今日、俺は和奏と待ち合わせをしてる
迷うからと俺は家の前で待ってるんだが
あいつ、俺を何だと思ってんだ(前科あり)
レイ「__お待たせ、佐渡君。」
燈「時間ピッタリだな。」
レイ「佐渡君は待ち合わせ時間の前に来るんだね、偉いよ。」
燈「!」
和奏は柔らかく笑いながら頭を撫でて来た
こいつ、俺とそこまで背が変わんねぇんだよ
だから、あいつの中で唯一普通にしても目が合う
......だから、多少照れくさい
燈「......撫でてんじゃえぇよ。俺はガキか。」
レイ「あはは、ごめんごめん。」
燈「別にいい。それで、今日はライブだったな。」
レイ「うん、佐渡君が寝てる間に置いて行った奴。」
燈「寝てる間に置くなよ。危うく忘れるとこだったろ。」
レイ「でも忘れてないから大丈夫だね。」
和奏はそう言う間もずっと笑ってる
こいつ、ある意味よく分かんねぇ
まぁ、良い奴だし別にいいんだが
レイ「行こっか。のんびりライブを見れるの、初めてでしょ?」
燈「まぁ、そうだな。前は外国人が来やがったし。」
レイ「今日は来ないと良いね。」
燈「来ても別に時間止めてぶっ飛ばすから時間は使わない。」
レイ「あはは、頼もしい頼もしい。」
燈「だ、だから撫でてんじゃねぇ!」
そう叫んだあと
俺は和奏に連れられライブハウスに向かった
その間も端に寄れだの信号渡るのに手を挙げろだの
まるで小さな子供みたいに扱われた
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まぁまぁな距離を歩きライブハウスまで来た
前に言ったところとは違う場所だ
和奏のバンドは合同じゃないとここでよくライブをするらしい
今は和奏と一緒に建物に入って楽屋?に向かってる
レイ「__お待たせ、皆。」
チュチュ「遅いわよ!レイヤ!」
ますき「どうした?便所か?」
六花「ますきさん!」
レイ「トイレじゃないよ。」
パレオ「じゃあ、後ろの殿方でしょうか?」
部屋に入るとなんか色んな奴がいた
ギター持ってる眼鏡女、猫耳付けてる女
どっかで見たヤンキー女、カラフル女
なんだこいつら
レイ「そうだよ。この子は佐渡燈君、仲良くしてあげてね。」
ますき「っておい!またとんでもないの連れて来たな!?」
チュチュ「あら、知ってるの?」
ますき「こいつは__(説明略)」
ヤンキー女、やけに詳しいな
俺が忘れてる事まで全部知ってる
まさか、俺より俺に詳しいんじゃねぇか?
チュチュ「__それやばいじゃない!dangerous!!」
六花「ふ、不良......」
レイ「そんなに悪い子じゃないよ?どっちかと言うと純粋ないい子だから。」
ますき「いや、いい子って......そいつは伝説の不良だぞ?もうこの辺りじゃ警察も手出しできなくなってる。」
レイ「うーん。」
和奏は首を傾げてる
いや、こういう反応が普通なんだよ
警察どうのこうのは知らなかったが
頭撫でたりするこいつがおかしいんだ
危なかった、感覚がマヒしてた
パレオ「私はそんなに危なくはないと思いますが?」
チュチュ「パレオ!?」
パレオ「レイヤさんは不良と関わらなそうですし、そちらの方も目の前で散々言われてるのに何もしないですし。」
六花「そ、そう言われてみれば......」
このカラフル女も恐れ知らずだな
いや、怖がられたいわけでもないけど
......てか、俺別に不良である事に拘ってないわ
ますき「でもなー。」
燈「おい、ヤンキー女。」
ますき「なんだ、ってヤンキー!?」
燈「さっきから俺の事を散々言ってくれるがな。お前は1つ、俺について知らない事がある。」
ますき「な、なに......!?」
ヤンキー女は驚いた顔をしてる
これはまぁ、自我を失ったときを除いてなんだが......
燈「俺は女に手を出さない。」
ますき「いや、何時代の不良だよ!!」
燈「言っておくが、俺は今まで女を(一部例外を除いて)殴ってない。襲ったこともない。」
ますき「まぁ、確かにそんな話は聞かねぇが。」
なんか、すごい嫌われてるな
まぁ、奴らが異常なだけだと思うが
怖がられるのも面倒だな
レイ「まぁ入りなよ。名前覚えられる?」
燈「無理だ、出来ん。」
六花(で、出来ないんだ。)
燈「だから、そこのチビは猫耳女、そこの眼鏡は眼鏡女、カラフルな奴はカラフル女、ヤンキーはヤンキー女って呼ぶ。」
レイ「ゆっくりでいいから覚えてあげてね?」
燈「善処はする。」
俺はそう言ってソファに座った
和奏が座っていいって言ったからな
歩いてなんか疲れたし、ちょうどいいや
燈(さて、和奏の仲間でも拝んでやるか。)
チュチュ、ますき、六花「!!」
パレオ「?」
俺は4人の方をジッと見た
今まで何人かバンドしてる奴には会ったが
なんか全員キャラ濃いな
燈「おい、猫耳女と眼鏡女。」
六花「は、はい。」
チュチュ「な、何よ。」
燈「お前ら、可愛いな。」
チュチュ、六花「え?」
ますき「!」
こいつら、普通に可愛い
小動物感がある女は見る分には可愛い
まぁ、猫耳は生意気そうだが
チュチュ「な、何言ってるのよ!?」
レイ「本音を隠せない子だから。」
六花「か、可愛いって......!?///」
燈「あと、そこのカラフル女は脚なげぇ。」
パレオ「ありがとうございます♪」
このカラフル女は多分、眼鏡と同い年だろ
それで猫耳は中学生、ヤンキーは俺の同い年かそれ以上
俺の見立てはこんな感じだ
ますき「お、お前......!」
燈「ん?」
ますき「分かってんな!」あ
燈「......は?(???)」
ますき「可愛いよなぁ!こいつら。」
あ、こいつそう言う奴か
もう何がトリガーか大体わかった
こいつ、可愛い物好きだ
ますき「分かる、分かるぞ!」
燈「そ、そうか。」
レイ(珍しい、佐渡君が引いてる。)
ますき「いやー!お前意外と良い奴なんだなぁ!」
こいつ、情緒は大丈夫か?(人のこと言えない)
いや、別にいいんだけど
うん、やばいだろ
レイ「どう?私の仲間。」
燈「可愛い奴と変な奴がいる。」
レイ「ふふっ、そっか。」
燈「あのヤンキー女、大丈夫か?」
レイ「大丈夫。ライブはちゃんとするからさ。」
チュチュ「そろそろ行くわよ!」
レイ「もう時間か。佐渡君?ライブが終わったらここに戻って来るんだよ?」
燈「分かった。」
チュチュ、ますき、パレオ、六花(子供?)
それから俺は楽屋を出て
和奏に言われた場所に移動し
あいつらのライブを見ることにした
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ここのライブ会場も人間が多い
男と女が大体同じくらいいる
つまり、両方から人気があるのか
すごいなー
燈(ていうか、あいつバンドではレイヤって呼ばれてるのか。)
かっけーな
俺もなんかかっこいい呼び名が欲しい
白い悪魔とかダサいんだよな
何か良い呼び方ねぇかな
燈「!」
そんな事を考えてると
ステージがいろんな色に光った
すっごい目がチカチカする
チュチュ『__We are RAISE A SUILEN.』
燈「おぉ。」
あの猫耳、英語上手いな
イギリス居た時は日常的に聞いてたし
なんか馴染みのある発音だな
あいつ、元々どっか外国に住んでたのか?
『~♪~♪』
燈「!」
メンバー紹介が終わってすぐ
どこからか前奏が聞こえて来た
音が跳ねるからどこから来てるか分からん
けど、なんか、すごいかっけぇ
レイ『Mark my words 何かも今すぐ!曝け出せ!』
燈(すっげぇ。)
和奏、いつもの雰囲気じゃない
これがバンドをしてるあいつか
喧嘩腰にも思える暴力的な態度
あんなに荒々しいけど綺麗に歌える
そんな奴、世界中探しても中々いないだろ
燈(やっぱあいつ、面白れぇ!)
ボーカルってやつは皆あんな歌えるのか
和奏と湊は聞いたことあるけど
香澄も彩も蘭もこころもましろも......
燈(今度、あいつらの歌も聞いてみたいな。)
和奏の歌を聞いたら好奇心が出る
全員が和奏レベルに歌えるならヤバいぞ
天才集団じゃねぇか
俺はそんな事を考えながらライブを見た
レイ『__ありがとう!また来てね!』
『わぁぁぁぁあ!!!』
数曲の演奏が終わり
和奏は片手を振り上げそう言った
それを見て観客は大盛り上がりだ
レイ『!』
燈「?」
レイ『(今からおいで、佐渡君。)』
燈(って、言ってる気がする。)
俺は和奏のアイコンタクトを受け取り
その場を離れ
さっき言った楽屋に向かう事にした
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......が、迷子になった
この建物の内装複雑すぎだろ
誰が設計したんだ
燈(気配的にはこっちなんだけどな。)
レイ「__あ、ここにいたんだ。」
燈「和奏?」
レイ「絶対に迷子になると思って迎えに来たんだ。」
こいつ、超能力者か?
なんで俺の行動が分かるんだ
マジですげぇ
レイ「ライブどうだった?」
燈「すごかった。ていうか、お前の雰囲気が違いすぎる。気配もちょっと変わってた。」
レイ「あはは、そうかもね。」
燈「それで、俺は来たはいいがどうすればいい?」
レイ「後はもう帰るだけだし、少し待ってて。」
燈「オッケー。」
レイ「じゃあ。」
和奏はそう言って歩いて行き
俺は言われた通り、そこで待つことにした
”別視点”
燈と別れて、レイは楽屋に戻ってきた
それを見たますきはに屋と笑った後
戻ってきたレイに声をかけた
レイ「__ただいま。」
ますき「おーう、子供の迎えか?」
レイ「子供じゃないよ?佐渡君だよ?」
チュチュ「あれ、あなたの子供でしょ。あんな面倒まで見て。」
レイ「まぁ、心配だからね。気付いたらどこかに行っちゃいそうで。」
レイは静かな声でそう言った
それを聞いてRASの4人は首を傾げ
全員、レイの方を凝視してる
レイ「才能があるのに恵まれず、愛情を与えられず、ずっと孤独に生きて来た。そして、あんなに粗暴に見えるのに簡単に消えちゃいそうって思うほど儚い空気を身に纏ってる......」
六花(あの人に、一体何が......?)
レイ「だからかな、私は佐渡君を放っておけない。」
パレオ「愛を感じますね!」
レイ「愛、か......」
チュチュ「?」
レイは小さくそう呟いた
そして、少しだけ考える仕草を見せ
数秒して笑いながら口を開いた
レイ「ただ、佐渡君を幸せにしたいだけだよ。」
チュチュ「人はそれを愛と言うんじゃないの?」
レイ「そうなの?なら、これは愛なのかもね。」
レイはそう言って着替えを終え
ベースのケースを担ぎ
楽屋のドアに手をかけた
レイ「確かに、こんなに幸せにしたいと思ってこれが愛じゃないなら、何が愛か分からないかもね。」
レイはそう言って楽屋を出た
その姿を見送った4人は顔を見合わせ
最初にますきが口を開いた
ますき「か、かっけぇ。」
チュチュ「So cool......」
六花(あれ、レイヤさんって彼氏側......?)
パレオ(これもまた一興、ですね!)
4人は各々そんな事を思いながら
取り合えず、帰りの用意をし
その日は解散した
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”レイ”
レイ「__お待たせ、佐渡君。」
燈「別にそこまで待ってない。」
佐渡君は小さく笑いながらそう言った
今日は凄く機嫌がいいみたい
雰囲気が凄く柔らかい
レイ「家まで送るよ。迷子になりそうだし。」
燈「おい、馬鹿にしてるだろ。」
レイ「してないよ。ただ心配なだけ。」
私は笑いながらそう言った
佐渡君は『仕方ないなぁ。』と言いつつ
少し楽しそうに歩き始めた
燈「行くぞ。飲み物くらいなら奢ってやるぞ?」
レイ「なら、ありがたく貰おうかな。」
燈「おう。」
レイ(......よかった、楽しそうで。)
私は佐渡君の後ろについて歩いた
出来れば、この笑顔を守りたい
だから......
レイ(私は絶対に佐渡君を幸せにするよ。)
私は心の中でそう呟いて
佐渡君と一緒にライブハウスを出て行った
デート、とは呼べなかったけど
佐渡君が楽しそうだったし、満足かな