軍事国家、作ります!   作:たーなひ

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もうちょっと伏線?というか種播き?みたいなんしたら原作まで時間飛びます。もしかすると次から飛んでるかも。


影武者

直近の問題も粗方解決し、さしあたっての課題も無くなった。

 

ここ数年で特に大きな問題は無く、まさしく平和な暮らしを謳歌している。

 

 

だがそれでも俺の仕事が無くなることはない。小さな問題や他国とのつながり、報告書など事欠かないが、一番大きいのは報告書だ。

国内の生産状況、出入りした人間、貿易の収支やその内容などはまだ良い。目は通すが特に問題がおこることなどないからだ。

問題なのは国外ーー他国ーーの報告書だ。最初の指令通りありとあらゆることが事細かに記載されて送られてくるのだが、それに目を通すのがきつすぎる。別に俺の仕事というわけではないんだが、ありとあらゆることに目を通しておかないと不安になってしまう。自分の目と耳で調べられないため、他国の情報源はこの報告書のみなのだ。

 

まあそのおかげで情報はかなり集まっているから止めることはないんだが。

 

 

依然仕事はあるが、落ち着いたということには変わりない。

 

…そこで新たな課題に気づいてしまった。

 

この世界、娯楽が無いのだ。

帝国には闘技場という興行があるが、あれは万人が趣味にできるような娯楽ではない。

ボードゲーム系のゲームがあるとも聞いたことが無いし、スポーツなんかも無いようだ。

娯楽というのは生活に余裕があるから楽しめるものだからというのもあるのかもしれないが、庶民が楽しめるような娯楽が無さすぎる。

それは他人事ではなく、神国民にも当てはまることだ。生活に余裕はあるが、娯楽が無い。NPCとはいえ意思を持っている以上何かしらの娯楽は必要だろう。

 

無難なボードゲームだと、オセロやチェスなどだろう。将棋はおもしろいがルールが難しいし深すぎるので取っ付きにくいと思う。五目並べなんかもわかりやすいな。

 

 

後は広げる方法だ。

スパイたちに広めさせるにしても一介の町人が頑張った所で大して広まりはしないだろう。どちらかと言うとこういうのは商人が広めていくものの筈だ。

かと言って商人に「広めろ」と言ってやらせるのもあまり良いとは思えない。

やはり一番良いのはウチの国民に広めてそこから他国に広がっていくことだろう。

 

となると………。

 

 

 

 

「がぶりえる様がおいでになられているらしいぞ!」

「え!なんで!?」

「『おせろ大会』をするんだってよ!」

「『おせろ』?なにそれ?」

「さあ?分からないけど行ってみようぜ!」

 

 

『オセロ大会』

 

別に秘密裏に広める必要なんか無いんだから、こうやってルール説明から色々とやってしまえは早く広まるだろう。

なんたってみんなが大好きな王様が直々に広めてるんだから、すごい勢いで広まってくれるはずだ。

 

 

「あー、おはよう諸君。今回は君達にゲームを教えたくて来たんだ」

 

そういうと、彼らは「ゲーム?」と口々に疑問を呈した。

 

「それがこのオセロというゲームだ。ルールを説明しよう。

まずはーーーー……」

 

ルールを説明していく。

 

「…と、こんな感じだな。…まあ、やってみないと面白いかどうかも分からないだろう。…誰か俺とやりたい者はいるか?」

 

 

そう言うと、全員が一斉に「自分が!!」と立候補してきた。

お前ら………。オセロをやってみたいのか、俺とお近づきになりたいのか……。

 

「……じゃあ………………君にしようか。上がりたまえ」

 

「はっ!ありがとうございます!!」

 

「がぶりえる王、御身と同じ高さまで上がらせるのは…」

 

「気にするな、エリカ。その程度で俺の威厳は落ちんよ」

 

知らんけどな!

 

「…かしこまりました」

 

 

「……ではやろうか。ルールは大丈夫か?」

 

「はい!」

 

「じゃあ先行は…ジャンケンで勝った方だな」

 

正式な決め方はあったはずなんだが流石に忘れた。チェスなんかはあったと思うんだが…。

 

 

 

 

「…負けました」

 

まあ、相手はオセロやるのなんて初めてだしね。流石に負けない。

 

「うむ。どうだ?楽しかったか?」

 

「はい!」

 

「それは良かった。それじゃあ次は誰にしようか……」

 

 

この後滅茶苦茶オセロした。

 

 

「皆もここに来てない人にも伝えてやって楽しんでくれたまえ。また暫くしたら来るよ」

 

 

ふむ。感触は上々だな。

ある程度定着して来たら次のゲームを紹介してみよう。

 

 

 

 

 

「がぶりえる王…」

 

王城に帰ると、すぐにエリカが話しかけて来た。

 

「ん?どうした、エリカ」

 

「やはり、御身が城の外に出るというのは危険かと思われます。今日だってあの者が暗殺者だった場合も考えられました」

 

「……ふむ」

 

もしかすると、あの時の進言も威厳がどうとかの話じゃなくて安全性の話だったのかも知れないと今更ながらに気付いた。

 

影には御庭番衆だって潜ませているし、エリカ達将軍も近くにいるから万全の警備体制ではあったんだが、確かに俺自身の意識としてはザルだったかもしれない。

 

そもそも、俺が城の出るということ自体が不用心だ。

完全に裏に潜んで誰ともコンタクトを取っていないプレイヤーがいるかもしれないという事まで考えれば、俺はこの城から出るべきでは無いのだろう。

 

ただ、それだと神国民が心配だ。俺がこんな風に国民とコンタクトを取ることによって好感度はうなぎ登りで、それが無くなると好感度が下がるかもしれない。

 

確かに俺はこの城から出ない方が安全だが、他国との付き合いもあるし国民の好感度も心配だから出ない訳には行かない。

 

 

「影武者…というのはどうだ?」

 

「影武者…ですか?」

 

「そうだ。俺の外向きの仕事を全て任せられるから俺は外に出る必要が無くなるだろう?」

 

「それは名案ですね!」

 

俺が暇になるという一点を除けば完璧な手だろう。

まあ、背に腹は変えられない。暇が出来てしまうのは仕方がないとしよう。

 

「…となると、影武者に誰を立てるのかを決めないといけないな」

 

「御庭番衆でしょうか?」

 

「確かに御庭番衆なら影武者として文句無いんが、あいつらは沢山仕事を任せる事になるだろうからな……」

 

色んな所に潜入させられるし便利なんだよなぁ…。

 

「となると……他の将軍の中の誰かから……?」

 

「うーん……」

 

「わ、私にお任せ下さい!がぶりえる王の事なら誰にも負けない自信がありますので!完璧に影武者をこなして見せます!」

 

「いや、お前どうやって俺に化けるんだよ」

 

「……………魔法で」

 

「…………………」

 

魔法て……。お前そんな魔法使えないだろうが。

人にかけてもらうにしても手間がかかりすぎるし、すぐにボロとか出しそう。なんで俺はちょっとポンコツ設定をつけたんだろうか……可愛いからいいんだけどさ。

 

 

「……将軍達には任せられないな。ライオネルとムサシは魔法が使えないし、ロイヤルフォートレスは俺の警護、ブラックとホワイトは……どっちかを立てるとホラ、喧嘩するだろ……な?」

 

一番良さげなのはロイヤルフォートレスの中から誰か選ぶことなんだが、アイツらは3人揃っていないと力が出せない。一人が外向きの仕事で出て行ってしまうと万が一の時に不味いのでロイヤルフォートレスから選ぶことは出来ない。

 

 

「……では、カルロスに?」

 

「そこなんだよなぁ……」

 

カルロスが一番信頼厚いんだが、いかんせんレベルが低い。

敵対勢力が現れた際の保険のようなものなのに、簡単に殺されてしまっては敵対勢力の情報を集めることも出来ない。この世界の水準で言えば充分強者なんだがカンストプレイヤー相手では歯が立たない。

それに、アンデッドだからというのもある。

普通にやっていればバレなさそうだがこの世界には“タレント”なるものもあるそうで、どんなタレント持ちがいるか分からない状態で生者の敵であるアンデッドを送り込むことは避けたい。

 

ならば誰を……と言われても他には思いつかないんだが。

 

俺に化けるということから考えれば幻術を使えるカルロス、ブラックとホワイト。スキルで化けられる御庭番衆5人、諜報部隊のドッペルゲンガー軍団。

諜報部隊は現在仕事中だから呼び戻したくない。それにカルロス同様レベルが低過ぎる。

最悪御庭番衆一人ぐらいなら影武者に回しても大丈夫かも知れないが……うーん。

 

 

「……作るか」

 

「え?」

 

「ちょっと値は張るが、90レベルのドッペルゲンガーを作ろう」

 

このデータが入った本はたった一つしか無いので一体しか作れないが、現状これ以上に適当な使い方が思いつかない。

因みにガチャの当たり枠だ。本当は違う当たりを狙っていたが、それが出るまでにこの当たりが二体も出てしまったという背景がある。

閑話休題。

 

 

「そんなにポンポンお金使って大丈夫なんですか?」

 

……中々痛い所を突くじゃないか。

 

「俺とお金どっちが大事なんだ?」

 

「がぶりえる王です!」

 

「なら問題無いな」

 

とは言え、確かに湯水のように使っている自覚はある。

爆撃部隊に大陸中心側に築いた壁。竜王国から費用をぼったくってはいるが流石に一気にポンとは渡せないようで、現状それほど金は無い。もちろん国の運営費用は問題無いぞ。

まあ、俺はどんなゴミアイテムだろうととりあえず拾っておくタイプだから、それを金貨に変えればドッペルゲンガー作成分の費用ぐらいは賄える。

 

まだ何人かの仲間達が遺した遺産にも手をつけてないから余裕はあるのだ。

 

 

そんな訳で、作るぜドッペルゲンガー!

 

 

 

 

「……よし」

 

成功だ。賢者タイムがやってきていて後悔していないでも無いが………まぁ良いだろう。

 

「お初にお目にかかります。がぶりえる様」

 

「うむ。先にお前の役割を説明しておこう」

 

「はっ」

 

「お前には俺の影武者になってもらう」

 

「……と、言いますと?」

 

「俺は王だから城の外に出る機会は多い。しかしそれは危険が伴う。外向きの仕事はお前にやってもらいたいんだ」

 

「了解致しました」

 

「知識やらの擦り合わせはまた明日やろう。今日はもう寝る」

 

「「お休みなさいませ」」

 

がぶりえるは「んー」と手をプラプラして自室に入って行った。

 

 

 

「エリカ様……」

 

「なんですか?」

 

「私如きにがぶりえる様の影武者が務まるのでしょうか……」

 

「………誰がやってもあのお方の代わり……影武者なんて務まらないわ。だから、とにかく精一杯取り組みなさい。あの方のご期待に沿えるように」

 

「…はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

その次の日から、ゲンガーくんを影武者にするための勉強会(のようなもの)が始まった。

 

物凄いやる気に満ち溢れており、ものの3日で影武者として送り出せるようになった。




前書きにも書いたんですけど、そろそろ原作まで飛んでいきます。ただ書き方が定まってなくて、ナザリック視点と神の国視点どっちも書こうかなって思ってるんですけどどうでしょう?
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