白と七人の歌姫   作:火の車

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 戸山咲にボコボコにされた後日

 

 俺はいつも通り(?)

 

 市ヶ谷に正座させられている

 

有咲「__授業に出ろ!」

燈「......」

 

 毎度毎度、飽きもせずに怒鳴ってくる

 

 声デカすぎて耳が痛くなる

 

有咲「ただでさえ頭が悪いってのに、お前ときたら......」

燈「まぁ、落ち着け。すごい顔になってるぞ。」

有咲「誰のせいだよ!?」

燐子「い、市ヶ谷さん、少し落ち着いてください......」

紗夜「そうです。言ってきくような人ではないでしょう。」

 

 困ったような顔の黒髪と水色が話に入ってきた

 

 水色はなんか呆れた顔をしてる(気がする)

 

 市ヶ谷はデカい溜息をつき、椅子に座った

 

有咲「そうですけど。本当にこいつは......」

燐子「あの、なんで授業に出ないんですか......?」

燈「うーん、これじゃない感があるから?」

紗夜「これじゃない感?」

燈「俺が普通に勉強するのは違うんだよなー。」

有咲「いっつもこれ言うんですよ......」

 

 市ヶ谷は大きく肩を落とした

 

 大変そうだな(他人事)

 

紗夜「そう言えば、昨日、保健室に運ばれてましたが。どうかしましたか?」

燈「!」

燐子「......?」

燈「聞くな。」

紗夜「え?」

燈「顔面の痛みを思い出す......」

有咲「まさか、また咲さんに喧嘩売ったのか!?」

燈「今回は俺じゃない。あいつだ。」

 

 俺はため息をつきながらそう言った

 

 すると、市ヶ谷は首を傾げ

 

 水色と黒髪も不思議そうな顔をした

 

燈「あの横暴女、自分と戦える人間を作るとか言って強制的に__」

咲「__へぇ、誰が横暴女だって?」

燈「っ!!??」

有咲「さ、咲さん!?」

 

 死んだ

 

 間違いなく俺の人生が終わる音がした

 

 俺はそんな事を考えながら、

 

 動くことを拒否する首を動かした

 

咲「こんにちは。」

燈「こ、こんにちハ、戸山咲......サン。」

有咲(敬語になった!?下手くそだけど!)

咲「それで、誰が横暴女?」

燈「」

 

 まずい、まず過ぎる

 

 どうする、どう言い訳する

 

 あー、もう、適当になんか言おう

 

燈「......い、市ヶ谷。」

有咲(く、苦しすぎる......)

咲「......」

 

 戸山咲は一切動かない

 

 どういう感情か全く分からない

 

 やばい、何を考えてやがる

 

咲「今日は本気で行くね。」

燈「」

有咲、紗夜、燐子(あっ......)

咲「これから体育館ね。」

燈「......はい。」

有咲(死んだな。)

 

 俺は昨日以上に死刑囚の気持ちを感じつつ、

 

 重い足を引きずって体育館まで歩いて行った

__________________

 

燈(やばいやばいやばいやばいやばい!!!)

咲「......」

 

 戸山咲は木刀を2本持ち

 

 すごい速度で振り回して追いかけてくる

 

 昨日以上に速いし、隙がない

 

燈(集中集中集中!!!)

咲(......やっぱり。)

 

 1本過ぎたかと思えば2本目

 

 雨のような攻撃が降り注いでくる

 

咲(手を抜いてるつもりはないのに、当たらない。)

 

 このままじゃ完全にじり貧だ

 

 だからって、反撃が出来る余裕なんてない

 

 マジで、一発入れるとかのレベルじゃねぇぞ

 

咲(やっぱり、速さだけなら最初から私よりも上。でも......)

燈「っ!!」

咲「......甘いよ。」

 

 戸山咲は一本目を完全に囮に使い

 

 隠れたところから2本目を出して来た

 

 これは流石にマズ__

 

燈(__な、なんだ、これ?)

咲「......!」

燈「......よ、避けた?」

 

 今、一瞬だけ戸山咲の太刀筋が見えた

 

 あと、なんか、若干ブレもあった

 

咲「......なるほど。」

燈「なんだ?」

咲「いや、やっぱり速いんだって思った。」

燈「??」

 

 戸山咲は何を考えてるんだ

 

 表情が変わらないから全く分からん

 

 そんな事を思ってると戸山咲が口を開いた

 

咲「私と戦うレベルになって君の武器はスピードだよ。」

燈「?」

咲「君は初めて戦った時から、私より速く動いてたんだよ。」

燈「なに?」

 

 俺は戸山咲の言葉に驚いた

 

 あの時は簡単に攻撃に対応され

 

 攻撃に反応できないままやられた

 

 でも、こいつは俺の方が速いと言う

 

 不思議なことこの上ない

 

燈「じゃあ、なんで俺を簡単にとらえられるんだ。」

咲「総合力が上だから。(ドヤッ)」

燈(うわ、珍しく表情変わった。)

咲「と言うのもあるけど。君の感覚が付いてきてないんだよ。」

燈「感覚?」

 

 どういう意味だ?

 

 俺がバカだからか全く分からん

 

 そう思ってると、戸山咲が説明を始めた

 

咲「君は今まで格下としか戦ったことがなかった。だから、私のレベルにはついて来れずに前は負けた。」

燈「ふむ。」

咲「でも、一気にここまで対応度を上げた。中々やるね。」

燈「お、おう。」

咲(それにしても、早過ぎるんだよね。)

 

 なんか、こいつに褒められるの怖いな

 

 ボコられてる時の方がマシだったぞ

 

 あー、怖い......

 

咲「ねぇ、フルネームで呼ぶの面倒だから燈って呼んでもいい?」

燈「まぁ、呼び方くらいなんでもいいぞ。」

咲「じゃあ、燈ってさもっと早く動けないの?」

燈「うーん......まぁ、出来ると思うが。」

咲「ふーん。」

 

 戸山咲は何かを考えてるみたいだ

 

 いかにも戦い以外には頭空っぽそうなのに

 

 考える事なんてあるんだな(人のこと言えない)

 

咲(やっぱり、燈って......)

燈(何を考えてるんだ。)

咲「まぁ、今日は終わりだね。」

燈「え?」

 

 戸山咲はそう言って俺に背中を向けた

 

 俺としては別にいいんだが

 

 変な奴だな(人のこと言えない)

 

燈「じゃあ、俺は帰るぞ、戸山咲。」

咲「うん、いいよ。てかさ。」

燈「?」

咲「フルネーム長くない?」

燈「あ?」

咲「燈も呼び捨てでもいいよ。」

 

 戸山咲は真顔でそう言ってきた

 

 たしかに、すごい長いんだよな

 

 呼ぶのめんどくさいし

 

燈「まぁ、俺は別にそれでもいい。」

咲「じゃあ、また明日。」

燈「......はい。(嫌だ)」

 

 俺は心の中でそんな事を言いながら

 

 体育館を出て行った

__________________

 

 なんだかんだあって学校を出て

 

 いつも通りの道をのんびり歩いてる

 

 いやぁ、平和だなぁ......(遠い目)

 

燈(はぁ~、今日は骨折れなくてよかった。)

友希那「__何をため息をついているの?」

燈「あ?」

友希那「久しぶりね。」

 

 いつもの公園まで来ると、湊が声をかけて来た

 

 咲の訓練で時間はだいぶ遅くなってるのに

 

 こいつ何1人で歩いてやがるんだ

 

燈「何してやがんだ。この辺は女1人で歩くとこじゃねぇぞ。」

友希那「そうなの?」

燈「この辺は誘拐とか通り魔とかそう言う奴らがよく来る。」

友希那「なるほど。それを佐渡君は取り締まってるのね。」

燈「俺は警察か。」

 

 どっちかって言うと敵だよ

 

 てか、別に取り締まってないし

 

 ただ気に入らない奴を殴ってただけだ

 

燈「!......湊、こっちにこい。」

友希那「え?」

燈「ちっ!」

友希那「きゃ!」

 

 俺は自分の方に湊を引き寄せた

 

 すると、後から銀色に光る何かが通過した

 

友希那「!?」

通り魔「なに!?」

燈「ほら、こう言う奴いるだろ。(ん?)」

通り魔「__ぐふっ!!!」

 

 俺は通り魔の顎を殴った

 

 通り魔は膝から崩れ落ちていき、

 

 白目で泡を吹いて倒れた

 

友希那「っ!」

燈(なんだ、今のは。)

 

 今、通り魔の動きがスローに見えた

 

 本当に動いてすらなかった

 

 殴っていいのか不安になったぞ

 

燈「......まぁ、いいや。」

 

 俺はそう呟いて、公園の出口に体を向け、

 

 ゆっくりと歩き始めた

 

燈「こういう訳だから気をつけろよ。じゃあな__ん?」

友希那「......」

 

 俺が帰ろうとすると、

 

 湊が俺の服の裾を掴んできた

 

 な、なんだ?

 

燈「どうした?」

友希那「な、なんでもないわ......」

燈「......あっ。」

 

 よく見ると、湊の身体が震えてる

 

 しかも、若干だけど涙目だ

 

 それでも、態度は保つんだな

 

燈「怖いなら言えっての。」

友希那「こ、怖くないわ......」

燈「じゃあ、俺は帰るz__」

友希那「そ、それはだめよ!」

燈「......」

 

 め、面倒くせぇ......(正直)

 

 なんだ、こいつは

 

 どうするか......

 

燈「送ってやろうか?」

友希那「!」

燈「散歩ついでに。この時間あぶねぇし。」

 

 俺はそう言って、

 

 服を掴んでる手ごと湊を引っ張た

 

友希那「きゃ!」

燈「ほら、行くぞ。」

 

 俺は湊を引っ張たまま公園を出て、

 

 湊の家まで歩いて行くことになった

__________________

 

 俺の今までの人生において

 

 女に服を引っ張られたまま夜道を歩く、

 

 なんていう経験は勿論ない

 

 てか、服が伸びそうだから何とかなんねぇかな

 

友希那「__な、なんで、ここまで付き合ってくれたの?」

燈「ん?いや、暇だったから。」

 

 歩いてる途中、湊はそんな事を聞いて来て、

 

 俺は軽い口調で答えた

 

燈「まぁ、後はお前がビビってたから。ほっといたら泣くかと思ってな。」

友希那「なっ......!///」

燈「別に俺は今から帰ってもいいが、さっきみたいなやつが来ても知らんぞ。」

友希那「......ごめんなさい。」

 

 湊はマジで怖いのか、小さな声でそう言ってきた

 

 何と言うか、普通に見れば小柄な女だよなぁ

 

 てか、いちいち涙目になるのやめてくれないかな

 

 俺が泣かしたみたいになるし

 

燈「いや、ここまで来て帰らねぇよ。」

友希那「もう少しで着くわ、もう、そこ__」

リサ「__友希那ー!」

燈、友希那「!」

 

 湊が話してると、

 

 向こうから知り合いと思われる女が走ってきた

 

 なんだ、迎えが来たならちょうどいいや

 

燈「ほら、迎えだぞ。」

リサ「ゆ、友希那大丈夫!?」

燈「!」

友希那「っ!?」

 

 ギャル女は湊を引っ張り自分の方に寄せ

 

 俺から湊を庇うように間に立ち

 

 勢いよく喋り始めた

 

リサ「こ、こいつ、不良じゃん!」

燈「......」

友希那「り、リサ......?」

リサ「友希那に手を出さないでよ!」

燈「......」

 

 俺はなぜ怒鳴られてるのだろう

 

 いや、今日は何も悪い事してないよな?

 

 なんなら、今日は親切な方だぞ

 

リサ「こんな夜に友希那連れ出して、なにする気なの!?」

燈(何もない。)

リサ「言っとくけど、友希那に何かしてたら絶対に許さないから!警察に突き出すから!!」

友希那「あの、リサ......」

リサ「帰るよ、友希那!」

友希那「ち、ちょっと、佐渡く__」

 

 湊はギャル女に引っ張られ、

 

 どこかへ歩いて行った

 

 俺はその場に1人残された

 

燈(......なんでだ。)

 

 俺はそんな事を思いながら、

 

 来た道を引き返して家に帰って行った

 

 今日は、色々あったな......

 

 

 

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