白と七人の歌姫   作:火の車

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動物園

 ”湊家”

 

 湊家の一室

 

 そこは電気が付いていないので暗い

 

 だが、その部屋から何ともいような声が聞こえてくる

 

友希那「ああ!///可愛い!可愛いわ!!!///」

 

 その声の主は友希那だ

 

 今の表情は歌姫と呼ばれているのが信じられない程だらしがなく、彼女を知るものが見れば十中八九、夢か幻と思うだろう

 

リサ「__友希那ー、なんか変な声したけ......ど?」

友希那「リサ......?」

リサ「」

友希那「ノック位して欲しいのだけれど。」

 

 いつものテンションでそう言うが、

 

 表情が治りきらず威圧感が全くない

 

 そんな友希那を見て、リサは絶句した

 

リサ(え?友希那なんて顔してるの?涎垂れてるし、妙の笑顔だし、なんか目は虚ろだし......え?なに?)

友希那「リサ、聞いているの?」

リサ「夢かな~?(現実逃避)」

 

 リサは完全に思考を放棄した

 

 原因である友希那はリサをジッと見て

 

 部屋に入ってきたことに不服そうな顔をしてる

 

リサ「ごめんね~、すぐ出て行くよ~。この後クッキー持って来るからね~。」

友希那「なぜ、青葉さんのような喋り方になっているの?」

リサ「なんでもないよ、じゃあね~。」

友希那「えぇ(?)」

 

 リサは首をかしげてる友希那に背を向け部屋から出て行った

 

リサ(クッキー作ってから、今日は寝よ。疲れてるんだ、うん、きっとそうだ。)

__________________

 

 ”燈”

 

 俺は今、花を見てる

 

 駅前の花壇に結構な数が咲いてて、

 

 なんか、穏やかな気持ちになる気がする

 

 俺はそんな事を思いながら、待ち合わせの奴を待ってる

 

彩「__佐渡くーん!」

 

 少しすると、彩が走って向かってきた

 

 いつもより可愛い気がする

 

 今日は髪を下ろしてる、服はなんかかわいい

 

彩「お待たせー!」

燈「130点。」

彩「え?」

燈「今日の点数。」

彩「!///」

 

 俺はそう言いながら彩を見た

 

 顔が赤くなってる、けど湊とは違う

 

 慌ててるみたいだな、何でかは知らんが

 

彩「佐渡君は、今日の私好きかな......?///」

燈「あぁ。」

彩「よ、よかった!///」

 

 彩は嬉しそうな顔をしてる

 

 その様子を見てると、彩は俺の手を掴んできた

 

 そして、笑いかけて来た

 

彩「行こっか!」

燈「どこ行くんだ?」

彩「それは、付いてからのお楽しみ!」

燈「そうか(?)」

 

 俺は彩と手を繋いだまま、

 

 今日遊ぶ場所に向かって行った

__________________

 

 結構長い距離を移動して、

 

 俺と彩は動物の声が大量にする場所

 

 動物園という場所に来た

 

燈「おぉ......!」

彩「この前の撮影の時、招待券貰ったんだ!」

燈「見た。猿に追いかけまわされてたな。」

彩「うっ......あれは、悲しい事件だったよ......」

 

 日本に来てからこういう場所に来たことなかったな

 

 動物の気配がものすごい数ある

 

燈「行くぞ。どんなのいるか早く見たい。」

彩「うん!(佐渡君、動物好きだし喜んでくれてる!)

 

 俺と彩は歩き始めた

__________________

 

 ”彩”

 

 最初に来たのはアライグマ

 

 すごくモフモフしてて、可愛い

 

 不思議なのは、何故かアライグマが佐渡君の前に来てる事

 

燈「こいつが、アライグマ。」

彩(な、なんで、佐渡君の前に来てるんだろ?)

燈「ふむ、ここの飯は美味いのか。おぉ、そこの雌がいいのか。」

彩「会話成立してる!?」

 

 佐渡君は妙に野生児みたいなところがある

 

 偶に野良猫とも話したりしてるし

 

 本当に無機物以外なら何とでも話せるんじゃないのかな

 

彩「ね、ねぇ、その子なんて言ってたの?」

燈「なんか、同じ檻の雌が気になるらしい。動物にもそう言うのがあるんだな。」

彩「す、すごく詳細だね。」

 

 私には全く分からなかったけど

 

 佐渡君って不思議だな

 

 でも、かっこいい......

 

彩「次のところ行かない?まだまだ動物はいるし!」

燈「そうだな。」

 

 佐渡君はそう言って立ち上がった

 

 私たちは次の動物に移動した

__________________

 

 次に来たのは虎

 

 すごく大きいし、牙も鋭い

 

 しかも、なんかすごく怒ってる

 

虎「グルルルル......!」

彩「な、なんでこんなに怒ってるんだろ?」

燈「ふむ......」

 

 佐渡君は虎の方をジッと見て、

 

 偶にうなずいたりしてる

 

 まさか、虎とも会話できるの!?

 

 いや、ネコ科動物だし当り前なんだけど(?)

 

燈「どうやら、人間に見られてるのが苦痛みたいだ。」

彩「そうなの?」

燈「『俺は見世物じゃねぇ。本能のまま生きることが俺達のあるべき姿だ。人間に飼いならされるのは屈辱だ。』って言ってる。」

彩「なるほど。」

 

 心なしか虎もうなずいてる気がする

 

 え、これ本当に言ってるんだ

 

燈「お前は負けたんだ、猫。」

彩「あの、その子虎だよ?」

燈「......この檻の中にいる時点でお前は敗北者。一度死んだも同然だ。そんなお前にプライドを語る資格はないんだよ、子猫。」

彩(あ、言い直さないんだ。)

 

 それにしても、すごく話してる

 

 人間とよりも話せてるんじゃないかな?

 

虎「......」

燈「だから、プライドは語るな、持ち続けろ。」

虎「......!!」

燈「どんな場所にいても、その牙を誇れ。野生に生きた時間を忘れるな。」

虎「......」

彩(佐渡君に頭下げてる!?)

 

 ま、まさか、こんな事も出来るんだ

 

 佐渡君、そう言う世界で生きていけるんじゃ?

 

 もう、動物と話せる人としてテレビに出られるよね?

 

 そこから俳優とかになってドラマで共演とか......

 

 アイドルと俳優で結婚、みたいな......

 

燈「まぁ、頑張れや。お前が弱ったころにまた来てやるよ。」

虎「......」

 

 佐渡君はそう言って立ち上がって、

 

 私の方に体を向けた

 

燈「なんか、虎の師匠になった。」

彩「なんで!?」

燈「分からん。まぁ、次のところ行こうぜ。」

彩「う、うん!__っ!///」

 

 佐渡君はそう言って私の手を取った

 

 突然の出来事で頭が真っ白になった

 

 けど、すぐにそれは全部嬉しいって気持ちになって

 

 すごく楽しい気持ちになった

__________________

 

 そのあともいろんな動物を見た

 

 佐渡君は毎回、動物と会話をしてて

 

 すごく楽しそうにしてた

 

 ゴリラが親指立てたのは驚いたけど

 

 私は凄く楽しい時間を過ごせた

 

彩「__わぁ!ペンギンだ!」

燈「なに?」

彩「ほら!見て見て!」

燈「おぉ......!」

 

 夕方に近づいて来た時間

 

 私達の近くにペンギンの行列が来た

 

 よちよち歩いてて本当に可愛い

 

 佐渡君の目が凄くキラキラしてる

 

ペンギン「グァ?」

燈「お、おい!来たぞ、彩!」

彩「うん!可愛い!」

ペンギン「グァ!グァ!」

 

 ペンギンは私達の方を見て

 

 なんだか、すごく楽しそうにしてる

 

燈「......?」

彩「どうしたの?」

燈「いや、なんかこいつが俺と彩がカップルかって言ってきた。」

彩「ふぇ!?///」

 

 ペンギンってそんなこと言うの!?

 

 って、そうじゃなくて

 

 か、カップル!?

 

燈「ませたペンギンだな。」

彩「そ、そうだねぇ!///」

燈「なんか、声デカいな。」

 

 佐渡君は首をかしげてる

 

 まさか、ペンギンにこうされるなんて

 

 私、今、心臓バクバクだよ

 

燈「言っとくが、俺と彩は違うぞ?まだそう言うのじゃない。」

彩「ま、まだ!?///」

燈「ん?どうした?」

彩「い、いや!///なんでもないよ!///」

 

 まだって、佐渡君意識してないの?

 

 いや、佐渡君だし絶対に無意識

 

 でも、私は凄く意識しちゃう

 

彩「あっ、折角だし写真撮ろうよ!///」

燈「写真?いいか、ペンギン?」

ペンギン「グァ!」

燈「いいってよ。」

彩「じゃあ、こっち寄って!」

燈「あぁ。」

 

 佐渡君は私の隣に来た

 

 ペンギンを抱っこしてる、可愛い

 

彩「撮るよ!」

燈「ちょっと待て。」

彩「え__!?///」

 

 私は佐渡君に抱き寄せられた

 

 体が密着してる、佐渡君の匂いする

 

 心臓の音聞こえちゃう......っ

 

燈「これなら全員、綺麗に入る。」

彩「う、うん......///」

燈「じゃあ、撮ってくれ。」

彩「と、とと、撮るね......っ///」

 

 私は佐渡君と引っ付いたまま、

 

 携帯のシャッターボタンを押した

 

 パシャって音がした後、写真が保存されて

 

 それを確認すると佐渡君は私から離れた

 

燈「良く撮れてるな。彩、写真撮るの上手いな。」

彩「うん、趣味だから......///」

 

 佐渡君は感心したように携帯を見てる

 

 ペンギンは列の中に帰って行った

 

 満足したのかな......?

 

燈「あっ、カメラ閉じちまっ......た?」

彩「え?」

 

 ”燈”

 

 カメラのアプリを閉じると、

 

 なんか、俺の写真が出て来た

 

 待ち受け画面ってやつか

 

彩「ひゃあああ!///」

燈「なんでこんなの待ち受けにしてるんだ?」

彩「い、いや、それはその......///」

 

 彩は顔を真っ赤にしてる

 

 それにしても、変な奴だな

 

 アイドルなんだから自分の写真でも載せとけばいいのに

 

彩「ご、ごめん、そんなの気持ち悪いよね......」

燈「ん?」

 

 なんか、急にそんな事を言ってきた

 

 いや、別に何とも思わないんだが

 

 ちょっと気になるだけで

 

燈「気持ち悪くはないが。」

彩「え?」

燈「別に写真撮られるのが嫌いとかないし。」

 

 それにしても湊にしろ彩にしろ

 

 俺の写真なんか何でとってるんだ?

 

 変な奴らだな

 

燈「それにしても、すごい俺の写真撮ってるな。」

彩「み、見ないでぇ!///」

燈「お、おい!アブねぇって!って、うわ!」

彩「!!」

 

 彩は俺の方に飛びついてきた

 

 俺はそれを受け止められず、

 

 後ろにしりもちをついた

 

燈「__お、おい、危ないだろ......ん?」

彩「あ......っ///」

燈(なんだこれ、やわらかい。)

 

 その時、俺の手に柔らかい感触があった

 

 彩がプルプル震えてて

 

 さっきよりも顔が赤くなってる

 

彩「ごごごめんなさい~!!!///」

燈「彩!?」

彩(もうまともに顔合わせられないよ~!!!///)

燈「携帯置いて行ってるぞー!」

 

 それから、俺は彩を追いかけた

 

 なぜか、この時の彩はかなり早くて

 

 追いつくのにかなり時間がかかった

 

 かえる時、俺は彩にすごく謝った

 

 

 

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