金色のガッシュ!! ~ゼオンの奮闘~   作:友希那

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 総合評価が爆上がりしていて驚きました。
 評価ポイントって何で決まるんでしょうか……( ˙꒳˙ )???


第10話 ~ゼオンの結論~

 そこからはかなり大変な目に遭った。

 

 ~水の間~

 

 「あら、道が水没してるわ! 任せなさい、ココは水の術を操る私の出番よ!」

 「おい、まさか――やめろ!」

 

 出しゃばったパティのしようとしたことは、なぜか簡単に読めてしまった。そうだ、前もこんなことが……確か、学校に潜入している時、

 

 「アクル!」

 「「「「やっぱりいいいいいい!!」」」」

 

 何を思ったのか、パティは水没している道に向かってアクルを放ち、水没した部分を氾濫させた。

 

 ~炎の間~

 

 「メルメル、メルメルメル~!」

 「……ウヌウ、ゼオン! ウマゴンが、『炎なら僕の出番だ!』と言っておるのだ!」

 「いつから通訳になったのよあんたは……」

 

 狭い通路を塞いでいるのは、燃え盛る巨大な炎だった。

 というか、さっきの水の間でウマゴンが出て、炎で水を蒸発させればよかったんじゃないか……なんてことは、今更気づいても遅いのである。

 

 「おい待て、今パティが術で――」

 「メルメルメ!」

 

 あ――と思ったが、時すでに遅し。

 

 ウマゴンの『ディオエムル・シュドルク』により、その場は豪炎に包まれた。

 

 ~針の間~

 

 「ウワアアアアアア!」

 「メルメルメルメルメル!」

 「ヌアアアアアア!」

 

 オレ達は、狭い通路を固まって走り抜けていた。

 理由は簡単。それは……

 

 「ちょっ、誰か何とか出来ないの、この針!」

 「ウヌ、念の為やってみるのだ……ヌアア!?」

 「ダメだよティオ、呪文を唱えてる間に刺されちゃう!」

 

 天井から、床から、壁から……様々な場所から鋭い針が飛び出してくるのだ。

 ぶっちゃけ、オレはマントで体を覆えるので無事だ。ガッシュもそうすればいいのだろうが、必死すぎてその考えに至っていないらしい。

 

 「ミモザ、どうやってこんな所突破したのよー!」

 「わ、私が通った時にはこんな罠なかったの!」

 

 

 

 言い合いながらも、必死で走り――遂に、通路を抜けきった。

 

 「はぁ……はぁ……」

 「つ、着いたわね……」

 「ココが……財宝の、在り処……?」

 

 そこに広がっていた光景は――オレ達がさっきまでいた大広間に似た部屋だった。

 しかし、違うところがいくつもある。奥に道がなく、余計な家具(崩れかけた机や椅子、壺など)が全くなくてヤケにスッキリしていた。

 

 そして、奥に道はなくても――不思議な壁があった。

 

 「ミモザ、男達がココで財宝の話をしていたのだな?」

 「うん、そうなんだけど……そんなの、どこにもないよね……」

 

 ミモザは不安げに周囲を見回している。

 

 その表情は、いかにも不安を感じているかのようで……オレだって、自分が出した"答え"が信じられなかった。

 だが、確かにミモザは"そう"言ったのだ。それに間違いはない。

 

 脳内でミモザの言葉を反芻し――オレは思い切って問いかける。

 

 「ミモザ――お前、何か隠しているな?」

 

 「えっ……」

 

 オレの言葉に、ミモザは小さく呟いて目を見開き、ガッシュ達は反応すら出来ずに口をOの字に開いて暫くの間呆然と立ち尽くしていた。

 

 「な――何言ってるんだい、ゼオン! ミモザが一体、何を隠してるって……」

 「そ、そうだよ! 私は何も……!」

 

 最初に口を開いたのはキャンチョメで、焦りながらミモザを擁護する。そして、その言葉にミモザも同調し、反論した。

 ……だが、無駄だ。

 

 オレはあの時、確かに聞いた――コイツの言葉の"矛盾"を。

 

 「誤魔化しても無駄だ……オレは確かに聞いた。お前は最初、『男達がこの部屋で財宝を漁っていたから、ハンターだと思った』と言っていた。だが、この部屋に来る直前にオレが質問すると、お前はこう言ったんだ。『財宝なんてなかったのに、男達が財宝の話をしていたから、ハンターだと思った』と……この主張の矛盾はなんだ?」

 「……っ、そ、それは、ただ……言い間違えて……」

 

 ミモザは最初こそ言い訳をしようとしていたものの、途中からオレの眼光に萎縮したらしく、声が尻すぼみになっていった。

 

 「更に、お前はガッシュに名前を聞いていないのに、ガッシュの名前を知っていた。ということは、ガッシュが王だと分かっていたハズだ。そしてその前に、お前はオレに名前を聞いてきた。

 

  それは納得がいく、ガッシュの存在を知っていても、オレの存在を知らない者もまあいるだろうしな。だが――ならなぜ、ガッシュに敬称をつけん? それに、オレとガッシュが双子だと知っても、動揺ひとつしなかったんだ?

 

 ここから考えられることは、ただひとつ。お前が最初はガッシュやオレのことを知らないフリをしようとしていたが、緊張か何かで自分の演技を矛盾させてしまった……違うか? ミモザ」

 

 「「「……」」」

 

 ガッシュ達は、ただ静かにオレの話を聞いていた。

 そして、ミモザは――

 

 

 

 

 「あはっ――あは、あははははは!! スゴい、流石は雷帝! 私の演技の僅かな綻びを見つけて、あっという間にほどいちゃうなんて!」

 

 今までの天然で明るい性格はどこへやら、高笑いを響かせて不敵な笑みを浮かべた。

 これが、本当のコイツか……。

 

 「そ、そんな……ミモザが、私達を騙してたなんて……」

 「嘘でしょ……?」

 「メル……」

 「でも、そう言われれば確かに思うところはあるよ……僕も、よく考えてみたら、ミモザの行動は怪しいと思ったし……」

 「ヌウ……ミモザ!! ゼオンの言っていることは……本当なのか!?」

 

 ガッシュは、過ごした時間は短いながらも、ミモザの明るい人柄を良く思っていたらしい。必死さの滲む声でミモザに呼びかけて、

 

 「うん、本当だよ。天然を装うために、王様のこと知らないフリしてたの。ゴメンね?」

 

 バッサリと切って捨てられた。

 

 「そんな……ミモザ……お主は……」

 「あ、でも、アイドルってのは本当。そこだけは信じてね♪」

 

 いかにもアイドルらしい、愛らしい笑みを浮かべるミモザ。

 だが、その笑みはなぜか氷のような冷たさを秘めていた。

 

 「なら、どうしてそこまでして私達を騙してたの!? 理由がないじゃない、理由が!」

 

 流石だな……。

 パティはさっきまで仲間だったというのに、ミモザに対する情などもっていないらしい。厳しい声でミモザににじり寄る。

 

 「そうだなあ……もうアンタら"用済み"だし、全部話そっかな。私さあ、――ハンターなんだよね。今回は、この遺跡にお宝盗りに来てて、あの壁……あそこにある宝を盗りたかったのね」

 

 ミモザは奥にある不思議な模様が描かれた壁を指し、続ける。

 

 「だけど、古代のロックが施されてたみたいでさ。解除に時間食ってたら、アマチュアハンターの男二人が来て。面倒だな、殺そうかな~って思った時に、強い魔力二つ感知したの。それが王様達よ、ガッシュとゼオン。それで、他にも魔力があったから、そいつらの助けを借りればいいかって思って……演技して、あんたらに取り入ったって訳よ」

 

 でも、もう"用済み"だから。

 

 ミモザは再び愛らしい笑みを浮かべ、手を銃の形にしてオレ達に向ける。

 

 「あのロック、よく考えたら単純な仕組みだし……私の秘密を知ったからには、消えてもらうよ!」

 

 術が来るか、と思って身構えるも、違った。

 ミモザは術を放たずに、地を蹴ってオレ達との距離を瞬時に詰める。

 ――疾い!?

 

 「はあああっ!!」

 

 ミモザの蹴りが飛んできたので、ギリギリでかわして地面に倒れ込む。しかしそのままの体勢だと追撃が来る可能性が高いので、咄嗟に背後に跳んだ。

 

 それにしても、コイツの身体能力……。

 もしかしたら、オレと互角……かもしれない。

 

 「ティオ、必要があれば術で防御しろ! 怪我人がでたら回復を頼む!」

 「え、は、ハイ!」

 「パティ、ウマゴン、ガッシュ! オレ達は戦うぞ。気を抜くな、全力でいい。この女――強い」

 「ウヌ!」

 「分かったわ!」

 「メル!」

 

 ミモザのさっきの常人離れした動きを見たからか、ガッシュ達は思ったよりすんなりと臨戦態勢に入ってくれた。

 そして、

 

 「キャンチョメ……お前は、危険を感じたら"強い呪文"を使え。いいな?」

 「え……いいのかい?」

 「この女の動きを見ていなかったのか? 出し惜しみしていると負けるぞ」

 「わ、分かったよ……」

 

 「あはは、無駄口叩いてる暇あるの!?」

 

 刹那、背後に強い殺気を感じた。

 それを感じた瞬間に、オレはマントで自身を防御する。直後、背中に強い衝撃が走った。

 

 恐らく、ミモザが蹴るか殴るかしたのだろう――というか、たったそれだけでこれだけの衝撃……しかも、マントで防御したのにだ。

 

 「ザケルガ!!」

 

 ガッシュの放ったザケルガは、ミモザに向かって一直線に伸びていき、――標的を見失って壁にぶつかった。

 

 「な……」

 「遅いのよ……!」

 

 ガッシュの背後に回っていたミモザが、背後からガッシュに蹴りを入れた。が、ガッシュは直前で振り向いて、ミモザの脚を受け止める。

 

 「ヌ……ヌオオオオ……!!」

 「く……流石は王様ね、結構力あるじゃない!」

 

 チャンスがあるなら――今だ!

 

 「ティオ!!」

 「ええ――ギガ・ラ・セウシル!」

 

 ティオの張った『内側からの攻撃を跳ね返す』シールドは、組み合っているガッシュとミモザを包み込んで緑色に輝いた。

 

 「チェックメイトだ、テオザケル!!」

 

 オレの青白い雷は、ギガ・ラ・セウシルに向かって放たれ、

 

 「今ね!」

 

 ぶつかる直前でティオがギガ・ラ・セウシルを消し、ガッシュはミモザと組み合ったまま自分の体のみをマントで包み込む。

 コレで、テオザケルはミモザに直撃――

 

 「あーーーもう、カットカット! ダメじゃないか、術の直撃なんて……」

 

 「「「「は?」」」」

 

 する前に、消滅してしまった。

 なぜかと言うと、ミモザに術が直撃する直前、キャンチョメが『ミリアラル・ポルク』を唱えたからだ。

 

 そして、何者かの声が聞こえると同時に、遺跡の雰囲気に似つかわしくない、人工的な光が部屋の中を照らし出す――

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