いよいよ、ヤバくなってきた
メイソンの野郎、キツイ毒入れやがって
取り合えず、五感ってやつはもうアウトだ
何の反応も示しはしねぇ
燈(__流石にマズいか。)
俺がこいつにやられて毒を入れられて、
もう、20分くらい経つか
幸いなのは......
メイソン「段々と顔が青くなって来たね。」
こいつがいい性格してるって事だ
わざとゆっくり回るやつを使ってる
昔からそうだ、こいつは変化を楽しむ
顔色、肉感、網膜の変化、
傷つく過程、治る過程
こいつは何でも変化を楽しむ趣味がある
それが今、俺が生きてられる理由ってわけだ
メイソン「大丈夫、まだ殺さない。死ぬ寸前になれば解毒剤を飲ませて、また毒......いや、他の拷問でも......いやぁ、楽しみが広がるなぁ!」
燈(......クソ変態野郎が。)
だが、今の状況じゃ、
俺は心の中で文句をたれる事しか出来ない
手足はただでさえ壊せない鎖で繋がれて、
足は体を吊られて地面についてない
今の俺の身体能力は何百分の一もない
燈(毒が回り切るまであと15分くらいか。つまり、15分後には解毒剤を使う。その瞬間に__)
......どうするんだ?
解毒剤は回復薬ってわけじゃない
毒が解けたとして、体力は戻らない
五感が戻るのにも時間がかかる
燈(......終わりか。)
いよいよもって、武器がない
てか、俺の武器って身体しかないし
それが奪われたら人生終了なんだよな
メイソン「いやー、君もしっかり考えてるんだねぇ。でも、浅いなぁ。」
燈「......」
メイソン「君の行動パターンは分かってるよぉ?でも、それを全部できないようにすれば安心だよねぇ?」
燈(......ちっ。)
目が段々と見えずらくなってる
呼吸も持たなくなってきてる
タイムリミットか......
メイソン「あはは!良いねぇ、その表情!最高!!」
燈(マジで、やば......って、なん、だ?)
俺は朦朧とする意識の中、
遠くに幻か何かわからないが、
光り輝く何かが見えた
__________________
”咲”
燈の何かを辿って、
一番近い山の廃病院に着いた
何年も使われてないのが分かる
確か、心霊スポットで有名なはず
友希那「__ほ、本当にこんな所にいると言うの?」
咲「うん。間違いない。」
友希那「でも、人がいる感じがしないわ。」
咲「うん、この建物内部にはいない。」
私はそう言った後、地面に手をついた
そして、耳をつけた
咲(空気の音が不自然。なにか空洞みたいな......)
友希那「何をしているの?」
咲「音を......聞いてる。」
やっぱり、この下はおかしい
通路の空気の流れを感じる
咲「......ここ。」
友希那「!」
私は木刀を地面に突きつけ
咲に力を集中させた
友希那「__!!」
すると、地面はウエハースみたいに崩れ落ちて
山の中にあるのが不自然な近代的な通路が出て来た
流石、私
完璧に当てて見せたね
咲「入るよ。」
友希那「え、ちょっと、きゃあー!!」
私は湊友希那を抱えて、
通路の中に侵入した
__________________
通路は複雑ってわけじゃなさそう
むしろ、歩きやすいように単純にしてる
まるで、一人暮らしの家みたい
咲「1人で使う事が想定されてる。気配は......」
友希那「?」
ここにある部屋数は56
その中で異様に大きい部屋がある
その部屋にあるのは......
咲「っ!!!」
友希那「ちょ、ちょっと、大丈夫なの!?」
咲「......大丈夫。体中の血管がびっくりしただけ。」
友希那「体中の、血管......?」
一番大きい部屋を探ると、
まるで、爆発を受けたような衝撃を感じた
大きな何かの感覚
これは......
咲(......強い。)
遠くから私にここまでの影響を与える
これは、少なくとも同格以上の相手
ここに、そんなすごい人間がいるって言うの?
咲「......ふふふ。」
友希那「ど、どうかしたの?」
咲「ちょっと、興奮してきた。」
友希那「え?」
この感覚は一体、何なんだろう
前に追った人間とは別物
でも、燈でもない
咲「取り合えず、行こう。」
友希那「え?えぇ。」
私は湊友希那と一緒に、
異常な感覚の方へ走った
__________________
感覚が段々と大きくなってる
一番広い部屋までもう近い
咲「そこの部屋だよ。」
友希那「あの、大きいドア?」
咲「うん。取り合えず、割るよ。」
友希那「え?」
私は強く床を蹴って、
思いっきりドアに打撃を与えた
流石に少し硬かったけど、
何とかこじ開ける事が出来た
咲「__!!」
友希那「え......?」
部屋に入って、私は驚愕した
人生で初めてかもしれない
私が人の強さで驚くなんて
メイソン「た、たすけ__グフッ!!!」
咲「......何と言うか。」
元は美形だったようにうかがえる顔は、
驚くほど歪んで、どこかへ体ごと飛んでいった
そして、後からは
私ですら若干だけど背筋が凍る
白い影が静かに歩いてきた
燈「......来るなって言っただろ。湊まで連れてきやがって。」
咲「......髪、更に白くなったね。」
燈「......最初に言う事、それ?」
私は目の前にいる影に
頭が働かないままでそう話しかけた