夢を見た
俺は母さんを亡くしてすぐに、
奴隷としてオークションにかけられ
そして、メイソンが落札した
メイソン「__君は、髪が長いねぇ。そして、とても美しい。」
「......」
メイソン「まるで、女の子だ。」
当時の俺は長い黒髪で、
母さんの血が強いのか顔が女そのものだった
当時の俺に性別の意識なんて無かった
だから、女と言われることに疑問を抱かなかった
メイソン「君の名前は今日からシャーロットだ。女性らしい、という意味がある。」
シャーロット「......はい。」
その日から、シャーロットの奴隷生活が始まった
まず、最初に服が与えられた
勝手に買ってきた女の子用の服を着せて
メイソンは満足そうに頷いていた
周りにはシャーロットと同い年くらいの奴隷たち
だが、シャーロットみたいな綺麗な服は着ていなかった
シャーロットは特別だったんだろう
「__どうやったら、ここから出られるのかな......」
シャーロット「......?」
こいつの名前はサマンサ
シャーロットと一緒の牢に入っていた奴隷だ
丁度、シャーロットと年が一緒で
女として生きていたシャーロットと意気投合していた
寒い夜は同じベッドで寝て、
比較的、メイソンに連れ出されたシャーロットは、
外に出た時にあった物の話をしたりした
サマンサ「今日は何を見つけたの?」
シャーロット「今日は月を見つけたよ。」
サマンサ「どんなだった?」
シャーロット「おっきくて、白っぽくて、光ってたよ。」
サマンサ「へぇ、そうなんだ......!」
奴隷『__た、助けてぇ!!』
シャーロット、サマンサ「!?」
メイソン『さぁ~、遊びに行こうねぇ。』
隣から、他の奴隷の叫び声が聞こえた
これは、カウントダウンとメイソンが言ってた
死が近づいた人間の変化を見る為の遊び
サマンサ「......次は、私なのかな......」
シャーロット「!」
隣の奴隷は1人部屋
次は必然的にシャーロットかサマンサ
いや、ほぼ確実にサマンサだ
それほどにシャーロットは特別だった
サマンサ「神様......助けて......」
シャーロット「......神様は、いないよ。」
サマンサ「え......?」
シャーロット「神様がいれば、私達はここにいないから......祈る神様なんて、いないよ。」
サマンサ「そう......だよね。」
サマンサは落ち込んだ声でそう言った
ここにいる全員、神なんて信じてない
でも、藁にもすがりたい気持ちもわかる
シャーロット「だから、私を信じて。」
サマンサ「え?」
シャーロット「いつか、一緒に外に出て、遊ぼう。」
この時のシャーロットは出来ると信じてた
サマンサもこの言葉を信じていた
気づけば、サマンサの震えは止まり、
笑顔を浮かべていた
サマンサ「約束、だよ。」
シャーロット「うん。約束。」
その日は俺とサマンサは眠りについた
寒い冬の日だったが、
その日は何故か温かく感じた
__________________
2日後の夜
俺達の牢の前に大きな影が現れた
メイソン「__おいで、2人とも。」
サマンサ「!」
シャーロット「......?」
この時、俺は違和感を感じてた
メイソンは基本的に1人ずつしか呼ばない
理由は奴隷を長持ちさせるため
そして、表情の変化を見る為
だが、今日は2人同時に呼んだ
サマンサ「はい。」
シャーロット「......はい。」
どんなに疑問を感じてても、
ここのトップはメイソンだ
逆らう事は出来ない
俺達は歩いてメイソンのもとに行き
大人しく後ろをついて行った
__________________
着いたのはメイソンの寝室だった
普通に片付いた清潔な部屋
一昨日、ここで人が死んだと思えない
メイソン「__さぁ、おいで、シャーロット。」
シャーロット「......はい。」
シャーロットはメイソンに近づいた
メイソンはシャーロットを横に座らせ
サマンサの方を向いた
メイソン「さぁ、これが何かわかるかい?」
サマンサ「に、人形......?」
メイソン「うん、そうだね。」
メイソンは笑いながらそのそれに近づき、
ゆっくりそれをあけた
シャーロット、サマンサ「!」
すると、箱の中から無数の釘が現れた
シャーロットは息を呑んだ
こんなおぞましいものは初めて見た
メイソン「これは鉄の処女。昔の拷問道具さ。」
シャーロット「......!」
サマンサ「ひっ......!」
この時、シャーロットは察してしまった
今夜はこれを使うんだと
このおぞましいもので殺されると
メイソン「シャーロット、大人しくしておくんだよ。」
シャーロット「......はい。」
シャーロットにそう言うと、
メイソンはサマンサに歩み寄った
サマンサの顔は恐怖に染まってる
そんな事お構いなしと言った感じで
メイソンはサマンサの肩に手を置いた
メイソン「さぁ、おいで。」
サマンサ(い、いや......)
サマンサの身体が浮き
メイソンに鉄の処女の前に運ばれた
死、その言葉が頭によぎった
助けたい、でも、足がすくんで動けない
それほどの恐怖を感じていた
メイソン「さぁ、最後に言いたいことはあるかい?」
サマンサ「た、助けて......」
シャーロット「っ......!」
サマンサ「助けて......シャーロット......」
サマンサの悲痛な声が響いた
でも、シャーロットは体が動くことを拒否して
瞬きすらも出来ない
サマンサ「なんで......なんで......?」
シャーロット(ち、違う......動かないんだ......)
シャーロットは必死に体を動かそうとしてる
でも、一切、言う事を聞いてくれない
サマンサ「嘘つき......」
シャーロット(!)
サマンサ「嘘つき......嘘つき......!」
シャーロット(ち、違う......嘘なんて、ついてない......)
メイソン「はい、タイムアップだ。」
シャーロット「っ!ま__」
サマンサ「きゃー!!!」
タイムアップ、その瞬間に
サマンサは俺の目の前から消えていった
断末魔はほんの一瞬だけ
その後は何かがつぶれたような音が聞こえて、
地獄への扉は固く閉ざされていた
シャーロット「いや......」
地獄から、サマンサの血が流れて来た
この世への未練、恨みを表すように
ゆっくり、ドロドロと木の床を赤に染めていく
あっという間に水たまりが出来た
メイソン「実に呆気ないものだねぇ。断末魔からの静寂、これも素晴らしい変化の一つだろう。彼女は僕に良いものを見せてくれた、名誉に思ってる事だろう......」
シャーロット(嘘、嘘だ......)
シャーロットは目の光を失った
そして、無心に心の中でブツブツ何かを言い始めた
シャーロット(嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ)
目の前の現実を認められない、認めたくない
そう思って、なんども嘘だと言い続ける
でも、現実が変わる事なんてあるわけがない
メイソン「仲良しだったねぇ。」
シャーロット「え......?」
メイソン「このために彼女を君と一緒の牢に入れたんだ。」
シャーロット「この、ため......?」
メイソン「大切なお友達だっただろう。一緒に外に出て遊ぼう、良い約束じゃないか。」
シャーロット「っ!(聞かれてた......どうして......?)」
俺は困惑した
だが、それも一瞬だった
メイソンの性格を考えれば何の不思議もなかった
特別なシャーロットの変化を観察するため、
何らかの盗聴器を仕掛けててもおかしくなかった
メイソン「そうだ、その顔だ......!」
シャーロット「っ!!!」
メイソンは笑いながら地獄の扉を開けた
その時、頭の中が恐怖で染まり切った
サマンサの開き切った目が、
光なく俺をとらえていた
その表情から、理解できる
俺は、シャーロットは恨まれてると
メイソン「あはは!いい、その顔良いよぉ!!」
シャーロット「......っ!」
メイソンはシャーロットに覆いかぶさった
そして、耳元でこうつぶやいた
メイソン「君の番は来ないよぉ。君の役割は別だ。」
シャーロット「!!」
メイソン「......はは!」
メイソンはシャーロットの服を破った
そして、興奮しきった様子で話し始めた
メイソン「正解だった。君を傷つけないで正解だった。この髪、肌、顔、素晴らしい......」
シャーロット(い、いや......)
メイソン「我慢した。衣服を与え、他の奴隷よりはるかに優遇した。爪をはぎたくても、苦しむ姿を見たくても、我慢し続けた。そして、今宵、準備が整った......!」
メイソンは自身の服を脱ぎ捨て
シャーロットの腹辺りをゆっくり触った
メイソン「愛しているよ、シャーロット。だから、存分に......苦しんでくれ!」
シャーロット「いや、いや__」
それからの記憶はほとんどない
ただ、シャーロットはメイソンのおもちゃで
毎日毎日、目の前で人を殺され、
興奮したメイソンはシャーロットを襲う
時には爪をはぎ、肉をかみちぎられ
メイソンの欲求は満たし続けた
シャーロットの前で殺された者たちは、
いつも、裏切り者、娼婦などと罵倒し続けた
だが、次第にそれも気にならなくなった
心を段々と失っていき、
痛みも苦しみも屈辱も感じなくなっていった
シャーロット(母さん......)
人差し指についてる、銀色の指輪
今、心を繋ぎとめてるのはこれだ
最初、親指に付いてたそれは
いつしか、人差し指に付けるようになっていた
シャーロット(......また。)
メイソン「来たよ、シャーロット。)
シャーロット「シャーロット、じゃない。」
メイソン「さぁ、今夜も__」
シャーロット(繰り返すのか......?)
サマンサの目が浮かんでくる
あの、恨みが込められた濁った瞳
俺が、殺してしまった人間
__________________
今度は家族のココを殺された
俺のせいで、また......
ココ『にゃ~。』
燈『へ?ココ......?』
ココ『にゃ~!』
ひざまずく俺の前に
ココがゆっくり歩み寄ってきた
俺の視界が一瞬で涙で潤んだ
燈『ココ!!__って、あれ?』
ココを抱き上げようとすると、
手はすり抜けて、軽く上に上がった
ココ『にゃ。』
燈『え?なんだ?』
ココ『にゃ!!!』
燈『!』
ココは力強く俺に語り掛けて来た
戦え、守れ、行き抜けと
その言葉は確かに、俺の胸を打ち抜いた
ココ『にゃにゃ!(ぺシ!)』
燈『っ!』
ココ『にゃ~!!』
俺はココの猫パンチをくらった
頬にこれまでにない痛みを感じた
世界取れるよ、この猫パンチはよぉ
ほんとに......
燈『痛いよ......ココ。』
ココ『にゃ。』
燈『ごめん、ごめんな......』
ココ『にゃ。』
燈『!』
ココは俺の頭に前足を置いた
励ますように、優しく
行っておいでと
燈『行ってくる、ココ。』
ココ『にゃ!__』
俺がそう言うと、ココはどこかへ消えていった
さよならを言いに来てくれたんだ
わざわざ、こんな俺なんかに
ありがとう、ココ......
燈『......やってやる。今までの俺の犠牲のために。』
俺は目の前が白くなっていき
何かが開くような感覚がした
__________________
メイソン「__さて、そろそろ解毒剤を__!!」
ガキン!!と何かが千切れる音がした
メイソンが視線を向けると
そこには......
燈「......おい、外れたぞ。ド変態。」
何食わぬ顔でメイソンを睨む、燈がいた
髪はどこか白みを増し、
身体的特徴が少しだけ変わった
メイソン「な、なんで......!?」
燈「......さぁな。」
身長が少しだけ伸び、
顔つきも少しだけ年を取ったように見える
そんな燈を見て、メイソンはたいそう驚いた
燈「お前のせいで老けたじゃねぇか__」
メイソン「はぁ......!!!」
燈「おっと。」
メイソン「!?」
メイソンは燈に向けて鉈を振った
燈はそれを驚いたような声を出しながらよけ
少し離れた
燈「おいおい、ちょっとは喋らせてくれよ。昔から手を出すのが早いな......色々と。」
メイソン「なんで、君はさっき避ける事も出来なかったのに!?」
燈「ふむ。俺も良く分からん。てか、打ってきてくれないか?」
メイソン「は?」
燈「かかってこいよ。」
メイソン「あまり、調子に乗らない事だよ!!!」
メイソンは燈に鉈を振った
燈はゆっくりと腕を出し、
腕で鉈を受け止めた
メイソン(腕が死んだ感触!)
燈「なんか、にやけてるな。」
メイソン「!?」
燈「もしかして、俺が痛がるとでも思ったか?」
メイソン「__ぐふっ!!!」
燈は鉈が腕に刺さったままで、
メイソンを蹴り飛ばした
燈は自分の腕を見た
燈(血が流れてない。いや、塞がってきてる?)
燈の腕の傷は若干だが塞がっていた
血が流れないギリギリまでは治ってる
訳が分からない、そんな表情だ
燈(なんか、毒が変に作用したのか?こわ。)
メイソン「な、なんだ、その力......!」
燈「知らん。なんか出来た。」
メイソン(なんだ!?今、何をされた?)
メイソンは攻撃された事に気付いてない
ただ、いつの間にか飛ばされていて
腹部に激痛が走っていた、それだけだ
燈「__どうした?たぬきに化かされたような顔して?」
メイソン「なっ!」
燈「自分が跪いてるのが、そんなに不思議か?」
メイソンは愕然とした
いつの間にか、燈が目の前にいた
足音も何もない
まるで、瞬間移動したように
燈「お前の気持ちもわかる。優位から不利になれば誰だって混乱する。」
メイソン「な、なんだと......!?」
燈「良い顔してるな。嬉しいよ。」
メイソン「う、うわぁぁぁ!!!」
燈「!」
メイソンは懐に忍ばせた刀を抜いた
切れ味のいいそれは燈に真っ直ぐ向かい
首を確かにとらえ__
燈「__何ゆっくりしてるんだ?真面目にやれ。」
メイソン「は、は......?」
さっきまでそこにいたのに
いつの間にか背後に移動していた
悪い夢を見ているような感覚
燈「......ダメだ。」
メイソン「は?」
燈「悪いけど、気付いちまった。」
メイソン「気付いた、だと?」
燈は落胆したような声を出し
メイソンを見下した
燈「お前が遅いんじゃなくて、遅く見えてるだけだ。」
メイソン「は?」
燈「例えば。」
メイソン「!」
燈「こんな風に。」
メイソン「__がはぁ!!!」
燈がメイソンの顔の横に拳を置くと
メイソンの顔が6回吹き飛んだ
燈「もう、俺とお前は同じ時間を過ごしてない。って、何してるんだ?」
メイソン(に、逃げろ......!あれは化け物だ、殺される......!!)
燈(誰が逃がすかよ。)
燈は地面を踏みしめ、メイソンに近づこうとした
その時、メイソンの前にあるドアが始めとんだ
メイソン「た、たすけ__」
燈(ふん。)
咲「__何と言うか。」
そこにはいつもの顔の咲
そして、驚いた顔の友希那が経っていた
燈「......来るなって言っただろ。湊まで連れてきやがって。」
咲「......髪、更に白くなったね。」
燈「......最初に言う事、それ?」
燈は呆れたような声を出した
咲は燈をじーっと見ている
咲(まるで気配を感じない。)
咲は驚いていた
目の前にいる燈の気配が分からない
咲は分かった
燈は扉を開けたと言う事を
友希那「な、なんなの、これ......?」
咲「そこにいるのが、あの猫......ココを殺したやつだよ。」
友希那「え?」
友希那はメイソンの方を見た
そこには虫の息の男が寝そべっているだけだ
燈「......なぁ、湊。」
友希那「ど、どうしたの?」
燈「ありがとう。」
友希那「?」
燈「ココを愛してくれて、ありがとう。」
友希那「!」
燈は穏やかな笑顔でそう言った
そして、ゆっくりとメイソンの方を向いた
燈「お前はココの、俺の恩人だ。だからこそ、ここから出て行ってくれ。」
友希那「え?」
燈「お前に、ここから先を見せたくない。」
そう言って、燈はゆっくり歩きだした
その瞬間、友希那の視界が何かに覆われた
咲「.....ここから出るよ。」
友希那「な、なんで?」
咲「......これが、燈の最大限の配慮だから。」
咲はそう言うと、友希那を持ち上げ
その場を去って行った
燈はそれを確認すると息を吐いた
燈「メイソン。」
メイソン「ひぃ......!!」
燈「お前はもう、何も考えなくていい。今のお前は、取るに足らない。」
燈は威圧するように近づき
少し笑顔を浮かべている
燈「お前は全然、ダメダメだ。」
メイソン「!」
燈「お前は何も分かっていない。俺ですら理解したことを理解出来てない。」
燈は無機質な声でゆっくり喋っている
ゆっくり歩くうちにメイソンの前まで来た
燈「止まってるんだよ。お前。」
メイソン「止まってる、だと......?」
燈「あぁ、止まってるよ。動きも......」
燈は目をつぶり
そして、ゆっくり目を開けた
燈「お前の、命も。」
メイソン「へ......え?(な、なんで......)」
燈「......」
メイソン「僕の......僕の身体ぁぁぁ!!??」
メイソンの首は絶叫した
なにしろ、長年連れ添った
自分の身体から離れてるんだから
燈「気付けない、理解できない。だが、終わってる。なんでか分かるか?」
メイソン「あ......あぁ......!!!」
燈「俺から見て、お前の時間が止まったからだ。」
燈はそう言ってメイソンの首を投げ捨てた
そして、死体に背中を向けた
燈「......向こう行ったら、取り合えずお前の犠牲者に土下座すれば?」
燈は悠然と部屋を出て行った
残されたのは......
メイソン「」
生きたように死んだ、
金髪の男の死体だけだった
__________________
”燈”
燈「......眩し。」
なんか、久し振りに日を浴びた気がする
まぁ、言っても14時間くらいか
友希那「佐渡君!!」
燈「うお!」
地下から出て来ると、
湊が俺に抱き着いてきた
まぁ、別にいいけど
友希那(少し、大きくなった?)
咲「......強くなったみたいだね。燈。」
燈「あ、やっぱりわかる?」
咲「少し背も伸びて、髪も白くなった。」
燈「多分、毒が変に作用したんだろ。あいつ、毒コレクターだし。」
でも、おかしい
さっきまで五感とか奪われてたのに
それが全くなくなって、むしろ軽い
マジで怖いな
咲「流石に驚いた。」
燈「見えねぇよ。」
友希那(確かに。)
咲「......それは、いいとして。」
咲は咳払いで空気を仕切り直し
燈の目を見た
咲「......嬉しいよ。」
燈「え?」
咲「......ここまで来て、やっと、挑戦が出来る。」
燈「っ!」
咲「まずは体を治すことだね。」
咲はそれだけ言って咲に下山していった
燈は確かに聞いた、挑戦と
つまり、咲が燈の方が強いと認めたと言う事
友希那「さ、佐渡君......」
燈「学校はどうした、学校は。」
友希那「そ、それよりも......」
燈「?」
友希那「さっきの、あの人は......」
燈「死んだ。」
燈は何の迷いもなくそう言った
その後、動揺した友希那を、
燈は抱き寄せた
燈「......考えるな。」
友希那「っ!///」
燈「お前は、綺麗な顔をしてる。だから、それを歪めるな。」
その声は優しく、溶かすような声だった
今までの燈では考えられない行動だ
有咲辺りが見れば驚いて目を丸くするだろう
燈「もう、今回の件は思い出すな。何も見るな。」
友希那「......」
燈「......出来れば、ココの事も。」
友希那「っ!そ、それは......」
友希那が顔をしかめた
それと同時に燈の抱き寄せる力が強くなった
燈「......辛いのは、俺だけでいい。」
友希那「!」
燈はそう言って、友希那から離れた
そして、笑顔を向けた
友希那「っ///」
燈「帰ろう、湊。」
友希那「......友希那でいいわ。」
燈「じゃあ、友希那。手を取れ。」
友希那「え?///」
燈「ここは足場が悪い。手伝う。」
それから、俺と友希那は下山した
友希那は歩くのが遅くて大変だったが
話をしたりして、悪くない時間だった
だが、気がかりなのは......
友希那の視線にやけに温度が会った事だ