朝、俺はいつも通り遅刻して学校に来た
大体、3時間目の休み時間くらいだな
燈(__あー、眠い......)
俺はかなりのけだるさを感じながら
ゆっくり教室に入った
燈「......?」
クラスメイト「......」
教室に入ると、何か異様な空気が流れていた
何故か、昨日までよりもじろじろ見られてる
また何かしたのか?
俺はそんな事を思いながら自分の席に座った
燈「......」
なんだこのむず痒い視線は
こんなの初めて感じる
この視線の方向は......
A男「お、おい!」
燈「......なんだ?」
俺が視線の出どころを探してると、
A男が話しかけて来た
なんだ、また何かの文句か?
A男「昨日はありがとうございました!!!」
燈「......ん?」
俺がそう考えてると
A男は突然、
地面に頭をめり込ませる勢いで土下座をした
すごいスムーズな動きで、
一瞬何が起きたか分からなかった
燈「......何やってるんだ?」
A男「感謝の意を表してます!兄貴!」
燈「は?兄貴?(俺にいつ兄弟が出来たんだ?)」
やばい、状況が呑み込めない
何がどうなってるんだ
って言うか......
燈「プライドってやつはどこにやったんだよ。」
A男「昨日の夜に捨てました!」
燈「なんでだよ!?」
A男「いや、ほんと白い悪魔さんには敵わないっす!すみませんでした!」
燈「えぇ......(困惑)」
いや、今までのあの態度どうしたんだよ
今までも嫌だけどこれはこれで嫌だわ
もう少しさ、こう、キャラを保てよ
A男「皆にはもう事情話してるんで、お勤め頑張ってください!」
c男「まさか、あの白い悪魔なんてなー。」
B男「そりゃ、3階から落ちても平気だわ。」
A女「てか、私ら殺されるんじゃ......?」
燈「......」
やばい、なんでこうなった
理由が全く分からない
てか、昨日って何かしたっけ?
有咲「__おい、佐渡。」
燈「な、なんだ?」
有咲「ヘルプだ。ついて来い。」
燈「あぁ、わかった(?)」
A男「行ってらっしゃい兄貴!」
燈「それやめろ。」
俺は市ヶ谷と一緒に教室を出た
そして、生徒会室に向かった
__________________
生徒会室に来ると、
水色と黒髪、後何故か戸山もいた
俺は椅子に座らされた
紗夜「__さて、あなた、昨日何かしましたか?」
燈「何もしてない。」
有咲「ほんとか?例えば、変な奴蹴り飛ばしたとかないか?」
燈「変な奴?」
変な奴......いたか?
うーん......
燈「......あっ。」
紗夜「思い出しましたか。」
燈「そうそう、なんか刃物持った奴いたから追い払ったんだ。」
思い出した思い出した
その時に確かA男もいたっけ
有咲「その追い払った奴が最近問題になってた犯罪者だったんだよ。」
燈「犯罪者?何のだ?」
紗夜「連続殺人犯、らしいです。」
燐子「それで、その、ターゲットが男性ばかりで......」
紗夜「所謂、同性愛者だったらしいです。」
燈「っ......!」
一瞬、背筋に寒気がした
蹴り入れといて正解だった
むしろ、殺しとくべきだったか
有咲「それで、その噂がA男から広まって、さっきの通りだ。」
香澄「すごいね!佐渡君!」
燈「なんでそうなるんだ。」
俺はタダ気に入らない奴をぶん殴っただけだ
あいつらが嫌いそうな行動だろ
やべぇ、人間が理解出来ねぇ
有咲「よかったじゃねぇか。慈善活動成功って事で。」
香澄「佐渡君頑張ってたもんねー!」
燈「もうそれでいい......」
これで元の生活(?)に戻れるわけだ
俺がどうのこうの言うのは間違いだ
今に適応しよう、そうしよう
紗夜「まぁ、それはそれとして......」
燈「?」
紗夜「なんですか!その制服の着方は!」
水色はそう怒鳴ってきた
毎日毎日、同じことを怒鳴って
忙しいやつなんだな
紗夜「って、指輪まで!アクセサリーは禁止です!」
燈「!」
水色がそう言いながら、
俺の手に手を伸ばして来た
俺は咄嗟に自分の手を庇った
燈「触るなっ!!」
紗夜「!」
香澄「ど、どうしたの!?」
燈「......これに触るな。」
燐子、紗夜、有咲「っ!!」
俺は右手を庇い、水色を睨んだ
水色は少したじろいだ
有咲(な、なんだ、この雰囲気。)
紗夜(まるで、猛獣の前にいるみたいです......!)
燐子(こ、怖い......)
香澄「さ、佐渡君!ストップ!」
燈「っ......!」
俺は戸山の声で正気に戻った
やべっ、やっちまった
俺は大きく深呼吸をし
心を落ち着けた
燈「......悪い。」
燐子「い、いえ......」
紗夜(な、なんだったの?)
有咲「それ、大事なものなのか?」
燈「......あぁ。」
俺は深くうなずいた
すると、市ヶ谷は少しため息をついた
有咲「じゃあ、バレないようにしろよ?」
紗夜「市ヶ谷さん?」
有咲「どうせ、こいつは言うこと聞かないですよ。あれ見てたら分かるでしょう。」
紗夜「......はい。」
市ヶ谷の言葉に、
水色は小さく返事をした
市ヶ谷は俺の方を向いてきた
有咲「それにしても、小指に指輪って珍しいな?」
燈「まぁ......色々あるんだ。」
香澄「それ綺麗だねー!女の子が付けるやつ見たい!」
燐子「確かに......」
紗夜「かなり古いものですね。」
4人は俺の指輪を凝視してる
何かむず痒い感じがする
まぁ、取られないならいいか
有咲「あ、そろそろ授業だな。行くか。」
香澄「はーい!」
燈「俺は屋上で寝る__」
有咲「バカ、授業受けろ。」
香澄「そーだよー!」
燈「おい!」
俺は市ヶ谷と戸山の2人がかりで
教室まで引っ張られた
__________________
A男「__おかえりなさいっす、兄貴!」
教室に戻って来ると、
A男が駆け寄って頭を下げて来た
昨日から別人になってるんじゃないか?
なんだっけ、ドッペル何とかってやつ
燈「......それやめろ。」
A男「すみません!無理です!」
有咲(う、うわぁ、気持ちわりぃ。佐渡の気持ちもわかる。)
香澄「すっごく仲良しになったんだね!」
燈「いや、違うだろ__」
A男「おう!俺は佐渡さんの舎弟だからな!」
燈「いや待て、なんだそれ。」
こいつ段々と話をややこしくしてるぞ
てか、態度急変しすぎてキモイ
一回気絶させるか
俺は後ろで拳を握りしめた
有咲「......やめとけよ、佐渡。気持ちわかるけど。」
燈「......ちっ。」
A男「これからは何でも言ってください!」
燈「いや、俺は何一つ認めてねぇよ。てか、俺は基本一人が好きなんだよ。」
なんかもう疲れて来た
マジでこいつキャラ保てよ
お前はあれだろ、ずっと俺の事嫌って、
なんかしてくるみたいなキャラだろ
それがなんでこうなった
A男「なるほど、白い悪魔は一人でも十分だと......」
燈「てか、それで呼ぶのやめろ。嫌いなんだよそれ。」
A男「分かりました。俺、認められるように頑張ります!白い悪魔に!」
燈「分かった。お前わざとしてるな?実はまだ俺の事恨んでるな?」
A男「いえいえ!滅相もないっすよ!」
ここまで信用ならないのもすごいな
そりゃ、昨日までキレてたやつだからな?
有咲「嫌われても嫌われてなくても大変だな。」
香澄「え?仲良しの方がいいに決まってるよ!」
燈「これが仲良しに見えてるならお前は自分の心配しろや。」
A男「お腹すいてないっすか!焼きそばパン買って来ましょうか!」
燈「うるせぇ!俺は焼きそばパン嫌いなんだよ!」
A男「すいません!」
こんな感じに、
学校中で嫌われると言う状況は無くなった
色々と言いたいことはあるが
とりあえず......
燈(これ、嫌われてる方がましだった......)
俺はただただそう思った
そして、俺は大きくため息をついた
A男「ど、どうしましたか!兄貴!」
燈「だからお前黙れ!!」
ほんとに、俺はこれからどうなるんだろう......
まだ一か月も学校にいないのに
俺は大きな不安を感じた......