軍事国家、作ります!   作:たーなひ

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いやー、いつに無く筆が進む。これただの序盤元気マンか…?

プロローグだけやのにもう評価ついててふるえてます。


ま、まずは状況を…。

「何か、ございましたか?」

 

 

…まて、まずは深呼吸だ。落ち着け、とにかく落ち着くんだ。

 

スゥ―――…はぁーーー……。

 

………よし、まずは状況判断だ。

 

俺はユグドラシルのサービス終了日、最後まで残っていた。

そしてサービスが終了する12時になった。

しかし強制ログアウトさせられることはなく、運営に連絡を取ろうにもGMコールはおろかコンソールすら開けない。

かと思えば、喋る筈も無いNPCが喋り始めた。

 

駄目だ、まっっっっったく意味わからん。

 

 

「いや、何でもない」

 

間違いなくこいつは喋っている。

なぜNPCが喋っているのか分からないが、口が動いているのは確かだ。

つまり口を動かすことで発声しているということ。こんなことはただのデータであるゲームではなかったことだ。加えて言うならNPCが自発的に喋りだすはずもない。

 

何が起きてる?永劫の蛇の指輪(ウロボロス)でどうにか出来るような範囲の話ではない。

NPCの表情然り、意思然り、会話然り、どれもシステムをどうにかすれば解決するような物ではない。

それもサービス終了間近の落ち目にこんな手のかかるサプライズが用意されてる筈が無い。もしそうだとしても、コンソールが開けずログアウトが出来ないなんて言うのはおかしい。

 

 

(夢…ではないよな?)

 

そう思って頬をつねってみるが、痛みはある。

どうやら夢ではないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?『痛い』?

 

痛みがある?

 

現実ってこと……?

 

 

 

 

「まぢでか………」

 

 

 

驚きの余り叫び声すら上がらない。

 

もうメーターを振り切りすぎて超冷静になっている。

 

 

 

どうする……。

まずすべきことを考えよう。

 

一先ず周辺の把握だ。この近くには同盟を組んでいたギルドの本拠地があるはずだから、そこにコンタクトを取れれば何かわかるかも知れない。

 

 

一刻も早く向かいたいが、今こいつらを放置しておくわけにはいかないだろう。それに、こいつらから何か聞けるかも知れない。一先ず六連星だけ残して退出させよう。

 

 

「……ろ……六連星以外は下がれ」

 

やっべ、六連星とか自分で言っててちょっと恥ずかしくなっちゃった……。

 

 

「「「「「「「は!!」」」」」」」

 

うおっ!ビビった……。声でっか!!

さすがに3万人もいると声量が桁違いだ。

 

 

3万の大軍がものの数分で退出していった。め、めっちゃキビキビうごくやん……。

 

 

 

「六連星、御身の前に」

 

跪かれると、こう…偉くなった気分になるね。

というか六連星っていう名前に確定してるのか。俺がそう思い浮かべて作ったからかな?

 

 

 

「………………」

 

な、名前がわからん。ていうかこいつらに名前なんかあるの?一応聞いといた方が良い………よな?

 

 

「お前たちの名前を教えてくれ」

 

………こ、こんな感じの聞き方でいいか?

 

 

 

しかし、彼らはお互いに顔を見合わせたりしており一向に答えない。

 

やべえ、早速失敗したか?

 

 

「申し訳ありません。われら六連星、一人一人に名前はございません」

 

あ、そうなの?

あ~良かった~。これで「え!私たちの名前知らないんですか!」とか言われたらどうしようかと………。

 

でもそうなると名前が無いというのは不便だな………。よし、名前をつけてあげよう!

 

 

えーっと、6人一組だから6にちなんだ名前がいいよね………。

6…六…ろく…六道とかいいんじゃね?確か地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上道だったよな?ちょっと畜生とかは可哀想だけど、どうせカンスト勢にすぐ殺されるだろうからだいじょうび!

 

 

問題はだれにどの名前を付けるのか。

 

右にいる奴から考えていこう。

 

1人目は筋骨隆々な男で、厳つい顔つきをしている。

うーん…何でもいいなぁ…修羅にしとくか。

 

2人目は金髪イケメン優男だ。死ね。

お前は畜生だ。イケメンは許さない。

 

3人目は銀髪碧眼の美少女だ。胸?普通ぐらい。

問答無用に天上だ。だって可愛いもの。

 

4人目は黒髪の少年で、イケメンだが幼さが残っている。………お前はまだ子供だから許してやろう。

お前は餓鬼だ。

 

5人目は………ビッグマムだ。小さいビッグマムだ。何を言ってるかわから(ry

君は地獄だね。

 

6人目は普通の大人みたいな感じだ。眼鏡をかけており、知的な印象を受ける。

お前は残りの人間だ。

 

 

そんなわけで、こいつらの名前が決まったので伝えてあげた。

 

 

名前さえ把握出来ればまたあとでも呼び出して話が出来るので、この場は一先ず解散しよう。

 

「…じゃあ、俺は少し出てくる」

 

そう言って〈転移門(ゲート)〉で領土の外に出た。

 

 

__________________________

 

 

がぶりえるが去った玉座の間には、六連星が全員黙って涙を流していた。

 

涙の理由は悲しさなどではなく、有り余るほどのうれしさにある。

至高の方々が直々に創られた者には名前が与えられているが、彼らのように金貨で創られたものは名前をつけられることはない。それは同じく召喚された兵士たちが名前を持たないことからもわかる。しかし金貨を消費するだけで創ることができる…ようは替えの効く雑兵である彼らに直々に名前を付けるというのは、彼らにとってはこれ以上ない喜びを与えた。

 

 

 

「何と慈悲深い御方だ…」

 

そう零したのは畜生道と名付けられた男だ。

彼らにとってみれば畜生という一見バカにしているような名前だろうと関係ないのだ。たとえゴキブリだろうが和式トイレと名付けられようが彼らはその名に大いに喜ぶだろう。

 

 

「早くあのお方の役に立たねばならんな……」

 

人間道の言葉に全員が頷きを返した。

 

 

__________________________

 

 

………………あっれー…?

ここってこんな地形だったか?

 

 

外に出た俺は、今まで見たことのない地形に困惑していた。

確かに、最後に国の外に出たのは二週間は前のことだが、こんな地形ではなかった。こんな風な荒れた平野では無く、草原だったことは確かだ。アプデが来たのかと思ったがそんな知らせは無かったはずだ。

 

 

つまり国が転移したということか?

そうなると、近所のギルドを頼るという手段が取れない可能性がある。

 

 

ひとまず行ってみないことにはわからないか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無い。

 

無いぞ。

 

これは…ヤバいか?

 

完全に孤立している。完全に未知の土地で。

 

 

………………さすがにここでこんな場所で一人で突っ立ってるのは不味い。

一旦帰ろう。

 

〈転移門〉で王城まで一気に帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ…。

 

無事に帰ってこれたので一息つく。

 

 

どうする……?

 

とにかく周りの状況を把握しなければならない。

もし周りにPKギルドでもあろうものならすぐに防御を固める必要があるからだ。

 

 

だが、俺が動き回るのはかなりリスキーだ。NPC達に意思があるとはいえ、俺を生き返らせてくれるのかはわからないし、そもそも生き返られるのかも怪しい。蘇生アイテムは持っているが、殺される可能性は極力減らすべきだ。

 

ここで、俺が最後っ屁のつもりで召喚した兵士たちが活きてくる。彼らに周りを探索させるのだ。

本気で安全を第一に探検隊を出すなら将軍達を動員するべきなんだが、彼らがこの城を空けるのは非常に危険だ。万が一襲撃があるなら、彼らがいないと対抗出来ない可能性がある。

それに、80レベルの六連星がやられるということは、おそらく100レベルクラスの敵がいるということになる。そいつがもし将軍と当たって敗北や相打ちにでもなろうものなら最悪だ。さっきも言った通り蘇生出来ない可能性がある今、一点ものの将軍達を失うわけにはいかない。

 

 

さて、そうなると、どういう風に部隊を編制するのかを考える必要がある。

それに、その間に国民達の様子も気になるので調べておきたい。

 

 

………………やることがいっぱいだな。

 

そういえば、秘書として創ったNPCがいたはずだ。彼に相談できるならやった方が良いだろう。

確か、俺の執務室に配置していたはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室の扉を開けると、こちらを向いた男が即座に跪いた。

 

「お久しぶりでございます。がぶりえる王」

 

「久しぶりだな、カルロス」

 

この男が秘書のカルロス。

死者の大魔法使い(エルダーリッチ)で、100レベルの将軍達を創った端数の71レベルで創られた。

設定上はアンデッドが故の広い知識と明晰な頭脳で優秀な秘書となっている。

戦闘面では正直大して強くはないが、アンデッドを作らせて兵隊の頭数を増やすようにしている。

 

 

ちなみに、今さらだが『がぶりえる』という名からわかるように俺の種族は天使だ。

人間よりはカッコイイこと以外に理由を挙げれば、まずステータスがそこそこ高い。そして信仰系の魔法と親和性があり、信仰系は指揮官系のスキルとも相性が良い。ついでに〈飛行(フライ)〉を使わなくても飛べる。

 

閑話休題。

 

 

「少し問題がある。知恵を貸してくれ」

 

「もちろんでございます。して、その問題というのは…?」

 

ふむ。うすうす想像は付いていたが、意思を持ったことに対する変化は何とも思わないようだ。

 

…というか、なんか俺、偉そうな喋り方板に付きすぎじゃないか?いや、別に失敗ではないしむしろこの喋り方は成功の部類なんだが、これから先この喋り方でいくのかと思うと少し憂鬱だ。

俺ってけっこう気楽な性格なんだけどなぁ…………。

 

 

「この国が、丸ごとどこか不明の地に転移している」

 

「…………そう考えた理由をお聞きしてもよろしいでしょうか」

 

外を見たようすをそのままに伝えた。

 

「…なるほど。確かに転移していると考えるのが妥当かと思われます」

 

「そこで、だ。探検隊を編成したい」

 

「この国の周りを調べる…ということですね?」

 

「そういうことだ。それと並行して、国内の様子を調べて欲しい。場所が変わったことによる問題や、暮らしについての調査と解決だ。頼めるか?」

 

「もちろんでございます!…でしたら、新たに創られた兵士を200名ほどお借りできますでしょうか。彼らと私のシモベに国内の調査をおまかせしたいと思います」

 

「構わん。好きに使え。探検隊は六連星の一人ずつをリーダーに、兵士を10人付けたいと思っているんだが問題はありそうか?」

 

「…………兵士とはどちらの…?」

 

「あー…」

 

『どちら』というのは、新たに最後っ屁で作った兵士と、もともと居た兵士、どちらなのかという質問だろう。

このふたつの差は、まず最後っ屁で創った兵士は一律30レベルの歩兵だ。しかし、もともと居た兵士たちは、考えに考え抜いた部隊編成や性能を持っている。弓兵や遊撃部隊、騎乗兵など、ギルメンでバランスよく無駄の無い軍隊になるように試行錯誤して大量の金貨をつぎ込んだ。

こんな風に、大きく分けて2種類の兵士に分類されることになる。

 

 

「新しく創った方だ」

 

「かしこまりました」

 

「せっかくだ、今のうちにそれぞれの部隊の名前を決めておいたほうが良いだろう」

 

「確かに」

 

うーん…。あんまり凝ると分からなくなるよな…。

 

「…………無難に歩兵部隊(Infantry unit)特殊部隊(Special Forces)とかでいいか」

 

「かしこまりました」

 

さすがにどっちがどっちを指してるかはわかるよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼致します」

 

カルロスが退出していった。

 

はぁ~~~~。疲れた。

 

ホント、一体どうなってんだ?

 

 




がぶりえる「うっわイケメンきっしょwww”畜生”って名前つけたろwww」

畜生道くん「あ^^~~名前貰ってうれしいんじゃ~!」


NPCからしたらただの王様じゃなくて、信仰の対象みたいになってる。

『至高の御方』ってのは全NPCの共通認識じゃないかなって思ってます。

誤字報告と感想待ってます♡
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