白と七人の歌姫   作:火の車

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呼び方

 咲の攻撃をよけ続けて5日目になった

 

 最近、なんかツイてない気がする

 

 喧嘩したくないって思い始めてから、

 

 変な殺し屋に襲われるし、

 

 湊の知り合いに怒鳴られるし

 

燈(なんだかなー。)

 

 俺は喧嘩しないといけないのか?

 

 いや、別にそんな事はないはずなんだが

 

 でも、なんだかなー......

 

香澄「__あ、やっぱりいた!」

燈「戸山?」

香澄「おはよう!佐渡君!」

 

 屋上でボケーッとしてると、

 

 勢いよくドアを開けて戸山が入ってきた

 

 相変わらず、元気な奴だ

 

燈「何か用か?」

香澄「咲ちゃんが今日は用事があるからお休みだって!」

燈「用事?咲が?」

香澄「!?」

 

 まぁ、俺からすれば寿命が延びたくらいだ

 

 まぁ、やることは全くないわけなんだが

 

香澄「さ、佐渡君、咲ちゃんの事名前で呼んでるの!?」

燈「ん?あぁ。フルネーム呼びが長いってな。」

香澄「じゃあ、私も名前で呼んでよ!」

燈「あ?」

香澄「ほーら!香澄だよ、香澄!」

燈「......」

 

 別に戸山でも香澄でも文字数変わらんし、

 

 正直、どっちでもいい

 

 何で呼び方なんかに拘るんだろう

 

燈「まぁ、別にいいぞ、香澄な。」

香澄「うん!私も燈君って呼ぶ!」

燈「なんでもいい。」

 

 俺はそう言って遠くを眺めた

 

 なんか、空が青いなぁ

 

 風も気持ちいし、いい日だ

 

香澄「燈君って教室に来ないの?」

燈「なんだ、お前も授業に来いって言うのか?」

香澄「ううん。なんか、馴染めないからじゃないかなって。」

燈「そういう事なら心配するな。ただ行く気がないだけだ。」

 

 俺はそう言って目を閉じた

 

 良い風を感じられて、気分がいい

 

 まるで、体が浮いてるみたいだ

 

燈(......?)

香澄(うーん、やっぱりそうだよねー。私は燈君も一緒に授業受けたいんだけどなー。)

燈「おい、香澄。」

香澄「え?どうしたの__!?///」

燈(......殺気。)

 

 俺は香澄を懐に入れ

 

 ある一転を睨みつけた

 

香澄(あわわわわ!///)

燈「......出てきやがれ、そこにいる奴。」

香澄「え?」

燈「そこにいるのは気配で分かってるぞ。」

 

 建物の陰にいて姿は確認できない

 

 でも、確かにいる

 

 明確にこっちに殺気を向けてきてる

 

 もう次の奴が来やがったのか

 

燈「そっちが来ないならこっちから行くぞ......!」

香澄「!」

 

 俺は地面を蹴って建物の角を曲がった

 

燈(いた!)

?「!?」

 

 俺はそこにいる奴の腕を掴み

 

 壁の方に追い込んだ

 

燈「お前、ここでなに......を?」

彩「......///」

 

 俺が壁に追い込んでたのは丸山だった

 

 壁で顔を赤くして小さくなってる

 

 危ない、一応力弱くしてて正解だった

 

燈「......何やってんだ。」

彩「い、いや、佐渡君いるかなーとか思って......///」

燈「声かけろよ、たくっ。」

 

 あの殺気が丸山とは思えない

 

 でも、気配が変わった感じもなかった

 

 殺気は気のせいだったのか?

 

彩「あ、あの......///」

燈「あ、悪い。」

 

 俺は丸山から離れ

 

 少しだけ周りを見回した

 

 勿論、誰もいない、丸山だけだ

 

燈(やっぱり気のせいか。)

香澄「燈くーん?どうしたのー?」

彩「!?」

燈「なんでもない。気のせいだった。」

 

 俺は元の位置まで戻り

 

 ゆっくり腰を下ろした

 

燈(俺の感覚がバグったのか?気配を感じ間違えたことなんかなかったんだが。)

 

 咲に殴られ過ぎて頭バグったか?

 

 相当殴られたからなー、マジで

 

彩「佐渡君!!」

燈「な、なんだ?」

 

 俺が考え事をしていると、

 

 丸山が大声で出しながら近づいて来た

 

 少しびっくりして返事に戸惑っちまった

 

彩「なんで香澄ちゃんを名前で呼んでるの!?」

燈「え?いや、さっき呼べって言われた。」

彩「じゃあ、私も呼んで!」

燈「え?」

彩「私も呼ばれたいよ!」

 

 彩は食い気味にそう言ってきた

 

 いや、別に呼び方なんて何でもいいんだが

 

 丸山、丸山かぁ......

 

燈「......なぁ。」

彩「どうしたの?」

燈「お前の名前、なんだっけ。」

彩「えぇ!?そこからー!?」

 

 素直に忘れた

 

 あんまり会わないと名前忘れるんだよな

 

 俺、頭悪いから

 

彩「彩だよ!彩!」

燈「あ、そうだったそうだった。」

彩「もー!」

 

 彩は頬を膨らませて怒ってる

 

 なんか、怒り方がガキっぽいな

 

燈「まぁ、そう怒んなって。」

彩「怒ってないよ~!」

燈「はは、やっぱお前可愛いわ。」

彩「!?///」

香澄「!?」

 

 こいつは確かアイドルってやつだ

 

 周りの奴と比べたら大分顔がいい

 

 いやぁ、羨ましいな

 

燈「彩な。覚えた覚えた。」

彩「う、うん......///」

香澄(な、なんだろう、今......)

燈(さてと、寝よ。)

 

 俺はそう思って目を閉じ

 

 香澄と彩に話しかけた

 

燈「俺は寝るからな。」

香澄「あ、うん......」

彩「おやすみ!」

燈「おう......」

 

 俺はそうして、意識を落とした

 

 やけに視線を感じたがまぁ、いいだろう

__________________

 

 眠りから覚めて

 

 俺は寝ぼけたまま学校を出て

 

 いつもの公園まで来た

 

 まぁ、特に何にもないんだが

 

ましろ「__あ、佐渡さん!」

燈「ん?倉田?」

ましろ「こんにちは!」

 

 公園を歩いてると、

 

 倉田がこっちに向かって走ってきた

 

 なんか、ペットの犬っぽいな

 

ましろ「んぅ......///」

燈(ふむ、犬だ。)

ましろ「さ、佐渡さん......?///」

燈「あ、犬っぽくてつい。」

ましろ「犬!?」

 

 倉田は驚いた声を出した

 

 すごい声だな

 

 歌ってるだけあるってやつか

 

燈「それで、なんか用かって聞くまでもないか。」

ましろ「はい、ありません。」

燈「だよな。」

 

 倉田はほとんど用もないのに話しかけてくる

 

 まぁ、別にいいんだがな

 

ましろ(佐渡さん、やっぱりかっこいいなぁ......///)

燈「なぁ、倉田。」

ましろ「はい?」

燈「倉田も名前で呼ばれたいとか思うか?」

ましろ「え?(えぇぇぇ!?///)」

燈「?」

 

 朝の流れ的に聞いた方がいいと思った

 

 結構、仲良くなった方だと思うし

 

 倉田に関しては結構な親しみがあるし

 

燈「あ、別に呼ばれたくないなら__」

ましろ「呼ばれたいです!絶対に呼ばれたいです!///」

燈「そ、そうか?」

 

 す、すごい食い気味だな

 

 いつもは割と大人しいのにな

 

 いや、別にいいんだが

 

燈「じゃあ、ましろって呼ぶな?」

ましろ「は、はい!///あ、わ、私も......///」

燈「ん?......あ、俺の名前か?」

 

 なんで、わざわざ片方が変えたら変えるんだろう

 

 あれか、立場を対等にしようって感じか?

 

 でも、俺は一ノ瀬の事一ノ瀬って呼んでるぞ?

 

ましろ「私もその、あ、あか、あか......!」

燈「?」

ましろ「や、やっぱり無理ですぅー!///」

燈「ん?ましろ?」

 

 ましろは顔を真っ赤にして走って行った

 

 てか、意外と速いな、驚いた

 

燈(なんであんな顔してたんだ?)

瑠唯「__随分と仲が良いのですね。」

燈「......ちっ。」

 

 ましろが走って行った後、

 

 金持ち女が木の陰から出て来た

 

 勿論、こいつの存在には気付いてた

 

 ほっとけば関わらないで済むと思って無視してた

 

瑠唯「それにしても、意外ですね。」

燈「俺がましろと仲良くしてるのがか?」

瑠唯「いえ。あなたが白い悪魔なんて呼ばれてるのが、です。」

燈「っ!!」

 

 金持ち女は一定のテンションでそう言ってきた

 

 そうだ、こいつは知ってやがるのか

 

 面倒くさいな

 

瑠唯「昔に会ったあなたは喧嘩どころか運動も出来なそうだったのに。」

燈「......ちっ。」

瑠唯「日本であっただけでも驚きですが。まさか、こんな男になっていたなんて。」

燈「うるせぇよ。金持ち女が。」

瑠唯「......」

 

 正直、こいつと話すの嫌だ

 

 さっさと離れて帰りたい

 

 無視して帰るか

 

瑠唯「数日間、一緒にいた仲じゃないですか。」

燈「っ......うるさい。殺すぞ。」

瑠唯「出来ないでしょう。」

 

 マジで鬱陶しい

 

 俺はそう思い、公園外に向けて歩き始めた

 

瑠唯「帰るのね。さようなら__さん。」

燈「......殺すぞ。」

瑠唯「!!」

 

 俺は金持ち女を睨みつけ

 

 黙ったのを確認して公園を出て行った

 

 マジで、気分わりぃ......

 

瑠唯(......自分を否定するのね。)

 

 

 

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