軍事国家、作ります!   作:たーなひ

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初めて予約投稿機能使うんですけどちゃんと出来てる?8時に上がってる?

今回ちょっとグロイ?かも。

後、誤字報告ありがとうございます。



ハグは愛情表現では無い。

ーーー目が覚めた。

 

目が覚めると、ベッドの上にいた。非常に柔らかいベッドだ。きっと高級なベッドなのだろう。

窓は無く、木製の扉が一つ。〈永続光(コンティニュアル・ライト)〉の魔法が付与されていると思われるランプが置いてあり、後は花瓶ぐらいのものだ。

 

さて、どうして私ーークレマンティーヌーーはこんな所にいるのだろうと考える。

 

風火聖典の者撒くために、同じ十二幹部であるカジットと協力してエ・ランテルをアンデッドが跳梁跋扈する地獄に変えようと動いていたはずだ。

 

そして叡者の額冠を使うために強力なタレントを持つンフィーレア・バレアレを攫い、その力でアンデッドを召喚して……それで………そう、あのモモンとかいう糞ったれな冒険者…いや、アンデッドに捕まって…それで………

 

 

「……死んだ……うぷっ…」

 

 

思い出すと吐きそうになってしまった。もう二度と会いたくないし、あんな目にあいたくもない。

 

つい腹をさすってしまい嫌な思い出が蘇るが、そこには何の傷痕も無い。どうやら何かしらで治されているようだ。

 

……いや、そもそも生きているのだろうか。こんなフカフカのベッドは記憶にも数えるほどしか無い。その中でも寝心地は最高の部類だった。

むしろ、もう死んでいてここは死後の世界だと言われても納得してしまうぐらいだ。

 

まぁ、今現状生きているという可能性が一番高いが、あのアンデッドが慈悲をかけて自分を生かすようには思えないので、生き返ったということだろう。

蘇生魔法を使える人間がいるんだとすれば法国か?……いや、裏切り者である私を生き返らせてこんな所に置いておくはずが無い。

蒼の薔薇のリーダーが使えると聞いた事があるが、その線も有り得ないだろう。

となると……まさか、あのアンデッドが?

 

 

瞬間、一気に血の気が引いた。

 

 

まずい。あのアンデッドに捕まっているのなら非常にまずい。

なぜ生き返らせたのか…そんなものは拷問と相場が決まっている。

 

確かに、法国でも拷問の訓練などはあった。それを乗り越えて漆黒聖典になったのだから。

しかし、アンデッドの拷問なんて経験が無い。アンデッドに拷問されることを想定していなかった法国の上層部を殴りたい。

文字通り魂を削り取っていくような拷問なんかが目に浮かんでしまう。

 

 

どうやってそれを回避するのか………逃げるしか無い!

 

 

そう決断してからの行動は早かった。

 

まずは武器の確保だが、愛用の武器や鎧なんかは手元に無い。武器になりそうな物といえばせいぜいが花瓶ぐらいだが、花瓶よりは自分自身の五体の方が信用出来る。

 

出た先にあのアンデッドが居たら諦めよう。諦めて死のう。

 

あんな化け物に勝てる訳がない……あんな化け物に勝てる筈がない。あんな化け物に勝てる存在がいるはずがない。……そうだ、あんな化け物など他には居ないだろう!

そう考えると希望がわいてくる。

あれに比べれば、兄だろうがドラゴンだろうが可愛いものに思えてしまう。何せ正しく次元の違う存在と対峙したのだから、他の全てが低次元に見えてしまうのもしょうがないだろう。

 

妙な自信が出たクレマンティーヌは、気配を感じとれるように警戒しながらゆっくりと扉を開けた。

 

 

 

「……ん、起きたか」

 

…男の声!だがあのアンデッドでは無い。

咄嗟にクレマンティーヌは声のした方向から一番遠い空間に飛び込み、声の主を見やる。

 

その声の主は紙の束を片手にこちらを見て口を開く。

 

 

「調子はどうだ?」

 

「…ガ、ガブリエル……」

 

神の国の王、ガブリエル。法国が竜王と並べて警戒する国の王。

 

 

「…ほう。他国の王を呼び捨てとは、随分と傲慢なお嬢さんだな」

 

「……………」

 

法国が警戒するほどの国……ならばあのアンデッドが居たとしてもおかしくはない……のか?いや、いくらなんでもあのアンデッドを飼えるようや国があるとは思えない。あのアンデッドは別物と考えても良いだろう。というか、そう考えなければこの状況で自我を保てない。

あのアンデッドを使役するほどの国なんて、存在してはいけないのだから。

 

 

ただ、それでもこの国は法国が警戒するほどの国であることに変わりはない。

 

……いや、待てよとクレマンティーヌは思い直す。

 

確かに国としては警戒するに値するだろう。

文化レベルや国力で見れば強力なのは疑いようも無い。

 

しかし、たった一人。

そう、この国のトップがたった一人で自分の前に立っている。

この元漆黒聖典、英雄の領域の人間の前で。

 

些か無防備としか思えない。

 

罠の可能性も考えなくてはならないが………。

とは言え、あんな化け物を相手した後だと、どんな化け物でも勝てる気がしてくる。

 

………また妙な自信が出てきた。

 

この状況はチャンスだ。

ここが神の国であるならば、当初の目的である神の国への亡命は成功している。後はコイツを脅すなんかしてここから出なければ法国にバレる事もない。

 

……よし、ヤろう。

 

クレマンティーヌはそう決断した。

 

 

「……まあ良い。さ、一先ず座りたま…」

 

最後まで言わせず、英雄の身体能力を使って最速で間合いを詰めて拳を振るう。

もちろん、殺さないようにすこぅし手加減してだ。

 

 

 

 

 

「………ふむ。これはアレか?漆黒聖典は拳で挨拶するように躾けられているのか?」

 

「ウ、ウソ…」

 

平然としている。

死なない程度に手加減したとは言え、顔面に1発。昏倒は免れないほどの一撃のはずだ。

 

 

「紙が飛ぶからあまり暴れないでほしいんだが……」

 

呆けてしまっていたが、そう言って私が突き出した腕を掴もうとしていたので咄嗟に距離を取る。

 

これは全力でいかなければ不味い…と直感が警報を鳴らす。

 

何の武器もないが、武技を持ってすればオリハルコン級だろうが余裕で屠れるのだ。

今度は武技を使ってやろう。

 

目の前の相手は椅子から立ち上がってはいるものの、片手には紙の束が握られており、ペラペラとめくっている。

 

 

武技〈能力向上〉〈能力超向上〉〈疾風走破〉〈超回避〉を発動させて突っ込む。

 

 

「…っ舐めるなぁぁぁぁ!!!」

 

 

先程とは比べ物にならないほどの速度。速度だけではない。能力向上によって筋力も上昇しており、威力も何十倍に引き上げられている。

 

 

 

 

 

 

「……なるほどなるほど。武技とは凄いな。こうして相手するのは初めてだから勉強になるよ」

 

渾身の一撃だった。申し分無く。武器が無いとは言え、どんな戦士だろうとダメージを負うはずだった。片手で止められるはずはない。そんな人間などいないはずなのに……。

 

「……………な、なんで」

 

どうにか言葉を絞り出す。

 

「紅茶を飲みながら話そうと思っていたんだが、その気がないなら仕方がないな」

 

 

私が絞り出した声には応えない。

 

その代わりに、固まってしまった私の腰に手を回してくる。

 

 

「あまり経験は無いんだが……拷問開始だ」

 

 

「ヒッ……!」

 

あの時の光景がフラッシュバックする。

 

あのアンデッドに全力で突撃し、ヘルムの隙間にスティレットを突き刺す。そこに付与された魔法を使い、中身までぐちゃぐちゃになるはずだった。

腰に手を回され、抱き寄せられる。力づくで剥がそうにも剥がせず、そのまま押しつぶされたあの時がーーー。

 

 

「い、いやっ!は、放せ!!」

 

あの時と同じく外そうと試みる………が、外せない。

 

 

「確か拷問ってのはまず心を折るんだったか…?」

 

 

徐々に圧力が強まっていく。

 

 

「カルロスが言うにはこんな風にバキバキにされたって話だが……」

 

 

 

 

「カルロスは検死までしてくれてホント有能だな……。ん?ちょっとペースが早いか?もう少しゆっくりにするか…」

 

 

 

 

 

「お、折れたな………また折れた………またまた折れた。全く惨い殺し方をするんだなあのモモンという冒険者は」

 

 

 

 

 

「……一先ずこんなもんか。おーい、生きてるかー?………っておかしいな。死なない程度にはしているはずなんだが………ん?気絶してんのか?はぁー、全く漆黒聖典が聞いて呆れるな。ほら、大治癒(ヒール)

 

 

 

 

ーーーー目が覚めた。

 

 

えーっと、確か…………。

 

「うぶっ……!」

 

…また吐きそうになってしまった。

慌てて腹を確認するが、何ともなっていない。

 

 

どうやら夢だったようだ。

一安心…………。

 

 

 

「やっと起きたか。ほら、二回戦いくぞ」

 

 

夢じゃ無かった。

 

また先程のように抱き上げられて抱き寄せられる。

 

「ヒッ……!」

 

あの時の光景がフラッシュバックす(ry

 

 

 

「い……いやっ!いやっ!放して!!ねぇ!放してってば!ねぇ!お願いだから!お願いだからぁっ!!」

 

必死に泣き喚いて懇願する。股間から熱いものが垂れているが、そんな事を気にしてはいられない。

 

 

「ぉおいバッカ!漏らすんじゃねぇよきったねぇなぁ!」

 

「お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますしますお願いします……………」

 

嫌だ…潰されるのは嫌だ……もう潰されるのは嫌だ……。

 

 

我を忘れて小さい子供のように泣き喚いて何度も何度も、何度も何度も“お願い”をする。

 

「………なんだ、もう折れたのか。いやでもそりゃあそうか。文字通り死ぬ体験を二度もしてりゃトラウマにもなるわな…………………ん?何?分かった。」

 

「お"願い……じま"ず……」

 

 

手をこめかみに当てたかと思うと、私を地面にゆっくりと下ろした。

先程までとは違った、優しい手つきでだ。

 

「…安心しろ。クレマンティーヌ。お前が俺の言うことを聞いていれば二度としない」

 

「……本当に?」

 

「あぁ、本当だ。ほら、疲れただろう?今はゆっくりと休むと良い」

 

そう言うと、私を抱き上げてフカフカのベッドへと連れて行ってくれた。

 

 


 

 

ふぅー…と眠りについたクレマンティーヌを見届けて溜息を零した。

上下関係も教えられたし、トラウマも植え付けたからこれから尋問もしやすくなるだろう。

それに、なんだかんだで『英雄級』と呼ばれる人間を手に入れるのは初めてだったりするから、後々にも利用出来るようにしておきたかった。

 

 

ギィ…と、音を立てて扉が開く。

 

「俺の拷問はどうだった?エリカ」

 

「そうですね……がぶりえる王と密着しており羨ましゅうございました」

 

「……あれは密着というか、鯖折りだけどな?」

 

「しかし、わざわざ御身がこの役割をなさる必要はなかったのでは無いですか?」

 

「それもそうなんだが……仕事が無くて非常につまらんのだよ。ただただ書類を眺めるだけで何の達成感も無い。まぁ、7、8年前みたくバカみたいな量の資料が送られても困るんだがな………」

 

あの時は資料が山のように送られてきてしまい大変だった。

別にあの皇帝が悪い訳ではなく、むしろ思い切りと手際の良さには感服すらしたのだが、そのせいで各方面の貴族やら何やらの影響やその後の動向などの資料が山積みになってしまったのだ。

 

 

「…ま、それはさておき。エ・ランテルの冒険者組合が吸血鬼討伐に動き出したそうだな?」

 

「はい。それで例のモモンが依頼を引き受けたようです」

 

「…モモンが?」

 

なぜモモンは引き受けたんだ?

冒険者として名を売りたいとしても、その吸血鬼の力も分からない状態で依頼を受けるなど正気では無い。

 

まさか慢心しているのか…?誰だってこの世界のレベルを知れば、それに対するプレイヤーのレベルの高さに驚く。

神人として覚醒している第一席次が撤退を判断するのだから間違い無く100レベルはあるだろうに…。油断しているのだとすればそれは慢心に他ならない。

そうなると、モモンがただの世間知らずの強者という可能性も出てきたな。己の力に慢心したただの英雄級なのかもしれない。そもそも、ポッと出の強者だからと言ってプレイヤーだと断定してしまったのも早計だったかもしれない。

 

アインズ・ウール・ゴウンに関してはこの世界の者が知る由もないので本人(本ギルメン)かどうかは置いておいて、ユグドラシルのプレイヤーだと断定出来るんだがな。

 

それに例の吸血鬼の出所も気になる。

100レベルはある事からプレイヤーかNPCであることは確かなんだが、アインズ・ウール・ゴウンとやらが出張って来る様子は無い。自分の仲間が精神操作されているのに放っておくような奴はいないだろうから、それとは無関係の魔神の生き残りという可能性も浮上して来た。

 

 

まぁ、どれも重要な手掛かりだ。

出来る限り情報は集めて行きたい。




落ちるの早くない?って思う方がいたらもっとそれっぽく描き直していくんで言ってくれたら嬉しいです。
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