしまったのだろうか。

体調が悪いと言うよりは尋常じゃなく眠いと言うだけだが。

「おや、体調が優れないのかい?」

「実は、先程まで通路で眠っていらっしゃったんです。そこをフォウさんが起こして」

と、レフが尋ねてくる。これに対してこちらに無理させないようにしたのかマシュが答えてくれた。

「眠っていた…?ここでかい?」

レフが少し不思議なものを見るようにこちらを見てくる、がすぐにその雰囲気は消え合点がいった様になる。

「ああ、さては入館時に戦闘シミュレーションを受けたね?霊子ダイブは慣れてないと脳にくる。シミュレート後に表層意識が覚醒しないままゲートから解放されたんだろう」

「表層意識が覚醒しないままですか?」

「ああ、一種の夢遊状態だ。立夏君が倒れたところでマシュが来たといったところだろう。見た所異常は無いが万が一という事もあるし医務室に送ってあげたいんだが…」

と、少しバツが悪そうに言葉を切る。

「レフ教授?」

「すまないね、もう少し我慢してくれ。じき所長の説明会がはじまる。君も急いで出席しないと」

「説明会…?」

聞き返すとマシュが答えてくれた。

「はい、立夏さんと同じく、本日付で配属されたマスター適性者の方達へのご挨拶です」

「なるほど…」

「そういえば、レフ教授」

マシュは、レフに向き直ると自身も説明会に参加していいのか尋ねた。

「うん?構わないと思うよ」

「ありがとうございます。それでは立夏さん、管制室まで案内しますね」

そう、マシュが微笑みながらこちらにいう。

(あぁ、美少女ってのはこんな娘を言うんだなぁ…)

等と考えながらマシュの後に付いていった。

 

chapter5 Olgamally side

 

「時間通りとは行きませんでしたが、全員揃ったようですね」

管制室に集まった魔術師達の前に立ち口を開く。皆、説明されるこれから体験する未知の経験を前に胸を躍らせているのだろうか、それとも緊張を抱いているのだろうか。

そんな風に思いながら見渡す中一人のまだ少し少女の面影を残す女性を見つける。

(…彼女が、秋冬の)

彼女が、先程レフが言っていた最後の48人目のマスター…そして、彼の姉。

(なんか…うとうとしてない?)

あのBチームのエースである彼の姉とはどんな人物なのだろうと思ったのだが。

(彼の姉と言っても一般人は一般人か…)

彼女を一度意識の外にやり名乗りをあげる。

「特務機関カルデアにようこそ。所長のオルガマリー・アニムスフィアです」

と、名乗りを上げた時件の彼女が船を漕ぎ出した。

(な!?うとうとしてるとは思ったけど本当に眠った!?)

「あ、あなた達は各国から選抜、あるいは発見された稀有な…」

「むにゃ…へへ…お姉ちゃんもう食べらんないよ…」

「…………」

眠ってしまったのはもう知らないと黙っていたがこれはダメだ。完全に妨害された。

ふと、そんな寝言を言った彼女の弟である秋冬に視線を向けると、羞恥と焦りが混ざり顔を赤くして慌てていた。

(ビンタでもして叩き起こそうかと思ったけどやめとこうかしらね。これ以上何か起きたら彼がパンクしそうだし)

レフに視線を向ける。

この場違いさんをどうにかしろと視線で訴えると、通じたのかレフが女性職員に彼女を自室に連れてくよう言っていた。

(これで問題は解決ね…ふぅ、世話がやける…)

そして、その後の説明会はつづがなく進んでいった。

 

chapter6 Shuto side

 

「お、終わった……」

説明会が終わり、魔術師は皆レイシフトの準備をしていた。

問題は説明会、何故かこの場に居る筈がない姉が登場したと思いきや、更に居眠りし、更には寝言まで呟くと言う大物っぷりを発揮し、女性職員に連れられ管制室を出て行くという、悪夢の様な展開が広がったのだ…

(なんだったんだ…これが嫌な予感の正体?それとも今まで全部が夢?だったら早く覚めてくれ…)

「よう、秋冬!」

と、現実逃避をしようとすると、同じBチームのメンバーに声を掛けられた。

「さっきは凄かったな、まさか所長の前で居眠りかますとは…あの人肝が座ってるよなぁ」

「あ、あはは…そうだなー」

話題はやはりと言うか姉の事。こんな所で彼女の話題が上がると数十分前の自分に言っても信じてもらえないだろう。

「おい、そろそろ始まるぞ」

そうBチームのリーダーが声を掛けてきた。

「とうとう始まるのか…!いやぁ、腕がなるぜぇ!」

「熱くなるのはいいが、俺たちはAチームの補佐だ。それだけは憶えておけよ」

「へいへい分かってますよ」

先程話しかけてきたチームメイトが熱くなるととリーダーが窘める。だが、リーダー自身もどこか落ち着かない様子だった。

(そりゃそうだよな…これから過去に飛ぶんだがら)

これから行うのはレイシフト、過去への旅行。誰もが夢見た時間旅行。

(でも、俺達は旅行しに行くわけじゃない…俺達は人理を守るために過去に行くんだ)

そう自分に気合を入れ、コフィンと呼ばれる筐体に入る。

そして、レイシフトが始まる。

 

 

 

次の瞬間、視界は瞳を焼く紅蓮のような赤色に染まった。

 

 

 

 

chapter7 Rithuka side

 

職員さんに案内され自室だと言う部屋に辿り着く。職員さんは部屋に辿り着くとまだ仕事があるからと早々に立ち去っていった。

(うぅ…まさか、居眠りしてしまうとは…高校でも居眠りしたことな…くもないけどそんなにしなかったのになぁ)

「フォウ!」

そんな風に考えていると足元から鳴き声が聞こえてきた。

「ん?あれ、フォウ君…マシュちゃんと一緒に居たんじゃないの?」

「フォウ!フォウキュゥ!」

「もしかして、心配して付いてきてくれたの?ありがとう」

「フォウ!」

そう、可愛い彼?にお礼を言いながら抱き上げドアに近づくと自動で開く。すると

「ん?」

「へ?」

「フォ?」

誰も居るはずのない部屋に自分より幾分か明るいオレンジ色の髪の毛の男がケーキを食べているではないか。

「だ、誰だ君は!?ここはボクのさぼり…じゃなかった!空き部屋だぞ!誰の断りがあって入ってくるんだい!?」

と、早口でまくし立ててくる。

「え、えっと、ここが自室だって案内されたんですけど…」

「え?自室?ここが?…あー…そっか、ついに最後の子が来ちゃったか」

と、ケーキの乗った皿をテーブルに置くと立ち上がりこちらに向く。

「いやぁ、はじめまして立夏ちゃん。予期せぬ出会いだったけど改めて自己紹介をしよう。ボクは医療部門のトップ、ロマ二・アーキマン。なぜかみんなからDr.ロマンと略されていてね。理由は分からないんだけど、まぁ言いやすいから君も遠慮なく呼んでくれ」

「あ、えと、藤丸立夏です。って、あれ?私の名前…」

先程、自分が名乗る前に名前を言われたことを思い出す。

「あぁ、一応医療部門のトップだからね、全員の資料には目を通してあるのさ。だから、君の名前も知ってるってわけだ」

「なるほど」

「フォウゥ…」

「って、君が抱えているのは噂の怪生物かい?うわあ!初めて見た!マシュから話は聞いていたけど本当にいたんだねぇ……どれ、ちょっと手懐けてみるか」

そう言うと、こちらに近づいてきて手を出す。

「はい、お手。うまくできたらお菓子をあげるぞ」

「……フゥ」

が、出した手にフォウは見向きもせずに溜息のようにも聞こえる鳴き声を漏らす。

「あ、あれ?いますごく哀れなものを見るような目で無視されたような…いや、気のせいだよね?」

「さ、さぁ…?」

こちらに助けを求める様に目を向けるDr.ロマンから目を逸らすしか出来なかった。

 

 

 

 

「……とまぁ、以上がこのカルデアの構造だ。標高6000メートルに作られた地下工房で…」

あの後、Dr.からカルデアの構造に関する事やこれからあの説明会の場に居た自分以外の人達が何をするのか、なぜDr.がこの場に居るのかなど話を聞いていた。

そんな時の部屋に声が響く。

「ロマ二、あと少しでレイシフト開始だ。万が一に備えてこちらに来てくれないか?」

聞こえてきたのは先程出会ったレフの声だった。

「Aチームの状態は万全だが、Bチーム以下、慣れてないものに変調が見られる。これは不安からくるものだろうな。コックピット同然のコフィンで落ち着かないんだろう」

「やぁ、レフ。それは気の毒だちょっと麻酔をかけに行こうか」

そう言うと、レフがDr.が絶望するであろう一言を放つ。

「ああ、急いでくれ。いま医務室だろ?そこからなら2分でこちらに来れる筈だ」

今この場は、医務室ではなく私の自室。

「サボってるから…」

「ど、どうしよう、ここからじゃ5分は掛かるぞ……ま、まぁ、Aチームは平気みたいだし少し遅刻しても大丈夫さ!…多分」

「多分て…」

「う…そ、そうだ!今話してたのはレフ・ライノールと言って「知ってます、さっき会いましたから」あ、そう…」

「ていうか、急がなくて良いんですか?5分はかかるんでしょ?」

と、急ぐ様にDr.を急かす。このまま話し込んでいたら彼の為にならないだろう。

「そ、そうだね……と、そうだ」

急いで準備をしていると何か思い出したよにこちらに向く。

「お喋りに付き合ってくれてありがとう、立夏ちゃん。落ち着いたら医務室に訪ねに来てくれ、今度は美味しいケーキぐらいはご馳走するよ」

そう彼が言ったその時、急に部屋が暗くなった。

「なんだ、明かりが消えるなんて、何かー」

彼の疑問の声が聞こえる。

その声は途中で機械の声に掻き消された。

 

『緊急事態発生。緊急事態発生。

中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました。中央区画の隔壁は90秒後に閉鎖されます。職員は速やかに第2ゲートから退避してください。

繰り返します。

中央発電所、及び中央管制室でー』

 

そして、機械音声に混じって聞こえてくる爆発音。

「フォ!?」

「な、なんなの!?」

「今の、爆発音か!?一体何が起こっている!?モニター、管制室を映してくれ!」

彼の声に応えたモニターが画面を移すそこには目を疑う様な光景が映し出されていた。

「これは…」

「酷い…」

(一面真っ赤…あれ全部炎なの?……待って、管制室?それじゃあマシュちゃんもあそこに!?)

「立夏ちゃん、今すぐ避難するんだ。ボクは管制室に行く」

「え、でも」

「もうじきに隔壁が閉鎖する、その前に君だけでも避難するんだ、良いね?」

そう言うと、Dr.は部屋を出て行った。

「………」

腕に抱えられたままのフォウがこちらを見上げている。まるで、お前はどうするんだ?と問いかける様に。

「……すぅー、はぁー」

深呼吸をする。そうして自分を落ち着かせる。

「わかってる、マシュちゃんを助けに行こう!」

「フォウ!」

そうしてDr.に続いて自分も駆け出した。

 

 

 

途中でDr.に合流しあーだこーだ言われたが丸め込み一緒に管制室を目指す。

辿り着いたそこは、まさに現世に現れた地獄の様だ。

「……………生存者はいない。無事なのはカルデアスだけだ」

「そんな…!」

Dr.が告げる事実に耳を疑う。説明会の時に少し見えた他の人達…あの人達が全員、死んだ?

「ここが爆発の起点だろう。これは事故じゃない、人為的な破壊工作だ」

人為的、つまりこの惨状は人の手によって作り出されたのだ。この地獄の様な惨状が。

 

『動力部の停止を確認。発電量が不足しています。予備電源への切り替えに異常があります。職員は手動で切り替えてください。

隔壁閉鎖まであと40秒。中央区画に残ってる職員は速やかにー』

 

「ボクは地下の発電所に行く。カルデアの火を止めるわけにはいかない。キミは急いで来た道を戻るんだ、今ならまだ間に合う」

そうDr.が言う。その顔に怯えを含みながらも自分に出来ることを必死になそうとしていた。

「良いかい?絶対に寄り道するんじゃないぞ!外に出て外部からの救助を待つんだ!」

そう言いながら、Dr.は駆け出した。

「…………」

残された自分は何をするべきなのだろうか。Dr.に言われた通りここから逃げ出して救助を呼ぶ?それともここに残って生きてる人を探す?

そんな事を考えているとまた機械音声が響き渡る。

 

『システム レイシフト最終段階に移行します。

座標 西暦2004年 1月 30日 日本 冬木。

ラプラスによる転移保護 成立

特異点への因子追加枠 確保

アンサモンプログラム セット

マスターは最終調整に入ってください』

 

(どうしよう、私…どうするのが正解なの?)

 

その時、視界の隅で何かが動いた。

「…!」

「……………あ」

それは、自分が助けようとここまでくる理由になった少女、マシュであった。

「マシュちゃん!今、助けるから!」

彼女のもとに駆け寄る、彼女の上には大きな瓦礫が乗っかっている。

(ど、どうしよう。こんな大きな瓦礫どうすれば…)

「…いい、です…助かりません、から…。それより早く逃げてください」

「そ、そんな!マシュちゃんを置いてなんて行けないよ!」

「ですが…」

「なんとかするから!待ってて!」

そう、彼女をか自分をか鼓舞する様に声を掛ける。その時

「え…!?」

「………あ」

カルデアスと呼ばれた大きな地球儀の様なものがこの場に広がる惨状に呼応する様に炎の様な赤に染まった。

そうして何かを警告するアナウンス。行ってることは何も分からない、けどとても悪いことが起きていると感じる。

「カルデアスが真っ赤に、なっちゃいました……いえ、そんな、事より」

息も絶え絶えと言ったマシュが視線を向けた方を見ると隔壁が閉まっていっている。

隔壁を閉めるという旨のアナウンスが響く。

「隔壁、閉まっちゃい、ました…もう、外には」

出口が閉まり、密室になった空間に重い空気と炎が広がる。

「…………なんとかなるよ、きっと」

「………」

そう言った自分は彼女にはどの様に見えたいただろうか。

 

『コフィン内マスターのバイタル基準値に達していません。

レイシフト 定員に達していません。

該当マスターを検索中・・・・発見しました。

適応番号48 藤丸立夏 をマスターとして再設定します。

アンサモンプログラム スタート

霊子変換を開始します』

 

管制室に機械の声が響き渡る。

 

「あの…………立夏、さん」

 

その声は

 

「……なに?マシュちゃん」

 

これから始まる

 

「手を、握ってもらって、良いですか?」

 

長い旅路の始まりを告げる声だったのかもしれない。

 




まるで立夏が主人公の様だ…
一応、立夏も主人公として書こうとは思っていますがライダーとしての力を手にするのは弟君の方です、はい。

少し設定をば
このお話では藤丸姉弟の家は一応魔術師の家系です。姉である立夏(夏は誤字じゃないよ)は普通の日常を選びましたが、弟の秋冬(シュウト)の方は魔術自体に惹かれ、父の友人の伝手で時計塔へと向かい魔術師の道を歩んでいます。
だからと言って藤丸姉に魔術の才能が無いわけではなく、使おうと思えば…といった様な感じ。
弟の方はトンビが鷹を産むといった感じで魔術の才能はガチな奴。ただ魔術師としてと言うよりは魔術使いといった感じで魔術の研鑽を積んでいる。根源?なにそれ美味しいの?ってスタンスで魔術は好きだけど根源はどうでもいいんで…あ!その魔術スゴイ!なにそれ!?って感じ。

こんな所で藤丸姉弟の魔術に関する設定でした。
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