軍事国家、作ります!   作:たーなひ

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オリキャラ()が登場します。


あだまんてぇと

「…何も手がかりは見つからなかったと?」

 

「…はい。申し訳ありません」

 

神の国のある場所。

話しているのはその国の王であるがぶりえるとカルロスだ。

 

 

「いや、構わん。となると、完全に別の場所という可能性もあるか………。幻術の可能性は?」

 

「申し訳ありません。私めのシモベでは幻術を見破る事は出来ませんので……」

 

「ふむ……特殊部隊を動かして構わん。幻術の可能性まで考えてまた捜索してくれ。何度も言うが絶対に手を出すなよ」

 

「御意に」

 

そう言って転移していったカルロスを見送り、溜息を吐き出す。

 

 

「ふー……ナザリック地下大墳墓ねぇ……」

 

ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のダンジョン型拠点だが、見つけられるかは運次第だ。この広大な世界で一つの建造物を見つけるのは至難の技だし、唯一の手がかりはカルネ村だ。

カルネ村に接触するのも考えたが、それほど利があるようには思えない。そこに人員を割くぐらいなら各街で情報収集してもらった方が有意義だろう。

 

 

考えろ……。この世界に来たらまず何をするのかと言えば情報収集だ。まともな思考をしていて俺と同じように転移して来たならば絶対に情報収集から手をつける。

となると、何処で情報収集をする……カルネ村近辺から考えるなら近くにある都市はエ・ランテルぐらい……ウチの国はネズミ1匹逃さず人の出入りは把握しているから除外するとして、帝国や王国の王都や法国の可能性はあるか……?

質の良い情報を求めるなら何かしらで名を売り始めるはずだ。そうなれば各国に忍ばせた諜報員からもいずれ情報は得られるだろう。出来る事なら先手を打っておきたいんだが…。

 

…エ・ランテルが一番可能性としては高いか?賭けだが分の良い勝負のはずだ。

 

 

「……般若」

 

『…は』

 

伝言(メッセージ)〉で御庭番衆の一人である般若に連絡を取る。

 

「これからエ・ランテルに行って、突然現れたり有名になった人物を片っ端から探ってくれ。どの部下を使っても構わん」

 

『かしこまりました』

 

プレイヤーならば冒険者になるのが無難だろうか……。腕を売れば情報も自然と集まるというのは既に分かっている事だ。

商人や生産職としてもやっていけるな。リアルの知識もあるし、ユグドラシルならではのマジックアイテムもある。そして何より商人にも情報はかなり集まる。もちろんその分根も歯もない噂レベルもあるから精査する必要は出てくるんだが。

 

王国領で最もウチに近い都市だから何かあっても分かるだろうと放置していたのが裏目に出てしまったか……?

 

 


 

 

エ・ランテルを出発した依頼主のンフィーレア一行は、日が沈む少し前から野営の準備を開始していた。

一頭の馬で荷車を引きながら歩くので、それほど速度は出ない。

 

途中小鬼(ゴブリン)人喰い大鬼(オーガ)に遭遇し戦闘することになったが、それ以外には何事も無くこうして野営の準備をしている。

 

 

野営の準備を終えると、みんなで焚き火を囲みながら食事を取る。アンデッドであるために食事を取れないモモンは、宗教的な理由をこじつけて何とか凌いでいた。

 

そうして雑談をしているうちに漆黒の剣の由来、その剣のありかへと話題が移り、アダマンタイト級冒険者の話になった。

 

 

「アダマンタイトかぁ…なぁ、知ってるか?『白銀』が霜の巨人(フロスト・ジャイアント)を討伐したって話」

 

「霜の巨人!?ホントなのか!?」

 

「あ、それは僕も聞いたことあります」

 

モモンは「ほぅ…」と感心の息を漏らす。ユグドラシルにおいては霜の巨人はそれほど強い訳でもなかったが、この世界においてはかなりの強さを誇っているはずだ。

 

 

「いや、さ、流石に眉唾じゃないか?噂でしか聞いたことがないが霜の巨人なんて一冒険者が何とか出来る話じゃないだろ?」

 

「同意である」

 

「…まぁそうだわなぁ。俺だって信じらんねぇよ」

 

「………『白銀』というのは?」

 

冒険者ならばこれから何かしらで関わる機会があるかも知れない。情報はあって損は無いだろうから聞いておこう。

 

「あ、モモンさんは知らないですか?王国にある三つのアダマンタイト級冒険者の一つで、中でもリーダーは人類最強って言われてるらしいですよ?」

 

「具体的にどのくらいの強さなのか分かったりしますか?」

 

そう聞くと、先程答えてくれたペテル含めた全員が唸りながら考え始める。最初に口を開いたのはルクルットだ。

 

 

「人類最強談議は白銀のリーダー“ロゼル・ラジリア”と王国戦士長の“ガゼフ・ストロノーフ”で持ちきりだな。大穴で王国兵士長の“ジルケット・メロリアル”ってヤツも結構いるが…ま、どいつも互いに戦ったことなんか無いから分からないんだけどな!」

 

ガゼフ・ストロノーフというのは知った名だ。つい先日スレイン法国の手から救った男である。

 

しかし、ガゼフと比べられる程度ならそれ程警戒する必要は無いか?

……いや、ガゼフが霜の巨人を倒せるかと聞かれると答えは否だ。逆立ちしても霜の巨人に勝てるようには思えない。もちろん、この世界の霜の巨人が弱いという可能性もなくは無いが。

 

「…って言っても、白銀の強さを示すものって討伐の成果だけなんですよね。だから直接一対一で戦えば戦士長が勝つって考えの人が多いみたいですよ?」

 

ニニャが捕捉でそう教えてくれる。

 

なるほど…。チームで霜の巨人を倒すとしても、ある程度の個人の力量は必要になってくる。それで推察すれば大体がガゼフ・ストロノーフとほぼ同等になるんじゃないか…と言った感じか。

やはり直接見てみないことにははっきり分からないな…。

 

 

「ちなみに、モモンさんは霜の巨人には勝てたりするんですか?」

 

ンフィーレアが聞いてくる。

どうやら漆黒の剣の面々も気になるようで、食事の手を止めてこちらの答えを待っている。

 

「そうですね……。霜の巨人にはまだ会った事がないので分かりませんが、問題無く勝てると思いますよ?」

 

「おー…」と彼らは感心の声を漏らす。

あれだけの強さを見せられれば、それだけの大言も信じてしまうというものだ。

 

それからも話すうちに話題は移り、モモンの仲間の話に移った。

過去を懐かしみながら話すモモンだったが、ニニャの「いつの日か、またその方がたに匹敵する仲間が出来ますよ」という発言によって気分を悪くし、そのままその日は就寝することとなった。

 

 

そんな重い空気も翌日にはなんとか良い空気を取り戻すことが出来て、気を楽にしながらカルネ村に向かう事ができた。

 

 

カルネ村に到着するとゴブリンが居た。が、別に襲われていたり占領していたりするわけではない。

と言うのも、彼らは『小鬼将軍の角笛』によって召喚されたゴブリン達なのだ。

この村を帝国の鎧を着た者達から救った際に一番初めに会った少女にこの角笛をあげたのだが、それを使ってゴブリンを使役しているようだ。

因みに後で分かったことだが、その少女ーーエンリはンフィーレアの好きな人らしい。

 

ンフィーレアにモモンがアインズと同一人物である事がバレてしまうというハプニングはあったが、広めたりしないとの事なので口封じはせずに放置しておくことになった。

 

 

村で少しの間休憩した後、当初の目的通り森に入って採集する。

 

どうやら、このトブの大森林には『森の賢王』と呼ばれる強大な魔獣が居るそうだ。コレクターでもあるアインズとしては中々に興味のそそられるモンスターであるので、折角なので捕獲してみる事にした。モモンの名声を高めるために使えそうならペットにしても良い。

 

アウラに森の賢王とやらを此方まで来るように誘導させてどの様なモンスターか確かめようと思っていたのだが、現れたのは超巨大なハムスターだった。

確かにこの世界ではそこそこの強さを持っているようだし、本人もそう言っているので森の賢王に間違い無いのだろう。

ただ…そう、ハムスターというド愛玩動物を従えていたところで宣伝になるのかという点だ。こんなモンスターが森の賢王だと誰が信じるのだろう。

 

 

……なんて思っていたのだが、漆黒の剣の面々に見せると漏れなく「すごい魔獣だ!」「強大な叡智を感じる」などと宣うので正気か疑ってしまったが、どうやら正真正銘本気で本音で言っているらしい。

このハムスターのどこに強さを感じるのか全く理解出来ないが。

 

 

 

そのままカルネ村で一泊した後早朝に出発して、エ・ランテルに到着したのは夜になってからだった。

 

漆黒の剣や森の賢王ーーハムスケと名付けたーー自身が騎乗して凱旋しよう!と言うので乗ってみたのだが、ハムスターに乗る大の大人というメリーゴーランドばりの羞恥プレイで気分を重くしてしまった。

道行く人のひそひそ話に侮蔑や嘲笑を幻聴してしまうが、実際には称賛の言葉しか聞こえない。どうやら漆黒の剣の美的センスが狂っているわけではなかったらしい。

 

 

漆黒の剣はそのままンフィーレアについて行って荷物を下ろすなどの雑務、モモンは組合に行って魔獣を登録してからンフィーレア達と合流という流れになった。

魔獣の登録というのは、都市に魔獣を連れ込む以上責任者を立てる必要があるというものだ。まぁ当然の事と言えるだろう。

 

 

モモンは巨大ハムスターのハムスケに乗りながら組合の方へと進んで行った。

 

 


 

 

モモンと別れたンフィーレア一行は、家の裏手に馬車を入れて裏口の前に止めて荷物を運び込んで行く。

 

どの荷物を何処に置くかを指示しながら、ンフィーレアは疑念を抱く。

 

「おばぁちゃんはいないのかな?」

 

祖母はいい歳だがしっかりしている。体も動くし不調も無くボケも無い。

音を聞きつけて出て来ても良いはずなんだが、もしかすると出掛けているのかも知れない。そうじゃなくても作業をする際には集中するので周りの音が聞こえなくなるということもあり得る。もし作業をしているのなら邪魔をしたら悪いので大声で呼んだりはしない。

 

 

 

「はーい。お帰りなさーい」

 

突然だった。

扉が開き、中から短い金髪の女性が出て来たのだ。

 

「いやー心配しちゃったんだよ?いなくなっちゃったからさ。すっごいタイミング悪いよねー。何時帰ってくるんだろうって、ずっと待ってたんだよ?」

 

「……あ、あの。どなたなんでしょうか?」

 

「え!お知り合いでは無いんですか!?」

 

ペテルが驚くが、誰だってこんな風に親しげに話していれば知り合いだと思うだろう。

 

「ん?えへへへー。私はね、君を攫いに来たんだー」

 

その言葉を聞いた瞬間、不穏な空気を感じ取った漆黒の剣の面々が武器を取り出し戦闘態勢に入る。

 

「第七位階魔法〈不死の軍団(アンデス・アーミー)〉。普通の人じゃ行使は困難だけど、叡者の額冠を使えばそれも可能。さらに召喚されたアンデッドを全部支配することは無理だけど、誘導することは可能!完璧なけーかくだよねー!凄いよねぇー」

 

「……ンフィーレアさん。下がって!ここから逃げてください」

 

武器を構えたペテルが女を警戒しながら硬い声を出す。

 

「あの女がぺらぺら喋っているのは確実に私たちを殺せる自信があるからです。なら、あなたが向こうの狙いである以上、現状を変えうるのはあなたが逃げるという一手のみです」

 

「ニニャ!お前も下がるのである!」

 

「ガキ連れて逃げろや!連れてかれた姉貴助けんだろ!」

 

「そうです。あなたはしなくてはいけないことがあります。私たちは最後まで協力出来そうもないですが……時間ぐらいは稼ぎます」

 

「みんな……」

 

「んー、お涙ちょうだいだねー。もらい泣きしちゃうよ、うん。でも、逃げられると困っちゃうから。遊ぶのは一人ぐらいかなぁー」

 

そう言うと女はローブの下からスティレットを取り出す。

 

その瞬間、後ろの扉が開きアンデッドのような青白い男が姿を見せた。

 

 

「……遊びすぎだ」

 

「んー。何言ってるのカジッちゃん。取り敢えず悲鳴が漏れないように準備はしてくれてるんでしょ?一人ぐらいならゆっくりと遊んでもいいんじゃない?」

 

ニンマリと獰猛な笑みを見せる女。

 

「うんじゃ、逃げる場所はなくなったし、やりましょうかねー」

 

 




原作には居なかったキャラだけどどーゆー立ち位置なんだろーねー(棒)
霜の巨人って多分40レベルぐらいっしょ?それぐらいならアダマンタイトならギリ勝てそうよね。
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