「私ね……実は、術が使えないの。
生まれつきの病気らしいわ。しかも、今までに無い症例。身体の中の魔力回路が壊死してて、魔力を体内で生産・循環・貯蔵・放出することができないんだって。
でも、その代わりかな……私の身体能力は、生まれつき異常に高かったの。それこそ、三歳の時点で、大人の魔物をパンチ一発でダウンさせられるくらいにね。
そしてその結果、私は両親に捨てられた。私の力の大きさに恐怖したんだと思う。
それからは、自身の身体能力をフルに使って生きたわ。食糧は自前で調達したり、盗んだり……本当に大変な日々だった。
そして十六歳になって、魔界の王がガッシュに決まったすぐあと、人間界の文化を取り入れる企画が立てられたの。その企画のプロデューサーに偶然スカウトされた私は、五人組アイドルバンドグループ"フローラ★エナジー"、略してフロエナのボーカルを担当することになったのよ……。
その過程で、ドッキリ番組を撮ることになってね。どんなドッキリがいいかなってプロデューサーと話してたら、丁度海で貴方達――失礼、王様達が遊んでるのが見えたから、そうだアレに仕掛けようって。
だから、あの男達も当然仕込みの人だし、私が王様達を殺そうとしてるって言うのも真っ赤な嘘。ドッキリなの。
――巻き込んじゃって、ホントーにごめんなさい!」
そう一息で言い切ると、桃色のツインテヘッドが勢い良く頭を下げた。
ココは、魔界に唯一"試験段階で"建築されたテレビ局である。あの後、テレビ局のスタッフやら機材やらがどんどん入ってきて、オレ達はあれよあれよという間にテレビ局に連れてこられたのだ。ちなみに言うと、あの遺跡はただの撮影のセットだった。
「はぁ……私達は知らない間に踊らされてたってわけね……」
「あのう……本当に、ごめんなさい……」
すっかりおかんむりな水使いに、ミモザはさっきまでの鋭い殺気が嘘のようにペコペコ平謝りしている。
……天然のこっちが本性で、さっきの戦闘の時が演技か。
ただのアイドル、しかもほとんど付け焼き刃のようなミモザの演技にしては凄かった。鍛えればもっと伸びるんじゃないだろうか、ということは本人の前では絶対に口にしたくない。
ちなみに、この部屋……社長室の隅では、
「王様、本当にごめんなさい……! 私共は、ミモザの判断に任せただけで、王様だとは気づかず……いえ、それは言い訳。我が社の者が大変な無礼を働いてしまい、申し訳ございません……」
「ウヌ、そんなに謝らなくてもよいのだ! 私も、少しハラハラしたが、意外と楽しかったからのう!」
「いえ、しかし……!」
撮影スタッフがガッシュに土下座して謝罪の言葉を述べていた。
それにしても……テレビ局はなんとなく胡散臭いと思っていたが、案外いい所なんじゃないか?
と言っても、まだテレビをのんびり見る気にはならんがな。
また、今回の一件で、なぜかミモザとこんな約束をしてしまった。
「今度、私達のライブ見に来てね! 絶対にだよ!」
「ええ、見に行くわ! 恵のコンサートとどっちが上か、査定してあげる!」
「ウン、僕もフォルゴレのコンサートとどっちが上か、査定するよ!」
「メルメルメ~!」
こうして、オレ達の奇妙な遺跡探索は、こんな形で幕を閉じたのだった。
今回に関しては、本当にごめんなさい(´;ω;`)
綺麗な終わらせ方が出来ませんでした……。
でも、次は! 次こそは必ず、綺麗に終わってみせます!
……あ、ちなみに、感想欄で『ゼオンには、ガッシュのようなハーレムは出来ないのか』という質問があったので(なんか質問盛ってます、ハイ)、次の章は恋愛絡みでいこうと思っています!
ということで、今後ともよろしくお願いします!