白と七人の歌姫   作:火の車

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お勉強

 人と言うのは何故に勉強するんだろう

 

 別にやらないと死ぬわけでもないし

 

 役に立つかと言われれば約立たずなのに

 

燈「__なんだこれ。」

有咲「お前への課題だ。」

燈「帰ってもいいか?」

有咲「ダメに決まってるだろ!」

 

 市ヶ谷はそう怒鳴って来た

 

 俺は咄嗟に耳を塞いだ

 

有咲「お前の面倒見ろって理事長に言われてんだよ!それを抜きにしてもお前の学力の低さは目に余る!」

燈「ふっ、それほどでも。」

有咲「褒めてねぇよ!?」

紗夜「彼の成績は一体どのくらいなのですか?」

有咲「これです......」

紗夜、燐子「うわ......」

 

 市ヶ谷が出した紙を見て、

 

 水色と黒髪は声を上げた

 

 そして、ゆっくり俺の方を見た

 

紗夜「勉強しなさい。」

燈「嫌だ。」

燐子「このままじゃ、危ないですよ......?」

燈「と言われてもな。」

 

 教科書を見ても何を書いてるか分からんし

 

 人に説明を受けても分からない

 

 つまり、打つ手なしだ

 

有咲「お前にはこれを渡す。」

燈「いらん。」

有咲「中学の問題だからやれ!」

燈「えぇ......」

有咲「えぇ ......じゃねぇ!」

 

 市ヶ谷は怒鳴りながら俺に紙を押し付けてきた

 

 そして、モノを言われない態度で座った

 

有咲「いいな?明日までだぞ?」

燈「はぁ......」

 

 俺はため息をつきながら紙を鞄に入れ

 

 椅子から立ち上がった

 

燈「じゃあな。」

有咲「絶対に明日だからな?」

燈「はいはい。」

有咲「はい、は1回!」

紗夜(まるで子供をしつける親ね。)

 

 俺は市ヶ谷の怒鳴り声を聞きながら

 

 生徒会室から出た

__________________

 

 学校を出て、しばらく歩き

 

 いつもの公園に来た

 

 ここはやっぱり静かでいい

 

燈「__あー......」

 

 俺はベンチに腰を下ろした

 

 そして、大きなため息をついた

 

燈(全くわからん。)

 

 俺は鞄に入れてる紙を出し

 

 内容に目を通した

 

 何を書いてるのか全く分からん

 

 こんなのどうすりゃいいんだ

 

燈(プラスとマイナスが......こうなって......)

 

 ダメだ理解出来ない

 

 中学の問題とか言ってたけど、

 

 俺には難しすぎる

 

燈(これは明日も怒鳴られるなー。まあ、いいけど。)

レイ「__あれ?」

燈「んあ?」

 

 しばらくそこにいると

 

 俺の方を見てる気配があった

 

 俺は気配の方に顔を向けた

 

レイ「こんな所で何してるの?白い悪魔さん。」

燈「その呼び方するな。」

 

 てか、こいつ誰だ

 

 どっかで見たことあるぞ

 

 この背の高さ......

 

燈「俺はここでゆっくりしてただけだ。」

レイ「そうなんだ。」

 

 どこでこいつ見たかな

 

 うーん......

 

燈「......あっ。」

レイ「?」

燈「お前、財布のデカ女か?」

レイ「え?財布拾ってもらったことはあるけど。」

 

 思い出した思い出した

 

 こんな奴いたよ

 

 財布拾ったときの持ち主

 

 金髪の奴といたっけ

 

燈「お前こそ何してんだ?また財布なくしたのか?」

レイ「なくしてないよ?ちゃんと持ってる。」

 

 デカ女はそう言いながら財布を見せてきた

 

 なんだ、落としてないのか

 

レイ「すごいため息ついてたけど、どうかした?」

燈「あー、それはこれだ。」

レイ「プリント?」

燈「明日までにやってこいって渡されたんだ。」

レイ「ちょっと、見せてくれる?」

燈「あぁ。」

 

 紙を受け取ると、

 

 デカ女は紙に目を通し始めた

 

レイ(これは、中学生の問題?)

燈「?」

 

 なんだ、すげぇ見られてるぞ

 

 俺がそう思ってると、

 

 デカ女はゆっくり口を開いた

 

レイ「悪魔さんは中学かな?」

燈「高校2年ってことになってる。一応な。」

レイ「そ、そう。」

 

 デカ女は引きつった顔をしてる

 

 そして、こう言ってきた

 

レイ「教えてあげようか?今日は時間あるし。」

燈「お、それは助かる。」

レイ「じゃあ、隣座るね。」

 

 デカ女はベンチに腰を下ろした

 

 そして、膝元に紙を広げた

 

レイ「まず、この問題だけど、これは足し算と変わらないよ。」

燈「???」

レイ「少し、お手本見せるね。」

 

 デカ女はそう言って、

 

 ゆっくりペンを動かした

 

 すごい簡単そうに書いてる

 

レイ「こんな感じで出来るよ。」

燈「おぉ、すげぇ。」

レイ「じゃあ、やってみて。」

燈「あぁ。」

 

 俺は紙を受け取り

 

 ペンを持った

 

燈(たしか、さっきは......)

 

 俺は見本通りに書き込んだ

 

 なんか、すごい出来てる気がするぞ

 

燈「__出来た。」

レイ「じゃあ、見せてみて。」

燈「おう。」

 

 俺はデカ女に紙を渡した

 

 デカ女は俺の書いた部分を見てる

 

燈(どうなんだ?)

レイ「うーん、こことここ間違えてるね。」

燈「なに!?」

 

 俺は驚きの声を上げ

 

 紙を見た

 

 どこを間違えてるのか全く分からん

 

レイ「これは符号を変え忘れてるね。」

燈「ふごう?」

レイ「プラスとマイナスの事だよ。」

燈「変えるってなんだ?」

レイ「それはね__」

 

 それからデカ女は

 

 俺に問題の説明をした

 

 俺のレベルに合わせてるのか、

 

 なんとなく理解出来てるような気がした

 

レイ「__こんな感じだよ。」

燈「何となくわかった。」

レイ「じゃあ、間違えてるところやってみて。」

燈「おう。」

 

 俺は間違えてる問題を書き直した

 

 分かる、分かるぞ!

 

燈「こうだろ!」

レイ「.うん、正解。」

燈「よっしゃ!」

 

 俺は拳を振り上げた

 

 これで渡されてたのが全部終わった

 

 これで怒鳴られなくて済む

 

燈「お前天才だな!デカ女!」

レイ「そんな事ないよ。たまたま教えられる問題だっただけだし。あと。」

燈「?」

レイ「デカ女じゃないよ。私は和奏レイ。」

燈「そうか。」

 

 和奏レイ、和奏か

 

 こいつの名前は覚えたぞ

 

 和奏だ!

 

燈「ありがとうな、和奏。」

レイ「全然平気。役に立ててよかったよ。」

燈「なんか礼する。」

レイ「え、大丈夫だよ?」

燈「そんな訳には行かない。」

 

 礼するって何すればいいんだ

 

 何か持ってねぇかな

 

 ......ダメだ、なんもねぇ

 

燈「.....そうだ!」

レイ「?」

燈「和奏に何か困ったことがあった時、俺が助けに行く!」

レイ「え?」

燈「喧嘩でも荷物運びでも、なんでもする!」

 

 俺がそう言うと和奏はポカンとした

 

 そして、少し笑いながら口を開いた

 

レイ「困ったことがあったら、ちゃんとお願いするね?」

燈「おう!まかせろ!」

レイ「ふふっ。」

 

 それから俺と和奏は

 

 電話番号を交換してから別れ

 

 俺は家に帰っていった

 

 翌日、今日やった課題を出したら

 

 市ヶ谷は信じられないモノを見た顔をしてた

 

 俺はそれを見て、再度、

 和奏に感謝した

 

 

 

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