この作品は、スマホゲーム
Fate/Grand orderの二次創作、
そして「沖田さんと行く!人理修復の旅」の
特別編……というか最後にする予定だった物語です。
↑を知らないという方は先にそちらをどうぞ。
設定が色々あるので。
第2の獣、その片割れが目覚める。
───カルデア、厨房───
「明日の仕込みはこれで終わりだな」
「そうね、今日もお疲れ様」
「んーっ、キャットは疲れたワン」
厨房で明日の仕込みを終えた
エミヤ、ブーディカ、タマモキャット。
時刻は既に午前1時を回り、他のサーヴァントや
2人のマスターは眠りについている。
人理修復を終え、そして
4つの亜種特異点を修復したカルデアは、
後は査問を待つのみとなった。
特に何をするわけでもなく、平穏が続いていた。
だが、その一時の平穏に、影が差す。
『真名・限定解錠』
「「「!」」」
声。
瞬間、厨房を霧が包み込む。
3人は即座に周囲を見回す。
「これは………ジャック・ザ・リッパーの宝具か」
ジャックの宝具、〝暗黒霧都〟。
周囲を霧で包む宝具。
だが、一体何故カルデアで───?
「キャット、嫌な予感がするぞ……」
「ジャック、悪戯はやめなさい!」
ブーディカが注意するが、
霧は収まるどころか濃さを増していく。
3人は固まって身を守る。
そして。
『────死を以て、完成する』
「この詠唱は………!?」
ジャックではない。
そして、何度も聞いた男の声。
『宝具、限定解錠。
─────今宵は地獄』
エミヤは心眼(偽)、鷹の瞳スキルを発動、
その襲撃者の姿を双眸に捉える。
やはり。だが、何故───!?
『我らは、炎、雨、力…………』
「ブーディカ、気を付けろ!
彼は君を狙っている!!」
「彼、ってまさか!?」
霧の中から影が飛び出してくる。
黒と赤の短刀を上段に構え、飛びかかる──
「え──!?」
『殺戮を此処に───』
ブーディカは手にした盾で攻撃を防ぐ、
筈だった。
「
ブーディカの腹に突き刺し、斜め十字に切り裂く。
「っ、か、はッ………!?」
「させんぞ!」「覚悟せよ!」
「!」
とどめを刺そうと影が短刀を再び構える。
それをエミヤとタマモキャットが
攻撃し影を後退させる。
影は霧に紛れて消える。
「くっ、何故だ!?」
「────此方の存在の感知を確認、撤退」
「!キャット、逃げられるぞ!
急ぎ報知機を鳴らせ!!」
「分かったのだワン!」
キャットが報知機を鳴らし、警報が鳴る。
カルデア中の消えていた電気がつく。
ブーディカは戦闘続行スキルで何とか無事だ。
エミヤに肩を支えられる。
「「「!」」」
突然響いてきた警報。
それにトランプをしていた沖田、
立香、マシュは驚く。
「これは………先輩、
沖田さん、行ってみましょう!」
「うん!」
「私はマスターを起こして来ます!」
部屋を3人が飛び出す。
廊下は濃い霧に覆われていた。
「うわっ、何これ!?」
「く………これは、ロンドンの……!?」
「第四特異点の霧!?
確かジャックさんの宝具だった筈ですが……」
「っ、何か来る……!
2人とも、退いて下さい!!」
凄まじい速度で影が迫ってくる。
沖田はそれを見て刀を抜く。
影の勢いは止まらず、凶刃が沖田へ迫る。
「しッ!」
「!」
刃がぶつかり、擦れる音が響く。
火花が散る中、沖田が見た襲撃者のその顔は。
「っ!?」
「───、──理解拒否、撤退を続ける」
影からそう聞こえたと思った瞬間、霧が薄れる。
沖田は動揺し、影を斬り払うが
影は来た時よりも素早く廊下の先へと走っていく。
追い付けない。
「…………なん、で………?」
「沖田さん!大丈夫!?」
「……………」
「どうしたんですか!?」
呆然と目線を震わせる沖田。
立香が肩を掴むと、ビクッと驚く。
「っ!す、すいません、今は………」
「今のはカルデアの出口へ向かったようですが……」
『3人とも無事かい!?』
「ダヴィンチちゃん!」
ダヴィンチの放送が聞こえてくる。
瞬間、カルデアのシャッターが
音を立てて降りていく。
『霧が晴れたみたいだね、
襲撃者は出口へ向かったようでね、
シャッターを閉めてサーヴァントたちに
移動してもらった、真機くんも来るだろう、
君たちも急いで管制室へ来てくれ!』
「分かりました!」
『負傷者も出ている、気をつけてくれ!』
「既に負傷者が………!?」
「………………急ぎ、ましょう」
3人は管制室へ走る。
これはまだ始まりに過ぎない。
第2の獣、その片割れとなった人類悪が目覚める。