夏休みが終わった
またあの日々が始まる
前までなら面倒としか思わなかったが、香澄たちがいるなら悪くないだろう
2学期......退屈しなさそうだ
慎吾「__やぁ、おはよう燈!」
燈「うるさい。」
オリビア「おはようございます、燈さん。」
燈「おはよ。」
慎吾「僕には言ってくれないの?」
燈「お前は嫁を見習え。」
俺はそう言いながらテーブルの椅子に座った
テーブルには美味そうな朝飯が置かれてる
俺は手を合わせ皿に乗ってるトーストを手に取った
オリビア「燈さんは今日から学校ですよね?」
燈「あぁ、そうだ。」
オリビア「あら、面倒くさいと言うと思ったのですが。」
燈「......別にそうでもない。」
俺はそう言いながら飯を食った
量は俺に合わせてるのかそこまで多くない
だから、すぐに食べ終わった
まぁ、俺が食うの早いってのもあるだろうが
燈「ごちそうさま。」
俺は軽く手を合わせた後、シンクに食器を置いた
時間は8時前か
多少早いが、学校行くか
慎吾「おや?もう学校に行くのかい?」
燈「あぁ。」
慎吾「珍しいね?何かあったのかい?」
燈「......香澄とか早く来るから。」
慎吾、オリビア「!」
燈「行ってくる。」
俺はそう言ってリビングを出た
”慎吾とオリビア”
燈がリビングを出た後
慎吾とオリビアは顔を見合わせ
次第に口角が上がって行った
慎吾「お、オリビア、あれはまさか。」
オリビア「間違いありません、あれは......」
慎吾、オリビア「デレ期だ(です)!」
2人は口をそろえてそう言った
それと同時に立ち上がり
慎吾は目元を抑えた
慎吾「やっと、やっと燈にも春が......!」
オリビア「これは、全力で見守りましょう。」
慎吾「そうだね!いやー!今日は良い日だ!」
2人はそんな会話をした後
時間があるのでのんびり朝食を摂った
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”燈”
今の家は学校から近くて、割とすぐ着いた
見た感じ、部活してる奴は来てた
あと、何人か走り回ってたしあいつらは来てる
俺はそう思い、いつもの生徒会室に来た
燈「__はよー。」
有咲「あ?佐渡?」
紗夜「早いですね、どうしたんですか?」
燐子「おはよう......ございます......」
やっぱり、こいつらは来てた
学校で話せる奴少ないし
下手に教室行くよりこっちに来る方がいいな
燈「早く起きたから来た。」
紗夜「それで、なぜ生徒会室に?」
燈「教室行っても香澄いなきゃ面倒だし。」
有咲「あー、なるほどな。」
俺は空いてる椅子に座った
この部屋、すごい涼しいな
生徒会の奴らは上級国民かなんかか?
燐子(すごく自然にいる......)
有咲「それで、お前、宿題はしたか?」
燈「宿題?」
有咲(まぁ、やってないだろ。)
燈「1教科、英語は全部やった。」
有咲「なに!?」
紗夜「なんですって!?」
燈「あ?」
こいつら、急に大声出したな
そんなに俺が宿題してるのが不思議か※その通り
俺はそんな事を思いながら鞄からプリントを出した
燈「これだ。」
有咲「お、おう。」
市ヶ谷は俺のプリントを見始めた
結構な枚数あったけど、市ヶ谷はすらすら見て
枚数が進むにつれて表情が変わって行った
そして、突然大声を上げた
有咲「__ぜ、全部あってる!?」
紗夜「えぇ!?」
燐子「ほ、本当だ......」
燈「?」
有咲「お、お前、どうしたんだ......?勉強なんてできないはずなのに......」
市ヶ谷はそう聞いてきた
こいつは何を言ってるんだ?
俺が英語を出来るのは別に何も不思議なことでもないのに
燈「俺、生まれてから10年以上はイギリスに住んでたんだぞ?英語なんて出来て当たり前だろ。」
有咲、紗夜、燐子「......」
燈「?」
なんでこいつらは黙りこくってるんだ?
市ヶ谷に関しては震えてるし
そう思ってると、急に市ヶ谷が動いた
有咲「だったら最初っから真面目にやれー!!!」
燈「まぁ、そう言う意見もあるだろう。」
有咲「むしろそれしかねぇよ!!」
燈「だが、俺も前までは尖ってたんでな。」
有咲「今も変わんねぇ!!」
紗夜「それにしても、意外ですね。」
水色が口を開いた
ただ出来る事をしてなぜ驚かれる
心外以外の何物でもないな
紗夜「あなたが宿題なんてすると思わなかったです。」
燈「......多少は真面目に生きねぇと、母さんも浮かばれねぇからな。」
燐子「お母さん......?」
燈「なんでもねぇよ。」
俺はそう言いならプリントを片付けた
いい感じに時間も潰せたし
そろそろ、香澄も来るだろう
『__燈くーん!』
有咲、紗夜、燐子「!?」
燈「来たか。」
香澄「__燈君おはようー!!」
俺がそう呟くと生徒会室のドアが勢いよく開いた
来たのはもちろん香澄だ
こいつも朝から元気だな
まぁ、いいんだが
燈「宿題は終わったのか?」
香澄「うん!何とか終わったよ!」
燈「そうか、よかったな。」
有咲「......うん?」
紗夜「市ヶ谷さん?どうかしましたか?」
有咲「私の目の錯覚じゃなかったら、香澄の左手の薬指に指輪が付いてるんですが......」
燐子「あ、ほ、ほんとだ......」
紗夜「しかもあのデザインどこかで......って。」
有咲、紗夜、燐子(あれ、佐渡(君)が付けてたやつ......!?)
なんか、あいつらから視線を感じる
ていうか市ヶ谷、あご外れそうなくらい口開けてるし
そこまで行くと大変より変顔に見えて来た
有咲「な、なぁ?」
燈「なんだ。」
紗夜「お二人は結婚なさったのですか......?」
燈「してないが。てか、日本じゃ男は18で結婚だろ。」
紗夜(この男に正論を言われるのは癪ですが......)
燐子「じゃあ、なんで......その、指輪を......?」
香澄「燈君に貰いました!」
燈「サイズ的にそこにしか入らなかった。」
有咲「お前らそろいもそろって呑気だな!?」
市ヶ谷、朝からそんなに騒いで疲れないのか?
2学期からツッコミが切れてるのはいいが
はなからこの調子じゃ持たないぞ?(←こいつのせい)
香澄「私的には別にそう思われても......///」
燈「__!(気配。)」
香澄「燈君?///」
燈「すまん、ちょっと用事できた。」
香澄「え?」
燈「すぐに戻る。」
俺はそう言いながら窓を開けた
屋上くらいなら、少し飛べば行ける
そう思いながら俺は窓の淵に立ち、
思い切り上に飛んだ
有咲「うっそだろ!?」
紗夜「人間、ですよね......?」
燐子「(←気絶した)」
香澄(どうしたんだろ?)
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屋上まで飛んで俺は綺麗に着地した
中々、身体能力が上がったな
ちゃんと飯食うようになったからか?
って、そうじゃねぇ
燈「ヤバい気配出しまくってるんじゃねぇよ、咲。」
咲「どうせ、燈しか気づかないしいいでしょ。」
燈「加減ミスったら人体に影響出るだろ。」
俺は溜息を付きながらしゆった
こいつ、自分がただの人間じゃない自覚あるのか?
いや、あるんだろうが......
咲「それで、昨日の話は考えてくれた?」
燈「それについて、オリビアに話を聞いてきた。」
咲「......あの人ね。」
こいつ、ちゃんと覚えてないな
あんまり他人の事を覚えてなさそうだし
まぁ、いいんだろうけど
燈「多分、咲は超越者にはなれない。」
咲「......理由は?」
燈「オリビア曰く、超越者とは己の心に獣飼ってる者......同じような奴がいればそれを感じることができるが、俺は咲からそんなのを感じたことがない。」
咲「......なるほどね。」
咲は静かに頷いた
相変わらず表情が分かりずらい
何を考えてやがるんだ?こいつは
咲「つまり、修行じゃどうにもならなってこと?」
燈「そう言う事だな。持って生まれたものらしい。」
咲「......そっか。」
珍しく、咲が残念そうにしてる
こんな顔をしてるのを初めて見た
てか、人間らしい所あるんだな
日頃は化け物のくせに
燈「後、聞いた話はもう1つある。」
咲「?」
燈「仮に超越者がいたら、世界のどこにいても探知できる。オリビアもそうだったらしい。」
咲「......それを言うってことは。」
燈「あぁ、俺とオリビア以外にもう1人、しかも日本にいる。」
咲「......!」
これを探知したのは入院中
多分、体が勝手になれて来たんだろう
寝てたら何となく探知したからな
こういうもんではないと思うんだが
燈「一応言っとくが、咲でも勝てない可能性があるぞ。」
咲「......燈よりも強いの?」
燈「俺自身も自分がどのレベルか分からん。今、俺は別に喧嘩したいとも思わないしあんまり関わりたくない。」
咲「変わったね。」
燈「喧嘩より楽しいこと、見つけたからな。」
俺は少しだけ口角を上げた
今は別に喧嘩なんてしなくてもいい
ただ、今みたいに平和に過ごせれば、それでいい
咲「......ねぇ、燈。」
燈「なんだ?」
咲「香澄と結婚しない?」
燈「......は?」
こいつ、何言ってんだ?
修行のし過ぎで頭おかしくなったのか?
いや、こいつの急な話はいつもの事か
咲「香澄の結婚相手は私より強い相手......つまり、あの夫婦を除いたら燈しかいない。」
燈「お前、今まで香澄を結婚させる気なかったんだな。」
咲「うん、全くなかった。」
燈「そ、そうか。」
鬼だな
香澄、可愛いのに売れ残るじゃねぇか
全く、この従姉妹バカが......
咲「まぁ、考えててよ。燈なら認めてあげるよ。」
燈「お前は香澄の親か。」
咲「近いかもね。じゃあ、またね。」
咲はそう言って屋上から出て行った
たくっ、真剣な話かと思ったらこれだ
もういいけど
燈(さて、俺も教室戻るか。)
俺はそう思い、屋上から飛んだ
まぁ、このまま生徒会室に入れば__
燈「あ、やべ、窓締まって__」
香澄「あ、燈君!?」
燈「__あ、大丈夫だった。」
俺は何とか建物の出っ張りを掴み
新学期早々投身自殺をすることは無くなった
この後、俺はもちろん水色と市ヶ谷に怒られた
俺、結局怒られるのか......
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”とあるビルの屋上”
?「あはは!おもしろいなぁ!」
とあるビルの屋上
そこで1人で笑う男の姿があった
茶髪をヘアピンでまとめ、ちらっと見える八重歯が特徴の男だ
?「狼を宿した俺と同じ種類の人間......うんうん!面白い!」
男ははるか遠くにある花咲川の校舎を見ている
すると男は今度はニタリと笑い
ビルの屋上から勢いよく飛んだ
?「あはは!すぐに会いに行くよ、佐渡燈!......いや、兄さん!」
その叫びの後、男は忽然と消えた
その男の瞳の色は燈たちと同じように
右が紫、左が黄色のオッドアイだった