白と七人の歌姫   作:火の車

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一夜明けて

 朝、真新しいベッドの上で目を覚ました

 

 鼻には新しいもの特有の匂い

 

 それと......女の甘い匂いがする

 

ましろ「すぅ......」

燈(......危なかった。)

 

 俺の横ではましろが眠ってる

 

 そりゃもう、穏やかな顔でぐっすりと

 

 こっちの気も知らねぇで

 

燈(時間、とっさに止められて助かった。)

 

 ましろに襲われそうになった昨夜

 

 こんな事があった

 

 ”昨夜”

 

ましろ「燈さん、私と一緒に......!」

 

 ましろの顔が迫ってくる

 

 顔は真っ赤になっていて、息も荒い

 

 完全に発情した雌のにおいだ

 

燈(止まれ。)

ましろ「うっ......!」

 

 俺は咄嗟に時間を止め、

 

 ましろの後頭部を軽くたたき気絶させた

 

 体からはすっと力が抜け、

 

 俺の方に倒れ掛かってきた

 

 ”現在”

 

 という具合に上手く(?)回避した

 

 俺じゃなかったらマズかった

 

 時間を止められて本当に良かった

 

ましろ「う......ん......?」

燈「あ、起きたか。」

ましろ「燈、さん......?」

 

 ましろが目を覚ました

 

 眠そうな目をしたまま俺を見てる

 

 そして、ハッとした顔をした

 

ましろ「そ、そうだ、昨晩......」

燈(あ、覚えてるか、流石に。)

 

 なんか、部屋の温度が下がった気がする

 

 そして、ましろの目が鋭くなり

 

 俺の方を睨みつけて来た

 

ましろ「なんで、逃げたんですか......?」

燈「んー。」

ましろ「なんでですか?私は燈さんのためを思ってたのに。なんでなんでなんでナンデ?」

 

 また、気配が歪んでる

 

 これは女特有の技術なのか?

 

 まぁ、そんな事は良いだろう

 

燈「別に今じゃなかったら逃げる意味はなかった。」

ましろ「え......?」

燈「だって、ましろ高1だろ?折角、普通に高校生活を送れるのに子供出来たら辞めないといけないだろ?」

ましろ「ま、まさか、私のためを思って......?」

燈「あぁ、そうだ(?)」

 

 俺がそう答えると、

 

 ましろの目がウルウルしだした

 

 そして、抱き着いてきた

 

ましろ「そうですよね、高校生じゃ駄目ですよね......///」

燈「そうだな。」

ましろ(私のために燈さんが......優しいかっこいい......好き好き好き好き!///)

燈(うーん、動けん。)

友希那「__佐渡君、起きているかし......ら?」

燈「あ、湊。」

 

 ましろに抱き着かれてる途中

 

 湊が部屋に入ってきた

 

 ましろと同じで気配が凄い歪んでる

 

 いや、以上か?

 

友希那「何を、しているの......?」

燈「俺が聞きたい。」

ましろ「燈さんと愛を育んでいるんですよ?ね、燈さん?///」

燈「え?そうなのか?じゃあ、そうだ(?)」

友希那「え......?」

 

 湊の目から光が消えた

 

 そして、ズカズカとこっちに歩いてきた

 

 なんか、怖いな

 

友希那「ねぇ、佐渡君。」

燈「なんだ?」

友希那「なぜ、あなたは倉田さんとそんなに親しくしているの?」

燈「??」

 

 湊は俺にそう訪ねて来た

 

 なんでって言われても分からん

 

 てか、なんでこんなに怒ってるんだ?

 

友希那「女は私さえいればいいでしょ?私がいれば幸せでしょ?なのに、なぜ他の女に目を向けるの?」

燈「いや、別にそうでもないだろ。」

友希那「え......?」

燈「友達は多い方がいい。俺、今まで友達いなかったし......」

友希那「......あっ。」

燈「?」

 

 湊の目がまた変わった

 

 そして、俺からバッと顔をそむけた

 

友希那(か、可愛すぎるわ!///何なのあの拗ねた表情は!可愛すぎて怒りもどこかに行ってしまったわ!///もう、今から写真に撮って部屋に飾りたいわ!!///)

ましろ(か、可愛い......///)

蘭「......何してんの?」

彩「朝から、楽しそうだね。」

香澄「悪いことしちゃ、ダメだよ?」

燈「あ、蘭に彩に香澄、おはよう。」

蘭、彩、香澄「おはよう(!)」

 

 今度はこの2人か

 

 蘭も彩もいつも通りの気配

 

 湊やましろみたいに乱れてない

 

彩「佐渡君が疲れちゃうよ?しっかり弁えて行動しないと。」

蘭「朝から騒がれたら燈が迷惑。ちょっとは頭使って。」

香澄「燈君、退院したばっかりですよ?」

友希那、ましろ「うっ......」

燈(別にそこまで迷惑でもないんだが。)

 

 まぁ、なんか怖いし黙ってよ

 

 一ノ瀬が言ってた

 

 女の言い合いに首を突っ込むなと

 

 多分、今がその状況だ

 

こころ「__燈ー!朝ごはんが出来たわよー!」

レイ「おはよう、よく眠れた?」

燈「おはよ、まぁ、ほどほどに寝た。」

レイ「そっか、良かった。」

 

 俺はベッドから抜け、床に足をつけた

 

 今日も正常に体が動いてる

 

 時間も上手く止められる

 

 俺は自分の体の調子を確認し、

 

 リビングに降りて行った

__________________

 

 リビングに降りてくると、

 

 なんか、すごくいい匂いがした

 

 そして、一ノ瀬とオリビアがいた

 

慎吾「やぁ、おはよう!燈!」

オリビア「おはようございます、燈さん。」

燈「おはよう。あと、一ノ瀬うるさい。」

慎吾「あはは、朝から手厳しいね。」

 

 こいつは相変わらず笑ってる

 

 やっぱ、胡散臭いな

 

 なんか、嘘にまみれた顔に見える

 

オリビア「朝食は用意していますので、お好きに食べてください。」

燈「あ、うん。いただきます。」

 

 俺は手を合わせ、箸を手に取り

 

 テーブルに置いてある料理を口に入れた

 

 昨日で分かってたが、マジで美味い

 

 これを人間の手で作ってるのか

 

香澄(燈君、嬉しそう!)

蘭(ちゃんと、食べるようになった。)

彩(食べてるところもかっこいいなー!写真と撮ろ!)

友希那(可愛いわ。連写する手が止まらないわ。)

こころ(素敵な笑顔ね!燈!)

ましろ(かっこいいかっこいいかっこいい!///)

レイ(うん、これなら安心かな。)

 

 なんか、すごい視線を感じる

 

 まぁ、害はないし無視でいいや

 

 俺はそんな事を考えながら、

 

 朝ごはんを食べた

__________________

 

 朝ごはんを食べ終わり、

 

 食器を台所のオリビアに持っていった後

 

 俺はソファに座っている

 

こころ「ねぇ、燈!」

燈「なんだー?」

こころ「夏休みもまだある事だし、あたしと遊びに行かないかしら!」

燈「うーん、まぁ、いいぞ。」

ボーカル組「!」

燈「?」

 

 なんか、変な気配が出来た

 

 そう思った瞬間、

 

 後ろから6つの影が現れた

 

香澄「じゃあ!私と星見に行こうよ!」

蘭「いや、あたしと遊び行こ。」

彩「私、スタッフさんに貰った招待券があるんだ!」

友希那「私とカラオケに行きましょう。歌を聞かせてあげるわ。」

ましろ「私とデートしましょう!服装などは、燈さんの好きなものにするので......///」

レイ「私も時間は結構あるよ。」

燈「?」

 

 なんか、すごい一気に言われた

 

 ほとんど聞き取れてないけど、

 

 何となく、遊びに誘われてるのか?

 

燈「じゃあ、全員と遊ぶ。」

ボーカル組「え?」

燈「夏休み、後1週間だし。1日1人と遊べば全員と遊べる。」

慎吾(お、おぉ、流石燈だ!)

こころ「なら、そうしましょうか!」

 

 それにしても、遊ぶか

 

 考えてみればあんまりなかったな

 

 ナキ達と遊ぶのとはまた違うんだよな

 

香澄(これを期に、燈君と......///)

蘭(もっと、親密に......!)

彩(可愛い私を見てもらう!)

友希那(私の虜にするわ。)

こころ(たくさん楽しんでもらいたいわ!)

ましろ(燈さんと一緒に......///)

レイ(今までの分、何かしてあげたいな。)

 

 こうして、俺は7人と遊びに行くことになった

 

 なんか、一部燃えてる奴がいたが

 

 気のせいか

 

 ”慎吾とオリビア”

 

慎吾(友達が多いのは良いんだが。)

オリビア(燈さんは、狂った愛を向けられるのですね......)

 

 2人は燈の方を見て

 

 静かに手を合わせた

 

慎吾、オリビア(頑張れ(ってください)。燈(さん)。)

 

 2人は燈の未来を見据え

 

 心の中でそう念じた

 

 

 


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