ここに転校して分かったことがある
ここは今まで俺が生きた世界とは別世界みたいだ
目を合わせたら手や足が飛んで来たり
少しでもぶつかれば殴り合いになるとか
そう言うのが全くない、平和な世界だ
燈「__ふぁ~......」
平和なのは良い事、なんて言うが
俺にはそれがあまりにも退屈だ
毎日、人形劇でも見てるように感じる
同じような会話ばっかりして
同じような配置ばっかりで
変わり映えしなくて、本当に退屈極まりない
燈(学校ってやつはこんな感じなのか。人間ってやつは退屈が好きなのか?)
香澄「__おはよう!佐渡君!」
燈「......ん。」
もう一つ分かったことは
この戸山と言う奴は
この集団の中でイレギュラーって事だ
別に気にする事でもないけど
香澄「もう学校には慣れた?」
燈「......知らん。」
香澄「?」
俺は椅子から立ち上がった
香澄「佐渡君?」
燈「......」
俺はゆっくり歩いて教室から出た
__________________
教室から移動し、屋上に来た
そして、壁に体を預け腰を下ろした
燈(__苦痛だ。)
ここは人間が多くて敵わない
本能的に敵って判断しちまう
一ノ瀬の奴、なんでこんなとこに俺を
燈(ま、今日もここでサボるか。)
?「__そこのあなた!」
燈「あ?」
?「あなた、笑顔じゃないわね!」
俺の目の前にいつの間にか
金髪の女が立っていた
なんだ、この女?
燈「誰?お前。」
こころ「あたしは弦巻こころよ!」
燈「弦巻こころね......」
弦巻って確か金持ちの家か
俺が一番嫌いなタイプだ
こころ「あなたはこの間、転校してきていたわね!」
燈「そうだ。」
こころ「名前は確か、燈ね!」
なれなれしいやつだ
まぁ、意識したら殴りそうだし
無心でいよう
こころ「燈は笑顔じゃないわね!」
燈「......」
こころ「どうかしたのかしら?」
燈「......別に、どうも。」
さっさとどっか行ってくれねぇかな
てか、寝ようと思ってたのに
こいつがうるさくて寝れねぇし
美咲「__こころ!」
こころ「あら、美咲!」
美咲「どこ行ってるかと思ったら、また迷惑かけて。」
燈(全くだよ。)
こころ「迷惑なんてかけてないわよ?」
美咲「ごめんね、佐渡君。」
燈「......別に。」
美咲「ほら、行くよこころ!」
こころ「あら?」
弦巻は黒髪女に引っ張られていった
それを見て、俺は軽く息をついた
燈「はぁ、疲れた......」
時間的にはホームルームくらいか
俺はそんな事を考えながら目を閉じ
ゆっくりと意識を落としていった
__________________
燈「__んっ。」
暫く眠り、太陽の位置的に昼くらいだろう
俺は目を覚ました
燈(......腹減った。)
俺は心の中でそう呟き、
教室に戻ることにした
__________________
教室に戻って来ると、
昼休みなのか生徒の会話で賑わっている
俺は自分の席に向かった
燈(さてと、さっさと食うか。)
俺は鞄に入れてある菓子パンと水を出し
食事を始めた
味気ないことこの上ないな
燈(さっさと食って今度は保健室行って寝るか。体に悪いし。)
A男「__はぁ......」
B男「あんま気にすんなって!」
c男「そうだって!」
燈(......?)
教室で食事をしてると
横にいる生徒の会話が聞こえて来た
どうやら、部活動の話らしい
A男「春大、初戦敗退かよ......」
c男「ま、まぁ、A男は大活躍だったじゃないか!」
B男「最後だって、相手がすごすぎたんだって!」
燈「......」
話を聞く限り、あの3人はサッカー部
A男って奴は1年生からレギュラーで
春の大会でA男のミスがきっかけで負けたらしい
正直、部活したことねぇし、気持ちわかんね
燈「なぁ、そこの奴、A男だったか。」
A男「なんだ?」
燈「聞きたいんだけどさ。」
A男「?」
燈「自分のせいで試合に負けるのって、どんな気分なんだ?」
俺がそう尋ねると
一気に教室の空気が凍り付いた
何かあったのか?
燈「なぁ、教えてくれよ。死にたくなったか?恥ずかしかったか?どうだった?」
A男「あ?は?」
B男「お、おい、転入生。」
c男「流石にそれは......」
燈「?」
何を焦ってるんだ、こいつら
俺はそう思ったが、気にせず話を進めた
燈「後学ってやつのために教えてくれ。」
c男「おい、やめろって!」
B男「なんでこんな事するんだ!」
燈「え?なんで?」
不思議なことを言う奴らだな
質問するって事は分からないって事なのに
燈「俺、お前みたいに負けたことないからさ。気になるんだよ。」
A男「この野郎!!」
燈「っ!」
話の途中、A男は俺の顔面を殴ってきた
流石に咄嗟過ぎて反応できず
もろに俺は顔面を殴られた
燈(こ、こいつ!)
顔面をためらいなく殴ってきやがった
不良か!(人のこと言えない)
A男「人の事バカにしやがって......!」
燈「してないしてない。バカにするほど興味ないって。」
B男「こいつ!」
c男「流石にこれはダメだろ!!」
燈「んー。」
なんか、教えてくれそうにないな
じゃあ、こいつらはもういいや
飯も終わったし、保健室で寝るか
燈「もういいや。」
c男「おい、待てよ!」
燈「いや、お前ら教えてくれそうにないし、もういいよ。」
A、B男「!!!」
c男「この、舐めやがって!!!」
燈「......ん?」
確か、c男って呼ばれてたやつが走ってきてる
あれは多分、また顔面狙いだろう
こいつらは顔面以外の考えってないのかね
燈「よっ。」
c男「ガッ!!」
クラス「!?」
俺はc男の頭めがけて後ろ回し蹴りを当てた
c男は膝から崩れ落ちて、その場に倒れた
燈(やっば、俺も顔面付近狙っちまった。人のこと言えないな。)
もう少し狙えるところあったよな
腹とか、足元とか
あー、だっさ
A女「ひ、ひどい......」
B女「c男君、大丈夫!?」
c女「なにしてんの!!佐渡!!」
燈「?」
なんか、盛り上がって来たなぁ
てか、c男ってやつ、死んでないよな?
多分、大丈夫だと思うけど
燈(さてと、保健室行って昼寝しよっと。)
A男「おい!どこ行くんだよ!」
燈「え?昼寝だけど。」
B男「c男に謝れよ!」
燈「なんで?」
A男「なんでって、お前、暴力振るっただろ!」
燈「じゃあ、お前も俺に謝るのか?」
A男「は?」
燈「お前さっき、俺の顔殴ったよな?」
A男「!」
こいつら、いちいち暴力で謝るのか
真面目だね、人類ってやつは
燈「俺、何かおかしなこと言ったか?」
A男「ぐっ......」
燈「これでお相子だな。何も揉める事はないだろ?」
A男「......」
燈「じゃあな~。」
俺はヒラヒラ手を振りながら教室を出た
いやぁ、面倒なやりとりだったな
俺は頭を掻きながらろうかを歩いた
__________________
”教室”
c男「__あ、あの野郎......!」
教室ではさっき蹴り飛ばされたc男が立ち上がり
怒りをあらわにしていた
B男「野郎、反省なんてしやしねぇ!」
A女「マジでむかつく。なんなのあいつ!」
A男「......これは、分からせないといけないよな。」
B、c男「!」
B女「あ、いいかも。」
c女「そこにちょうど、鞄もあるし?」
教室にいる生徒は全員
燈の机に近づいた
そして、机を囲んだ
香澄「__何してるんだろうね、有咲?」
有咲「あぁ?って、なんだあれ?」
ちょうど教室に戻ってきた香澄と有咲は首を傾げた
A男(思い知らせてやるよ、転入生......!)
こうして、教室ではA男の思惑が渦巻いていた
__________________
”放課後”
燈「あれ?鞄ねぇな。」
これが、燈の本人曰く、面倒な
高校生活の本当の始まりだった