わたしたちのお母さんは精霊なんだよ   作:六導

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一日置きとか週一で更新して人って凄いですよね。
見習いたいけど自分には出来そうにないですね。


第三話

街灯だけが僅かに足元を照らすそんな夜の街を二人の少女が歩いていた。

一人は高級そうな黒のブラウスと黒のロングスカートに身を包み、片目を隠した黒髪の少女。

もう一人はそんな少女よりも幼く短い銀髪の少女、こちらは黒髪の少女とは対照的に白いワンピースを着ている。

二人は離れないように手を繋いで歩いている。そんな後姿だけを見れば仲のいい二人組のようにも見えなくはないが、二人の雰囲気は和気藹々としたものではなかった。

そんな空気に耐えられなくなった黒髪の少女が口を開いた。

 

「あの、ジャックもしかしてですけど。私に対して何か怒っていますの?」

 

「・・・」

 

私が話しかけてもジャックは無言のまま、しかし繋いだ手は離さない。

私とジャックは今日朝一の便でルーマニアの空港に到着した。そこからまず方々に分身達に情報収集をさせ、私はジャックと一緒に町を観光して回り甘いモノの食べ歩きをしていた。そこまでは良かったのだが、その後、私とジャックに絡んできたチンピラ達より私が時間を補充した辺りから、ジャックの機嫌がすこぶる悪い。

最初はてっきり食べ歩きを邪魔されたことを怒っているのかと思い別の甘いモノを買ってみたがそれでもジャックの機嫌は良くならなかった。

 

「・・・だって、いつもおかあさんばっかり喰べててズルいんだもん」

 

ジャックが口を尖らせながらそう自身の心中を私に話してくれた。

 

「でもジャックには私から十分な魔力を送っていますわよ」

 

そう。私はジャックと契約してから結構な霊力、いやここでいう魔力をジャックに送っている。

ちなみにジャックが私のことをおかあさんと呼ぶのをやめさせることはできませんでした。

だって、「やめて」とジャックに言っても「わたしたちのこと嫌いなの?」ってウルウルした目で言われるのですわ?そんなの拒否できるわけありませんわよ。

 

「・・・」

 

「ああ、もうそんな目で見ないで下さいまし。ええ、ええ、分かりましたわよ。"後ろ"にいる獲物はジャックに譲りますので今回はそれで許して下さいな」

 

私がそう言うと、先ほどまでウルウルした目で見上げていたジャックの表情がパァっと笑顔に変わった。

 

「やった〜♪ おかあさん、ありがとう」

 

そう今、私とジャックの後ろには二人ほど後をつけている気配があった。

おそらくは私の食事現場の不穏な気配を察知し、私達二人の様子を探ろうとしてると言った感じでしょうね。

 

「でも、ジャック。一応情報は欲しいのですぐに喰べないで下さいね」

 

「うん!分かったよ。おかさあん」

 

さて、次の獲物はいい情報を持っているといいのですけどと私は思いつつ、これから始めるイタズラにワクワクする少女たちのような笑顔をする私とジャックであった。

 

 

 

 

 

 

 

日付が変わってしまうギリギリの時間で宿に戻った私は不思議な夢を見た。

 

始めに感じたのは身を切るような寒さと辺りを包む濃い霧だった。

その霧を吸い込むと酷く肺が焼けるような痛みを感じた。

そうした痛みを感じて自分の胸を抑えるように手を出した時にふと手を見るとやけに自分の腕が小さく細い事に気が付いて、自分の体を見てさらに驚いた。

どうやら私はジャックになっていると分かり、そこでこれが夢だと理解した。

そしてジャックはフラフラと街を歩き回っては女性に話しかけた。「おかあさん、おかあさん」と、しかしどの女性に話しかけても返ってくる言葉はジャックを拒絶する言葉ばかり。中には手を出す者までいる始末だった。

しかし、拒絶されればされるほどにジャックのある感情が強くなっていった。

それは母の元へ帰りたいという感情。それが極限まで強くなった事で彼女たちをある凶行に駆り立てたのだろう。

 

次に場面が切り替わると、ジャックがナイフで女性の喉元を切り裂くところだった。

 

「ごめんね、おかあさん。ごめんね、ごめんね、ごめんね。でもかえりたいの」

 

とても悲しげな声でジャックはその女性を解体した。

そしてジャックは女性だったパーツを持って血の匂いがするそれを頬に寄せて涙を流していた。

 

かえりたい。だってここはとてもさむいの、でもここはとてもあたたかいから。

 

そんなジャックの悲しい声は誰の耳にも届かない。

私はその絶望したジャックを抱きしめることもできず、ただジャックの中から見つめることしかできなかった。私は歴史に名を刻んだジャック・ザ・リッパーの罪を、ほんの一部だけ知ることができた。

 

恐怖という名の信仰を得た反英霊。ジャック・ザ・リッパーとういう名を持つ少女に私は

 

 

 

 

 

 

夢から醒める。

自分がベッドで寝ているのを確認すると少しホッとした。

私の行ったこともない街を自分の脳内だけで再現出来るとは考えにくい。ならアレは、ジャックと契約したとこに関わっていると見ていいのでしょうね。

 

「おかあさん、大丈夫? 汗びっしょりだよ?嫌な夢でも見たの?」

 

とても心配そうに私を見つめてくるジャックに私は笑顔を作り、ジャックを包み込むように抱きしめてもう一度ベットに寝転ぶ。

 

「ええ、とってもこわ〜い夢を見てしまいましたの。だから・・・少しこうさせて下さいな。ジャック」

 

始めは驚いていたジャックだが、すぐに笑みを浮かてジャックも私に手を伸ばしてきた。

 

「うん、いいよ。わたしたちもおかあさんとこうしていたいから」

 

そして私はジャックを抱きながらまた少し眠りについた。

もう朝まで時間はないが今だけはこうしていたいし、こうしてあげることしか今の私には出来そうにないのですから。

 

 

 

 

 




というわけで今回はこわ~い夢を見た狂三ちゃんでした。
できれば次回ぐらいから他のサーヴァントとかのだしたいですね。

・・・夢の話ってこんな感じでいいのかな
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