白と七人の歌姫   作:火の車

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写真

 朝、俺はいつも通り目を覚ました

 

 なんか、腹に重さを感じる

 

 ナキ達がまた乗ってきてるのか

 

 俺はそう思って腹の上にいるのに手を伸ばした

 

?「__ひゃ!///」

燈「......ん?」

 

 手を伸ばして触ってみると、

 

 なんかすごい柔らかい感触があった

 

 なんだ、ナキ達は肉付きが良くなったのか?

 

 俺はボーっとしたまま手を動かした

 

?「あ、燈、ダメよ......!///」

燈「......あ?こころか?」

こころ「うぅ......///」

 

 段々と意識がはっきりしてきて

 

 自分の首から下を見ると

 

 こころが俺の上で寝転んでいた

 

 ......何してんだ?

 

こころ「燈に辱められたわ......///」

燈「なんで、ここにいる。てか、どうやって入った。」

 

 俺はこころの言葉を全て無視し

 

 そう質問を投げかけた

 

こころ「あら、鍵が開いてたから入ったのよ?」

燈「いや、入んなよ。」

こころ「いいじゃない!」

燈「よくねぇから言ってんだよ。」

 

 俺は溜息を付きながらそう言った

 

 まぁ、それはそれとして

 

 すごい気になることがある

 

燈「俺、どこ触ってたんだ?」

こころ「!///」

燈「なんか、妙に柔らかかったんだが。」

こころ「それは、その......お尻......///」

 

 こころは恥ずかしそうにそう言った

 

 なんだ、尻か

 

燈「そうか、すまんな。」

こころ「反応が薄いわよ!?」

燈「悪かったって。」

 

 俺は上にいるこころどかし

 

 寝転んでる体を起こした

 

 結構な時間寝てたな

 

燈「それで、何の用で来たんだ?」

こころ「暇だったから来たのよ!」

燈「そうか。」

 

 俺の家は公園かなんかか?

 

 暇なときに来るような場所じゃないんだが

 

 てか、最近はよく誰かしらが来るな

 

こころ「遊びましょう!」

燈「いやだ。」

こころ「遊ぶのよ!」

燈「やだ、暑い。」

 

 俺は真顔で拒否した

 

 そとは35℃を優に超えると昨日言ってた

 

 絶対に外に出たくない

 

こころ「そう言うと思って、いいものを用意しているわ!」

燈「いいもの?」

こころ「外を見てみなさい!」

燈「......?」

 

 俺は窓から外を見た

 

 そこには何か見慣れない、

 

 謎の物体が置かれていた

 

燈「......なんだあれ?」

こころ「プールよ!」

燈「でかいな。」

 

 アパートの庭を埋め尽くすほどのサイズ

 

 こんなのどうやって作ったんだ

 

 てか、いつの間に準備しやがった

 

こころ「一緒に入りましょ!」

燈「水着が__」

こころ「水着は用意したわ!」

燈「準備いいな。」

 

 こころはどこからか水着を出した

 

 てか、男用の水着を振り回すなよ

 

燈「仕方ねぇな__」

 

 ピンポーン

 

 俺が入ってやるよと言う直前、

 

 家のインターフォンが鳴った

 

 マジでよく客が来るな

 

 俺はそんな事を思いながらドアを開けた

 

友希那「__あ、いたわね。」

燈「なんだ、湊か。」

こころ「友希那!」

友希那「......弦巻さん?」

燈「?」

 

 なんか、湊の気配が歪んだ

 

 蘭とましろに似てる

 

 どうしたんだ?

 

友希那「なぜ、弦巻さんがいるのかしら?」

燈「知らん。俺が聞きたい。」

こころ「ちょうどいいわ!友希那も一緒にプールに入りましょ!」

友希那「プール?」

こころ「えぇ!水着はいくらでもあるわ!」

 

 なんか、湊まで勧誘しだした

 

 いや、今更1人増えても変わらんだろうが

 

友希那「いいわよ。佐渡君がいるなら。」

こころ「なら決まりね!」

燈(俺は関係あるのか?)

 

 俺はそんな疑問を抱いたが

 

 それを考える間の無く水着を渡され

 

 着替えをすることになった

__________________

 

 水着に着替え、庭に出た

 

 こんなプールもあったのか

 

 ゴムで出来てる

 

こころ「__燈ー!」

燈「やっと着替え終わったのか。」

友希那「待たせたわね。」

 

 少し知ると水着の2人が出て来た

 

 そして、俺の前に並んだ

 

こころ「どうかしら?///」

友希那「......///」

燈「ふむ......」

 

 湊とこころの背は同じくらい

 

 だが、圧倒的に違う部分がある

 

 それを見て、俺はある言葉を思い出した

 

 ”回想”

 

燈「__何を見てやがる。」

 

 あれは確か、2年前

 

 一ノ瀬の事務所に住んでた

 

 ある夏の事だった

 

慎吾「これは、男の夢が詰まった書物さ。」

燈「夢?」

慎吾「ほら、見て見なよ。」

 

 一ノ瀬がそう言うので

 

 俺は一ノ瀬が持ってる本を覗き込んだ

 

燈「......なんだこれ?」

 

 そこにはたくさんの水着の女

 

 どのページでもそんな写真ばっかだった

 

慎吾「僕の秘蔵写真集だよ!」

燈「そうか......(ドン引き)」

慎吾「引かないでくれるかい!?君も興味あるだろ!?」

燈「いや、別に......」

 

 俺は特に女に興味があるわけじゃない

 

 水着の女に興奮するとかはあり得ない

 

慎吾「......少し、僕の話を聞かないかい?」

燈「聞きたくないが、話したいなら聞いてやる。」

慎吾「まずは、この2人を見比べてくれ。」

 

 一ノ瀬はそう言って、

 

 2人の女の写真を見せて来た

 

 俺は訳が分からず首を傾げた

 

慎吾「この2人の違いが分かるかい?」

燈「水着の色。写真を撮ってる場所。」

慎吾「違う、そうじゃない。」

燈「?」

慎吾「この2人の違いは......胸の大きさだ。」

燈「うわぁ......(ドン引き)」

 

 何の曇りもない顔で言いきりやがった

 

 てか、そんなとこばっか見てんのか

 

慎吾「この世には大きい胸が好きな男と小さい胸が好きな男の2種類がいる。ちなみに僕は大きい方が好きだ。」

燈「......あ、そう。」

慎吾「そこで僕は考えた。僕はなぜ、大きな胸が好きなのか。」

燈(く、くだらねぇ......)

慎吾「そこでたどり着いた結論は、女性の胸とは男の心を映す鏡なんじゃないのか、だ。」

 

 一ノ瀬は神妙な顔でそう言った

 

 この時、俺はとりあえず殴りたいと思っていた

 

慎吾「そう、大きい小さい、それは、自分がどうあるかに他ならないっ!」

 

 一ノ瀬は机をバン!と叩き

 

 なんかの演説かって位の大声を出した

 

 一体、俺は何を聞かされてたんだ

 

慎吾「女性に胸に優劣をつけるのは間違ってる!自分の信じる者が正義なんだ!」

燈「そうか......(ドン引き)」

 

 俺はそれから一ノ瀬の顔面にレモン汁をかけ

 

 目を抑えてる間に事務所を出て行った

 

 ”回想終了”

 

 ......あぁ、こんなことあった

 

 今、俺はそれに直面してるわけか

 

友希那「佐渡君?」

燈「俺は......」

こころ、友希那「?」

燈「でかいのも小さいのもどっちも変わらんと思う。」

 

 俺は何も考えないままそう言った

 

 湊とこころは不思議そうな顔をしてる

 

友希那「でかい、小さい......って、何を言っているの!?///」

こころ「そ、そうよ!?///」

燈「いや......お前らを見てると昔を思い出してな。」

 

 一ノ瀬はこのことを言ってたのか

 

 別に興味自体は変わってないんだが

 

 何となく判断はできるようになった

 

友希那「な、何があったの......?」

燈「まぁ、一ノ瀬曰く、気にするな、湊。」

友希那「何の話......?」

 

 さて、意味の分からん時間は終わろう

 

 さっさと水に入ってなんかするか

 

燈「入るぞ。」

こころ「そうね!」

友希那「取り合えず、今は聞かない事にするわ。」

 

 俺達は水の中に入った

 

 太陽で照らされて、暖かくなってる

 

 なんか、丁度いい温度だな

 

燈「......気持ちい。」

 

 なんか露天風呂にでも入ってる気分だ

 

 一回しか入ったことないんだけどな

 

こころ「喜んでくれてるわね!」

友希那「そうね。すごく嬉しそうな顔をしているわ。」

燈「お前ら、何コソコソ話してるんだ。」

友希那「あら、ごめんなさい。」

 

 俺がそう言うと、

 

 湊とこころは俺の横に座り

 

 そして、俺にくっついてきた

 

燈「......なぜくっつく。」

こころ「嬉しくないかしら?」

燈「こんなに広いってのに、スペースが無駄だっての。」

 

 こんなバカでかいプールで使うのは端っこだけ

 

 どこの馬鹿どもだよ

 

友希那「それにしても、あなたの体はどうなっているの?」

燈「あ?」

友希那「こんなに細いのに筋肉が多いわ。」

こころ「確かにすごいわね......」

燈「......」

 

 なんか、視線が気持ち悪いな

 

 舐められてる感じがする

 

 背中がぞわぞわする

 

友希那「固いわね。」

こころ「傷だらけだわ......」

燈(なんで触る。)

 

 一体なにがどうなってやがる

 

 てか、なにが楽しいんだこいつらは

 

友希那「いいわ、いいわよ......佐渡君......!///」

燈「怖いっての。目が怖い。」

友希那「写真を撮ってもいいかしら!?///」

燈「いや、撮るのは勝手だが、えぇ......(ドン引き)」

 

 何と言うか、キモイな

 

 鼻息荒いし、目は蘭たちと同じになってるし

 

 すごい手がわしゃわしゃしてる

 

こころ「ここにカメラがあるわ!友希那!」

友希那「ありがとう、弦巻さん!」

燈(......???)

 

 なんか、湊とこころが写真を撮りまくってる

 

 どっからカメラが出て来た

 

 怖すぎるんだが

 

友希那「いいわよ、佐渡君!///」

こころ「こっち向いて!///」

燈「......(プールって、なんだっけ?)」

 

 俺はそれから、1時間写真を撮られ

 

 通りかかった奴にすごい見られてた

 

 なんでこうなった

__________________

 

 ”リサ”

 

 夕方、あたしは友希那の家に来た

 

 目的はライブの相談

 

 昼はどっかに出かけてたけど、今はいる

 

 ......はずなんだけどー

 

リサ「あれ、友希那ー?」

 

 ノックをしても反応がない

 

 友希那のお父さんはいるって言ってたんだけど

 

リサ「入るよー?」

 

 あたしは仕方ないので、

 

 友希那の部屋のドアを開けた

 

 その瞬間、あたしは少し背中が寒くなった

 

リサ「え?な、なにこれ......?」

 

 友希那の部屋の壁、天井に前のあの不良の写真がいっぱい貼られてる

 

 学校にいる時の写真とか、道を歩いてる写真

 

 その他にもいろんな写真が所狭しと飾られてる

 

リサ「」

 

 あれ、これ幻かな?(現実逃避)

 

 あたしは自分の頬を思いっきりつねった

 

 うん、夢じゃないね(絶望)

 

リサ(......うん、見なかったことにしよう。それと、金輪際、友希那の部屋には入らないように__)

友希那「__見たわね、リサ。」

リサ「ひゃぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

 部屋から出ようとすると、

 

 友希那があたしの後ろに立っていた

 

 目にどこか光がなくて、

 

 手には新しい写真を持ってる

 

友希那「......うるさいわ。」

リサ「ひ、ひぃっ!!!」

友希那「何を怖がっているの?」

 

 友希那はいつも通りの口調で話してる

 

 でも、あたしは物凄い恐怖を感じてる

 

 いや、感じない方がおかしい

 

 それほど、今の友希那は異常だから

 

リサ「ゆ、友希那?こ、これはなに......?」

友希那「佐渡君の写真よ?集めるのにすごく時間がかかったわ。」

リサ「」

 

 友希那は迷いなくそう答えた

 

 そして、あたしの横を通り過ぎて

 

 部屋の中に入った

 

友希那「あぁ、なんてかっこいいのかしら......///この白い髪に紺碧の瞳に鋭い目つき......そのすべてが愛おしいわ......///」

リサ(あ、あばばばばばば!!)

 

 恍惚とした表情を浮かべる友希那

 

 その、佐渡君?の写真を愛おしそうに撫でてる

 

 新しい写真、それ、水着だよね?

 

 え、いつ撮ったの?

 

友希那「見て、この肉体美を。これこそ、現代に生まれた芸術よ!///」

リサ「そ、そうだねぇ......(?)」

友希那「外見だけじゃないの!彼は中身も素晴らしいわ!純粋で優しくて、子供っぽい所もあると思えば、途端に洗礼された大人のような雰囲気を出し始めて......なんて、可愛く、かっこいいのかしら......!///」

リサ(じゅ、重症だ......)

友希那「でも、彼には脆さがあったわ......」

リサ「!」

 

 友希那はさっきまでとは打って変わって

 

 どこか、悲しそうな顔をした

 

友希那「大切な猫を殺されて、深く傷ついて......今は感情の変化に乏しくなっているわ。」

リサ「!(そ、そうだったんだ......)

友希那「だから、私が何とかするわ。」

リサ「え?」

友希那「私は彼の理解者になるの、それで、一生寄り添って支えになる......そして、いつか、ここにある写真は彼の笑顔の写真になるの......!///」

リサ「」

 

 友希那はそう言って両頬を抑えてる

 

 その顔は信じられないくらい蕩けてて

 

 目が虚ろなのと相まって凶器を感じる

 

友希那「あぁ、佐渡君!///私はあなたのものよ!///いつでも、私を求めて......!///」

リサ(佐渡君、今まで不良不良言ってごめんなさい。そして、幼馴染が迷惑をかけると思うけど、先に謝るよ。ごめんなさい。)

 

 あたしは全力で佐渡君に謝った

 

 もう、友希那を止めるの無理みたい

 

 本当にごめんなさい

 

 

 

 

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