ようやく、秋冬君が少し活躍する!
chapter? ???????
暗闇に声が響く
その声がした方を向くと、誰かが居る。
あなたは…一体…?
俺は、お前の兄貴だよ…秋冬
chapter1 闘争から逃走へ
「なるほど…」
所長の指示に従い霊脈の強いポイントへと辿り着き、そこでベースキャンプを築いた。
そのおかげで通信機能が復活、カルデアと再び交信することができるようになった。
そして、所長とDr.から改めてカルデアの事、特異点の事、サーヴァントの事など自分が知らなかった…というか聞いていなかった事を教えてもらった。
「つまり、今私達がいるここが特異点という所で、この特異点っていうのがあると元の時代に影響が出てしまって、人類は滅亡してしまう、と」
『そうよ、そして特異点の調査及び破壊が貴方達のミッションよ』
『本当はもっと多くの人数で当たる筈のミッションなのに…二人きりという過酷な状況で行わせてしまう事は本当に申し訳無く思ってる…でも、今この状況をどうにか出来るのは君たちしかいないんだ!』
Dr.の悲痛な言葉が届く。
話を聴く前から、自分がとんでも無い事に巻き込まれているという認識はあった、だがそれが人類の存亡に関わる事だとは露ほども思ってはいなかった。
(怖いな…それでも、私とマシュだけ。ここで私が投げ出せばマシュだけにそんな重荷を背負わせる事になる…そんなの、ダメだ)
「大丈夫…かは、分からないですけど、でも!私に出来ることがあるなら全力でやります!任せて下さい!」
大声を張り上げ応える。虚栄だと、バレてないだろうか。ここで少しでも怯えを見せればきっとマシュに負担を掛ける、それはダメだ。デミ・サーヴァントになったとは言え戦闘を任せっきりにしてしまっているこの状況で更に負担をかけることは出来るはずがない。
『…ありがとう、立夏ちゃん』
『そして、今回貴方達がレイシフトしたそこは、日本の冬木という街、そこでは2004年、貴方達が今いる時代に聖杯戦争が勃発した』
「聖杯戦争…聖杯というのは伝説にある、あの?」
『そう、所有者の願望を全て叶える万能の力。その聖杯を巡る争い…7人の魔術師が7騎のサーヴァントと契約を結び聖杯を巡って競い合い、最後に残った一組が聖杯を手にする、というシステムそれが聖杯戦争よ。…立夏、ここまでは大丈夫よね?』
「あ、はい!大丈夫!聖杯戦争の事自体はお父さんから聞いた事あったから」
『そう、なら続けるわ。その地でかつてサーヴァントが競い合いその結果セイバーの勝利で幕を閉じた。街は破壊されることもなく人に知られることもなく終わった筈だった』
「でも、今は…」
周りは所長が語った結末とはかけ離れた惨状が広がっている。
『街は荒れ果てている。特異点が生じた結果こうなったと考えるべきでしょうね。2004年のこの異変が人類史に影響を及ぼし、その結果として100年先の未来が見えなくなった…』
一息つき更に所長が、続ける。
『だから、私達の使命はこの異変の修復。その領域のどこかに歴史を狂わせた原因がある。それを解析、ないしは排除すればミッションは終了よ』
「わかりました、任せてください!」
『本当に大丈夫かしらね…」
意気込むが所長からはあまりいい答えは出てきてくれなかった。
『そういえば、貴方は魔術は使えるの?』
("貴方は"?だれかと比べられてる?…うーん?)
「えっと、使おうと思えば使えますけど、お父さんからは精度や速度はまだまだだなって言われてるんですよね…あはは」
『そう…使える魔術は?』
「あ、はい。一応強化の魔術とルーンが使えます」
『そう、なら強化の魔術は使えるように用意しときなさい。逃走する時とかに使えると使えないとじゃ話が変わってくるわ』
「わかりました」
魔術に関して所長からの質問と教授が終わったその時だった。
『レーダーに反応、敵生体だ!立夏ちゃん、マシュ2時の方向だ気をつけて!』
Dr.の鋭い声が飛ぶ。言われた方向が分からずにマシュの方を見るとあちらだと指をさして教えてくれた。
そこには、先程マシュが倒した物とは別の個体だろうか、骸骨が5体こちらに近づいてきていた。
「マシュ!こっちから突っ込むよ!上から強襲!」
「了解です!」
マシュに指示を飛ばす、それを受けて弾かれた様に飛び出していく。
(所長に言われた通りに、一応用意しとかないと)
そして、自分は先程所長に言われた通りに魔術回路を起動し、魔術を使用可能な状態にしておく。
(魔術回路起こすのいつぶりだろ…頼むぞー、しっかり働いてよ?)
そうこうしているとマシュが上からの一撃で骸骨の一体を吹き飛ばす。
「そのまま右の骸骨を叩き潰して!」
そして、指示通りに続け様に右の骸骨を叩く。そこに左方から他の骸骨が襲いかかる。
「マシュ!左からの敵を蹴り飛ばして!」
マシュが盾を支えに左からの敵に蹴りを放つ。蹴りを受けた骸骨がたまらず吹き飛びその破片がもう一体の骸骨に散弾のようにぶち当たる。
(よし、もう一体はもうボロボロ!アイツはもう動くだけで崩れてく!)
「マシュ残りの敵をお願い!」
「はい!」
マシュが突っ込んでいく。骸骨も向かってくる敵に手にした槍を構え迎え撃つ。
骸骨が突いてきた槍をマシュが盾でそらし、ガラ空きになった相手に思い切り蹴りを放った。
「いやぁぁぁぁぁ!」
それで、おしまい。まともに蹴りを受けた骸骨はその体を吹き飛ばされ沈黙した。
「…戦闘終了しました。マスター」
「ありがとう、お疲れさま。怪我とかはしてないよね?」
「はい、大丈夫です」
「良かった…それじゃあ『二人共!今すぐそこを離れなさい!』しょ、所長?一体どうしたんですか?」
悲鳴にも聞こえる所長の声が通信機から聞こえてくる。
『まだ近くに反応が残ってる!しかもこの反応……十中八九サーヴァントよ!今のあなた達が勝てる相手じゃない、逃げなさい!』
告げられたのは新たな敵の存在、そしてその相手が、今敵を薙ぎ倒していたマシュと同じ存在であるサーヴァントだという事。
「立夏さん!」
「分かってる、逃げるよ!」
強化の魔術を使用して脚力を強化する。サーヴァント相手にどこまで渡り合えるか分からないが使わないよりはマシだ。
そうして、逃走劇が始まった。
chapter2 降り立ったのは火の海で Shuto side
「…ん…?」
パチパチと何かが爆ぜる小さな音によって目を覚ます。
「あれ…俺、何を…」
まだ意識がハッキリとしないまま辺りを見回す、そこは瓦礫に埋もれ燃え盛る都市部のような場所だった。
「ここは、一体…」
辺りを観察してるうちに意識がハッキリとしてくる。
「ここ、もしかして冬木の?いやでも、どうして冬木に…?」
そこでハッと思い出す。あの暗闇しかない空間の事、そこで起きた事。
(あそこは一体…それにあの人と、力を託すってどういう?)
あの空間で出会った兄と名乗る人物の事、そして託すと言われた"力"とは一体なんなのかを考える。
だが、その思考に不意に聞こえてきたカタカタカタという何か硬い物がぶつかり合う音で水を差される。
「なんだ…?」
音がした方を見ると、そこにはボロボロの布切れを纏う骸骨が居た。
「な!?」
思わず声を上げてしまう。その声に反応してかは分からないが3体の骸骨がこちらに向く。
(クソ、思わず声を出してしまった…死霊魔術師の魔術で見た事だってあったろ!)
声を上げてしまった事を悔いる。
が、そんな事はおかまい無しに骸骨達はそれぞれの獲物を持ってこちらに向かってくる。
「やるしかないか」
魔術回路を起動して魔術を行使する。
使う魔術は強化の魔術、これによって自身の身体能力を飛躍的に引き上げる。
「ふっ…!」
強化された脚力による爆発的な加速を持って敵に肉薄し、同じく強化された腕力と拳によって一体の頭蓋を打ち抜く。
「シッ!」
更に続けて近くにいた骸骨に上段蹴りを繰り出し、頭を吹き飛ばす。
その時、もう一体の弓を持った骸骨が眼球の無いその状態で一体どうやって狙いをつけてくるのか、こちらに向かって寸分違わず矢を放ってくる。
だが、それを危なげなく躱し肉薄、その勢いのまま蹴りを繰り出し敵を粉砕した。
「ふぅ…どうなる事かと思ったけどなんとかなるな。しかし、これからどうしよう…多分、こっちに来てる人って居ないよな、あんな爆発が起きたんだし……マシュ達大丈夫かな」
不意に思い浮かぶ、自分を先輩と呼び慕ってくれる同い年の少女の事。
彼女もキリシュタリアやぺぺと同じAチームの一員、つまりあの爆発事故の時にあの場に居たのだ。
「……きっと、無事だよな。うん…」
そう、自分に言い聞かせる。逸る気持ちを落ち着かせるために。
その時だった。
「おい、坊主。こんな所に何でいるんだ?」
背後から声がした。
chapter3 窮地は早々に
「はぁ…はぁ…!」
「マスター、大丈夫ですか!?」
突如現れたサーヴァントから逃走し、大きな河川敷に出る。
「だ、大丈夫!まだいけるよ!」
とは言ったものの正直キツかった。
碌に使ってこなかった魔術回路を使い続ける事は体に対し少なからぬ影響を与えていた。
『このままじゃジリ貧ね…マシュ、サーヴァントとの戦闘を!』
『無茶です所長!まだ彼女達にはサーヴァント戦は早すぎる!』
『そうだとしても、このまま逃げてるだけじゃいつか追いつかれる!それに、立夏の魔力だって無限じゃないいつか限界が来るわ!そうなる前に戦って倒してしまった方が良いに決まってるわ!』
『しかし…!』
通信機から言い争う声が聞こえる。どちらも切羽詰まっている声だ。
「…マスター、指示を」
「はぁ、はぁ…え?」
「私はサーヴァント…マスターの道具。あなたが戦えと言うなら喜ん「違うよ」…え?」
「マシュは確かにサーヴァントになったのかもしれない、でもね?だからって道具であるわけない!」
「立夏さん…でもこのままじゃ」
「ギキ…追イツカレテシマウナ?」
「「!」」
すぐ近くから声がする。
その声はまるで亡者のようと言えば良いのだろうか、掠れ、淀み、暗い声。
『サーヴァント反応解析、そいつの霊基はアサシンクラスだ!』
「——!応戦します、指示を!」
「っ!分かった!」
(でもどうすれば…!?)
相手はこれまで戦ったことのある骸骨とは違う。
ただ目の前の敵に近づき武器を振るだけの存在とはわけが違う。
(先制させる…?いやでももしも相手がそれを読んでたら…?)
「ナンダ、先ニ動カヌナラ此方カラ行クゾ」
そう言うやいなや、影のように黒いサーヴァントが動く。
(早…!?)
「マシュ防御!」
「はい!」
ガン、ガキンとマシュの持つ盾に相手の持つ短刀が当たる。
(どうすれば…!)
「マスター!」
「—ッ!マシュ、相手の動き目で追える?」
「え、は、はい!いけます!」
「なら、相手が突っ込んでくるのに合わせて盾で思い切り殴りつけて」
「わ、分かりました、やってみます!」
(これで良いの?いやでも今考えつくのはこれくらいしか…)
「ッ!」
その時、マシュが盾を振るう。そしてガンッという今までの鳴っていた音とは重さの違う音が鳴る。
「やりました!クリーンヒットです!」
「や、やった!これなら」
「コレナラ、ナンダ?」
だが、モロに盾の直撃を受けた筈の相手は何事も無かったように立ち上がる。
「そんな…」
『!嘘、もう一体のサーヴァント反応!?二人共逃げなさい!早く!』
通信機から聞こえる声がやけに遠く聞こえる。
「決メルゾ、ランサー」
「ァァ」
『二人共しっかりするんだ!!』
「フォウ!フォーウー!」
(ここで…死ぬの?)
「立夏さん…」
マシュの消え入りそうな声で我に帰る。このままではいけない。
「……ッ、に、逃げるしか…!」
「逃ストデモ?」
死神がすぐそこまで迫っていた。
その時
「キャスター!!」
「応よ!」
懐かしい、よく知った声が聞こえた気がした。
(戦闘の描写が)ヘタクソーーーー!!!
魔術の説明を。
姉弟揃って強化の魔術でしたが、二人の魔術の練度、技術などはこんな感じ(姉<弟)です、
強化の度合いも持続も秋冬君のが上ですね。まぁ時計塔行ってたりするしそりゃね?あとは実は二人とももう一つ魔術を使えたり…。
そしてて少し謝罪をば、プロローグ1を少しばかり修正しました。箇所としては冒頭の立夏の学年あたりですね。
えぇ、御察しの通り矛盾点、というか設定に穴が…こういう所が見切り発車の悪い点ですね…以後無いようにしていきたいと思っております。すみません。