”湊家”
湊家の一室
そこは電気が付いていないので暗い
だが、その部屋から何ともいような声が聞こえてくる
友希那「ああ!///可愛い!可愛いわ!!!///」
その声の主は友希那だ
今の表情は歌姫と呼ばれているのが信じられない程だらしがなく、彼女を知るものが見れば十中八九、夢か幻と思うだろう
リサ「__友希那ー、なんか変な声したけ......ど?」
友希那「リサ......?」
リサ「」
友希那「ノック位して欲しいのだけれど。」
いつものテンションでそう言うが、
表情が治りきらず威圧感が全くない
そんな友希那を見て、リサは絶句した
リサ(え?友希那なんて顔してるの?涎垂れてるし、妙の笑顔だし、なんか目は虚ろだし......え?なに?)
友希那「リサ、聞いているの?」
リサ「夢かな~?(現実逃避)」
リサは完全に思考を放棄した
原因である友希那はリサをジッと見て
部屋に入ってきたことに不服そうな顔をしてる
リサ「ごめんね~、すぐ出て行くよ~。この後クッキー持って来るからね~。」
友希那「なぜ、青葉さんのような喋り方になっているの?」
リサ「なんでもないよ、じゃあね~。」
友希那「えぇ(?)」
リサは首をかしげてる友希那に背を向け部屋から出て行った
リサ(クッキー作ってから、今日は寝よ。疲れてるんだ、うん、きっとそうだ。)
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”燈”
俺は今、花を見てる
駅前の花壇に結構な数が咲いてて、
なんか、穏やかな気持ちになる気がする
俺はそんな事を思いながら、待ち合わせの奴を待ってる
彩「__佐渡くーん!」
少しすると、彩が走って向かってきた
いつもより可愛い気がする
今日は髪を下ろしてる、服はなんかかわいい
彩「お待たせー!」
燈「130点。」
彩「え?」
燈「今日の点数。」
彩「!///」
俺はそう言いながら彩を見た
顔が赤くなってる、けど湊とは違う
慌ててるみたいだな、何でかは知らんが
彩「佐渡君は、今日の私好きかな......?///」
燈「あぁ。」
彩「よ、よかった!///」
彩は嬉しそうな顔をしてる
その様子を見てると、彩は俺の手を掴んできた
そして、笑いかけて来た
彩「行こっか!」
燈「どこ行くんだ?」
彩「それは、付いてからのお楽しみ!」
燈「そうか(?)」
俺は彩と手を繋いだまま、
今日遊ぶ場所に向かって行った
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結構長い距離を移動して、
俺と彩は動物の声が大量にする場所
動物園という場所に来た
燈「おぉ......!」
彩「この前の撮影の時、招待券貰ったんだ!」
燈「見た。猿に追いかけまわされてたな。」
彩「うっ......あれは、悲しい事件だったよ......」
日本に来てからこういう場所に来たことなかったな
動物の気配がものすごい数ある
燈「行くぞ。どんなのいるか早く見たい。」
彩「うん!(佐渡君、動物好きだし喜んでくれてる!)
俺と彩は歩き始めた
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”彩”
最初に来たのはアライグマ
すごくモフモフしてて、可愛い
不思議なのは、何故かアライグマが佐渡君の前に来てる事
燈「こいつが、アライグマ。」
彩(な、なんで、佐渡君の前に来てるんだろ?)
燈「ふむ、ここの飯は美味いのか。おぉ、そこの雌がいいのか。」
彩「会話成立してる!?」
佐渡君は妙に野生児みたいなところがある
偶に野良猫とも話したりしてるし
本当に無機物以外なら何とでも話せるんじゃないのかな
彩「ね、ねぇ、その子なんて言ってたの?」
燈「なんか、同じ檻の雌が気になるらしい。動物にもそう言うのがあるんだな。」
彩「す、すごく詳細だね。」
私には全く分からなかったけど
佐渡君って不思議だな
でも、かっこいい......
彩「次のところ行かない?まだまだ動物はいるし!」
燈「そうだな。」
佐渡君はそう言って立ち上がった
私たちは次の動物に移動した
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次に来たのは虎
すごく大きいし、牙も鋭い
しかも、なんかすごく怒ってる
虎「グルルルル......!」
彩「な、なんでこんなに怒ってるんだろ?」
燈「ふむ......」
佐渡君は虎の方をジッと見て、
偶にうなずいたりしてる
まさか、虎とも会話できるの!?
いや、ネコ科動物だし当り前なんだけど(?)
燈「どうやら、人間に見られてるのが苦痛みたいだ。」
彩「そうなの?」
燈「『俺は見世物じゃねぇ。本能のまま生きることが俺達のあるべき姿だ。人間に飼いならされるのは屈辱だ。』って言ってる。」
彩「なるほど。」
心なしか虎もうなずいてる気がする
え、これ本当に言ってるんだ
燈「お前は負けたんだ、猫。」
彩「あの、その子虎だよ?」
燈「......この檻の中にいる時点でお前は敗北者。一度死んだも同然だ。そんなお前にプライドを語る資格はないんだよ、子猫。」
彩(あ、言い直さないんだ。)
それにしても、すごく話してる
人間とよりも話せてるんじゃないかな?
虎「......」
燈「だから、プライドは語るな、持ち続けろ。」
虎「......!!」
燈「どんな場所にいても、その牙を誇れ。野生に生きた時間を忘れるな。」
虎「......」
彩(佐渡君に頭下げてる!?)
ま、まさか、こんな事も出来るんだ
佐渡君、そう言う世界で生きていけるんじゃ?
もう、動物と話せる人としてテレビに出られるよね?
そこから俳優とかになってドラマで共演とか......
アイドルと俳優で結婚、みたいな......
燈「まぁ、頑張れや。お前が弱ったころにまた来てやるよ。」
虎「......」
佐渡君はそう言って立ち上がって、
私の方に体を向けた
燈「なんか、虎の師匠になった。」
彩「なんで!?」
燈「分からん。まぁ、次のところ行こうぜ。」
彩「う、うん!__っ!///」
佐渡君はそう言って私の手を取った
突然の出来事で頭が真っ白になった
けど、すぐにそれは全部嬉しいって気持ちになって
すごく楽しい気持ちになった
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そのあともいろんな動物を見た
佐渡君は毎回、動物と会話をしてて
すごく楽しそうにしてた
ゴリラが親指立てたのは驚いたけど
私は凄く楽しい時間を過ごせた
彩「__わぁ!ペンギンだ!」
燈「なに?」
彩「ほら!見て見て!」
燈「おぉ......!」
夕方に近づいて来た時間
私達の近くにペンギンの行列が来た
よちよち歩いてて本当に可愛い
佐渡君の目が凄くキラキラしてる
ペンギン「グァ?」
燈「お、おい!来たぞ、彩!」
彩「うん!可愛い!」
ペンギン「グァ!グァ!」
ペンギンは私達の方を見て
なんだか、すごく楽しそうにしてる
燈「......?」
彩「どうしたの?」
燈「いや、なんかこいつが俺と彩がカップルかって言ってきた。」
彩「ふぇ!?///」
ペンギンってそんなこと言うの!?
って、そうじゃなくて
か、カップル!?
燈「ませたペンギンだな。」
彩「そ、そうだねぇ!///」
燈「なんか、声デカいな。」
佐渡君は首をかしげてる
まさか、ペンギンにこうされるなんて
私、今、心臓バクバクだよ
燈「言っとくが、俺と彩は違うぞ?まだそう言うのじゃない。」
彩「ま、まだ!?///」
燈「ん?どうした?」
彩「い、いや!///なんでもないよ!///」
まだって、佐渡君意識してないの?
いや、佐渡君だし絶対に無意識
でも、私は凄く意識しちゃう
彩「あっ、折角だし写真撮ろうよ!///」
燈「写真?いいか、ペンギン?」
ペンギン「グァ!」
燈「いいってよ。」
彩「じゃあ、こっち寄って!」
燈「あぁ。」
佐渡君は私の隣に来た
ペンギンを抱っこしてる、可愛い
彩「撮るよ!」
燈「ちょっと待て。」
彩「え__!?///」
私は佐渡君に抱き寄せられた
体が密着してる、佐渡君の匂いする
心臓の音聞こえちゃう......っ
燈「これなら全員、綺麗に入る。」
彩「う、うん......///」
燈「じゃあ、撮ってくれ。」
彩「と、とと、撮るね......っ///」
私は佐渡君と引っ付いたまま、
携帯のシャッターボタンを押した
パシャって音がした後、写真が保存されて
それを確認すると佐渡君は私から離れた
燈「良く撮れてるな。彩、写真撮るの上手いな。」
彩「うん、趣味だから......///」
佐渡君は感心したように携帯を見てる
ペンギンは列の中に帰って行った
満足したのかな......?
燈「あっ、カメラ閉じちまっ......た?」
彩「え?」
”燈”
カメラのアプリを閉じると、
なんか、俺の写真が出て来た
待ち受け画面ってやつか
彩「ひゃあああ!///」
燈「なんでこんなの待ち受けにしてるんだ?」
彩「い、いや、それはその......///」
彩は顔を真っ赤にしてる
それにしても、変な奴だな
アイドルなんだから自分の写真でも載せとけばいいのに
彩「ご、ごめん、そんなの気持ち悪いよね......」
燈「ん?」
なんか、急にそんな事を言ってきた
いや、別に何とも思わないんだが
ちょっと気になるだけで
燈「気持ち悪くはないが。」
彩「え?」
燈「別に写真撮られるのが嫌いとかないし。」
それにしても湊にしろ彩にしろ
俺の写真なんか何でとってるんだ?
変な奴らだな
燈「それにしても、すごい俺の写真撮ってるな。」
彩「み、見ないでぇ!///」
燈「お、おい!アブねぇって!って、うわ!」
彩「!!」
彩は俺の方に飛びついてきた
俺はそれを受け止められず、
後ろにしりもちをついた
燈「__お、おい、危ないだろ......ん?」
彩「あ......っ///」
燈(なんだこれ、やわらかい。)
その時、俺の手に柔らかい感触があった
彩がプルプル震えてて
さっきよりも顔が赤くなってる
彩「ごごごめんなさい~!!!///」
燈「彩!?」
彩(もうまともに顔合わせられないよ~!!!///)
燈「携帯置いて行ってるぞー!」
それから、俺は彩を追いかけた
なぜか、この時の彩はかなり早くて
追いつくのにかなり時間がかかった
かえる時、俺は彩にすごく謝った