してるか、これ?
あ、あと今回トンデモが飛び出すんでそこら辺が嫌な人はここらでブラウザバックを…。
chapter1 呑まれた者との闘い
「キャスター!」
「応よ!」
突如響いた声が2つ、それとほぼ同時に明後日の方向から何かが飛来する。それはバスケットボール程の火球だった。
敵の一体に当たると弾けて燃え盛る。
「グゥッ…!貴様キャスター!ナゼコンナトコロニ!」
「あ?何でってそりゃマスターの指示だしな」
火球の飛んで来た方を見る。そこには青いローブを纏い身長程ある杖を持った男と居るはずのない男の子。
「うそ…」
「…え?なんで?」
マシュも同じ方を見て声を出す。
『ちょっと!二人共何があったの!?サーヴァント反応がまた増えてる!それにこれは…人の反応?』
『あ、あぁ!?これって!』
『ちょっと、急にどうしたのよ?』
『所長見て下さい!この魔力反応!』
『魔力反応?……え…』
通信機から二人の声がするが、今は構っていられない。
火球を放った男とその側にいる少年のもとに駆け出す。
「ギギ…」
迂闊だった。そんな隙を相手が見逃すわけがなかったのだ。
「立夏さん!!」
「あ…」
黒い死がすぐそこに迫っていた。
「キャスター、頼む!」
「分かってらぁ!」
「ガアッ!」
敵サーヴァントに高速の火球が叩き込まれ、堪らず吹き飛んでいく。
「キャスター、牽制を頼む。姉さん!」
「あ…」
少年が…よく見知った顔のこの場にいるはずのない彼がこちらに駆け寄ってくる。
「秋冬?」
「うん、俺だよ。それより、怪我はしてない!?さっきの攻撃の余波は!?大丈夫!?」
「う、うん…大丈夫…」
「よかったぁ…」
この場に居るはずのない彼—弟である秋冬がこちらを心配してオロオロと声を掛けてくる。
こちらが大丈夫だと言えば、その顔をへにゃりと緩ませ笑顔になる。
変わっていない、最後に見たあの笑顔と。
彼が時計塔へと行く当日に見たあの笑顔からなにも。
「ね、ねぇ、どうして秋冬が『秋冬!?あなたどうして特異点にいるの!?それよりあなた無事だったの!?』…えっと」
「あ、あはは…取り敢えず話は後で、今は…」
秋冬が言葉を途中で切る。そして、緩んでいたその表情をすっと切り替える。
「あのサーヴァント達をどうにかしないと」
『そ、そうね、秋冬と一緒に現れたサーヴァントは味方と考えても良いのよね?』
「はい、俺が現地で契約しました」
『そう、新たな敵ってわけじゃないのね。クラスはキャスターで良いのよね?さっき呼んでいたし』
「はい」
『そう、これでサーヴァントの数で言えば五分ね』
「え?」
『え?…あぁ、そっかあなたは知らないわよね。マシュがデミ・サーヴァントになったのよ』
「ああ、マシュがデミ・サーヴァントに、なるほど………はぁ!?」
秋冬は驚愕の声を上げ、辺りを見回す。
そしてマシュを見つけるとその目を見開く。
「い、色々詳しいことを聞きたいですけど、今は抑えます…。マシュへの指示って誰が?」
「えっと、私がやってたよ」
「!…なら、マシュへの指示は姉さんに任せる」
「わ、分かった!」
近くまで来ていた、マシュに向き直る。
「また、よろしくね!」
「はい、マスター!」
「よし、行こう!」
そして、第2ラウンドが始まった。
「姉さん達はランサーの方を!こっちはあのアサシンをやる!」
「わかった!行くよ、マシュ!」
「はい!戦闘開始します!」
秋冬の指示に従い、最初に襲ってきた方とは別のサーヴァントにマシュと向かう。
「クク、コチラニ来ルカ…小娘共メ」
「ッ…」
「マシュ…」
「大丈夫です!行きます!」
マシュがランサーへと突進していく。
「イヤァァァ!」
その勢いを、載せて盾を振るう。
「甘イ!」
だが、渾身の一撃は敵にいなされる。
「セァッ!」
「くっ…」
ガンッと重い音が辺りに響く。敵の振るう槍がマシュの盾によって直撃阻まれる。
「ハハハハハ!ドウシタ、威勢ガ良イノハ最初ダケカ!」
「ッ!」
そこから始まった敵の連撃も、なんとか防いでいる、がこのままではらちがあかない。
(どうしよう、このままじゃいつかマシュが…)
「ansuz!」
「ナニッ!?」
そんな時、火球がランサーに直撃する。
「ッ!今だ!マシュ、ラッシュ掛けて!」
「!了解です!ハァァァァァッ!」
それを契機に反撃に転ずる、盾の横薙ぎからその勢いを乗せて回し蹴り、更に盾を振り上げてアッパーの様にぶち当てる。
「グゥッ…!」
「まだです!」
更に体重を乗せたバッシュを当て、少し離れた所に更に飛び上がり盾で殴りつける。
「ガァァァァ…」
その一撃がトドメになった。
ランサーの体がボロボロに崩れて消えた。
「…やったの?」
「は、はい、敵勢サーヴァント、消滅しました」
『こっちでも消滅を確認した!よくやったマシュ、立夏ちゃん!』
通信機からDr.の消滅確認の報告が聞こえる。
「お疲れ様。姉さん、マシュ」
後ろから声を掛けられる、振り向けばあちらも戦闘を終えたのか秋冬とキャスターと呼ばれていたサーヴァントが居た。
「はぁ…」
思わず、へたり込む。
「姉さん、大丈夫?」
「まだ、大丈夫…」
その様子を見た秋冬に心配の声を掛けられる。
「そっか無理しないでね?…取り敢えず、これで少しは落ち着いて話せるかな…」
「ああ、周りにゃもう魔力反応もねぇしな」
「そ、そうですね…えっと…先輩、で良いんですよね?」
「うん、そうだよ。魔力反応も一致してますよね?」
『あ、あぁ、こちらで確認している魔力反応とデータベースにある秋冬君の魔力反応ば完全に一致してる』
『どうして秋冬は特異点に?貴方はあの爆発に巻き込まれていたはず…よね?』
「え…」
所長の放った言葉に一瞬思考が止まる。
秋冬があの事故に巻き込まれていた?
「な、え?だ、大丈夫なの!?痛いところとかない!?本当は我慢してるとか!」
「だ、大丈夫だから。姉さん落ち着いて?」
「落ち着けるわけないよ!だって…あそこには…」
無事な人間が、生き残った人間が居るとは思えなかった。
あの場に秋冬が居たのなら、きっと秋冬も無事では済んでない。
「…うん、正直に言うよ。俺はあの爆発で」
死んだ。
そう彼の口から発せられた。その一言は拒む隙も与えずにこちらに降りかかってきた。
chapter2 死者か生者か
秋冬が放った一言で私たちは一人残らずフリーズしてしまっていた。そんな中マシュが疑問を投げかける。
「な、ならどうして先輩は…」
「うーん、なんて説明すれば良いかな。…あの爆発が起きた直後に俺は真っ暗な空間に居たんだ」
『真っ暗な空間?』
「はい、そこで……えっと」
言葉を詰まらせ、秋冬はこちらをチラリと見る。
「あ、ある人に、ある力を貰って…その力のおかげでこうして特異点に来ることが出来たんです」
『なんだか、すごく曖昧ね…そのある人って一体誰なの?』
「えっと…それは…。お、憶えてなくて」
『憶えてないって…本当にその人物と貰った力って安全なものなの?』
「それは大丈夫です」
所長の疑問にきっぱりと言い切る。
「えっと…誰かも憶えてない人から貰った物なんですよね?そこまで言い切れるものでしょうか?」
「あ、いやその…」
マシュが更に疑問を投げかける。それに対して秋冬はオロオロと焦り出してしまう。
『…取り敢えず、今はその謎の人物と力については置いておきませんか?それよりも秋冬君が生きているのかどうかという所です』
「そうだよ!秋冬…死んだって嘘だよね?だってほらこうして特異点に居るし私とも、ほら手も握れる」
そう言って、彼の手を握る。その手は死体のような冷たさではなく生きている者の暖かさが宿っていた。
「いや、嘘じゃないよ。でも今も死んでるって訳じゃないんだ」
『どういうこと?』
「確かに俺はあの爆発によって死にました。でも、おに…あの人に貰った力のおかげで生き返ることができたんです」
『生き返ったって…』
「そりゃ直ぐには信じれないですよね…。なら、俺の体のバイタルを確認してみてください」
『それは無理だ。今君の体は他の魔術師たちと同じく冷凍保存が施されているんだ』
「…え?」
「そ、それって大丈夫なの?」
『ああ、その冷凍保存で死ぬ事は「いや、すぐ解いてください!?そっちに戻った時に氷漬けは嫌ですよ!」
Dr.の声を遮って焦った秋冬が口を挟む。
『でも…』
「大丈夫です。信じてください」
『……分かったわ。藤丸秋冬のコフィンに施されてる冷凍保存を解除して』
『所長!?』
『彼が大丈夫と言うならきっと大丈夫よ。それに今ならまだ解除にも時間がかからないし、ダメだった時にはまた冷凍保存を施せばいいわ…』
「ありがとう、オルガ」
『解除して、正常なバイタルが確認できるようになるまで少し時間がかかるわ。それまで、その力でどうして生き返ることができたのかそれを説明して欲しいのだけど?』
誰しもが考えたであろう疑問を投げかける。
死んだ人間を生き返らずことができたその方法とはどんなものなのか、と。
「えっと…簡単に言えば超高濃度の魔力によって死んでしまった体組織、生命活動その他諸々を再生してるって感じかな…」
『超高濃度の魔力って、一体どれほどのものなんだい?死んでしまった生命体を例え時間がそれほど経っていないとは言え再生させるなんて…』
「聖杯…あの人はそれに匹敵するものだって言ってました」
「『『聖杯!?』』」
「わ!ビックリした…」
マシュ、所長、Dr.の3人が声を揃えて叫ぶ。
「あはは…そりゃそんな反応にもなりますよね…」
『聖杯ってあの聖杯よね!?』
『だとすれば、生き返った事にも納得がいく…ただそうなるとそれ程の力を与えた人物というのがますます気になるね』
「それは、その……そうだ、解凍!もう終わりましたか?」
『え、えぇ。バイタルも確認できるわ…確かに、全て正常値に戻ってる』
「てことは、秋冬はもう大丈夫ってことですよね?だよね?」
「うん、そうだよ」
「はぁ…良かった…私、もしも秋冬までって考えたら…」
「………」
「秋冬?」
「え、あ、いや!なんでもないよ!」
「マスターの話は終わったか?そろそろ俺の話も聞いておいてもらいたいんだがな」
そう、秋冬の背後に立っていた水色のローブの男が口を開く。
「そうだね、そろそろキャスターの話もしないと。キャスター、お願い」
「あいよ」
chapter3 行く先
そうして、水色のローブの男——キャスターが話した内容はこうだった。
元々は聖杯戦争の真っ只中だったがその聖杯戦争が別の物へとすり替わっていた。
街は一夜で火に包まれ、残ったのはサーヴァント達だけ。
そんな中、セイバーのサーヴァントが聖杯戦争を再開、キャスターを除く他のサーヴァントを全て倒し、更にその倒されたサーヴァント達は真っ黒い泥に汚染され、怪物達とともに何かを探しているのだという。
その探し物にはキャスター自身も含まれているという。
「まぁ、俺を仕留めない限り聖杯戦争は終わらねぇからな」
「だから、セイバーかキャスターが倒れたら」
「この聖杯戦争は終わる。だが、この状況が元に戻るかってのは分からねえ」
「グオオオオオ!!」
「と、ちんたら話しすぎたかね」
「また怪物!マシュ!」
「はい!」
話を遮り、突っ込んでくる怪物に隣村体制になる、がその前にキャスターが出てくる。
「いや、嬢ちゃん達は休んでな、ここは俺だけで十分だ、な?マスター」
「うん、頼んだキャスター」
「おう!」
そして杖を構えるとその先に、赤く燃える紅蓮の火球が生成される。
「吹き飛びな!」
掛け声とともに杖を振るう、そして飛び立った火球は敵に直撃すると爆発を起こし、跡形もなく敵を消し去った。
「ま、こんなもんだな。ランサーだったらもうちょい早かったかね…?セイバーもランサーで召喚されてれば一刺しで仕留められたんだが…いやぁ、やっぱキャスターはむかねぇわ」
「ランサーだったら?」
「そういうこともあるんだよ、姉さん。英霊の中には複数のクラスに該当する者もいるんだ。キャスターで言えば、キャスターのクラスにも適性があるけどランサーのクラスにも適性がある英霊ってこと」
「そういうこった。んでまぁ、あとは目的の確認だな。俺の目的はこの聖杯戦争の幕引き、マスター達の目的はこの異常の調査で良いんだよな?」
『えぇ、そうなるわ』
「とすると、マスター達の探しているものは間違いなく大聖杯だ」
「大聖杯?秋冬、なにそれ?」
「いや、ごめん。俺も分からない…」
キャスターの言った"大聖杯"とは一体なんなのか秋冬に尋ねてみたが彼も知らないらしい。
『大聖杯、僕も聞いたことがないな…それは一体?』
「この土地の本当の心臓だ。特異点とやらがあるとしたらそこ以外ありえない」
そこまで言うとキャスターは少し顔を歪め言葉を続けた。
「ただまぁ、そこにはきっとセイバーの奴がいるだろうな、それに汚染されたサーヴァントの奴らもな」
『残っているのはアーチャーとバーサーカーよね?強いの?』
「アーチャーのヤロウはオレがいればなんとかなるだろうが、バーサーカーの奴はセイバーでも手を焼く怪物だ。近づかなけりゃ手を出してこねぇから無視するのも手だな」
『分かりました、では、我々はMr.キャスターと共に大聖杯を目指します。それで良いですね?所長』
『えぇ、もちろんよ』
「よし、んじゃ道筋は教える、いつ突入するかはマスター達に任せるぜ。それと、ミスターはいらねぇよ」
そして、私達は大聖杯を、目指して歩き出した。
やっと合流出来た…。
そして、トンデモ設定がとうとう出ましたね。
これに関してはいつか活動報告の方で詳しいお話を出来ればな、と。まぁ詳しいこと話そうがそれもトンデモなんで変わらないとは思いますが…。
さて、次は7月中にお届けできればなと思っております。
それでは