白と七人の歌姫   作:火の車

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人騒がせ

 俺は授業中に起きてられたことがない

 

 別に自分から進んで寝てるわけではない

 

 ただ......理解出来なさ過ぎて寝ちまうんだ

 

ましろ「__燈さん?」

燈「っ!て、敵か!」

ましろ「い、いえ、立ったまま寝てたので。」

燈「あ、あぁ、そうか。」

 

 俺は周りを確認した

 

 どうやら、1限目の授業が終わったらしい

 

 俺は眠い目を擦り、目の前にいるましろを見た

 

つくし「あ、あれで寝てたんですか?」

燈「あぁ。自慢じゃないが、俺は割とどこでも寝れる。」

つくし(ほ、本当に自慢じゃない。)

 

 まぁ、寝てても気配は感じるし

 

 変なのが近づいてきたら起きるが......

 

 流石に何もしてこなかったか

 

燈「それで、どうした?休み時間だし、トイレか?」

ましろ「ち、違います///お昼なので、ご飯をと......」

燈「......ん?おい、チビ。」

つくし「チビじゃないです。」

燈「今、昼なのか?」

つくし「はい。」

 

 チビは深く頷いた

 

 そうだ、昨晩はましろの家の屋根で寝てなかったんだ

 

 だからいつもよりもぐっすり寝てたのか

 

ましろ「お弁当、燈さんの分もあるので、どうぞ......///」

燈「おっ、サンキュー。助かる」

透子「__佐渡さーん!ここにいたー!」

燈、ましろ、つくし「?」

 

 ましろから弁当を受け取ると同時にギャルが走ってきた

 

 手に携帯を持って

 

 なんか、慌てた顔をしてる気がする

 

透子「こ、これって佐渡さん?」

燈「なんだそれ?」

つくし「SNS?」

透子「これ見てって!」

 

 ギャルは何かの動画を再生した

 

 それには屋上から飛び降りてきて、どっかに飛んでいくやつの姿が写ってた

 

 それを見て、俺は首を傾げた

 

燈「へぇ、まぁまぁやるな。」

つくし「いや、あなたですよ!?」

燈「なに?」

ましろ「燈さん?ほら、髪が白いですよ?」

燈「......本当だ。」

つくし、透子(え、判断基準そこ!?)

 

 動画の奴は髪が白い

 

 こいつ、俺だ

 

 って、あれ?

 

燈「俺、こんなことしたっけ?」

つくし「してたじゃないですか!?」

ましろ「つくしちゃんにプロより凄いって見せるためですよ?」

燈「......あっ。」

 

 思い出した

 

 そんなこともあった気がする

 

 そういや、チビに言われてたな

 

燈「......寝たら忘れてた。」

つくし「子供!?」

ましろ「じゃあ、仕方ないですね♡」

透子「えぇ......」

 

 寝て起きたら忘れるんだよなぁ

 

 まぁ、数学なら3歩で忘れられるけどな!

 

 それで市ヶ谷にいつも怒鳴られてる

 

透子「ま、まぁ、いいや。2人とも、今日はバンドのメンバーで集まるんだろ?早く来いって。」

ましろ「あ、そうだったね。行こっか。」

つくし「待たせちゃってごめんね。」

透子「まっ、いいんじゃね?多分。」

ましろ「燈さん。」

燈「あぁ、大丈夫だ。友達と__」

ましろ「燈さんも行きましょう!」

燈「え?」

 

 俺はましろにそう言われたあと

 

 なんだかんだ引っ張られ

 

 バンドメンバーがいるという中庭に向かった

__________________

 

 ましろ達について行くと、2人の女が座ってる場所に来た

 

 1人は知らんが、もう1人は知ってる

 

 てか、あんまり会いたくなかった

 

瑠唯「あら、その人は。」

燈「......ちっ、クソ金持ちか。」

ましろ(あれ?燈さん、怒ってる?)

 

 クソ金持ちには会いたくなかった

 

 俺の事を知ってやがるし

 

 何より、あのド変態と関わりがあったからだ

 

七深「あれ~?この人って、あの時ライブにいた人~?」

燈「......普通。」

七深「!(フツー!)」

 

 見た感じ、こいつは普通だ

 

 すごい普通な女

 

 特徴が少なくて、あだ名が付けれねぇ

 

燈「......ましろ。」

ましろ「どうしましたか?」

燈「こいつ、なんて呼べばいい。」

ましろ「えっと、この子はななみちゃんですけど......うーん、猫ヘアピンとか?」

七深「え、私のこと?」

 

 猫ヘアピンか......悪くない

 

 付けてるし、特徴的だし

 

 うん、良いあだ名だ

 

燈「よし、猫ヘアピンと命名する。」

七深「あ、はい、それでいいです。」

燈「ならいい。」

ましろ「!///」

 

 俺は名前を付けた後、ましろの横に座った

 

 金持ちの空気は耐え難い

 

 ましろがいないとマジで落ち着かない

 

ましろ(ち、近位!///肩当たってる、燈さんを感じる!///あぁ、好き好き好き♡)

瑠唯「それで、なんであなたがここに?しかもスーツで。」

燈「ましろのボディーガードだ。」

七深「ボディーガード?」

 

 言う度に妙だって思うな

 

 この俺が誰かを守るために動く

 

 今までじゃ考えられんな

 

透子「そー言えば、佐渡さんってなんでシロのボディーガードしてるんですか?そんな性格には見えないんですけど。」

燈「大切な女だからな。」

七深「!」

 

 俺がそう言うと猫ヘアピンが目を輝かせ

 

 そして、こっちに身を乗り出して来た

 

七深「そ、それって、2人は付き合ってるって事ですか!?///」

ましろ「!///」

燈「違う。友達だ。」

つくし(じゃあ、大切な女って言わない方がいいんじゃ......)

透子(シロ、めっちゃその気だし......)

 

 チビと猫ヘアピンとギャルに見られてる

 

 なんか、変なことでもあったのか?

 

 いや、ないな(自信満々)

 

瑠唯「プロを蹴ってまで買って出たボディーガード。それなりの覚悟はあるんですよね。」

燈「......俺はお前ら金持ちみたいに口だけな奴らが大嫌いなんだよ。やると言ったらやる。あんま舐めたこと言ってると殺すぞ。」

透子、つくし、七深「っ!!!(や、ヤバい......!)」

瑠唯「......」

 

 やっぱり、こいつだけは嫌いだ

 

 他の奴らはまだ、なんとか我慢できる

 

 だが、こいつだけはダメだ

 

瑠唯「変わったわね。あのひ弱な女の子が。」

燈「もう喋るな。」

瑠唯「!!」

つくし「あれ!?」

透子(あれ、朝の?)

 

 あいつ、一生喋れないようにしてやろうか

 

 いや、それはましろが困る

 

 休み時間が終わったら解けばいいや

 

瑠唯(ど、どういう事......逆らえない!?)

七深「随分、お金持ちを毛嫌いしてるんですね~。」

燈「ふんっ。」

ましろ「それが燈さんだから。」

 

 俺は弁当を食べ進めた

 

 美味いな

 

 最近はちゃんと飯食ってるけど、食の喜びを学んだ

 

 体重も若干だが増えてきてる

 

燈「ましろ。」

ましろ「はい!」

燈「美味い、弁当。」

ましろ「ありがとうございます!///」

つくし(嬉しそうだなー。)

七深(よかったね~。)

 

 美味い飯は良い

 

 パンと水だけで生活してる奴はバカだ

 

 人生の半分は損してる

 

ましろ「じゃ、じゃあ、ご褒美......///」

燈「ん?ご褒美?なんかほしいのか?」

ましろ「えっと、撫でて欲しいなって......///」

燈「あぁ、いいぞ。」

 

 弁当を食べ終わって

 

 俺はましろの頭を撫で始めた

 

 すごいサラサラしてる

 

 ナキ、レナ、ルルを撫でるのとはまた違うな

 

燈(何かを撫でてると落ち着くな~。)

 

 俺は休み時間中はましろを撫で続け

 

 ギャルたちに生暖かい視線を向けられた

__________________

 

 放課後、俺はましろを家に送り届けた

 

 まぁ、家にいるのが安心かと言われるとそうでもないが

 

 家にいた方がましろは安心できるだろ

 

燈「......?」

ましろ「あ、着きましたよ、燈さん!」

燈「あぁ、そうだな。」

 

 しばらく歩いて、ましろの家の前に着いた

 

 ましろは下から俺の顔を見上げ

 

 散歩中の飼い犬みたいに嬉しそうな顔をしてる

 

ましろ「また、屋根の上にいるんですか?」

燈「あぁ。」

ましろ「じ、じゃあ、お夕飯の時間になったら呼びますね!///」

燈「あぁ、助かる。」

ましろ「それでは、また!///」

 

 ましろは駆け足で家に入って行った

 

 そして、俺はジャンプして屋根に飛び乗り

 

 集中を解いた

 

燈「気付いてるぞ。ネズミ3匹。」

?「__気づいておられましたか。」

?「流石ですな。」

?「......」

 

 俺がそう言うと、3人のローブを着た奴らが飛んできた

 

 全員、俺よりも年上

 

 20代は超えてるはずだ

 

燈「名乗れ。」

アビー「アビー・ディアスと申します。」

ザック「私はザック・アンダーソンと申します。」

フレディ「......フレディ・アレン。」

燈(......やっぱ、全員外国から来たのか。)

 

 3人ともアビーは赤、ザックは茶、フレディは金

 

 それぞれ、特徴的な髪をしてる

 

 そして、全員、左右で目の色が違う

 

 つまり......超越者

 

燈「何の真似だ?ましろを付けまわしやがって。」

アビー「私達は超越者の平穏を守るもの。そのため、聖女とあなた様が必要なのです。」

燈「聖女だぁ?......って、ん?」

 

 聖女は多分ましろのことだ

 

 ただ、あなた様って、俺のことか?

 

 だって、ここには俺以外そう呼ばれそうな奴いないし

 

フレディ「そもそも、今回のストーカー行動はあなた様と聖女を接近させるために画策したのです。」

燈「はぁ!?何でそんな事してんだよ、暇なのか!?」

フレディ「......暇ではありません。」

燈「だよな!?平穏を守るとか言ってた気がするし!」

 

 こいつら、よく分かんねぇ

 

 いや、超越者にまともな奴がいないのは分かってる

 

 分かった、もうツッコミはなしだ

 

 してたら俺が疲れる

 

燈「なんで、俺とましろを近づけるために?お前らが攫っても変わんないだろ。」

アビー「あなた様だから意味があるのです。歴代最強の超越者のあなただからこそ。」

燈「......?」

 

 歴代最強?

 

 そんなの初めて聞いたわ

 

 あ、こいつらと会ったの今日が初めてだ

 

燈「で、結局お前らの目的は何なんだよ......」

ザック「私達の目的は聖女とあなたに子をなさせること。」

フレディ「......生まれる子は類を見ない化け物になる。そうすれば、僕たちは安泰。」

アビー「聖女と契りを結んでください。これから生まれてくる、子供たちのために。」

 

 ......よく分からん

 

 俺が最強でましろが聖女

 

 それで俺らが子供を作ったら超越者は嬉しい

 

 うーん、分からん

 

燈「......それを決めるのは俺じゃねぇだろ。」

ザック、アビー、フレディ「!」

燈「そもそも、あいつは可愛いし、相手なんて腐るほどいる。好きでもない相手とキスするのは嫌だろ。」

フレディ「......?」

ザック「ちょっと......?」

燈「?」

 

 ザックは俺に話しかけて来た

 

 なんだ?

 

ザック「えっと、あなた様はどのようにして子をなすのかをご存じでしょうか?」

燈「キスしたら低確率?で出来るって一ノ瀬が言ってた。」

アビー「!?」

 

 大分昔の事だが

 

 多分、そんな事言ってた気がする

 

 でも、なぜか3人とも驚いた顔をしてる

 

アビー(見た目以上に子供とは聞いてはいたが......それは重要じゃない......)

ザック(確か、あの金髪の女性が......いや、なにより......)

フレディ(......知識がない、のかな。いや、それより......)

 

 3人は俺をチラチラ見てくる

 

 なんだ?こいつら

 

アビー、ザック、フレディ(あそこまで愛されているのに、それに気づかないのか......!?)

燈(なんなんだ、こいつら?取り合えず、ぶっ飛ばした方がいいのか?)

 

 しばらく考え、俺がぶん殴りに行こうとすると、あの3人は俺を止めて

 

 それで、ストーカーはもうしないと言ってた

 

 そんなすぐやめるならするなよと思ったけど

 

 まぁ、やめるならいいか

 

 そう思った俺はましろにさっきあったことを報告して

 

 それから家に帰った

 

 ......人騒がせな奴らだ

 

 

 

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