白と七人の歌姫   作:火の車

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綺麗な草原

 朝、俺はリビングで朝ご飯を食べてる

 

 机の向こうには一ノ瀬とオリビアがいる

 

 なんで新婚の前で飯食ってるんだと

 

 俺は疑問に思いつつ口に飯を運んでる

 

オリビア「美味しいですか?燈さん。」

燈「美味い。」

慎吾「オリビアは料理上手だからね。」

オリビア「あらあら、お上手ですね♪」

燈「......」

 

 ここ2日で気付いたが

 

 一ノ瀬は愛妻家と言う奴だ

 

 オリビアも一ノ瀬と仲いい

 

 頻繁に家でイチャつくから居辛くて仕方ない

 

慎吾「今日は美竹ちゃんとデートだったね?」

燈「あぁ。」

オリビア「連日女性とお出かけなんて、将来の心配はないですね。」

燈「あ?心配しかねぇだろ。俺だぞ?」

慎吾(自覚してるのか......)

 

 俺は朝飯を食べ終わり

 

 台所に食器を持っていった

 

 洗い物はオリビアにいらないと言われ

 

 これはこれで落ち着かない

 

オリビア(こう言うところは意外としっかりしてるんですよね。)

慎吾(うんうん、いい子な部分が出てきてるね、燈。)

燈(なんかすごい気持ち悪い視線を感じる。)

 

 俺はその視線を無視し

 

 出掛ける準備をしに部屋に戻った

__________________

 

 今日は駅前で待ち合わせてる

 

 流石にこの辺じゃ迷子にならない

 

 散歩とかでたまに通るしな

 

燈(確か、目印は噴水だったか__)

不良1「__なぁ、いいじゃん~。」

不良2「俺達と遊ぼうぜ~。」

蘭「は?」

燈「......」

 

 待ち合わせ場所に来ると

 

 蘭がガラの悪そうな奴らに絡まれてた

 

 俺は心底面倒に思いつつそれに近づいた

 

燈「......おい、蘭。」

蘭「あっ、燈!」

燈「時間はセーフか?」

蘭「うん、全然セーフだよ!」

燈「そうか。」

 

 俺はそう言いながら蘭に近づいた

 

 ガラ悪そうな奴らは俺を睨んで

 

 後ろから肩を掴んできた

 

燈「おい、触るな。」

不良1「おいおい、横取りすんなよ~。」

不良2「俺らが先、声かけたんだけど?」

燈「知るか。こいつは俺の(友達)だ。」

蘭「!!///」

 

 こいつら、俺の事気付いてないな

 

 かつらをつけてきた甲斐がある

 

 でも、これじゃ時間がかかって面倒くさいな

 

不良1「調子乗んなよ、ガキが。」

燈「ふんっ、三下ごときが調子に乗んなよ。」

不良2「っ!?」

 

 俺はそう言いながらかつらを外した

 

 もう、外出る時かつらいらないかもな

 

 どうせこういう時には外しちまうし

 

不良1「お、お前は......!」

燈「もうその反応は飽きた。」

 

 と、話をぶった切り

 

 ガラの悪い2人の目の前に立った

 

 背は少し俺より高いくらいだが

 

 バカそうな奴らだ(人のこと言えない)

 

燈「今日は出掛けるし、手早く片付けるぞ。」

不良1,2「グフッ!!!」

蘭「!?」

 

 俺はとりあえず2人の顎を突き上げ

 

 打ち下ろしのパンチを顔面に叩きこんだ

 

 もう少し手加減しても良かった

 

 多分、あごの骨粉々になってる

 

蘭(か、顔が上下に吹っ飛んでいった?いや、燈が速過ぎて見えなかったんだ。)

「な、なんだあれ!?急に倒れたぞ!」

「し、死んでる?」

「誰か救急車呼べ!」

燈(うん、死んでない。セーフ。)

 

 俺はぶん殴った2人を見て

 

 死んでない事を確認し

 

 蘭の方を見た

 

燈「行くか~。」

蘭「う、うん。」

 

 俺は面倒になる前にここを離れるため

 

 蘭と一緒に歩き始めた

 

 ”蘭”

 

蘭(何も言われなかった......)

 

 今日はかなりお洒落した

 

 アフターグロウの皆に相談して

 

 いつもより女の子らしい服着たし

 

 慣れないけど薄く化粧とかもしてみた

 

蘭(やっぱり、あたしのこと興味ないのかな......)

 

 少しくらい可愛いとか似合ってるとか

 

 そういう事を言ってくれるかなって期待してた

 

 皆もすごく褒めてくれたし

 

 結構、自信あったんだけど......

 

燈「あっ、そうだ。」

蘭「......?」

燈「今日のお前、すごい可愛い。」

蘭「え!?///」

燈「いつもそんな風にしてればすごいモテるんじゃね?」

 

 顔が熱くなる

 

 燈があたしの事を褒めてくれた

 

 ちゃんと、あたしの事を見ててくれた

 

 可愛いって言ってくれた

 

 でも、最後のはいらない

 

 あたしは燈にしか興味ないんだよ?

 

蘭「......あたしは燈のだよ?///」

燈「そうか(?)」

 

 あたしは燈の腕に抱き着いた

 

 筋肉質で無駄のない綺麗な腕

 

 服からは洗剤と燈のにおいがする

 

蘭(燈の匂い、良い匂い......好き、好き、大好き......♡)

燈(暑くないのか?)

蘭「行こっか、燈♡」

燈「そうだな。」

 

 あたし達は止めてた足を進め

 

 今日の目的地に向かって行った

__________________

 

 ”燈”

 

 俺と蘭は電車に乗り

 

 結構離れた場所の駅でおりた

 

 田舎と言うか、山が多い

 

燈「__ふむ。」

 

 それから、俺は蘭に案内され

 

 森の中を歩いてる

 

 人が歩く道からは外れ

 

 見える物は木、草、草と

 

 何と言うか、野生動物になった気分だ

 

燈「蘭、どこに向かってるんだ?」

蘭「もうすぐ着くよ。きっと、燈も気に入ると思う。」

燈「?」

蘭「あ、そこだよ。」

燈(俺も気に入る?)

 

 俺は首を傾げつつ蘭について行くと森を抜け

 

 風が俺の頬を舐めるように流れていた

 

 そして、景色を見て俺は目を見開いた

 

燈「__!」

蘭「綺麗でしょ?」

 

 俺の目の前には大きな草原が広がってる

 

 こんな場所があの森の向こうにあるなんて

 

 歩いてるときじゃ全く想像が付かなかった

 

燈(ここは、日本なのか?)

 

 向こうじゃ割と珍しくもないが

 

 日本でこんな広い草原を見るのは初めてだ

 

 なんか、少し懐かしい感じがする

 

燈(母さん......)

蘭「燈!?」

燈「なんだ?」

蘭「いや、なんで泣いてるの?何か悲しい事があったの......?」

燈「なに?」

 

 俺は自分の眼もとに触れた

 

 なんか、生暖かい水っぽいものが流れてる

 

 勝手に泣いてやがる

 

蘭「大丈夫......?」

燈「別に、なんでもない。」

 

 そう言って涙を拭った

 

 昔を思い出し過ぎたのか

 

 俺にも人間の心があったんだな

 

燈「ここ、いい場所だな。」

蘭「うん。折角だし、ここでお弁当食べよっか。」

燈「弁当?」

蘭「うん、作って来たんだ。」

 

 蘭はそう言いながらシートを広げ

 

 靴を脱いでそれの上に座った

 

 あの鞄のどこにこんなの入れてるんだ

 

 某猫型ロボットか?

 

蘭「ほら、座りなよ。」

燈「あぁ。」

 

 俺は蘭が座ってるシートの上に座った

 

 ますます昔の事を思い出す

 

 イギリスではこんな事ばっかしてた

 

 でも、あの時間は悪くなかった

 

蘭「はい、お弁当だよ。」

燈「おう__?」

蘭「///」

燈(なんだこれ?)

 

 弁当箱を開けると

 

 なんか、すごいハートが見えた

 

 これ、良く出来てるな(そこ?)

 

 蘭って器用な奴なんだな

 

燈(まぁ、食うか。)

 

 俺は弁当を食べ始めた

 

 別に嫌いな食べ物はほとんどない

 

 と言うか、パンと水で過ごして来たし

 

 好き嫌いと言う物を持つ方が難しい

 

燈「美味い。」

蘭「そ、そう///」

燈「蘭は料理上手だな。俺は何もできないから、すごいと思う。」

 

 飯を作りに来てたし

 

 1人暮らしの時は凄い助かってた

 

 味もすごい美味かったし

 

蘭(美味しそうに食べてくれてる///)

燈(うめー。)

 

 俺はそれから弁当を食べ進め

 

 あっという間に全部食べてしまった

__________________

 

 ”蘭”

 

 暫く草原でゆっくりしてると

 

 燈は眠ってしまった

 

 あたしの太ももに頭を置いて

 

 惜しげもなく可愛い寝顔を見せてくれてる

 

燈「......zzz」

蘭(可愛い......///)

 

 燈の警戒心が強いのは知ってる

 

 元々は動物的なところが多いし

 

 でも、アタシの前でこんな無防備で寝るって事は心を許してくれてるって事

 

 そんな風に自己完結させて

 

 あたしは1人で喜んでる

 

蘭(......燈、気付いてないね。)

 

 燈の寝顔を眺めながら

 

 あたしはそんな事を考えた

 

 それと同時に燈のお腹辺りを撫でた

 

蘭(あの料理、全部にあたしの血が入ってるんだよ♡)

燈「......んんっ......」

蘭(これって、あたしと燈が1つになったって事だよね?♡)

 

 我ながら狂ってると思う

 

 自分の血が燈の体内に入ることに喜びを感じる

 

 それと同じくらい興奮してしまう

 

 こんな事、他の誰かに言ったら引かれる

 

 間違った行為であることは分かってる

 

 でも、やめられない

 

 もう、何回こんな事をしただろう

 

蘭(好きだよ、燈♡もう、絶対に1人にしないから、何があってもあたしだけは燈の味方だから......ズット、イッショダヨ♡)

燈「......ん......?(歪んだ、気配......?)」

 

 それからあたしは燈の寝顔を眺め続けた

 

 その間は衝動を抑えるのに少しだけ苦労した

 

 燈の近くにいられた時間は本当に幸せで

 

 段々と自分自身が狂って行くのを感じた

 

 

 

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