chapter1 舞台の裏側
「コフィン内の魔術師達のバイタル確認を急いで!それと、隔壁内にいる職員の避難も!あーもう!こんな時にロマ二はなにしてるのよ!」
(レフ、秋冬…無事よね…?)
中央管制室で起きた爆発騒ぎによって司令室は蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていた。
「落ち着きたまえよ、というのは無理な話だろうからせめて深呼吸でもしなよ、オルガ」
そう、後ろから声がかけられる。そこには奇抜な色の服を着た茶色い髪を肩より下に伸ばした美女が立っていた。
「レオナルド、あなた落ち着いているのね…」
「まぁねー、これでも天才だからね。こういう時に慌てても仕方ない事位分かっているのさ」
そう、おどけた様に言う彼女はレオナルド・ダ・ヴィンチ。あの天才画家と名前が同じ女性というわけではなく、本人その人。
サーヴァント…英霊と呼ばれる存在だ。
「兎にも角にも、今私たちにできるのは慌てず騒がず現状を見定める事じゃないかな」
「そんなこと分かってるわ!でもカメラも衝撃で吹き飛んでる音声も拾えない!こちらから出来るのはバイタルの確認位よ!」
「なら、あとはスプリンクラーの起動は?」
「それもダメ、あそこの水道系の機関がエラー吐いてる、復旧しようにもすぐは無理よ」
「なら、あとは直接乗り込むしかないけど得策ではないね」
「サーヴァントである貴方が乗り込むのは?」
「勿論動けるのなら。だけどこちらが魔力を要求すればただでさえ落ち込んでいる動力が更に食われてしまう、そうなれば最悪全ての機能が停止してしまうし、全員を助け出す前にガス欠が来るだろうね」
「チッ…」
頼みの綱であったサーヴァントも動かせない。
(どうする…どうすればいい!?こんな時のために今まで頑張って勉強してきたんでしょう!)
「所長!コフィン内の魔術師達のバイタル確認完了しました。全員が危篤状態…このままでは!」
「…っ!コフィン内の魔術師達に凍結保存を施して!蘇生方法は後回し、今は生き残らせる事を優先して!」
その時、カルデアスが紅く輝いた。
chapter2 闇の中
(ここは…どこだ?なにも見えない…なにも聞こえない…俺はどうしてこんな所にいるんだっけ?)
なにもない空間で漂うだけ、ずっとそれを続けている。
それが果たして何秒、何分、何時間、何日、何週間、何ヶ月、何年続いてるのかは分からない。
(ダメだ、思い出せない…)
なにも思い出せない、自分が何でこんな所にいるのか。
(このままずっとこうやって漂ってるだけなんだろうか?)
この、どこまでも広がっているような闇の中で
そんな闇の中に
「じゃあ、ずっとそうしてるのか?」
自分以外の声が響いた
chapter3 見つけた希望?
「なに…これ…」
自分の目に映る天球儀の様相に目を疑う。
一度は灰色になったものを見た。だが、その時はまだ今程の衝撃はなかった。
だが今はどうだろう、目の前に突きつけられた様相に言葉を失う。
「これは、何が…」
レオナルドも、瞠目している。
(どうすれば…何をすれば良いの?教えて…教えてよ、誰か!)
その時
『コフィン内マスターのバイタル基準値に達していません。
レイシフト 定員に達していません。』
無機質な声が、今では冷徹な王の死刑宣告のように聞こえる。
「レイシフト出来る人はもう…」
「……」
『該当マスターを検索中・・・・発見しました。
適応番号48 藤丸立夏 をマスターとして再設定します。』
だが、続く無機質な声が告げるのは終わりの宣告ではなく一縷の望みが見つかったと言う報告だった。
「嘘!?」
「まだ、全部が終わった訳ではない様だね…!」
『アンサモンプログラム スタート
霊子変換を開始します』
はい、お待たせしたわりに短めですみません…一応次の話は8割方出来上がっておりますのでそうお待たせする事なく届けられる…筈です。
あ、ダヴィンチちゃんはこれ以降冬木が終わるまで出ませんので。ほら動力的なアレで。