軍事国家、作ります!   作:たーなひ

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今回なんか微妙?
話のもって行き方は悪くないはずなんやけど、文章力の問題で内容が薄っぺらく感じるかもしれん。


偵察

御庭番衆。

五人で1組だが、全員が同じステータスというわけではない。

戦闘、隠密、暗殺、潜入などそれぞれに得意分野がある。もちろん、ある程度のステータスがある上で突出している部分という話だが。

 

中でも癋見は隠密に優れており、今回のように戦いを観察する役目を任せる事もある。

 

 

 

 

『動きました』

 

「来たか」

 

 

癋見の〈伝言(メッセージ)〉が届いた。

 

何が…とは聞くまでもない。例の吸血鬼の話だ。

 

 

癋見のスキルで、癋見が見ている光景が鮮明に映し出される。

映っているのは、例の吸血鬼とスケルトンのような見た目の奴が対峙している様子だ。

超位魔法を発動させようとしている所から見るに、恐らくはプレイヤーだ。となると、ただのスケルトンでは無く死の支配者(オーバーロード)などの上位種という可能性が高い。

 

クレマンティーヌの話から考えれば、モモンは骸骨のアンデッドで魔法詠唱者だそうなので、十中八九同一人物だろう。

 

洗脳の解除には一度殺すという手段を取るようだ。あのギルドのワールドアイテムを使えば洗脳の解除も可能な筈だが……まぁ、勿体ないと考えたんだろう。

 

そして、例の吸血鬼はNPCかプレイヤーと言った感じか。

 

 

ただ不自然な点がある。

 

それは対峙しているのが一人である点だ。

普通に考えて一人で戦うよりも数人でかかったほうが効率も勝率も高い。

考えられる可能性としては、単に自分に自信がある、第三者の介入を誘っている、戦力不足で自分が戦う他に選択肢が無かった……といった具合か。

第三者の…いや、この場合は洗脳の犯人を誘っているのか。周りに伏兵を忍ばせて警戒していると思った方が良いだろう。

戦力不足というのは流石に考えにくいな。何人プレイヤーが来ているのかは知らないが、難攻不落のダンジョン型拠点を持っているのだからNPCですらも相当なレベルのはずだ。

 

プレイヤーがモモン一人だと楽なんだが………。

 

 

そんな事を考えている内に超位魔法が発動。

戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 


 

 

癋見は戦闘の様子を観察する。

 

今回の指令は、戦闘データを取るために彼らの戦いを視覚を共有するスキルで送り届けることだ。

 

 

序盤は魔法の撃ち合い。

 

ここ100年では殆ど見ることのなかった第9位階以上の魔法の応酬による命の削り合いは、非常に見応えのあるものだった。

 

 

 

ある程度撃ち合った後で何やら話し始めた。

生憎読唇術は会得していないので何を喋っているのか分からない。

 

 

「がぶりえる王、何やら喋っているようですが……」

 

『聞くことは出来るか?』

 

「…いえ、申し訳ありません。何分この距離ですので…。もっと近づきましょうか?」

 

『……万が一の時にすぐ撤退出来る用意は出来ているのか?』

 

「はい。スキルを使用するつもりでございます」

 

『なら少し接近してくれ。もっと近い距離からの戦闘データが欲しい』

 

「声が聞こえる距離まで近づきましょうか?」

 

『…いや、それは少しリスクが高すぎる。万が一巻き添えにでもなれば目も当てられんからな。』

 

「…かしこまりました」

 

自分の力の無さが憎い。

もし聴覚を強化する術を持っていればより良い情報をお渡し出来たはずだ。

 

 

「…お力が足りず、申し訳ありません」

 

『気にするな。お前は…お前達はいつでも俺の役に立っているぞ』

 

「……はっ」

 

 

 

 

距離を詰めると、かなり精密なデータが取れるようになった。

魔法によっては余波が飛んでくることもある。

 

だが、やはり声を聞き取る事が出来ない。

 

 

 

時々挟む会話を聞き取る事が出来れば、かなり大きな情報が手に入る可能性がある。

 

そうすれば……がぶりえる王に褒めて頂ける……。

 

 

 

近寄る。

 

 

「ーーーーーーーーー」

 

 

一歩近寄る。

 

 

「ーーーーーーーーー」

 

 

また一歩近寄る。

 

 

「ーーーーーーーーー」

 

 

さらに近寄る。

 

 

「ーーーーーーーぁー」

 

 

…………聞こえた。

微かだが……ほんの微かだが、隠密部隊故の優れた感覚器官がようやく声を捉えた。

 

もっと……もっと近寄らないと………。

 

 

「ーーぅーーーーーぁ」

 

「ーぁーーーーーぁ」

 

 

まだ聞き取れない。

 

もっと、もっとだ。

 

 

「ぁーーずーまーー」

 

 

………まだ聞こえない。

もっと……もっと近寄ってーーーーー

 

 

 

 

「ーーねぇ、そこで何やってるの?」

 

 

「っっっ!!!」

 

 

振り返ると、そこに居たのは闇妖精(ダークエルフ)だ。

青と碧の瞳に、肩口で切られている金髪。服装はスーツのようでボーイッシュな印象を与える少女だ。

 

 

………不味い。不味い不味い不味い不味い不味い!!

 

 

「ねぇ、聞いてるの?」

 

「………………………」

 

 

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した。

 

余計な事をしたせいでこんな状況になってしまった。

 

隠密部隊が隠密に失敗するなどあってはならない。

 

…どうする……どうすれば良い……?

 

 

「……何も喋らない気?なら力づくで……」

 

 

周りからも目の前のダークエルフのモノと思われるモンスター達が現れる。

 

クソッ!どうすれば良い!?

殺すか…?いや、周りを囲まれたこの状況で殺すのは不可能

に近い……。

 

 

 

『両手を挙げろ。即座に撤退出来るように準備はしておけ』

 

がぶりえる王だ。

 

 

「がぶ『答えるな。俺の言葉を続けて復唱しろ』……」

 

その声に怒気が含まれているのは容易に分かる。

だが、今はとにかく指示に従うべきだ。

これ以上失態を犯すわけにはいかない。

少しでも役に立って見せねば、例え死ねと言われても死に切れない。

 

 

 

「待て。戦闘の意思はない」

 

「………」

 

「俺は神の国の者だ。君達の主人の戦いを覗いていた事は謝罪する。我々神の国も君達を図りかねているんだ。どうか許して欲しい」

 

「……………………ふうん?」

 

「君達の主人にも伝えてくれ。君達と敵対する気はない。今回の謝礼金代わりと言ってはなんだが、そちらに有益な情報を与えよう。吸血鬼を洗脳したのはワールドアイテム“傾城傾国”。スレイン法国の六大神が残したとされるアイテムだ」

 

そう言うと、目の前の少女の表情に変化が見えた。動揺だろか…はたまた驚愕か…。

 

 

「………………」

 

「どうだ?有益な情報だろう?」

 

長い沈黙の後、少女が口を開いた。

 

 

「……その情報を信じると思うの?」

 

「……それはそちらの勝手だ。ただ、すぐにでも法国を攻め落とせば真実はすぐに分かる……と言っておこう」

 

 

「なるほどね………………」

 

 

そう言って、考えこむような素振りを見せる。

 

 

「…マーレ!」

 

突然笑顔を浮かべて声を上げたかと思うと、植物のツタのようなものが俺の体に絡みついてきた。

 

「これは…!」

 

「だ、大丈夫?おねぇちゃん」

 

「早かったね、マーレ」

 

 

“マーレ”と呼ばれた少女………いや、少年か?

目は“姉”と逆の色をしており、髪は姉に比べて少し短い。

特徴的なのは少女のようなミニスカートだ。

 

なるほど。俺とのお喋りに付き合っていたのは時間稼ぎのためか。正面から戦うよりも不意を打って拘束した方が楽だと判断したんだろう。

 

 

「こ、この人は?」

 

「さぁ?でもなんか色んな事知ってるみたいだよ?」

 

「そうなんだ…」

 

「…さてと。じゃあ、ナザリックに連れて帰ろっか!」

 

「う、うん」

 

 

 

『……逃げられるな?』

 

「はい。問題無く」

 

『……撤退だ。すぐ帰って来い』

 

「了解」

 

撤退の指示だ。

 

即座にスキル〈変わり身の術〉を使い、拘束から抜け出し全速力で駆ける。

 

 


 

 

「うーん……速いなぁ……もう見失っちゃった……」

 

「…逃しちゃったね」

 

「うん……」

 

ほんの少しの会話だったが、かなりの情報を持っていることは分かった。アレを捕らえれば良い情報源になると思っていたのだが……。

 

「今の人って、シャルティアさんを洗脳した人達とおんなじなのかな?」

 

「どうなんだろ……。本人は違うってゆう風に言ってたけど……」

 

神の国だと言っていたがそれすらも怪しいだろう。

 

「そ、そっかぁ……あ、おねぇちゃん。アインズ様が勝ったみたいだよ!」

 

「………知ってる」

 

当然だ。アインズ様が負けるわけないじゃない……。

 

 


 

 

申し訳ありませんでした!!!

 

ガン……いや、ドゴンと床に頭を打ち付ける音が響いた。

 

「……顔を上げよ、癋見」

 

「……はっ」

 

「…先に言っておくが、今回の失態を強く責めるつもりは毛頭ない」

 

俺がそう言うと、将軍達が少し騒つく。

 

「独断先行は確かに責められるべきかも知れないが、俺も癋見から共有される景色が少しずつ近づいて行くのを分かっていながら見逃していた……つい欲張ってしまってな。ついでに言えば、伏兵がいる可能性まで考えていながらも警戒していなかったのも俺だ。……つまり、今回に関しては俺にも責任がある。だから癋見が強く責任を負う必要は無い」

 

「……ありがたきお言葉でございます」

 

 

実際、あの時は本当についつい欲張ってしまった。

 

それに、慢心もあった。

何せ今まで御庭番衆はおろか諜報部隊自体が誰一人バレていないから、「どうせバレないだろう」と考えていた節がある。

 

相手は100レベル。これまでとは次元が違う相手だということを身をもって実感した一日だった。

 

 

あと、見つかった後の会話だ。

 

あのまま癋見にやらせるよりはマシだったと思うが、良い持って行き方だったとは思えない。

何も言わずに去った方が良かったのだろうか……?いや、それだと勝手に当たりをつけられて完全に敵対する可能性もあるから正体を隠さなかったのは悪くない判断のはずだ。

だが、もっと上手く敵対を避けるような言い回しもあったんじゃないだろうか。

本当に敵対を避けたいなら、俺が直々に話すべきだったのかも知れない………。

 

 

 

……………いや、過去を振り返ってもしょうがない。

考えるべきなのはこれからの事だ。

 

 

下手に受けに回るよりも、先手を取ってイニシアチブを取った方が良いはず。

アインズ・ウール・ゴウンのメンバーで居場所が割れているのはモモンだけ。モモンに接触して、会談を取り付けるというのが接触の方法としては一番やりやすい手段だ。

 

なら……まずはモモンから攻略していこう。




流れはともかく、書き方のせいで間とかが伝わりにくくなってないか不安です。
文章力無くてすんません……。
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